エレクトラ

12/10/97 STAATSOPER
リヒャルト・シュトラウス
楽劇「エレクトラ」
作曲 : Richard Strauss
指揮 : Simone Young
演出 : Harry Lupfer
クリテムネストラ : Marjana Lipovsek
エレクトラ : Deborah Polaski
クリソテムス : Inga Nielsen
エギスト : Kurt Schreibmayer
オレスト : Franz Grundheber

3日目ともなると歌劇場へ向かうのも慣れてきてカメラも置いてきて身軽になって出発します(実はカメラを置いてきて後悔することになるのですが).例によって早めに出発して歌劇場近くの日本料理店で早めの夕食を取ってから歌劇場に入ります.料理と一緒に持ってきてもらったお茶代がしっかり請求されていたので思い切りチップをケチってしまいましたが(^_^;)

今日の歌劇場の中は一昨日来たときと違って,銃を持った警官がたくさんいます.ひょっとするとだれかVIPでも来ているのかもしれません.とりあえず身に覚えはないということで,警官などは気にせずに,壁に貼ってあるポスターで今日の出演者をチェックすることにしました.指揮者がシモーヌ・ヤング.最近NHK交響楽団を指揮したりと日本でも有名な指揮者ですが,まだ実演を聞いたことはありませんのでこれは楽しみ.一番上に書かれていいるクリテムネストラを機械的に飛ばしてエレクトラの所の名前を見ると・・・デボラ・ポラスキ(^o^)v・・・事前にこういったことを調べていかない私はすっかりこの場で興奮してしまいました(^^) 2週間前にNHKホールでポラスキのブリュンヒルデを聞いていて素晴らしかったので,楽しみ楽しみ(^^)(^^)(^^).

さて,今日はボックス席ではないのでクロークにコートを預けなければなりません.そこで歌劇場に入ったところで1階のクロークに預けてしまいました.時間が来て上に上がるとそこにもクロークがあります(^_^;) そうか本当はここに預けなければならなかったのか・・・(^_^;)

「エレクトラ」というオペラはこれまであまり縁が無くて,ウィーンに旅立つ少し前にLDを買って予習した程度でした.正直なところあまり面白いオペラではないというのが今日歌劇場に入るまでに持っていた感想です.それが終わってみるとこうも変わっているとは・・・.これだからオペラは面白い(^^)

かくして国立歌劇場での公演はどちらもリヒャルト・シュトラウスのヘビーな作品となりました.ヤングの指揮するオーケストラの音は鋭利な刃物で空気を切り裂くような迫力で迫ってきます.表現力にやや欠けるとの評もありますが,多いにお気に入りの指揮者になってしまいました.将来楽しみな識者です.

さて,舞台はクプファーの演出らしく非常にシンプルです.一見してそれとわかる巨大なアガメムノンの壊れた像(脚の部分しか舞台に入らない).過去の栄光,エレクトラの現在おかれた状況が一目で理解できます.舞台上にはセットは最期までこの巨大な像だけ.それでいて過不足無く必要な舞台を用意するところはクプファーならではです.肝心のポラスキは先にも書きましたが2週間前にNHKホールでブリュンヒルデを聴いたばかり.ここでも期待通りよく通る芯のあるすばらしい歌声を聴く事が出来ました.最初からあんなに飛ばして大丈夫なんだろうかという心配をよそに,クライマックスに向けてどんどん調子を上げていきました.「薔薇の騎士」のときはどちらかというと雰囲気に圧倒されていたというところがありましたが,今回はポラスキの歌声に圧倒されっぱなしでした.少なくとも現在聞くことの出来る最高のソプラノの一人であることを再認識しました.過去はどんなすばらしい歌手がいたかは確かに重要でしょうが,歌手の生命の短いことを考えると今が旬の歌手の最も良い時期を聴けるということは最高の幸せだと実感しました.その後評価が固まったとしても旬を過ぎてしま ってはもったいないことです.

スタンディングオベーション・・・心の底から立ち上がって奏者に対して拍手をしたいと思ったのはこれが初めての経験です.カーテンコールが繰り返され,もうオーケストラも引き上げてしまってからも拍手は鳴り止まず何度も一人ポラスキが舞台に現れていました.

こうなると実際に会いに行かない手は無い...(^^)

歌劇場を出るとまず周りを一回りして楽屋口を探します.楽屋口らしき所を見つけそばにいた人に確認してから通路に入って歌手が出てくるのを待つことにします.そうこうしている間にサイン待ちの行列はどんどん長くなり,どうせすることもないので隣の人とおしゃべりをして時間をつぶしました.話題はやはりポラスキで,私が東京でポラスキのブリュンヒルデを聞いたときのキャストとかを話していたら周りの人たちが「それだけの豪華なキャストはここでもそうは見れない」とうらやましがっていました.そういうものなのかな?

とりあえず次々に出てくる歌手にみんなでよってたかってサインをもらいました.みんな慣れているもので専用のサイン帳を持っていたり,目当ての歌手のプロマイドを用意してきています.舞台でのメイクした顔しか見たことが無いために普通の顔になると誰が誰だかわからない(^^;) それでももらったサインと名前を見比べて「このひとだったのか・・・」と一人納得していました.花束を持って現れたヤングはわざわざ握手までしてくれました(^o^)v

最後の最後になりポラスキの登場.通路にたくさんいるファンにやや驚いたような顔をしていましたが,通路脇の机に座り,一人一人サインに応じてくれました.このときにたくさん写真を撮っていた人がいて,カメラを持ってこなかったことを後悔しました.それでも「2週間前に東京で見たブリュンヒルデはすばらしかったです」といったら嬉しそうにしていました(^^) サンフランシスコ・マリオット・ホテルのボールペンを差し出してサインをお願いしたのでペンを眺めて苦笑いをしていましたが(^^;)

というわけで,帰りはほとんどスキップに近い状態でホテルへと帰っていきました(⌒_⌒)

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