薔薇の騎士

12/8/97 STAATSOPER
リヒャルト・シュトラウス
楽劇「薔薇の騎士」
作曲 : Richard Strauss
指揮 : Stefan Soltesz
演出 : Otto Schenk
マルシャリン : Felicity Lott
オックス男爵 : Gunter Missenhardt
オクタヴィアン : Ann Murray
フォン・ファニナル : Gottfried Hornik
ゾフィー : Anat Efraty

いよいよウィーンでの最初のオペラです.曲目はリヒャルト・シュトラウス作曲の楽劇「薔薇の騎士」.演奏時間が長いために翌日からのオペラと違って夕方の5時半からの開演です.早めに市内観光からホテルに戻って十分休息を取ってからスーツに着替えて,やや早足で国立歌劇場へと向かいました.

初めて国立歌劇場に足を踏み入れる・・・というだけでともかく感激です.劇場連盟前売り案内所で受け取ったチケットの座席を確認して係りの人に教えてもらいながら座席に向かいます.ちなみに私の今日の席は

国立歌劇場内

2. RANG LOGE LINKS Loge-7 Platz-1

ドイツ語でかかれているのですぐにぴんときませんでしたが,右の写真の一番上のボックス席の左から7番目.これは向かい側の席なので,これの反対側になります.案内されてこのボックスに入ったときの気持ちは感激とか感動とか簡単な言葉では言い表せないような,深い,静かなそして新鮮な満足感でした.そんなに良い席ではありませんがこの席に座れるだけでもウィーンまで来たかいがあるというものです(^o^)

ボックス席の場合はコートをクロークに預ける必要がなく,コート掛けや傘立てなどがあらかじめ備え付けられています.鏡もありました.プログラムは座席まで案内してもらったあとに,その人から買いました.意外にも日本語の解説までついていたので時間までのんびりとこれで時間をつぶしました.あとは開演までわくわくしながら待っているだけです.隣のボックスからも日本語の若い女性の声で先に私が感じたのを同じような感想を口にしているのが聞こえました.(隣のボックスは結構高いぞ).

指揮者が現れたと思うとその瞬間に始まります.前奏が少し鳴り響いただけで身震いするような,なんとも言えない感覚を覚えます.これがウィーンの音なのかと思ったときにはすべてを忘れてオペラの世界の中に入ってしまっていました.

幕が上がると華やかなウィーンの宮殿の一室(寝室)が現れます.高価な天蓋つき別途の中にオクタヴィアンとマルシャリンが仲良く並んで寝ています(^_^;) ふと気がついたのが,このとき二人は天蓋のカーテンの開いている皮に頭を向けて寝ています.てっきりこの手のベッドは頭を奥に向けて寝るものだと思っていたのでちょっとした発見です.(実はこの先に小間使い(性格には女装したオクタヴィアン)がベッドを直すシーンがあるのですが,このとき布団を手前に戻してまくらを奥に並べていました.つまりはこの二人はただ普通に寝ていたのではないというわけです・・・)

日頃からCDで聴いていて曲もストーリーもよく知っているつもりでしたが,実際に舞台を前にするとその感じ方はぜんぜん違いました.ともかく曲もストーリーもCDで聴くのと違って面白い.人物が生き生きしていて,細部まで考え尽くされた演出が「あ,あんなところであんなことをしている」といった直接の流れと関係ないところで,当たり前の日常を行っていたりして大変に面白いです.されはさておき,いつもいい曲だなぁ・・・と何気に聞いていた音楽は,実は「薔薇の騎士」のたわいもないストーリーにたしてもったいないくらいに立派で,このミスマッチがこの「薔薇の騎士」特有の滑稽さを生み出しているようです.

主役の二人の演技がうまくて,歌唱力もなかなかのもので(最近の歌手の動向に疎いもので・・・)大変落ち着いて鑑賞することができました.まぁ欲を言えば切りは無いし,特に予習をせず先入観を持たないようにしていたので新鮮さを失わずに聞くことができました.

雰囲気に酔いしれていたというのが今晩の正直な感想ですが,2幕の薔薇の騎士の登場の場面などでは,感動と興奮ですっかり頭が真っ白になっていたような気もします.酔っていたというよりは飲み込まれていたのかもしれません.

マリア・テレジア時代の華やかなウィーンを窺い知れる豪華な古典演出で非常に楽しく鑑賞することができました.ついでに大いに笑わせてもらいました.

しかし,これだけのオペラを毎日公演しているのだからウィーンという街はすごいところです.

幕間のひととき

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