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13.歌舞伎町セブン−歌舞伎町セブンNo.1− 14.感染遊戯−姫川玲子シリーズNo.5・番外編− 15.レイジ 16.ドルチェ−恋愛捜査(魚住久江)シリーズNo.1− 17.あなたの本 18.あなたが愛した記憶 19.幸せの条件 20.ブルーマーダー−姫川玲子シリーズNo.6− |
【作家歴】、妖の華、吉原暗黒譚、ジウT、ジウU、ジウV、ストロベリーナイト、ソウルケイジ、シンメトリー、武士道シックスティーン、武士道セブンティーン、武士道エイティーン |
ドンナビアンカ、増山超能力師事務所、Qrosの女、ケモノの城、歌舞伎町ダムド 、インデックス、武士道ジェネレーション、硝子の太陽N、硝子の太陽R、増山超能力師大戦争 |
ノーマンズランド、あの夏二人のルカ、ボーダレス、歌舞伎町ゲノム、背中の蜘蛛、妖の掟、もう聞こえない、オムニバス、フェイクフィクション、アクトレス |
妖の絆、ジウX、マリスアングル、首木の民 |
●「インビジブルレイン Invisible Rain」● ★☆ |
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2012年07月
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“姫川玲子”シリーズ、第4弾、長篇。 ちょうどこのシリーズと柴田よしき“RIKO”シリーズを並行するように読んだので、同じ強行犯担当の女性警部補としてつい比較してしまわざる得ません。まして今回は、「月神の浅き夢」の直後に本書を読んだものですから。 まず雰囲気からして違います。それは村上緑子と姫川玲子というキャラクターの違いからくるものでもあります。 本ストーリィの鍵は、捜査陣に上部から制限、圧力がかけられること。何故に捜査に制限がかけられるのか。飛躍的発想と行動が持ち味である姫川玲子の面目躍如、というべき舞台設定です。 |
13. | |
●「歌舞伎町セブン」● ★☆ |
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2013年09月
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「ジウ」の歌舞伎町封鎖事件から6年後の歌舞伎町が舞台。 「ジウ」の内容が余りに凄絶だったためか、本書ストーリィにそれ程の衝撃はもう受けませんが、“歌舞伎町セブン”の正体についてはそう来たか、と少々驚き。 |
14. | |
●「感染遊戯 Infection Game」● ★☆ |
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2013年11月
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“姫川玲子”シリーズ・番外編となる連作短篇集。 ・「感染遊戯」には、姫川玲子に対しやたら攻撃的な警部補=ガンテツこと勝俣健作が登場。勝俣が、姫川に15年前に起きた殺人事件を語って聞かせます。 各事件にはある共通する要素があります。そこから本作品が伝えるメッセージ、警告の意味は、冒頭の篇にて勝俣が姫川に語るという形で明らかにされています。 作品としては、上記メッセージに重きが置かれているためか、本シリーズの魅力であるサスペンスとしての緊迫感は欠けていて、ちと物足りず。 感染遊戯−インフェクションゲイム/連鎖誘導−チェイントラップ/沈黙怨嗟−サイレントマーダー/推定有罪−プロバブリィギルティ |
15. | |
●「レイジ RAGE」● ★★☆ |
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2014年03月
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“武士道シリーズ”が剣道女子を主人公にしたスポーツ系青春小説であったところから一転、本書「レイジ」は音楽バンドに情熱を傾けた音楽男子系青春小説。 中学最後の文化祭、春日航(ワタル)はドラマの川嶋均、ギターの谷垣友哉、ヴォーカルの三田村礼二と組んでハードロックのコピーバンドを結成、文化祭で好評を勝ち取ります。ところが、ワタルがさぁこれからと思っていたところ、唐突に礼二がバンドを脱退してしまう。 同じ青春小説と言っても、“武士道シリーズ”と趣向は大きく異なります。何より時間軸が違う。 そのうえ、登場人物たちが音楽、バンドについて語る部分が実に熱い。 |
16. | |
●「ドルチェ DOLCE」● ★★ |
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2014年06月 2020年05月
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誉田さんの刑事もの新シリーズの主人公は、所轄署勤務の女性刑事=魚住久江、42歳独身、喫煙者。 “姫川玲子”シリーズは驚愕すべき凶悪な事件がミソでしたが、本シリーズは主人公が所轄署勤務ということもあって、地味な事件が主体。譬えて言うなら、時代もの捕り物帳で市井もの、というところでしょうか。北原亞以子“慶次郎縁側日記”が思い浮かびます。 表面的な事件説明を聞く度、魚住久江は嫌な予感を覚える。そこから思いがけなかった人間ドラマが明らかになっていく、という展開。 読み始めた当初はそれ程面白みは感じなかったのですが、読み進むにつれてこの女性刑事の、中々捨て難い味が感じ取れるようになります。 袋の金魚/ドルチェ/バスストップ/誰かのために/ブルードパラサイト/愛したのが百年目 |
17. | |
●「あなたの本」● ★☆ |
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2022年08月
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予想外の結末、しかも驚くべき。でもどこかコミカル。本書はそんな短篇集です。 最初の3篇はかなりブラック要素を含んだストーリィ。でも私は冒頭の「帰省」、好きですねぇ。 7篇のいずれもバラエティに富んだ趣向のストーリィばかり。気分転換、あるいは息を抜きたい時に読むのに格好の一冊です。 帰省/贖罪の地/天使のレシート/あなたの本/見守ることしかできなくて/最後の街/交番勤務の宇宙人 |
18. | |
●「あなたが愛した記憶」● ★☆ |
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2015年12月
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幼児を絞殺して勾留されている主人公、曽根崎栄治。彼を知る誰もが信じられないという中、彼にいったい何があったのか。 「ストロベリー・ナイト」のような残虐事件を追うサスペンスかと思ったのですが、途中から全く異なった趣向の作品であることが明らかになります。 |
19. | |
●「幸せの条件」● ★☆ |
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2015年08月
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自分に存在価値が見い出せないでいる20代女子が、バイオエタノール燃料の原料となる米を栽培してもらうため農村へ。 主人公は瀬野梢恵、三流私大理学部卒。何とか中小企業の片山製作所に就職したものの、正直言って会社のお荷物になっているも同然の状況。そんな梢恵に社長が突然に命じたのは、試験製作中のエタノール燃料製造装置、その原料となる米を作ってくれる栽培農家を見つけて来い、契約できるまで帰って来なくていいから、というもの。 サスペンス小説の多い誉田さんにしては珍しいストーリィ。 ※片山社長のバイオエタノール発想の源は、石川英輔「大江戸神仙伝」。 |
20. | |
●「ブルーマーダー Blue Murder」● ★★ |
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2015年06月
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“姫川玲子”シリーズ、第6弾。 久々の姫川玲子シリーズ長篇作とあって、胸がワクワクする気分になります。殺害方法の異様さも本シリーズの特徴ですが、本シリーズの魅力は、姫川玲子が関わるやピリピリするような緊迫したスリル感にストーリィが満ちることにあります。久々に本シリーズに触れて、改めてその魅力を感じた次第。 本書は、姫川が再び本庁に返り咲くまでの、経過的ストーリィと思われます。その分事件への関与は少なくても、姫川玲子の心の底にあるもの、そして捜査官としての真骨頂を描き出しているという面があって、姫川玲子ファンには見逃せない一冊です。 |
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