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2.レベル7 3.龍は眠る 5.火車 6.とり残されて 7.淋しい狩人 9.蒲生邸事件 10.鳩笛草 11.クロスファイア |
ぼんくら、模倣犯、ドリームバスター、あかんべえ、誰か、日暮らし、孤宿の人、名もなき毒、楽園 |
おそろし、英雄の書、小暮写眞館、あんじゅう、ばんば憑き、おまえさん、ソロモンの偽証(第1〜3部)、桜ほうさら |
泣き童子、ペテロの葬列、荒神、悲嘆の門、過ぎ去りし王国の城、希望荘、三鬼、この世の春、あやかし草紙、昨日がなければ明日もない |
さよならの儀式、黒武御神火御殿、きたきた捕物帖、魂手形、子宝船、よって件のごとし、ぼんぼん彩句、青瓜不動、気の毒ばたらき |
●「魔術はささやく」● ★★ 日本推理サスペンス大賞 |
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1989年
1993/11/07 |
「火車」のような緊張感とスリルはなかったけれども、逆によくまとまっている作品と言えます。父親の失踪、菅野洋子の死、謎の電話等、“謎”がふんだんにあることがかえって、謎の大きさを小さくしてしまったような印象があります。まとまりの良さ、というのもその為でしょうか。 |
●「レベル7」● ★ |
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1990年
1993/11/28 |
文庫裏表紙の宣伝文句から期待するような面白さはありませんでした。 |
●「龍は眠る」● ★★★ 日本推理作家協会賞 |
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新潮文庫化 1993/11/28 |
読み応えある面白さ。 ※典型的な結婚・主婦という定石コースを宮部さんは嫌っているのかなぁ、と感じる部分があるのですが、実際はどうなのでしょう。 |
●「本所深川ふしぎ草紙」● ★☆ 吉川英治文学新人賞 |
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本所深川の七不思議を題材にした連作短編。各々ミステリー仕立てになっているのが宮部さんらしいところ。探偵役は、“回向院の茂七”という十手持ち。 |
●「火 車」● ★★★ 山本周五郎賞 |
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1998年02月 1993/11/07 |
初めて読んだ宮部作品です。1992年度ミステリー・ベストワン作品とのこと。一気呵成に読みました。 消費者金融→自己破産という、現代における社会問題をネタにしたこと、真相を探り、徐々に謎を解明していくというスリルと面白さの醍醐味を堪能させてくれたこと、犯人の女性像へのつきない興味、それが魅力でした。登場人物の掘り下げ不足に物足りない感じもあったのですが、それを十分補って余りあるストーリィ展開でした。 ※同じような失踪話を片岡義男(「道順は彼女に訊く」)さんが書くとまるで違ったストーリィになります。よかったら読み比べてみませんか。 |
●「とり残されて」● ★☆ |
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短篇集7作。「とり残されて」と「たった一人」が印象的。 |
●「淋しい狩人」● ☆ |
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連作短編。あまり面白くなかった。読み始めてすぐに読むのをやめようか、とさえ思いました。探偵役は、東京・荒川土手下の古本屋の老主人と孫の稔の二人。 |
●「震える岩−霊験お初捕物控−」● ★ |
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1993年 1993/12/21 |
赤穂浪士討入りの10年後の江戸を舞台にしたミステリー。捕物控と言いつつも、過去の怨霊と、それを迎え撃つ超能力者・お初との戦い、とは言えない、“遭遇”程度のストーリィ。 |
●「蒲生邸事件」● ★ |
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1996年10月 1999年1月 2000年10月
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主人公・尾崎孝史は、予備校受験のため都心の永田町にあるホテルに宿泊していましたが、ホテル火災に遭って逃げ場をふさがれてしまいます。その窮地に孝史を救ってくれたのは、なんと時間旅行者でした。その結果として、孝史は2・26事件が勃発した昭和11年にタイム・トリップしてしまいます。 歴史上大きな転換期となった大事件の最中に帝都に降り立った孝史は、蒲生陸軍大将の邸宅で殺人事件に巻き込まれることになります。というわけで、本書はタイム・トリップとミステリが混じり合った作品です。 ただ、面白みとしてはかなり物足りないです。2・26事件の最中という緊迫感は薄いし、謎解きもあまり大したものではない、また歴史を知らしめるという力の入ったものでもありません。さらに、主人公・孝史が、やたら蒲生邸のふきという若い女中にこだわるのも、納得感に欠けます。 ※なお、旧蒲生邸跡にたっているという上記平河町ホテルの大規模火災は、ホテル・ニュージャパンをモデルにしているもののようです。 |
●「鳩笛草」● ★☆ |
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2000年04月
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超能力を持つ3人の女性をそれぞれ主人公とした3篇を収録。 「朽ちてゆくまで」は、主人公・麻生智子が失った予知能力を取り戻すストーリィですし、「鳩笛草」は、主人公である女刑事・本田貴子がその透視能力を失っていくストーリィ。 それに対して「燔祭」=念力放火能力を持った主人公・青木淳子のストーリィは鮮烈。「龍は眠る」の主人公たちを思い出させられます。また、彼女が自らを指して言う、“装填された銃”という言葉のイメージも強烈! 「燔祭」が印象的である理由は、主人公の設定だけではなく、ストーリィ構成の見事さにもあります。彼女の能力を知る多田一樹の回想の中で、霧の中から現れるように淳子の姿が徐々に浮かび上がっていく展開は、幻想的でとても魅せられます。「火車」と似ているところがあります。「燔祭」と「クロスファイア」の青木淳子、果たしてどちらが魅力的なのでしょうか。 朽ちてゆくまで★/燔祭★★/鳩笛草★☆ |
●「クロスファイア」● ★☆ |
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2002年09月
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「鳩笛草」収録の「燔祭」に登場した超能力者(念力放火能力)、青木淳子を主人公としたサスペンス・ストーリィ。 「燔祭」が、主人公・多田一樹による妹への回想と淳子への回想を織り交ぜた幻想的な作品だったのに対して、本書は冒頭から淳子が念力放火を炸裂させており、バイオレンス・アクションと言いたいような直線的なストーリィになっています。その点では、「燔祭」の方に情緒があって私好みです。 下巻を読むまでに時間があいてしまったので、一気に読んだ場合と感想は異なるのかもしれません。 読み終えて後に振り返ると、青木淳子のストーリィは「燔祭」こそが鮮烈かつ魅力的であって、この「クロスファイア」は単に青木淳子という登場人物に片をつけるためのストーリィに過ぎないのではないか、と思われてきます。 |
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