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31.おもいでエマノン 32.さすらいエマノン 33.まろうどエマノン 34.ゆきずりエマノン 35.ダブルトーン 36.アラミタマ綺譚 37.うたかたエマノン 38.怨讐星域T−ノアズ・アーク− 39.怨讐星域U−ニューエデン− 40.怨讐星域V−約束の地− |
【作家歴】、地球はプレイン・ヨーグルト、ヤマナベ・ポリスのミイラ男、サラマンダー殲滅、ドグマ・マ=グロ、スカーレット・スターの耀奈、OKAGE、黄泉がえり、黄泉びと知らず、美亜へ贈る真珠、もう一人のチャーリー・ゴードン、フランケンシュタインの方程式 |
タイムトラベル・ロマンス、インナーネットの香保里、未来のおもいで、新編クロノス・ジョウンターの伝説、波に座る男たち、精霊探偵、この胸いっぱいの愛を、時の"風"に吹かれて、きみがいた時間ぼくのいく時間 |
つばき時跳び、悲しき人形つかい、ムーンライト・ラブコール、あねのねちゃん、アイスマンゆれる、穂足のチカラ、メモリー・ラボへようこそ、ボクハ・ココニ・イマス、壱里島奇譚、クロノスの少女たち |
猫の惑星、杏奈は春待岬に、たゆたいエマノン、デイ・トリッパー、黄泉がえり again、彼女は弊社の泥酔ヒロイン、おもいでマシン、クロノス・ジョウンターの黎明 |
●「おもいでエマノン」● ★☆ |
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2000年09月 2013年12月
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「ゆきずりエマノン」でのエマノンは、永遠の旅を続ける女性というイメージだったのに対し、本書はシリーズ第1巻目である所為か、SF小説、それを担うキャラクターという印象が強い。 エマノンという不思議な存在の一端を知ることができるのが、「おもいでエマノン」「ゆきずりアムネジア」。 地球に生命が誕生して以来30数億年という長い歴史から見ると、人類への批判も生じて当然のことと思います。 エマノン、永遠に旅する女性なら、彼女に惹きつけられるのも永遠、という気がします。 おもいでエマノン/さかしまエングラム/ゆきずりアムネジア/とまどいマクトゥーヴ/うらぎりガリオン/たそがれコンタクト/しおかぜエヴォリューション/あしびきデイドリーム |
32. | |
「さすらいエマノン」 ★☆ |
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2014年01月 2017/11/24 |
“エマノン”シリーズ第2弾。 SF的、そしてかつ、人類の未来に警告を与えるような5篇を収録。 ・「さすらいビヒモス」:暴走した象が人々を蹴散らし、犠牲者の数を増やしていく。しかし、象の胸の奥にあったのは・・・。 ・「まじろぎクリィチャー」:米国の田舎町。そこで禁忌区に指定された場所でエマノンが再会した相手は・・・? ・「あやかしホルネリア」:すべてを呑みこむかのような赤潮の動き。何がそんな事態を招いたのか? ・「まほろばジュルパリ」:アマゾンの密林の奥で暮らす一族に襲い掛かった危機。エマノンがその地を再び訪ねた理由とは。 ・「いくたびザハナラード」:中学時代、エマノンとほんのひと時関わったことのある倫子が主人公。彼女が度々声を聞く「ザハナラード」とは何者なのか。 読んだ2017年の現在から16年も前に書かれたストーリィですが、そこに描かれている危機的事実はもはや空想論ではなく現実のものになっていると感じます。その点が印象的。 さすらいビヒモス/まじろぎクリィチャー/あやかしホルネリア/まほろばジュルパリ/いくたびザナハラード |
33. | |
「まろうどエマノン」 ★★ |
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2014年02月
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"エマノン"シリーズ第3弾。 なお本書は、徳間デュアル文庫刊行の「まろうどエマノン」と「かりそめエマノン」の中編2作を合本とのこと。 中編である分、読み応えも十分。 ・「かりそめエマノン」 地球誕生以来の記憶を受け継ぐエマノンは、世代にただ一人の娘だけというのが鉄則。しかし、ある世代で何故か、二卵双生児の兄が生まれていた。 養護施設で育ち、養父母に引き取られて成長した、その荏口拓麻が主人公。その拓麻には、施設に連れられてくるまで誰か女の子に手を握られていたという断片的な記憶があった。実際、発見された時は双生児らしい2人が発見されていたが、もう一人の女の子の記録は一切なし。 そこはエマノンの兄らしく拓麻にも不思議な能力が備わっていたが、いったい拓麻は何のために生まれたのか。 やがて長じてエマノンに漸く再会した時、拓麻は・・・・。 ・「まろうどエマノン」 主人公の廣瀬直樹は10歳、小4の時、九州の田舎町・御所船町に住む曾祖母の元に預けられた。 そこで直樹は、エマノンと言う女性、"ましら"と呼ばれる不思議な存在と出会う。 エマノンとましらから依頼事をされた直樹は、思いがけない冒険と出会いをするのですが・・・。 「かりそめ」は、拓麻においては切ないストーリィ。 一方、「まろうど」は、男の子にとっては忘れ難い、最高の夏休み冒険というべきストーリィ。 ※本書読了により、現在までに刊行された"エマノン"シリーズ6巻を全て読み終わりました。なんとくホッ。そして嬉しい。 かりそめエマノン/まろうどエマノン |
●「ゆきずりエマノン」● ★☆ |
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2014年03月
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梶尾さんに“エマノン”というシリーズがあるのは知っていましたが、これまで読む機会に恵まれませんでした。 エマノンというのは、その女性の仮の名。“no name”の逆読み、とのこと。代々母親から娘へと、地球に生命が誕生して以来30数億年の記憶を引き継いで、旅する女性。 一つ一つの篇は、スケッチのようなストーリィですけれど、数十億年にわたる生命の歴史を意識して読むと、悠久に通じるストーリィの一部、というロマンス気分を新たにします。 「おもいでレガシー」:人の記憶を写し取ってしまうという若い女性の物語。 おもいでレガシー/ぬばたまガーディアン/いにしえウィアム/あさやけエクソダス |
35. | |
●「ダブルトーン」● ★★ |
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2020年02月
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田村裕美(ゆみ)と中野由巳(ゆみ)、主人公は朝目覚める度、今日はどちらの自分なのかをまず確かめます。 さて、どういう仕掛けなのでしょうか。何故主人公は2人の女性の記憶を共有しているのでしょうか。 途中、そして最終場面と、読み始めた当初からは全く予想もつかない展開なのですが、そこはやはり梶尾さんらしい、SFロマン的サスペンス。 |
36. | |
●「アラミタマ綺譚」● ★☆ |
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パワースポット=阿蘇を舞台にした、梶尾さんには珍しいファンタジー活劇+梶尾さんらしいラブロマンス付き。 主人公である大山知彦、婚約者である苫辺(とまべ)千穂と共に、彼女の実家へ挨拶するため苦手の飛行機で熊本へ向かうところ。 ところが知彦が次に気づくと、病院のベッドの上。何と乗っていた飛行機が阿蘇外輪山に墜落、奇跡的に助かったのは知彦一人だけだった。 しかし、不思議なことに千穂を含め、同乗していた62名が皆行方不明だという。いったい何が起きたのか。 知彦を探しに来た千穂の弟の車に拾われ、知彦は千穂の実家へ。そこで知彦は千穂の父親から、阿蘇には一般には知られていない秘密があるという。そして、負の力が溜まって“邪魔”が発言しないよう、苫辺家を始めとする周辺の家は長く鎮守役を務めてきたのだという。 そして今回懸念が事実となり・・・・。 姿を消した千穂、知彦は再び彼女を見つけることができるのか。そしてまた、千穂と知彦はこの事態にどう関わっているのか、というストーリィ。 いつもと変わらず熊本を舞台にしてはいますが、ファンタジーラブロマンスが多い梶尾作品にあって、異界のもの同士が争うという本ストーリィは意外でした。その分、読み応えとしてはやや物足りず。 ※なお、最近やたらと“パワースポット”が取り上げられていますが、本ストーリィ、安易なパワースポット騒ぎに対する痛烈な風刺を含んでいるように感じたのですが、さて梶尾さんの真意は如何? |
37. | |
「うたかたエマノン」 ★☆ |
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2016年11月
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地球に生命が存在して以来の30億年の記憶を持つという女性を軸とした“エマノン”シリーズNo.5。今回は長編です。 舞台はカリブ海に浮かぶマルティニーク島。 その島の奥にあるペレー山には“ゾンビ”がいると言われ、魑魅魍魎の存在はこの島では空想事ではない。 母親が天然痘で死に孤児となった少年ジャンは、ある日船でやってきたらしい風変わりな女性の姿に目を惹き付けられます。それがエマノン。 彼女が何故マルティニーク島にやって来たかというと、40年前に島を訪れた時の記憶が何故か失われていて、その理由と失った記憶を取り戻すためという。 本作品では思わぬ人物が登場し、画家ゴーギャンと記者ラフカディオ・ハーンという2人。共にタヒチ、日本に住む前という設定です。 エマノンはジャン、ゴーギャン、ハーンに伴われて、かつて自分が倒れて発見されたらしいペレー山を目指します。 本当にゾンビが登場するのかと思うのですが、その仔細が判るとやはり本シリーズらしい展開。 まぁ気軽に風変わりで、地球に住む生命の悠遠さを感じるストーリィでもあるというのが本シリーズの魅力なので、それなりに楽しめるところは従来どおり。カジシンさんらしい一冊です。 |
38. | |
「怨讐星域T−ノアズ・アーク− Vendetta Planet1 Noah's Ark」 ★★ |
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カジシンさんの新作は文庫3巻からなるSF大長編。 |
39. | |
「怨讐星域U−ニューエデン− Vendetta Planet2 New Eden」 ★★ |
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宇宙スケールのSFクロニクル第2巻。 転送装置により身一つでエデンに辿り着いた人類グループは、当初世代の原始的生活を脱し、短期間で急速に文明社会を築き上げていた。 本巻で2グループが出会うことはないだけに、いよいよ2グループが会いまみえる第3巻へと、興味は膨れ上がります。 降誕祭がやってくる/アジソンもどき/失われし時をもとめて/減速の蹉跌/生存の資質/ノアズ・アークの怪物/テンゲンの山頂にて/アダムス小屋/深淵の選択/ウィリアム・ガズの部屋/自由教会にて/七十六分の少女 |
40. | |
「怨讐星域V−約束の地− Vendetta Planet3 Primised Land」 ★★☆ |
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宇宙スケールのSFクロニクル第3巻=最終巻。 前巻の最後でノアズ・アーク号はついに惑星<約束の地>の衛星軌道に到達します。 いったいどういう結末を迎えるのか全く見当がつかず、読み進む間もドキドキハラハラ状態。 本書の読了後には改めて、争いや戦争のない世界が実現して欲しいと、心から祈る気持ちになります。 |
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