●生い立ち
わたしが生まれた所はたこ焼屋さんの隣のガレージ。
わたしのおかあちゃんはずっとそこに繋がれて飼われていたの。
飼主はほったらかしにしていたようだけど、隣のたこ焼屋のおじちゃんとおばちゃんが面倒見てくれていたみたい。
わたしたち5匹の子犬が生まれた時もおじちゃんとおばちゃんが貰い手を探してくれたの。
もし、おじちゃんとおばちゃんが探してくれなかったら・・・今ごろは生きてなかったね。
誰でも出入りできるガレージで生まれたから、生まれた時からたくさんの人や子供やわんこと会っていたの。
そんな環境に1ヵ月半いたから社交的で何も怖がらない性格になったんだ・・・って今のおかーちゃんが言ってた。
今のおとーちゃんとおかーちゃんとの出会いは2002年の5月。
普段はめったに通らない道をたまたまおかーちゃんが歩いていて、たこ焼屋さんの店先に張ってあった「子犬貰ってください」の張り紙を見つけたんだって。
おかーちゃんは運命的な出会いだって言ってるけど、おおげさだね。
その後でおとーちゃんを連れて見に来ていたけど、そのときはもう2匹しか残っていなかったんだ。
おかーちゃんが4本の足としっぽが白いわたしを気に入ったみたいで、たこ焼1パックのおまけ付でわたしはY家に来たんだよ。
本当のおかあちゃんは真っ白だったんだけど、子供は5匹のうち4匹が黒くて、残りの1匹も薄茶・・・本当のおとうちゃんってどんなわんこなんだろう?
薄茶の姉妹はラッキーっていうんだよ。この間、偶然再会したんだ。
わたし達は「ふ〜ん」って感じだったけど、飼主同士のほうが感激してたみたい。
本当のおかあちゃんはまだ若かったのにこの間死んじゃったんだって。
けど、いまのおとーちゃんとおかーちゃんがいるから平気だよ。
●Y家のくらし
いまのおとーちゃんとおかーちゃんは子犬から犬を飼ったのが初めてだったから、わたしのオテンバぶりには驚いていたみたい。
おかーちゃんはしつけの本の通りにしてもなかなかトイレを覚えないって半ばノイローゼのようになってたけど、わたしに言わせれば本の通りに行く訳がないの。
生き物なんだから、個性があるの。
そんな時にネットで「クリッカー」なるものを見つけて、それ以来わたしのしつけに活用しているみたい。
クリッカーは誉めてしつける方法だから、わたしにとってはありがたいわね。
クリッカーを使うようになってから、おかーちゃんもわたしと一緒にいる時間が楽しくなったみたい。
その後もネットや本で犬のことを勉強しているみたいだけど、そう簡単にわたし達のことがわかるかしらねぇ。
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