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目次 40.1 はじめに 40.2 観測所と気温データの補正 40.3 解析結果 3-1 バックグラウンド温暖化量 3-2 地域的な特徴 3-3 7大都市の昇温の時代変遷 40.4 太陽黒点数と気温変動の関係(詳細) 40.5 気温ジャンプと緯度の関係(詳細) 40.6 日だまり効果(典型的な例) 40.7 今後の観測体制についての提案 まとめ 参考文献
(注)研究の経過 今回の地球温暖化量評価についての一連の研究は4年前の2004年から開始した。 当初は、田舎にある区内観測所(現在のアメダスの前身)のうち、明治時代 から観測が開始され、都市化の影響の少ないところを現地調査から探しだし、 その資料に基づいて気温の長期変化を調べた。解析の結果、 それまで言われていた気温上昇率と大きく異なることがわかった。そして、 より正しく温暖化量を評価するには、気温の精度は0.1℃以内で求めなければ ならないこともわかった。 アメダス以前の区内観測所では、気温は毎日の最高気温と 最低気温から求められていること、1日の区切り(日界:現在は24時)が 時代によって何度か変更されていること、観測所の移転もあり、近年はその 周辺環境が悪化している。これらによる気温のずれを補正するのだが、 最終的な精度がやや劣ることがわかった。 次の段階として、田舎にある旧測候所(現在の多くは無人の特別地域 気象観測所)について環境変化の少ないものを選び直すことにした。ところが 現実には、環境悪化の測候所が多く、適当と見なされるものは数ヵ所 しか存在しない。この数ヵ所のデータを用いて地球温暖化量(都市化や日だまり 効果を含まないバックグラウンド温暖化量)を求めた。 それをもとに都市昇温量(都市化の影響による気温上昇)を 見積もってみると、0.1℃以上の誤差が出て、時代による変化量がよく 表現されない。 そこで、日だまり効果があってもそれを補正して利用することとし、 地点数をだんだんと増やしていくと、最終的に選定した気候変動観測所は 34ヵ所となった。測候所など 気象官署も移転や観測露場の変更などがあり、これにともなう 気温の不連続の補正も必要であった。この補正は、周辺の多地点における データとの比較により行い、34ヵ所について100年以上のデータセットを 作成することができた。 |
表40.1 地域グループごとの観測所一覧表
北海道( 6地点):寿都、室蘭、浦河、根室、網走、稚内 北日本(12地点):上記の6地点のほか、深浦、相川、山形、宮古、石巻、日光 東 北(12地点):寿都、室蘭、浦河、深浦、相川、山形、宮古、石巻、 日光、水戸、長野、伏木 関東・越後(12地点):山形、石巻、日光、水戸、勝浦、石廊崎、相川、 御前崎、飯田、長野、伏木、彦根 中部・近畿(12地点):勝浦、石廊崎、御前崎、飯田、長野、伏木、彦根、潮岬、洲本、 室戸岬、多度津、津山、境 西 日 本(12地点):潮岬、洲本、室戸岬、多度津、津山、境、 浜田、平戸、清水、宇和島、枕崎、屋久島
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