京急電車の部屋

道路を行く「琴電1070形」
 元京急デハ609・デハ612(高松琴平電気鉄道1075・1076)の高松への輸送の模様をお送りします。1070形は琴電初の冷房車として1984年に譲渡され、その後2編成が追加され合計3編成6両が四国へ渡っています。後年の1080形(元京急1000形)や1100形(元京王5000系)の導入でやや影が薄くなったとはいえ琴電の近代化に大きな役割を果たしたこの電車は十分に評価されていいものと思います。入線直後の琴電ではスピードがあまりに出るため、今となっては時効ですが、運転手が面白がり(としか思えない)最高速度を大幅に上回るなどという事もあったようです。 色々な会社からの譲受車が沢山在籍する琴電ですが、ここで見る1070形の窓の大きさは別格でここに京急電車の思想のようなものが見られる気がします。
  下の写真は神奈川新町から高松に向けて船積をする大黒ふ頭までの輸送の様子を収めたものです。道路上で見る電車の大きさは想像以上のもので、交差点を曲がるのも簡単ではありません。交通を阻害していましたが、回りの車は仕方ないという印象で見守られている様子でした。


船積みを待つ1070形輸送隊。翌朝、左側の船舶に載せられ高松港に向け出航です。この場所は首都高速道路大黒パーキングエリアの開設ですっかり変化してしまいました。後方の大黒大橋は首都高速とベイブリッジの開通でまったく目立たなくなっています。
1987年3月14日 横浜港大黒ふ頭



800形に引かれて神奈川新町に到着した600形改め琴電1070形。この時点ですでに京急に車籍が無いため、終電後に線路閉鎖し工事列車扱いで回送。これで京急のレールの上を走るのは最後。この後検車区側に移動した。
1987年3月10日 神奈川新町駅



これより大黒ふ頭に向け出発です。夜中に電車の写真を撮るということが理解されず、警察官から職務質問を受ける。検車区から本線の踏み切りを渡って第一京浜の交差点を左折し鶴見方面へ走行した。

交差点を曲がるのにかなりの時間を要するため、先に曲がった電車は国道の真ん中で堂々と長時間停車していた。写真は検車区内で待機中のカットです。

1987年3月14日 神奈川新町