News >「仕事日記」2005年10月


10月1日(土) 小原孝デュオ 熊本県立劇場
火祭りの踊り
スカラムーシュ
アイネクライネナハトムジーク
小原孝ソロ
佐山雅弘ソロ ゴールドベルク変奏曲アリア〜Tears Of Nature
ビートルズメドレー
見上げてごらん夜の星を

アイネクの譜面を持ち歩いていたはずが紛失していておさらい出来ておらず焦るも新潟での合わせが功を奏してか無事、というか無事以上に面白い展開もあって良。

バーンスタインの難しいパッセージの練習方法を小原君に質問するのにゆーっくりと弾いて見せると“こういうこと?”とさらりと早弾きしてくれちゃって、少し落ち込んだ。でも解説してくれるのを聞くとなるほど納得。ワンポジション弾き終わった時には次のポジションに手首が持っていかれているだけのこと。おそろしくスピーディにそのことが行われているだけで解き明かしてみると基本がきっちりしてればいいだけのこと、というのは大坂昌彦のドラムと同じ。

先日の延岡のコンサートの流れの人も多く来てくれて嬉。博多や大分からも大勢。
10月2日(日) 瀬木デュオ 庄原・国営備北丘陵公園
二年空いて三年目。これは二年ぶりというのか三年ぶりというのか。今年は勅使河原さんかと思うような竹のオブジェに囲まれて、心配していた雨も降らず、瀬木の笛がりゅうりゅうと気持ちよさげに響く。

お好み今チャンでの打ち上げは美味しく楽しく、山村さんたちとボリビア話に花が咲くうち、まだ見せてない芸があるといって、なんと山村さんヌンチャクを披露。それも手製。ぼくたち男の子は“カッコイイ”とも思い、特に体育の不得意な僕からすると憧れてしまうけれども、女の子には(ますます)モテない感じのするマッチョマンであった。
10月3日(月) 瀬木デュオ 福岡・大名MKホール
スタインウエィのB型はトランジスタグラマーのようでいて図体はでかい、いわば中途半端なんだが、よく鳴ってくれた。ソロでのMarthaが特によく出来て嬉。

打ち上げをした“うま馬”は小ぶりの餃子がとてもよい。
10月4日(火) 瀬木デュオ 福山・LOFT
この往復はきつかった。瀬木頑張った。
10月5日(水) 瀬木デュオ 広島・ゲバンドホール
 
10月6日(木) 堀井勝美 おかあさんといっしょ 舞台バージョン録音 NHK506
サーカスリハ On Air 大久保
鈴木カズオ率いるクァルテット。伊丹雅博(Gi)、???(B)、海沼???(Dr)
まとまりも良いし、アレンジを超えるバンド工夫に富んでいて有難い。鈴木君の現場対応仕切りも素晴らしい。モニター音量が僕には大きくて辛い。人に聞くとさほどの反応はないから慣れているのだろう。音量という項目は本当に幅が大きくて不自由だ。
10月8日(土) M’s 横浜ジャズプロムナード 赤レンガ倉庫
Blue In Green
Peri’s Scope
The Girl From Ipanema
Yesterdays
Cheek To Cheek
Relaxin’ At Camariro
Ladies In Mercedez
The Song Is Ended

イベントでアンコールも珍しいが嬉しくもある。M’s快調。メトロノーム練習の成果少々有之。練習自体よりも、その話題によってメンバーのサポートが得られやすきのみにあらずや?
10月9日(日) M’s 庄原・楽笑座
 
10月10日(月) M’s 多治見市文化会館
M’s Tシャツのお揃いをもらって嬉。お客様もちゃんと入って関係者一安心。
10月11日(火) 講座 名古屋BLスタジオ
リズム・メロディ・ハーモニー、の3項目に分けての各90分の授業。受講生5人(のはずが2〜3人ずつ)と聴講は無制限。このスタイルはいいかもしれない。が、教えることそれ自体はやはり僕の任ではないように思った。
10月12日(水) M’s 広島・アステールプラザ
デュークのバックできて以来、すっかり長いお付き合いになった広島音鑑。打ち上げ場所もいつものところで我が家に戻ったような。
10月13日(木) 佐山トリオ 大阪・ロイヤルホース
佐山雅弘(Pf)
島田剛(Bass)
大坂昌彦(Dr)

Relaxin’ At Camariro
In Your Own Sweet Way
Giant Steps
So What (w馬場孝喜)
Old Folks (w馬場孝喜)
Humpty Dumpty
Rockin’ Rhythm
Falling Grace
I Remenber Clifford
James (w馬場孝喜)
Bolivia (w馬場孝喜)
In Your Quiet Place
10月14日(金) 佐山トリオ 広小路ヤマハホール
佐山雅弘(Pf)
島田剛(Bass)
大坂昌彦(Dr)

Relaxin’ At Camariro
How High The Moon
Falling Grace
Dolphin Dance
In Your Quiet Place
Humpty Dumpty
Tears Of Nature 始めて見たらドラムの響き線を外すのを忘れていて中断(大坂には僕が自分でする、と言っておいたにも拘らず)。気分を変えて、、、
In The Velvet(solo)
P-Bop
In Your Own Sweet Way
Rockin’ Rhythm
Willow Weep For Me
Setembro
Bolivia
Hymn To Freedom
10月15日(土) クリニック 心斎橋・三木楽器 開成館2Fサロン
エリック宮城
中川英二郎
黒葛野敦司
3管それぞれのクリニックのバックを、リズムセクションなしのピアノ1本はさすがに厳しいがなかなか楽しかった。特に金管の二人には改めて瞠目。
10月16日(日) M’s 掛川・掛川市文化会館シオーネ
ゲスト TOKU、川嶋哲郎

Creopatra’s Dream〜Anthony’s Scream トリオ
Peri’s Scope トリオ
The Girl From Ipanema トリオ
Autumn Leaves クインテット
Ladies In Mercedez クインテット
The Song Is Ended トリオ
The River Flows Into The Night トリオ+TOKU(Voもあり)
Moon Dance クインテット(Voもあり)
見上げてごらん夜の星を トリオ+川嶋
All Blues トリオ
Spain クインテット
10月17日(月) 布施明 レコーディング 銀座オンキョーハウス2st
野田晴夫(Arr)
松本滋(B)
そうる透(Dr)

久々の野田ファミリー。ハイ・メイカンはいなかったが。布施さんとは初めての顔合わせ。歌いれ前のレコーディングなどは何回かあったがこのたびはミュージカルで使う音源とあって仮歌を付き合ってもらいながらの録音。いやウマイ。感動した。
唄が上手いっていうのはこんなにもいい気持ちのものかと実感した。10年前に初演した舞台のアンコール公演、マイナーチェンジだそうだが、じっくり聞かせるバッラードチューンが秀逸。歌手の音域は勿論、ファルセットの境界線もうまく使い、テクニカルな見せ場もありながらあくまで自然に楽曲優先のオリジナル歌曲、というのはそうそう書けるものじゃない。ともすれば素養が表に出ちゃうケースが多いのだが、この曲は限りなくハイレベルな素養がきちんと裏地の位置にある。“野田!天才だったのね”おもわず発言してしまった。
10月18日(火) サーカスリハ 富士見が丘ライズスタジオ
鈴木和夫(Pf)伊丹正博(Gi)海沼???(PERC)

リハ大好き。タイムファイブもそうだけどサーカスの生声のハーモニーを間近で聞くだけで幸せになる。コーラスはいいものだ。今回は20分のメドレー場面のアレンジで参加。アレンジャーとしてはコーラスものとピアノ(クラッシック系)が能率悪く、手間がかかり大変なのだがその分やり甲斐と達成感は強い。読譜能力が高くて隠したチャレンジが音になるのを目の当たりにするのはとても幸せな気分である。
10月19日(水) 先生 千葉ヤマハ
先生業は辞めたくてしょうがないのに生徒のことはどんどん可愛くなってくる。授業の進め方もなんだかいい感じになってきてしまって、、、。先生はありのまま。それを良い先生にするかどうかは生徒が決める。というのは内田樹(うちだ・たつる)が“先生はえらい”に述べている。

僕にとっての二宮先生(中学時代の数学教師)清水先生(中学時代の音楽教師)荒木先生(高校時代の数学教師)そして何故か名前を思い出せない高校で現代文学のゼミナールを開催してくれた国語教師など全部当てはまる。自分がそんな風にしてもらえるとは夢想だにしていなかったのである種の感慨がある。
10月20日(木) 永窪綾子氏と打ち合わせ@自宅
所沢から我が家へご足労願って申し訳なかったが、大屋小学校校歌の詰めなのでピアノがなくては話しにならず、かといってスタジオを借りるほどのことでもなく。初対面の作詞家はお嬢様がそのまま素直に妙齢に達した感あり。先入観を持っていたわけではないのに “思ったとおり”という気持ちになるなはどういう精神構造なんだろう。作曲家の立場からのわがままな歌詞変更にも快く応じてくれて感謝。でも、テニオハの操作による字数のことなだけ(ダケ、っていうのも失礼な表現だが)なのだが随分とお悩みになって結局持ち帰りになったことに(逆説的かもしれないが)なんだか納得と尊敬をしてしまうのであった。

NHKふれあいホール打ち合わせ@NHKテント
来月末に収録、来月のどこかで放映される3日間の番組の内容打ち合わせ。どこでどう調べるのか僕の交友関係、仕事ぶりをよく理解していてくれるたたき台。アイデアは6つ。

【1】 ボーカルもの。男性女性両バージョン
【2】トリオもの。なんとしてもM’s で出たかったが大坂昌彦がNG。テレビはオファーのタームが短いのでこういうところに恨みが残るが止無。
【3】3台のピアノでわいわいと
【4】ピアノによる世界一周。これは中西俊博のゲストに出た時の印象と視聴者の反応が大きかったことによる。
【5】童謡・読み聞かせ。月猫絵本音楽会のことを知っててくれるのがとても嬉しかった。

あと一つは忘れたが、組み合わせて(ほぼ)全部やっちゃえと僕が言って、【1】と【2】、【3】と【4】、そして【5】、の3日間にした。伝兵衛、越智順子、小原孝、島健、さねよしいさ子、山口とも、というラインナップ。トリオは一日だけだが小井政都志、紺野智之。楽しみである。
10月21日(金) 小原孝DUO 調布・くすのきホール
アイネクライネ少々油断。小原君に迷惑をかけてしまった。二人の鳴りは順調に前進している実感有之。
10月22日(土) 三沢前乗り
奥平家で明日のリハ。なんとか30曲思い出す。
10月23日(日) OSCコンサート 三沢市公会堂
ミキたちのおじいちゃんがナレーションで登場。いい味を出しつつ、お約束のようにマイクがスイッチオフだったり、出番じゃないところにでてきて奇妙な踊りを出したり。すっかりスターになっていた。ミキ・ミオトの“地球のうた”でのバレーが素敵だった。マサヒロの歌う蛙シリーズの脇でのミオトの蛙着ぐるみが大受け。
10月24日(月) OSC 二戸パークホテル宴会場
いい山先生の未亡人など親族の方々の目前でのショーは妙な緊張感だったが、とても喜んでもらえた様子で吉。そもそもの言いだしっぺであるご令嬢の小原さんの着物姿が美麗。石沢さんの作詞作曲になる“かたつむり”。ミキちゃんの歌も相俟って絶品。
10月25日(火) セッショントリオ 八戸・A7(エイ・セブン)
石沢由男(B)
奥平偉(Dr)

一部はアラカルト、二部はOscar PetersonのNight Trainもどきにブルースものばかり演奏してみたらこれが実に良かった。このトリオは今後も時々やることになりそうだから、今日の形をこのユニットのスタイルにしよう。バンド名は“佐山雅弘FEN”Far Eastern North。

ピアニストの蛇口女子、大きいさっちゃんなどお会いすること2〜3回目くらいにしかならないのに、すっかり長年の友人の雰囲気で和気藹々と楽しく過ごして後、すぐるとお忍びっぽくジャズバーへ行くとなんとみんな集まっているではないか。石沢さんまで居る。

そこは僕にとってパラダイスのようなところだった。口数の少ないマスターは僕より3つ4つ年長で、高校生から大学生にかけてのジャズ喫茶でしびれたアルバムの話をしていると逐一そのレコードがかかる。それもい〜〜〜い音で。フィル・ウッズのモントルーからピーターソンのナイト・トレインは言うに及ばず果てはタイガースの落ち葉の物語、スパイダースの真珠の涙まで聞きながら気の合ったジャズ友達とえんえんと飲む。なんという幸せ。
和田誠監督と“真夜中まで”の初日を見にいった帰りにダグで4,5時間もだべってたときの楽しさ、のジャズ版なのだからたまらない。
10月26日(水) デュークエイセス50周年リサイタル 渋谷・オーチャードホール
里見紀子(Vln)
小井政都志(B)
松山修(Dr)

少ないリハで膨大な曲数だったにもかかわらずメンバー全員いい演奏をしてくれて多謝。それよりデュークの皆様がよくぞ頑張りとおして涙モノ。30曲以上、メドレーに含まれているものを入れると40は超えるかという欲張ったメニューに見えたが、実際に本番を迎えてみると流れも時間も丁度良く、和田誠さんの構成力に改めて感じ入った次第。

手術前日とあって禁酒の程が辛かった。
10月27日(木) 手術日
“網膜剥離の時ほどはかかりませんから”と言われたということはそれに近い時間数(かの時は2時間)を覚悟していたのだが20分ほどで終わってしまい、頭の中で鳴らしていたバーンスタインが中途半端。

塗り麻酔と照明が効いて本麻酔の眼球への注射(!)もまるで痛くなく、全体を通して一番痛みのあるのが右手首に刺さっている点滴の針なんだから有難いもんである。ひと月の間、何があっても左目を濡らしてはならぬとのこととて自分での洗髪禁止。最初の一週間は風呂も禁止。とほほ。
10月29日(土) 小原孝DUO 北広島・芸術文化ホール
リベンジ成る!アイネクライネ実にうまく行き、アドリブもいい感じにキマッタ。火祭り、スカラムーシュもいい鳴りを楽しみながら出来たし、ビートルズメドレーも思いを込めてできた。会場のまん前が地下鉄の駅。改札口を出た所にでかでかと“PIANO de DUO 小原孝&佐山雅弘”の垂れ幕には驚きと嬉しさと照れくささ。

札幌に出て泊まるかと思いきや北広島(千歳と札幌の中間)泊。駅前の打ち上げではそれでも新鮮な魚や珍味など全ておいしくいただいた。
10月31日(月) セッション 新宿・DUG
多田誠司(As)
三木俊雄(Ts)
島 テツユキ(B)
紺野智之(Dr)

ライムハウスブルースなど典型的なクインテットものを三木に選んでもらってのセッション。ジャズ〜〜〜な感じがとても良。同じ面子で二回目というのは実にいいものでベテランはチャレンジャブルになるし、若者は2回目も呼ばれたことで認められた安心感や嬉しさでますます発奮する以上に地力を余すところなく発揮してくれる。

ジョシュアなども良かったが僕の最近のオリジナル、リジウム、とデッド・ゾーンにいいプレイがでて満足。30分のリハでこの内容レベルと曲数は酷だとの声しきり。
厭味や自慢に思われたら本意ではないが、僕は自分が大抵の譜面なら読んでしまうので、他人にとっての難易度に鈍いのだ。自分としては気楽なジャムセッションをやりたくて組むのだが、前日あたりになると色々欲が出てきてしまう。

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2005年