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2015.5.14mf更新

不動産売買

弁護士河原崎弘

不動産を買う際に注意する点

1 不動産を買う目的を明確にする。
不動産は高額です。不動産を買う機会もそれほど多くはありません。不動産は、文字通り、「動かない資産ですから」、一度買うと、すぐ売れません。すぐ売れば、損が出ます。
そこで、不動産を何のために買うのか、目的を明確にする必要があります。
不動産を買う目的には大きく分けて、次の2つあります。 不動産を投資目的で買う場合は、不動産の価格が低い時期に買う、不動産の価格が低いものを買うのが鉄則です。
日本では、生産年齢人口(15歳〜64歳)は、1995年をピークに減少しており、外国人が増える状況でもありません。人口減少により、都会でも空室率は高く、不動産に対する需要は減少することが予想できます(藻谷浩介著「デフレの正体」が詳しい)。
他方、日本国家は、膨大な財政赤字を抱えており、民主主義社会では政府が、国民に媚びて緊縮財政(デフレ)を嫌う傾向にあります。国民もデフレ政策を嫌います。従って、インフレの下地はできており、不動産価格は上昇する条件は揃っています。しかし、世界的に見ても日本の不動産の価格は高すぎます。
将来を予想することは難しいですが、少なくとも、過去の日本であったような、長期的に不動産の価格が上昇する現象はないでしょう。
また、自分の資産の全てを不動産に投資することは、リスクが大きく、勧められません。
不動産を自己使用目的で買う場合は、常に、不動産を賃借する 場合との比較で、買うべきか、借りるべきかを検討すべきです。
不動産を借りた場合、建物であれば、汚れとか、修繕とか、貸主との交渉の煩わしさがの問題がありますが、これは不動産を所有した場合も、同じです。
不動産を投資用で買う場合も、自己使用目的で買う場合も、値上がりは期待できないことを覚悟すべきです。

2 冷静であれ
どんなによい不動産でも、その不動産に惚れてはいけません。あくまでも客観的に、冷静な目で、不動産を見てください。これが鉄則です。
不動産を見に行くときに、磁石などを持参し、誰か同行してもらい、その人の意見を聞くことは有効です。

3 不動産をどこで買うか 

不動産の市場で新築物件を買う
1戸建ての場合信用ある不動産業者が分譲する物件が望ましいです。最悪の場合でも、土地が残ります。
マンションの場合一流の評判のある不動産業者が分譲する物件が望ましいです。 民事再生を経た業者などは避けるべきでしょう。民事再生では、旧経営陣が残り、会社の体質が改善されていないことが多いからです。そのような経営者の下にいるセールスマンなどの従業員の体質は良くないです。
結構、名が通った業者の物件を買ったが、入居時から、雨漏りがあり、よく調べてもらったら、あちこちに手抜き工事があった、欠陥物件であったなどの法律相談例は多いです。それも、高額物件でも、そうなのです。
初めに、10万円程度の 申込み証拠金 を支払いますが、これは手付けではありません。解除しても返還されます。
不動産の市場で中古物件を買う
1戸建ての場合表面上の傷は、直してありますが、自分でも修理する覚悟が必要でしょう。この場合も、最悪の場合、土地が残ります。
マンションの場合当初の販売が一流の不動産業者あるいは建築会社の物件であることが望ましい。
不動産業者が施行した場合、表面上、綺麗ですが、ほとんどの場合、安い内装です。
内装をしていない状態で買い、自分で内装業者に依頼した方がよい内装ができます。
裁判所の競売、国の公売で不動産を買う。原則として現金が必要。初めに入札保証金として2割、登記時に8割を支払います。
1戸建ての場合入居者がいる場合は、事前に、弁護士に相談する必要があります。立退料(明渡料)を請求される可能性がありますので、その対策費、弁護士費用の出費を準備しておく必要があります。
短期賃借人 の権利は弱くなりましたが、不動産引渡命令 が出るか否かを事前にチェックしておく必要があります。
マンションの場合入居者がいる場合は、事前に、弁護士に相談する必要があります。立退料を請求される可能性がありますので、その準備をしておく必要があります。
争って、排水パイプにモルタルを詰められた例があります。

4 不動産のチェック 5 契約 6 不動産の価格

不動産の価格については次の資料を参考にできます。

7 不動産業者のチェック

不動産業者(宅建業者)は、国土交通大臣または都道府県知事の免許を得て仕事をする必要があります。免許証番号として、○○県知事(2)○○○号との、括弧内の数字は、許可が2回目であること(1回更新したこと)を示しています(現在は、5年で更新)。この数が多いほど長く不動産業を営んでいること示しています。
都庁、県庁に行くと、不動産業者の情報を得ることができます。不動産業者に疑問を感じたら、すぐ、相談に行きましょう。

8 判例(不動産業者の重要事項告知義務)
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