登山NO.0082 会津駒ヶ岳( 会津駒ヶ岳:2,132m ) 1999.10.11 登山


 駒ノ池と会津駒ヶ岳( 1999.10.11 )
【会津駒ヶ岳登山記録】

【会津駒ヶ岳登山データ】

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NO.82     会津駒ヶ岳登山記録

山の雑記帳に書いたように、 木賊温泉経由の山道越えという正規ルートからはずれた道を通ったものの、 中土合公園の駐車場に車を止めたのが 8時10分、横浜の家からおよそ 4時間、まあ順調と言えよう。
登山靴を履き、身支度を整えで公園駐車場を出発したのは 8時15分
檜枝岐の役場前を通り、天明・天保の大飢饉の犠牲となった子供達の霊を祀ったという六地蔵を横目に見ながら車で来た道を戻ると、 15分程で会津駒ヶ岳登山口の標識がある分岐点であった。
そこにある立派なトイレで用を足し、舗装された林道を進む。
途中で 2台程の車に追い抜かれたが、山の雑記帳に書いたように、 この山をピストン登山にしてしまうのはもったいない。

やがて林道左脇に登山口近道と書かれた標識があったので、そこから林道を離れて林の中を登ることにした。
暫く登ると再び先程の林道にぶつかることになり、周囲には多くの車が止められていたが、ここはもう登山口の近くで、 林道を大きく右に曲がりながら少し登ったところに滝沢登山口の標識があった (8時48分)
登山道はここから立派な梯子を登ることから始まり、見通しのない樹林帯の中の登りが続くが、 さほど急な道ではないため息を切らすこともあまりなく、2ヶ月ぶりの登山となる我が身にとっては大変ありがたい。
ブナやミズナラの中を登っていくこの道は、昨年の峨々温泉から名号峰経由で登った蔵王や、 岩木神社から岩木山へ登った道を思い出させてくれたが、 東北の山に来ているという思いがそう感じさせたのかもしれない。
イヤ、それほど道が急ではないという共通点と、秋の同じ時期に登っているということの方が要因としては強いのかもしれない。

快調に登っていくとやがて小広い場所に出ることになり、そこにはベンチが置かれているとともに、 斜面を下る道も分かれていて、水場 3分と書かれた標識が立っていた。
何回も反省させられることがあったにもかかわらず、今回もガイドブックを事前に読まなかったことから、 この水場はてっきり登山道横にあるものと思っていたため、わずか 3分の下りと言えども面倒くさく感じられ、 結局 水筒の水 (横浜の水道水) にて喉を潤すことにした (9時33分)
徐々に道には針葉樹が多くなり、シラビソだろうか 独特の臭いが鼻を刺激して 山に来たことを感じさせてくれるのを楽しみながら登っていくと、 樹林の間から右手に明るい山が見え隠れするようになってきた。どうやらあれが目指す会津駒ヶ岳方面らしい。

そして尾根の反対側に回り込んだ道は、 今度は樹林越しにスッキリとした双耳峰の燧ヶ岳を見せてくれるようになり、 雲一つない快晴のもと、青い空に浮かぶ燧ヶ岳の姿は、 九州の由布岳を思い出させてくれてこれまた大いに楽しんだのであった。
やがて登山道周囲に笹が目立つようになり、周囲の木々が背を低くし始めると、目の前に会津駒ヶ岳の全容が見えるようになり、 青い空のもとに優しくカーブを描く稜線とそれを覆う笹の緑、所々に見える赤や黄の紅葉が大変見事であった。
登山道はやがて湿原の中を行くようになり、草紅葉というのであろうか 茶色に染まった湿原が目の前に広がり、 それが斜面を登って上方の駒ノ小屋まで続く様は、所々で池塘のアクセントをもらって本当に素晴らしい光景であった。

その湿原の斜面にかかる木道を進むと、やがて右手には燧ヶ岳至仏山が見えるようになり、 その左手にはうっすらとではあったが富士山の姿も認めることができた。
木道を登り切ったところが駒ノ池で、その向こうには会津駒ヶ岳のまるくややズングリした姿があって、 ややさざ波がある水面にその姿を映していた (10時38分)
池のほとりのベンチには大勢の人が憩っており、またよくよく見ると会津駒ヶ岳に続く登山道にも多くの人たちが列をなして歩いているのが見えた。
人でごった返している山は余り好きではないが、このように素晴らしい景色を有しているのでは人気があるのも頷けるところである。
少し池の前で休憩してから山頂へと向かう。

木道を登って高度を上げ、少し振り返ると燧ヶ岳を中心に 武尊山至仏山、 そして左に富士山、ドーム状の奥白根山、 そして台形をした男体山などの日光連山が見え、 その雄大な景色に暫し見とれてしまったのであった。
道はやがて樹林帯に入るとすぐに分岐があり、まっすぐは中門岳で、会津駒ヶ岳へは右に登っていくことになる。
分岐からほんの少し頑張れば、呆気なく会津駒ヶ岳の頂上で (10時53分)、 頂上には立派な標柱があり、一等三角点も置かれていた。
しかし、頂上自体は笹に囲まれて狭く、展望も余り利かないため、記念写真を撮った後、そそくさと中門岳へと向かうことにした。
人が多かったこともあり、頂上でゆっくりできなかったのはやや残念である。

頂上から笹の中を少し下ると、目の前になだらかな稜線が広がっているのが目にはいるようになり、 稜線の草紅葉の上を木道が延々と続いている様はなかなか素晴らしいものがあった。
先程の会津駒ヶ岳との分岐からの道と合流し、そのまままっすぐ木道の上を進む。
太陽は背中の上方にあり、遮るものなく差してくる日差しは 10月とはいえ、かなり強いものがあった。
湿原の中の木道歩きを大いに楽しみながら快調に歩を進めていくと、やがてかなりの大きさを持った中門ノ池の前に出ることになり、 池の前には 『中門岳 (この一帯を云う 檜枝岐村)』 と書かれた立派な標識が置かれていた。
木道は湿原の中をさらに先まで続いており、当然の如く足を進めると、やがて木道は池塘が多く点在する湿原の中を小さく一周するようにな形で終わっていた。
あれ程多かった人もこの辺に来るとほとんどいなくなり、これは幸いとそのぐるりと回った木道の一角にあったベンチに腰掛けて昼食とした (11時20分)
湿原の中で美しい紅葉を眺めながらの食事は最高で、暖かい日差しの元、 時間があれば草原の上で昼寝をしたい、そんなノンビリとした気分にさせられる気持ち良さであった。

一旦 道を駒ノ池まで戻る際、今度は会津駒ヶ岳を避けて直接駒ノ池へ行く道を通ることにした。
その途中、右手を見ればおそらく越後駒ヶ岳、荒沢岳であろう、 少々凛々しい山々が見えたのが印象的であった。
駒ノ池からは駒ノ小屋の前を通り、いわゆる富士見林道を通って大津岐峠経由にてキリンテへと下山する道をとることにした (12時3分)
ここからはほとんど人と会うことなく自然を独占した形となり、さらに紅葉の稜線の上を常に正面に燧ヶ岳の姿を見ながら歩くというシチュエーションとなったが、 これは 1年前の裏岩手縦走 (常に岩手山を見ながらの稜線歩き) を思い出させてくれるものであった。
振り返れば会津駒ヶ岳が丸い頂上を見せており、そこから辿りし稜線は、赤や黄色、針葉樹林の濃い緑と明るい笹の緑、 岩の白 とが素晴らしい彩りを織りなしていて大変素晴らしく、天候に恵まれ、 登山時期に恵まれたことに大いに感謝したのであった。

やがて稜線上の道は再び湿原に入るようになり、湿原の中を走る木道をゆっくり登っていくと、 大きな標識のある大津岐峠であった (13時1分)
ここで道は 2つの分かれ、直進すれば尾瀬御池方面、左に曲がればキリンテということになる。
キリンテへの下り道は傾斜が大変緩く、従って距離が長い割に高度が落ちないことになり、結構 イライラさせられる。
やがてキリンテ沢の水場を過ぎると左下方の沢の音が大きくなってくるが、なかなか登山道は沢の高さに追いつかない。
ようやく沢と道がクロスすると、やがて車の音が聞こえるようになり、国道352号線へと飛び出すことができたのであった (13時59分)

車道を左に進み、檜枝岐川沿いに 30分ほど歩くと今朝ほど車を止めた 中土合公園であった。
時刻は 14時30分、思った以上に早く下山できたので温泉に入ったり名物のそばを食べることも考えたのだが、 本日は 3連休の最終日、当然帰りの道の混雑が予想されたので、色々な誘惑を振り捨ててまっすぐ帰宅することにした。
それでも、塩原温泉手前や東北自動車道西那須野塩原IC手前でも渋滞、西那須野塩原ICから宇都宮IC間、 栃木ICから館林PA付近、浦和料金所付近も渋滞し、結局家に帰り着いたのは 20時50分であった。

行き帰りの運転はその距離と渋滞で疲れたものの、登山の方は天候に恵まれ、 久々の充実感を味わうことができ大変満足いくものであった。
登山はハードなコースを登った時だけが充実感を得られるという訳ではなく、 それほど難しくない簡単なコースでも、自然の美に触れることができれば大いに満足することを改めて認識した今回の山行であった。


会津駒ヶ岳登山データ

上記登山のデータ 登山日:1999.10.11 天候:快晴 単独行 日帰り
登山路:中土合公園駐車場−登山口標識−滝沢登山口−水場ベンチ−駒ノ池−会津駒ヶ岳− 中門岳−駒ノ池−1,996mピーク−大津岐峠−キリンテ−中土合公園駐車場
交通往路:瀬谷−横浜IC−(東名高速道)−用賀料金所−(首都高速)−川口JCT−浦和IC−(東北自動車道)− 西那須野塩原IC−塩原温泉−木賊温泉−檜枝岐村−中土合公園駐車場 (車にて)
交通復路:中土合公園駐車場−内川−塩原温泉−西那須野塩原IC−(東北自動車道)−浦和IC−(首都高速・湾岸線・横浜新道・16号バイパス)−上川井IC−瀬谷 (車にて)
その他の
会津駒ヶ岳
登山
中土合公園駐車場−登山口標識−滝沢登山口−駒ノ池−会津駒ヶ岳−中門岳−駒ノ池−1,996mピーク−大津岐峠−キリンテ−中土合公園駐車場
 ( 2008.10.04:快晴 )    ここをクリック
会津駒ヶ岳登山用駐車場(テニスコート)−会津駒ヶ岳滝沢登山口−山頂まで4.1km標識− 駒ノ小屋−会津駒ヶ岳−中門岳手前−会津駒ヶ岳 (往路を戻る)
 ( 2013.05.10:曇り )    ここをクリック

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