登山NO.0026 越 後 駒 ヶ 岳( 越後駒ヶ岳:2,003m ) 1990.11.3登山


 旧枝折峠付近から見た越後駒ヶ岳( 1990.11.3 )

【越後駒ヶ岳登山記録】

【越後駒ヶ岳登山データ】

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NO.26 越後駒ヶ岳登山記録

越後駒ヶ岳への登山道はいろいろあるが、枝折峠からの登山が一番ポピュラーであり、 越後駒ヶ岳に登るならこのコースと決めていたが、物理的に日帰りは無理と思っていた。
しかし、時刻表をあれこれめくっているうちに、休祭日なら枝折峠経由のバスが朝方出ており、上越新幹線を使えばそのバスに乗ることができるし、 しかも登山時間を早めれば日帰りも可能であるということが分かったのである。

早速行動に移すことにし、11月3日の祝日、上野から朝一番の上越新幹線に乗って浦佐まで行き、 そこから上越線で小出まで行って、8時45分発の小出発奥只見行きのバスに乗った (今は、浦佐発 8時15分前後のバスに乗ればよい)。

話がそれるが、私の父母の出身がそれぞれ新潟県見附市と長岡市だったため、 幼い時にたびたび上越線の鈍行列車や急行列車で何時間もかけて帰省したことがあり、 小出などという名を聞くと懐かしくてたまらないのであるが、小出まで 2時間強で着いてしまうとは本当に驚きの一言、 隔世の感がある。

バスは、銀岳橋を過ぎると山道に入り、クネクネと曲がった道を進んで行ったが、 やがて右手に越後駒ヶ岳がガスの上に頭を出しているのが見え、まるで雲に浮かぶ島のような、 そして何か荘厳さを感じさせるその姿に言いしれぬ感動を覚えてしまった。
やがてバスは枝折峠 (しおりとうげ) についたが、そこで下りた者は私一人であった。
枝折峠から見る越後駒ヶ岳はその頭の部分しか見えず、しかもそれは遙か遠くにあり、 今日の行程の長さを考えさせられて少々身が引き締まる思いがした。

登り始めは緩やかな道が続いて、暫く進むと祠のある明神峠 (旧枝折峠) となり、 そこからの登山道も時々急な登りがあったものの、総じて緩やかであった。
やがて道行山に着いたが、山といってもこの場所は山頂からは少しはずれた所のようであり、小さな標識が木の枝にぶら下がっていただけで、 意識しなければそのまま過ぎてしまうような所であった。

道行山を越えると道は下りとなって、ぬかるんだ展望のきかない道を暫く進むようになり、 再び登りとなるとやがて展望が開け、正面にこれから登る駒ヶ岳と中ノ岳の姿をはっきりと認めることが出来るようになった。
また、左方にはコウモリが翼を広げたようだと形容される荒沢岳も認められるようになり、 周囲が開けたことで歩きのピッチもかなり上がってくるようになった。

道は小倉山への登りとなり、やがて小さな広場のような場所に着いたが、 ここは駒ノ湯から小倉山を経て来る道との合流地点で、ここで一休みして荒沢岳などの山々をサカナに駅弁を食べて腹ごしらえをした。

この合流地点からは、展望のあまりきかない樹林帯の中を暫く進むことになり、 やがて展望が開けると左手に百草の池が現れたが、周りの草やササが邪魔をしてあまりその姿を見ることができなかった。
この百草の池は、駒ヶ岳の山腹からの方がよく見え、緑のササの中に枯れた草地があり、その真ん中に小さな池があって、 まるで目玉のように見えるのが印象的であった。
本来はもっと大きな池だったようであるが、年々小さくなり、今は保護地域として人が近づけないようにすることによって、 その大きさを保つようにしているとのことである。

池の先から少々キツイ坂を登ると岩稜帯となり、目印を辿りながら進んでいくと、右手に大チョウナ沢が、 左手には滝ハナ沢の源頭が見られ、なかなか爽快な気分にさせられた。
やがて鎖場を越えて少し登り、小さなピークに立つと、目の前に駒ノ小屋が現れた。
駒ノ小屋は今のシーズンは無人で閉まっていたが、聞くところによると ここの管理人の小島氏は、 双眼鏡を片手にいつも登山者を観察しており、ゴミなどを捨てたりする登山者がいれば、 スピーカーで注意しているとのこと、お会いできなかったのが少々残念である。

小屋からは、未だに残る雪渓の横を登っていき、中ノ岳への縦走路と合流した後、右へ進むと、 5分ほどでで駒ヶ岳の頂上であった。
頂上には六角形のコンクリートの台座の上に小さな銅像が置かれているだけで、肝心の標識は個人や団体が置いていったものしかなく、 もう少し立派なものを設置して欲しいと思われた。

頂上からは荒沢岳方面、平ヶ岳方面がよく見えたものの、八海山方面はガスっており、 その特徴的な岩峰を見ることはできなかった。

下山は小倉山の分岐まで戻り、今度は道を左にとって小倉山経由にて駒ノ湯へと向かったが、 分岐からすぐに小倉山の三角点に着き、その後は急な下りとなって、途中 2ヶ所ほどの鎖場があったものの難なく越えることができた。
やがてブナの林となり、傾斜も緩やかになって快調に進んで下っていくと、栗の木ノ頭となり、 そこからまた急な下りに変わった。
樹林帯の中をジグザグにドンドン下って行き、そろそろイヤ気がさしたころに、 駒ノ湯の屋根らしきものが見えたのでうれしくなってきたが、登山道は駒ノ湯へは直接行くのではなく、 緑色の立派な道行沢の吊橋を渡って一旦車道に出るようになっていた。

駒ノ湯は車道を少し先に進んで左に入った所にあり、立ち寄って汗を流したが、湯と言うよりは冷泉で、 浸かっている時は少々寒さを感じたものの、不思議なことに後から体がポカポカしてきた。
駒ノ湯から車道に戻り、街路灯もない真っ暗な中を懐中電灯を照らしながら大湯温泉へと向かい、 6時発の浦佐行きのバスに乗って帰途についた。

今回は、ロングコースを歩き通したという満足感で一杯の山行であった。


越 後 駒 ヶ 岳 登 山 デ ー タ

上記登山の
データ
登山日:1990.11.3 天候:晴れ単独行日帰り
登山路:枝折峠−明神峠−道行山−小倉山分岐 −百草の池−駒ノ小屋−越後駒ヶ岳−駒ノ小屋−百草の池−小倉山分岐−小倉山−栗の木ノ頭−駒ノ湯− 銀岳橋−大湯温泉
交通往路:瀬谷−(相鉄線)−横浜−(東海道新幹線)− 東京−(山手線)−上野−(上越新幹線)−浦佐−(上越線)−小出−(バス)−枝折峠
交通復路:大湯温泉−(バス)−浦佐−(上越新幹線)− 上野−(京浜東北線)−横浜−(相鉄線)−瀬谷
温 泉:駒ノ湯
その他の
越後駒ヶ岳登山
(1) 越後三山森林公園駐車場−十二平− 雪見の松−忘我峰−グシガハナ−越後駒ヶ岳−グシガハナ−忘我峰−雪見の松−十二平−越後三山森林公園駐車場  (2001.10.7:曇りのち晴れ)    ここをクリック
(2) 駒の湯山荘手前駐車場−栗ノ木の頭−小倉山−百草の池−駒ノ小屋−越後駒ヶ岳 (往路を戻る)
 (2014.6.15:晴れ時々曇り)    ここをクリック


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