いましめ
いましめ
嘲笑い罵詈雑言を含む口自然と苦さ覚える舌なれ
からかってお菓子一つでむくれる子つまらぬ欲張り大人も同じ
人は何故自ら見えぬ者となることを欲して苦しみ巡る
風貌に日々の癖染む顔つきが嫌ではないか鏡に質す
注がれる僕への視線眉しかめ不吉の異臭まき散らすから
目を覚まし目合わす月に問われおり僕の正義は何であるのか
じっくりと耐えて地に張る根の深さ焦るが負けと肺腑しみらせ
夢に酔い知れること好き許された時間余りに少ないけれど
何による自信溢れた人ばかり打つかり砕け自惚れと知り
時として我が顔鏡にぞっとする疲れた知らぬ顔がのぞいて
語りおる月日はかくもはやく逝き残花の命何に捧げん
自ずから盲しいを欲し見ぬ人の心ね弱しと我は言えずに
未練だと分かっていても騒がしくつむじ風のさま消えぬ思いよ
目に見えぬ獣使いの鞭を受け飼いならされた今日の自分よ
しった
やれぬことばかりの我を嘆くより祈りや感謝やること多し
大掃除捨てると決めればごみばかり心のガラクタだけをまた積む
我々と我の物差し振りかざし小さな我で世を図る哀れ
意地になり面膨らませ損をする大人げないなまた繰り返す
誰もみな頑張るための屁理屈を探し唱える迷いとて生きる
実直にただ前にただ進まんとつぶやく幾度と自分弱き日
言い訳を積み上げ高き足場から落ちて気が付く僕すっからかん
あさましく貪るように過ごす日々僕を豊かに歌わせるすべ知らず
踏み出した小さな一歩が道となる始めた悔いは遠く置き去る
苦しくもそれでも生に駆り立てる声を信じる歯を食いしばる
太陽に背向けぬ仕事出来てるかすぐさまハイと言えぬ我あり
これはこれ仕方ないこと諦めつつも舌欺かれず酒ほろ苦き
今日もまた思いを一つ諦めて失くせない思い僕にあるのか
凄惨な事件止まなき毎日に慣れきっている自分も寒し
意地を張ることに疲れて飲む酒にこぼれる言葉止める術なく
何もなきところにつまづく滑稽よわが生に似る独り慌てる
かたくなな心よ蜘蛛の糸ほどに差し伸べられた手にも触れずに
ねがい
人好きになる達人であれば良く人嬉しくて僕も嬉しい
虫鳥は身を捧げんと空上る空にはあるか心の祭壇
雨の日は雨に濡れてる楽しみを学ぶことこそ生だと思う
挫かれて萎んだ夢のその気持明日また夢見る養分となる
祈りとは細き糸なり透明な人には見えず信じて上る
君はまだ大丈夫ですか僕はまた駄目になりそうでも頑張ります
これ以上なにを頑張るもう無理と涙の場所から頑張れ自分
清濁を湛えて保ち豊かさが広がり行けば年追うごとに
悲しみよ時間の川に洗われて砂金となりて僕の手にあれ
僕もまた誰かの待ち人磨かれて心光からす君に会うまで
百八を超えて石段上るともまだ踏み越えぬ煩悩の数
不器用なままに生きればいいのだと思う初めは皆不器用で
永遠に終わらぬ問いの人生よ生き抜くことしか答えはなくて
捨てるだけ自分の持つものすべて捨て受け入れるだけのものになれたら