|
1.本屋さんのアンソロジー−大崎梢リクエスト− 2.スカートのアンソロジー−朝倉かすみリクエスト− |
1. | |
「大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー」 ★☆ |
|
2014年08月
|
光文社の新企画、作家がテーマに基づいてリクエストする、という趣向の他作家によるアンソロジー3冊の内の1冊。 有栖川作品は有栖川さんらしく書店を舞台にしたミステリ。また坂木司作品も書店を舞台にした事件もので、ともに楽しさたっぷり。 いろいろな味わいに触れられる一方、もっと!と物足りなく感じてしまうのもアンソロジー。本書はその典型的な一冊です。 有栖川有栖・・・本と謎の日々 |
「朝倉かすみリクエスト! スカートのアンソロジー」 ★☆ | |
2022年08月
|
作家のリクエストによる、という趣向の光文社のアンソロジー集の内の一冊。 スカートがモチーフということなのでコミカルな作品が多いのではないかと思っていたのですが、シリアスなものもありました。 9篇中、傑作と言えるのが、佐藤亜紀「スカートを穿いた男たち−トマス・アデレイン「黒海沿岸紀行」抜粋」。 もちろん架空の紀行である訳ですが、その中で語られるのが<カーチの男たち>、スカートを穿き、髪を伸ばし、美しい馬で駆ける美丈夫の姿を自慢する一方、母親も妻もすべて下女扱いしているという部族。そんなカーチの男たちを一刀両断する商人の言葉が痛快。この篇は是非読むべし!です。 それに続く、藤野可織「スカート・デンタータ」も凄く面白い。 女子高生に痴漢するのは当たり前という考えの男たち、その男たちに何とスカートが牙をむいた? 信じられないようなこの出来事も是非読んでみてもらいたいところです。痴漢男が最後に選択した行動が愉快。 ・「明けの明星商会」は、亡くなった友人(入社同期)の形見分けで家を訪ねた処、目に留まったのは入社時の制服スカート。 ・「そういうことなら」では、高校の彼氏がスカートを穿いて登校するようになったという話。 ・「くるくる回る」は、独居老女が思い出すスカートのこと。 (この篇、巧妙な詐欺話ではないかと少々ドキドキ) ・「ススキの丘を走れ(無重力で)」では、同居していた祖母の死去後、その祖母のスカートを穿いて登校するようになった小学校の同級生を思い出す話。体育授業もスカート姿で受けるようになり、その姿で走ったら小学生の県の学年記録を更新? ・「I,Amabie」は、妖怪アマビエ話・・・。 ・「半身」は、いささか危ない母親の話。 ・「本校規定により」は、昭和から現代に至る、女子高生の制服スカート話で、その変遷が分かるだけに興味を惹かれます。 朝倉かすみ・・・明けの明星商会 佐原ひかり・・・そういうことなら 北大路公子・・・くるくる回る 佐藤亜紀・・・・スカートを穿いた男たち−トマス・アデリン「黒海沿岸紀行」抜粋 藤野可織・・・・スカート・デンタータ 高山羽根子・・・ススキの丘を走れ(無重力で) 津原泰水・・・・I,Amabie 吉川トリコ・・・半身 中島京子・・・・本校規定によ まえがき&あとがき−朝倉かすみ |