はじめての狭心症

  循環器内科など聞いたこともなかったその頃、WEBで近所に医院をみつけ、急遽駆け付けた。  治まれば普通に歩ける状態だったので、子供たちが騒ぎ立て、医者に連れてこられたことの方に辟易した。
  心電図とそのほか何かをやっていたが、ニトロだったか薬をくれて、早期に大病院に行くよう指示をうけた。  帰宅して薬の使用期限が大幅に切れていることに気付き、医院に連絡したら、後刻大急ぎで届けてくれたのを思い出す。
  看護師の長女が職場で訊いてくれたのか、すごく評判が良いといって、狭山の病院に連絡した。  休みの日だったためか電話に出た人が、「どの先生がいいですか」と思いがけない質問に合い、「一番良い先生にお願いします」と答えた。

  日を置かずに不案内な狭山のその病院hへ妻に運んで貰い、即入院した。  病棟は外来の無い棟だったが、その頃には全く未経験な出来事にパニックになっていたためか、殆どなにも覚えていない。  処置はカテーテルによるステントの挿入だということを後に知った。  右腕の肘の裏側(自分から見れば表側)の窪んだ部分の動脈から挿入し、冠動脈の詰まって閉塞した部分にステントを入れ広げて空けたようだ。  今WEBで見ると左冠動脈の左前下行枝の付け根の部分のようだ。  入院は2泊3日だった。  手術後病室に戻り、右腕に開けた孔から出る血が止まらず、医療関係者が何人も馬乗りになり、いつまでも抑え、「まだ、止まらない、まだ。」と言ってたのを鮮烈に思い出す。
  今では、溶けて無くなるステントがあるようだが、手術後先生から、「一生 薬を飲み続けなければいけない。」と言われた時には本当にびっくりした。  血管内、しかも心臓のすぐそばにステンレスの合金が入っているのだから、ひっかかり、また詰まっては一大事。諦めたが、安い小さな錠剤を朝1回なのでもう慣れてしまった。

  思えば、その頃の職場環境は、バブルの崩壊の影響もようやくなれてきて、毎日、昼や夕食をインスタントラーメンで済ませていた。  揚げた麺には悪い油が使われていると、よく言われていたものだが、それを来る日も来る日も食べていたのだから、きっと、血管の中は、タンカーがひっくり返ったときのようになっていたのかもしれない。  今では、妻が用意しない限り、食べないようにしている。今も大好きなのだが。


狭心症の弊害

  いろいろな方法で、詰まった血管の個所を特定したようだが、X線等でスコープで見るにしても、血管に造影剤を流して、全血管をくっきり見えるようだ。  当日、直前までは意識があり、先生からスコープを指して、説明を受けたように記憶している
  胃カメラのためのバリウムは排泄して無くなるが、造影剤は血液と一緒に活計臓器をめぐる。  その勢か腎臓に大きなダメージを与えてしまった。  3か月に1回の定期健診でバイアスピリンを処方してもらうが、そのたびに血液と尿の検査があり、早くからクレアチニン値の異常をしてきされ、「回復しないと、透析をしなければならなくなる。」と食事の指導を受けた。
  豆など蛋白質の多いものはいけない。  ミネラルもだめだ、豆も肉も味噌も塩もだめだ。  そうなるともう殆ど何も食べる物がない。
  理科系の私は、左側食物の栄養情報を登録し、毎日の食事による栄養要素の累積値が分るように、PCで表計算ソフトで作った。
  罹患の前には90Kg程もあり、メタボ!くそくらえ!の状態だったが、これにより食事管理をして数か月後には50Kg台になってしまい、妻が自分の方が重くなると盛んにけん制したものだ。
  クレアチニン値と言えば、小数点以下が若干低くなったりしたが、少数手以上を低くするには至らず、相変わらず、検診の度に脅迫をうけた。  良い先生だったが、それゆえに担当の患者数が他の倍以上で、診察の番が来るのに時間がかかり、閉口した。


慢性腎炎から解放されたい

  蛋白質がダメ、といっても取らなければ、筋肉が再生しない。  いったいどのように食事制限をすればよいのか甚だ不明確だ。  先生の指示で栄養士の指導を受けても、具体的のどのようにすればよいのかわからない。  WEBにはこれを食い物にするかのように宣伝が花盛り。  内臓トレーニング協会というところの資料を取寄せてCDを見たこともあるが、回復が難しく、透析の大変さのみ改めて思い知らされたものだ。
  なにも症状がなく、不都合もない。  それなのに検査の数値は不安に陥れる。  残りの人生も後、30年あるかどうかだ。腎不全で死亡。それもいいじゃないか。不都合ばかりの長生き時代。--と考えることもしばしばだが、数値を見るたび、悪化を見ては、穏やかではない。
  一次諦めていた食事制限も、大幅な悪化をみて、こんどは、慢性腎炎の食事制限の具体値を探した。  日本腎臓学会のガイドラインでは、標準体重当たり0.6~0.7g/日が推奨されてることを知った。  現体重は63Kgだが、60Kgの場合の42gを蛋白質の制限値と定めた。
  薬の処方箋を貰いに行くためだけのようになった定期健診を近くの医院に替えてもらった。  循環器内科が専門ということでが、若くて少し心配だったが、いろいろ説明してくれる。  最近になって、血色素数が落ちており、貧血が心配されるという。
  また、心配の種が増えた。2か月が過ぎ、連続して検査したところ、血色素数は少し回復傾向にあり、腎臓でできるフェリチンもエリスロポエチンも基準値内にあり、当面ミネラルに神経質にならず、蛋白質に注意するようにと言われた。
  そこで、集計を見直すと、朝食のヨーグルトとチーズが大きく数値に影響している。   今のところ、一日42g近くにできている。  しかし、前記学会は、「蛋白価の高い蛋白質を摂ることも大事です。」ともいっており、「とるな!しかし、取れ!」と意味が解らず困っている。
  蛋白価の高い蛋白質の食物はなにか。良い蛋白質ならば、動物性たんぱく質の乳製品などらしいが、同じことだろうか。  こんどの検診で訊いてみよう。

  今日一日のたんぱく質は、39.3gだ。  おなかが物足りないので、牛乳を100cc飲んでこよう。  44gにはいかないだろう。
  待てよ! さっきガーナミルクチョコを2欠片つまんだので、45.3gになってしまう。 また明日の楽しみにしよう。