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グラン プラッツ

Grand Place

50 50 47.95N,4 21 09.06E

 やはりここは、北方系の広場の中では白眉のものがあります。ブルージュのマルクト広場も美しいのですが、ここと比べると田舎の広場と言わざるを得ない。囲まれているというのが広場の必須条件だと思っていますが、ここはその点凄い。周囲を5、6階できちっと囲んだ建物群の力の入れよう。多分競って建てたのでしょう。その高さと広場の広さとの関係が絶妙なのです。(この縦横比がブルージュの弱いところです。)パリのヴァンドーム広場のようにファザード付き分譲をで広場全体を作っていったなんていうのは逆にまとまりすぎていて面白くない。都市の面白さはいわばよってたかって(表現がよくないけれど)作り上げること、様々な年代に様々な表現の建物が現代に存在する。その組み合わせの妙が都市であり、その象徴が広場なのです。

 このよってたかって具合が都市の魅力にもなり、醜さにもなるのです。で、現代はここに何をしているかというと、屋台のお店を出すこと、花だったり小鳥だったり。その控えめさがここには必要かもしれません。それだけの完成したものがここにはあります。

 ここの成り立ちは、そもそも市場として機能していたところに15世紀にゴシック系の建物が加わり、原型が出来たとか。その後17世紀末の戦争で殆どを消失したけれど、ギルドの力であっという間に復興し、ほぼ現在の姿になったそうです。起源からして市民の広場だったわけで、そこに市庁舎が加わり、王が住まなかった「王の家」が加わり、ギルド系の建物が加わり・・決して教会が登場しなかった、正に市民のための、市民の力による広場なのでした。そこもまた北方系ということが言えるのかもしれません。

 もう一つこの広場が優れているのは、当然かもしれませんが、出入りの道路が視界に入りにくい点です。つまり隅に取り付けられているため、その存在が中心にいると殆ど分からないのです。ここもパリのヴァンドームやコンコルドとは全く違う構成な訳で、これによって囲まれ感というものが一層演出されているのです。


市庁舎。オテルデヴィレのある南西面。壮麗なゴシックと言っていいでしょう。その都市を代表する広場には、やはり市庁舎が必要なのです。

南東面。快晴の中の逆光はちょっと辛かった。ブラバン公の館はバロックのきらびやかさを見せます。金というとウイーンのイメージですが、ここのもなかなかの見応え。
4枚張り合わせの北東面。中央には王が住んだことのない王の館。両側はギルドハウスが並びます。王の館の両側には小径があります。全部見上げて撮っているので、ゆがみの補正が大変でした。補正が出来る一眼レフレンズを使えばそんな苦労はないのでしょうが。

ギルドハウスがずらっと並ぶ北西側。ガラス面の大きさが北方系の特徴です。しかし同じようでいて、ちゃんと主張している各建物のバランスはたいしたものです。