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ブリュッセルの美術館
Museum in Brussels

50 50 30.58N,4 21 28.57E

サイテーの美術館
 ベルギーも実にいい所だし、みんな親切、全体として何の問題もない国です。そして、ここ国立美術館と王立近代美術館とのセットコレクションも実に見応えのあるものがあります。古くはファンアイク、ブリューゲル、近代では当然のマグリット、デルボー、ちょっとぞくっとするクノップ、そして何故かスーラ・・・ここも一日は十分にかかるコレクションを持っています。でも敢えて、いや自信をもって言いましょう。サイテーの美術館だって。私も世界各地、日本各地100以上の美術館は訪れていますが、ここまでものにお目にかかったことはありません。

 まず入り口でバッグを預ける。これはよくある話で、貴重品だけをカバンから抜き出し、小さな袋に入れて入場します。すると行きたい部屋が閉まっているではないですか。・・・ナニ昼休み?そうなんです。昼休みに区画毎順番に閉めてしまうのです。おいおい、ここはスペインのデパートか(実際昼休み、シエスタは閉めてしまいます。今は知りませんが)、ちゃんと開けておいてくれよ、職員一杯いるんだから。と別の区画に行こうと中央ホールに戻ると、係官がつかつか寄って来て、その荷物の持ち込みはダメだ、ロッカーに預けろと言ってきたのです。入館時にオーケーもらってそれで既にあちこち回っているんだと言っても、その人間はうんと言ってくれない。俺の権限で預けろと言っているんだの一点張り。パスポート、航空券など貴重品ばかりだけれど、責任持ってくれるのか。そんなことは俺は知らん・・・・結局は入り口に戻ってもう少し預ける羽目になってしまいました。全く官僚主義なんだから。でもまだまだ先があります。

 実際目を光らしている係官はあちこちにいます。その役割は客の監視と・・おしゃべり。3,4人集まっては世間話(でしょう)を階段ホールとかで延々とやっているのです。ギャラリーの中でも2人で喋っているし。君たち本当に暇でいいね、と思うことしきり。係官が多い割にカフェで昼食取ろうと入ると、レジで延々と待たされたり、テーブルは全然トレーが片づけられていなかったり、何か働いていると言う感じが全然しないのです。

 そして極めつけは閉館時のこと、5時で閉まるのですが、その15分前にはもう追い出しにかかるのです。おいダメだ、もうそちらには行くな。でもまだ時間あるでしょ。いや、もう閉める、行くな、こっちに来い。そして結局追い込まれた大きなエレベータには、こうして集められた各国の見学者が、半ばため息をつきながら、既に大勢乗って待っていたのでした。二昔前、上野の西洋美術館では閉館になると係員が横に並んで出口に向かわせるという、羊追いのようなことをしていましたが(最近はなくなった)、ここはその比ではなかった。自信をもって言いましょう、世界サイテーの美術館だと。

 しかし区画が昼休みに閉まると、ガイドブックにもホームページにも載っていないのは何故でしょうか。ついでに閉館15分前から鑑賞不可とも明言しておいて欲しいものです。そしたら覚悟して行ったのに。充実した内容の美術館だけに何とも惜しい。何ともお粗末な運営、いや筋金入りのお役所仕事を体験させてくれる、貴重な所かもしれません。皆さんも是非どうぞ。


フレマールの画家「受胎告知」。ちょっと不安定な遠近法、敢えて左に寄せた構図

スーラ「グランドジャット島」。ここにこんな絵が。若くして死した彼も、とても好きな画家の一人です。まだシカゴには行っていないので、全貌を目の当たりにはしていません。