2000’sTheUniverse VOL.9 MAIL
森 羅 万 象

【地球4】海の汚れは…
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【地球】シリーズにあわせて  環境ホルモン 木は切らない どうする!“ゴミ”もご参照下さい

【地球4】 
【地球】シリーズにあわせて 環境ホルモン 木は切らない どうする!“ゴミ”もご参照下さい
海の汚れは…
人間が作り出した膨大な科学物質の中で限られたのものが環境汚染を引き起こす

代表的なものが有機塩素化合物(注1)である 
その中には分解されにくいものがあって生物に蓄積されていくのである  
PCBや農薬のDDT BHC 燃焼課程でできるダイオキシンなどである

PCB(注2) について海洋汚染の研究がある
日本人の体脂肪中のPCB濃度は1ppm程度 イヌでは0.1ppm程度 
ところが太平洋のシャチの脂肪には500ppm近く貯まっているという
外洋は最も汚染レベルが低い環境の筈なのにクジラ(シャチ)のこの高い数値はどうしてか 
それは動物によって薬物(毒)分解能力が大きく異なることに起因している
哺乳類は毒物を肝臓で分解する PCBを分解する酵素の能力はヒトやイヌでは強力で
その大半は分解される がクジラ類にはこの能力がほとんどない 
したがって体内に取り込む量は少なくてもそのほとんどが蓄積され 
長寿命のクジラ類は高いレベルになる100ppmを越すPCB濃度はクジラにとって
生殖異常・免疫抑制等様々な毒性を持つと言われている 
一見 きれいに美しく見える外洋でひそかに生態系の汚染が進行している現状は
人類にとっても深刻といわざるを得ない
こう考えてくると大海原を悠然と回遊してる彼らの発する鳴き声(通信音?)が
地球の悲鳴に思えるようになってしまう
これまでの環境対策は人間の安全(ヒトの許容摂取量とそれに基づく基準の設定)を考えての
ものだったが これからは地球規模の環境対策が考えられなければならない
この地球は人間だけで成り立つものでなく 全ての植物 動物その他地球上の全てが支え
合っているという認識を強く持った視点が重要なのではないであろうか
           


             海洋のこうした生物の状態は人間社会或いは陸上の
             事柄ほどには広く知られていない
             クジラ類・海鳥類・ウミガメ等の長寿命の生物の研究から
             人を含む生態系の長期的な運命を予知できるかも知れない
             良くも悪しくも地球のキャスティングボートをにぎってしまった
             我々人間はもっと「現状を知る」ことから始めなければ
             ならないような気がする


なによりも「この子等の住む地球」が
              美しくなければならない


*注1 有機塩素化合物
     分子構造の中に塩素原子を持つ有機化合物
     生体中に本来存在しない化合物で生物はこれをエネルギーとして
     利用できないため分解が遅く生体に蓄積しやすい 
     発ガン性・催奇型性など毒性が強いものが多いとされる
*注2 P C B
     ポリ塩化ビフェニールの略
     日本では1972年に生産は中止されたがPCB使用器材は
     一部使われている
     海生哺乳類の体内に蓄積しやすく生殖毒性・免疫抑制等
     様々な毒性がある
 環境ホルモン(PCB DDT等)については既出環境ホルモンをご参照下さい
環境問題については木は切らない どうする!“ゴミ” も併せてご参照下さい
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