ダービー 二日目(4月29日) |
ここで、ダービーという街についてすこし。
シャーというのは、日本でいえば県という感じで、海がなくて川があって景色がいい、ここに近い県といえば、長野県かなという気がする。ダービーのあるダービーシャー
は、東にヨークシャー、北にスタフォードシャー、西にスターシャー、南にノッティンガムシャーにそれぞれ縁どられた、英国の北中部地方に位置する。
それは、北から南まで、約 52 マイルで、東から西まではわずか約 20 マイルである。広さは約 2631 平方キロメートルという。ダービーは、そのなかでずば抜けて大きな町である。右の地図の、緑のところがピークディストリクトで、「ジェイン・エア」の舞台でもある。赤いところが、ダービーである。
説明によれば、
「Derbyshireの町や村は、ずっと昔から、美しい風景と豊かな恵みを提供している。Derbyshire はまた、Chatsworth、Kedleston及び
Haddon のような大きな大地主の邸宅がある。またDerbyshireは、ほぼ全ての種類のスポーツが楽しめる。
特に美しい風景の中で、フライ・フィッシュイングやカヌーそして登山が楽しめる。
町や村は、豊富な土地固有の石で造られる。古代からたくさんの石で作られた建物や遺跡がある。 Derbyshire にある多数の丘の頂上には多くの埋葬塚やストーンサークル等の遺跡が残っている。また、街を通り過ぎるとき、
Midlands地方の典型である生け垣と石で囲われた牧草地を見ることが出来る。
またDerbyshire は、Peak District National Parkがあり、英国 ( 1951 年に ) で最初の国立公園としても有名である。それは、
555平方マイルの石灰石高原で、北のダークピーク、南のホワイトピークがある。
毎年ここPeak District National Parkにたくさんの人が訪ずれている。また毎年、この辺は、多数の映画及びテレビドラマが撮影されている。
さらにダーウェントバレー・ミルズ領域は、世界遺産がたくさんあるところである。
川を利用した近代的な工場制度ができ、そして産業革命が始まり、現代の社会を形造る基礎となった地域でもある」
私の翻訳なので少しあやしいけれど、ダービーはそんなところである。
昔、教科書では、イギリスは産業革命の始まったところで、雨のよく降る、煙もくもくの国であると習ったが、その感覚は根底から覆された。 |
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(ダービー中心街) |

(住宅街。ほとんどが煉瓦作り) |

(少し郊外の、普通の農家) |

(ダービーのメインストリート) |
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(丘のほとんどが牧場。一番綺麗な時期) |

(教会) |

(交差点は信号がない) |

(一人でゴルフ) |

(街中) |
一般住宅の日本との違いは庭の広さで、正面は車2台くらいのスペースで花壇があり、裏が結構広い庭になっている。それと看板や電柱のないすっきりした町並みかな。
少し郊外に出ると、のどかな景色が延々と続く。パブリックフットパス(歩行者専用遊歩道)は、こんな他人の牧場の中を横切るルートもたくさんある。
牧場を横切るルートには、小さなハシゴがあってそれを越えるようになっている。扉だと閉め忘れられ家畜に逃げられるおそれがためである。
ダービー市内は、どこの国の街とも大きな違いはないが、落ち着いた感じのいい街である。
人びとの服装も割に地味で、これは期待はずれであった。アメリカの少し派手目の服装が頭にあって、赤いベストを持って行ったのだけど、少し違和感があった。
明くる29日に、まずここダービーの街のウォッチングからはじめたのである。 明くる日目覚めて少し散歩をした。
イギリスも桜の季節で、アパートの前には桜と木蓮が満開であった。窓からの景色は、とても都市とは思えないようなのどかなもので、ちょうど緑の一番いい時期なので、きれいであった。
いきなりクラシックな教会があった。石造りで、かなり古そうな感じであった。その前の道を隔ててゴルフ場があり、男の人が一人ゴルフをしていた。何とものどかなゴルフ風景であった。
アパートをくるりと回ったところから住宅街があり、煉瓦製の家が建ち並んでいる。よく似た作りであるが、窓や屋根の作りが微妙に違い、漆喰でのトリミング等でも個性を出していた。30年くらい以前の日本の住宅街風景を思い出した。
最近の日本の住宅街は個性のありすぎる家の建ち並ぶ、何とも落ち着きのない街になってはいないだろうか。
統一感のある景色の街というのは、人を優しくするのではないかといつも思う。こうした街並みを見ているとうらやましい。かつて日本もこんな感じであった。
ダービーは、○○ローン、△△パチンコ等という看板もない、静かな街であった。街には小高い木がたくさんあって、黒と白のコントラストのはっきりした鳥をよく見かけた。
その鳥を3匹見かけたら、その日はいいことがあるとかいっていた。
日本でもよく聞く鳥の鳴き声もしていた。カラスもいたが、くちばしの真っ黒なのと黄色いのとがいた。
実はこれだけ草原が広がっているので、昆虫もさぞかし豊富かと思ったが、意外と見かけなかった。
日本でなら、この時期チョウチョやテントウムシがうろうろしているのだが、こちらではほとんど見かけなかった。不思議に思った。いるところにいるのだろうけれど、これは少し期待はずれであった。ただし、蠅はきっちりいた。
イギリスは車社会だといわれるが、車が快適に走れるための工夫が随所にある。そのひとつが、信号がないことである。
道の真ん中がロータリーになっていて、右回りで進路を決める。信号がないから渋滞も起きにくく、電柱や無粋な信号のためのコントロールユニット類が必要ない。
信号機がない分、道路建設のコストも安上がりになり、信号待ちがなくなるので渋滞も起きにくい。車が走っていないのに、信号があるために待たなければならない時間の無駄が省ける。このロータリーの走り方は、『地球の歩き方』などにくわしく載っている。

(アパートの窓から見える景色) |
(前の庭に咲いていた花) |

(前の道路) |
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