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濃度測定法
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レンジマッチング法ではフィルムの濃度を測ることが必要です。市販の露光計付タイマーと関数電卓を使ってネガの濃度を測る方法を以下に紹介します。この方法は、引伸ばし機で拡大されたネガ画像を、イーゼル上で任意の非常に狭い範囲の濃度を測定できるということと、実際に印画紙に与えられる、キャリエ効果も含んだ濃度を測定できるという優れた特徴を持っています。しかも高価な濃度計を購入する必要もありません。

一方で、キャリブレーションを慎重にしないと測定誤差が大きくなるという欠点があります。 

キャリエ効果

フィルムの銀粒子によって光が散乱されて、透過光のコントラストが高くなる現象。集散光式の引伸ばし機では無視できない。

1.          濃度測定は真の暗黒の中で行います。暗室電灯は消してください。また、ネガキャリア周辺からの漏洩光も最小になるようにしてください。近くに夜光塗料を使用した時計があっても測定に影響することがあります。

2.          引伸ばし機をセットして、ネガキャリアにはネガを入れないで点灯します。光量が安定するまでしばらくの時間点灯したままにしておきます。

3.          引伸ばしレンズの絞りは通常のF8程度に設定し、濃度測定中はマルチ用のフィルターはセットしません。

4.          キャリアの周囲の縁を使ってピントを合わせます。

5.          最初にキャリブレーションを行います。印画紙を置く位置に露光計付タイマーの露光部を置き、露光計の時間目盛りを適当な時間にして(たとえば4秒)、赤と青のLEDが同時に点灯するように感度設定ダイヤルを設定します。(この感度調整ダイヤルは、以後動かないように注意する)

6.          測定したいネガをキャリアにセットしてホルダーに入れる。

7.          イーゼル上に投影された画像の測定したい部分に露光部を置き、赤と青のLEDが同時に点灯するように時間ダイヤルを回して設定します。(仮に65秒であったとする)

8.          関数電卓を使って、
   Log (65÷4)1.21 
を計算します。これが測定した部分の透過濃度です。

9.          タイマーが109秒まで設定できる場合、濃度は約1.44まで測定できます。キャリブレーション時の時間を4秒ではなく2秒に設定すれば1.74の濃度まで測定できることになります。

入射光式の露出計でも、受光球をはずして測定素子が露出した状態で使用すれば濃度計として使用できるはずです。−0.3Log EVを計算すれば相対濃度が測定できるはずですが、残念ながら私は入射光式の露出計を持っていないので確認ができていません。

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Copyright © 2003 KINOSITA Yositaka
最終更新日:2006/02/07