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特性曲線と濃度
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諧調豊かなプリントを望むのであれば、フィルムと印画紙の特性曲線についての知識が必要です。

特性曲線とは、フィルムあるいは印画紙の面上に照射される光量(正確には像面照度、単位:ルクス・秒)の常用対数を横軸にとり、その光量が与えられたときの濃度(フィルムなら透過濃度、印画紙なら反射濃度)を縦軸にとってプロットしたものです。

濃度とは、照射された光量と透過または反射された光量との比の常用対数ですから、結局、特性曲線は縦軸横軸ともに対数目盛りの「両対数グラフ」であるといえます。

 

照射された光量が100で透過した光が10であれば(10分の1)濃度は1.0です。100分の1なら濃度は2.0ということになります。

解説本などで見かける特性曲線が、私たちにとってあまりなじめないのは、横軸がLog Hなどとなっているからではないでしょうか。Hの単位がルクス・秒といわれても、普段そのような測定値を扱っていないのですから。しかし、一眼レフのTTL露出計が測定しているのはまさにこの像面照度なのです。ただ、測定値がルクス・秒ではなくてEV値や何段という絞りとシャッター速度の組み合わせで与えられるという違いだけです。

図―1

ファインダー内に測光インジケータを表示する一眼レフのカメラが多くなりました。±2段のもの±3段あるいはそれ以上のカメラもありますが、この測光インジケータを特性曲線の横軸に置き換えて考えることができます。1EV1段)の露出の過不足は光量の2倍または2分の1の変化になります。ですから特性曲線の横軸に0.3間隔で区切りを入れれば、それが1EV1段)ということになります。(Log 2=0.3010

右図を見てください。TTL露出計で測光すればインジケータのゼロ点に指標が点灯します。このとき18%グレーを18%グレーとしてプリントできるネガができることになります。ネガ濃度としては、(ベース+かぶり濃度)+0.64程度の濃度になるはずで、これが基準現像の判断にもなります。図では便宜上ベース+かぶり濃度を-6の位置にプロットしてあります。フィルム上では、-1段の露出補正をすれば濃度0.8付近に、+2段の露出補正をすれば濃度1.3程度に記録されることがわかります。

このように考えれば特性曲線も身近なものに感じられるのではないでしょうか。

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最終更新日:2003/11/12