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診療システムの引継

2005.11.17. 掲載
2006.01.29. 追加
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目次
 1.ホームページに掲載している引継タイトル
 2.EXCELファイルで引継
 3.テキストファイルで引継
 4.便利なユーティリティを推薦


息子が医院を継承するにあたり、診療方針、診療方法は必ずしも引き継ぐ必要はないが、診療システムは、これを利用した方が効率が良く、過去の患者データを生かすこともできるのではないかと思われる。そこで診療システムに関係する引継事項を列挙して行くことにした。

いま、これをまとめようとして、それが余りにも膨大であり、作った本人が忘れているものもあって、苦笑している。これでは引継ぐ者は、うんざりしてしまい、全部放棄してしまうかもしれない(笑)。

最初は、「引継引越騒動記」の中にに書き込むつもりでいたが、関係のない方にはくそ面白くもないと思われるので、「引継引越騒動記」とは別にして、この「診療システムの引継」というタイトルで、掲載することにした。


1.ホームページに掲載している引継タイトル

1. 「野村医院勤務マニュアル」
野村医院の診療システムについて具体的な説明は「野村医院勤務マニュアル」に書いてある。これは04年4月に作った改訂8版で、04年12月に最新情報を入れて改訂9版を作った。

2. 「医院勤務者の実務マニュアル」
ホームページで「野村医院勤務マニュアル」を読まれた日本医療企画という医療関係出版社から、この出版を勧められ、これをもとにして書き上げた。その書籍が7月半ばに出版され、引退記念となった。

3. 内科開業20年間における紹介患者の分析
「野村医院二十年史」に掲載した紹介患者に関するデータを分析し、プライマリ・ケア医の病診連携の一例として報告した論文である。

4. 医院経営と表計算ソフト
医院経営にとって表計算ソフトの活用がいかに有用であるかを実例を挙げて解説した。

5. 医薬分業と院内処方
わが国の医薬分業の現状、医薬分業の利点と欠点、当院が院内処方を続けてきた理由、院内処方活用のための工夫、将来の展望とまとめに分けて説明を行なった。

6. 病名マスターの標準化
なぜ病名マスター標準化が重要なのかについて、そのあらすじ、病名マスター(五十音順、ICD−10順、野村医院分類順)の説明を行なった。

7. 病名の履歴と略号
病名の履歴の重要性、病名を略号で表記するメリットを説明し、病名の略号(五十音順、疾病分類順)を紹介した。

8. 後発薬品(ジェネリック)
後発薬品に対する医療界の最近の傾向、後発医薬品を推奨する理由への疑問、同時発売で同一成分の二つの先発薬品(ベンザリンとネルボン)の違いなどを述べ、開業32年間で一度も後発薬品を使わなかったことの理由の説明を行なった。

9. 薬の服用方法
薬の服用方法についてまとまった明快な説明は書物でもWebサイトでも提供されていないので、私なりに服薬方法についてまとめてみた。

10. 保険適応病名(薬剤と検査)
保険診療を行う限り、投薬検査などの治療行為は保険適応の承認された病気に対するものでなければならない。しかし、薬剤の認可が降りた時期によって、同じ薬効の薬であっても適応疾患の異なることがある。そこで、当院で使っている薬剤と検査の中で問題の起こり易いものについて保険適応病名をまとめた。

11. 高血圧症薬物療法の変遷−開業医31年間のまとめ−
慢性疾患として最も診療件数の多い「高血圧症」を31年間の診療の代表疾患に選び、その薬物治療に的を絞り、その変遷をまとめた。

12. デジタルX線画像診断−FCR Pico を使って−
医療界はアナログからデジタルX線画像診断に大きく転換しようとしている。小規模診療施設用のFCR Pico システムを04年11月末に導入したのを機に、その特徴、使い方をまとめた。

13. 03〜04年のインフルエンザ
03年末から〜04年初めに流行ったインフルエンザは、1)流行が普通より1ヶ月近く遅れて始まり、2)これまでになくB型が多く、3)それが長引き、4)後半にはA型も増えてきた、という特徴があることを当院のインフルエンザの患者さんのデータの分析で確認した。

14. 医療情報の保存と廃棄
32年間に保存してきた医療情報の量は膨大となったので、診療に役立つ重要な情報はできるだけ残すことを目標に保存と廃棄の選別作業を徹底的に行った。廃棄したカルテはダンボール箱63個分(約1.2トン)、フィルムはダンボール箱13個分となり、保存カルテは廃棄作業前の約20%、保存X線フィルムは約30%にまで減量できた。廃棄の基準と方法を知ることは現在保存されている医療情報を把握する上で有用だと思う。

15. 野村医院二十年史
今から13年前に出版した書籍で、1.開院までのあらまし、2.診療データ(患者数、レセプト件数、疾病の種類、紹介患者、死亡診断書、診療圏)、3.方針と工夫 4.対外活動(医院外で行ってきた対外的活動)、5.回想(全従事者の回想)、付録.(年表、備品、薬品問屋など一覧、カルテ略語集)で構成。

16. 開業医というプロの整理法
開業に際して、患者さんのデータをいかに多く、活かせる形で保管するかということに腐心し、将来のコンピュータ時代に適合できるように、患者さんのデータをID番号で統一することに決めた。このID番号の決め方について、簡単で特別な道具を使わなくても良い方法を採用した。

内容は、患者ID番号の決め方、その利用、患者データの保管、薬剤管理、薬剤在庫管理からなっている。薬剤のカラーコントロールについてもここで述べている。

17. 開業医のコピー機活用法
開業医が使う事務用品の内で一番有用なものはコピー機ではないかと思う。開業当初より使ってきた私のコピー機活用法。

18. レセコン活用法
開業翌年の74年9月からレセコンを使ってきた。機種は現在5台目であるが、4台目を使っていた98年にまとめたレセコン活用法である。機種は変わっても基本的には活用法は変わっていない。

19. 胃透視検査法
野村医院で行なってきた「胃透視検査法」をまとめたもので、2006年1月29日に追加した。


2.EXCELファイルで引継

私はパソコンを始めた20年前より表計算ソフトを専ら活用してきた。現在は表計算ソフトのデータを全てエクセルに移行している。以下のファイルはテンプレート(雛形)で、その大部分はデータ入力済みであり、データの変更が簡単にできる。

1.drug5五十音順.xls、drug5分類順.xls
私が使ってきた370種の薬剤について、1.薬剤名、2.一般名、3.識別用データ、4.規格単位、5.薬剤説明、6.より詳しい薬剤説明、7.当院分類、8.分類番号、9.薬効分類、10薬効、11注意、12保険用量、13保険適応、14禁忌の14項目に分けてデータを収めたもので、労作であるが、臨床的に非常に有用だった。

「drug5五十音順.xls」は薬剤名を五十音順に並べたもので、薬剤のデータを調べる場合には便利だが、処方をする場合には、神経系薬剤とか、その内の抗不安薬とかに分類されている方が有用なことが多い。これを一層分かりやすくする目的で、開業以来使ってきた薬剤のカラーコントロールを併用した。

2.出勤簿05.xls
毎月の職員の出勤簿のテンプレートで、データ入力済み。臨時出勤単位数、臨時欠勤単位数、時間外勤務時間数が簡単に算出できる形式となっている。

3.給与17.xls
臨時出勤単位数、臨時欠勤単位数、時間外勤務時間数を入力すれば、各個人の当月の給与明細、当月の医院全体の給与台帳、各個人の当月までの給与の明細と累計が自動的に算出され、それを印刷することができる。これは、パソコンを始めた85年に作成したテンプレートをそのまま使ってきた。データ入力済み。

4.現金.xls
これは毎月の会計監査のために作る現金出納帳を記入するためのテンプレートである。

5.普通預金.xls
これは毎月の会計監査のために作る普通預金出納帳を記入するためのテンプレートである。

6.自費未収.xls
これは毎月の会計監査のために作る自費収入、未収金を集計するためのテンプレートである。

7.レセプト.xls
開業した73年9月以来の毎月のレセプト件数、レセプト点数につき、全体、基金分、国保分、老健分に分け、それぞれの平均値、前年比、などのデータが入力されている。

8.野村医院患者.xls
12700名について、1.患者番号、2.フリガナ、3.氏名、4.性、5.生年月日(西暦)、6.保険者aA7.保険名、8.本人家族別、9.生年月日(明・大・昭・平)が入力されている。

9.死亡診断書.xls
155名について、1.番号、2.死亡年月日、3.氏名、4.年齢、5.死因、6.死亡時、7.死亡分が入力されている(2006年2月20日追加)


3.テキストファイルで引継

拡張子が.txtのテキストファイルは「Mifes」というエディターに対応させてあるので、以下のテキストファイルをクリックすれば自動的にこのアプリケーションファイルに読み込まれる。

1.紹.txt
診療情報提供書のテンプレートで、上書きモードで患者データを入力することで、診療情報提供書として必要な項目を欠かすことなく記入できる。これを保存し、後で述べるシェアウエアの印刷ソフト「PRTwin98」のアイコン上にD&DするとA4用紙に診療情報提供書が印刷される。98年1月から使用し、そのデータはテキストファイルとしてデジタル保存している。

2.薬元.txt
96年7月より患者さんに投薬する薬には説明用シートを付けているが、その説明シートが簡単に作れるデータ集で、これまで大きな改訂を5回行い、小修正は随時行ってきた。

3.外来診療担当.txt
紹介することの多い11病院について、外来診療担当医の分かるホームページのURLを記載。クリッカブルURL機能を持ったMifesというエディターで読み込むので、ここをクリックすると自動的にブラウザーが開いて対応するホームページが開く。

●星ヶ丘厚生年金病院
http://www.hoshigaoka-hp.com/outpatient/tantou.htm

●京阪奈病院
http://www2.ocn.ne.jp/~k-renkei/gairai.html

●枚方市民病院
http://www.city.hirakata.osaka.jp/freepage/gyousei/byouin/homepage/sinryo/hiwarihyou.pdf

●交野病院
http://www.katano-hp.or.jp/shinan.htm

●星田南病院
http://www.wakeikai.or.jp/hoshida/sinnsatu/sinryoutantou16-8.htm

●関西医大香里病院
http://www3.kmu.ac.jp/koriweb/index.html

●関西医大附属病院
http://www2.kmu.ac.jp/hospital/medical/index.html

●松下記念病院
http://www.mhio.panasonic.co.jp/kinen/index_shinryo.htm

●国立循環器病センター総合外来
http://www.ncvc.go.jp/jushin/sougou.html

●市立総合医療センター
http://www.city.osaka.jp/kenkoufukushi/ocgh/jusin/doctor/index.html

●住友病院
http://www.sumitomo-hp.or.jp/shinryoka/index.html

4.市民検診判定基準.txt
交野市市民検診の各種検査の判定基準の要点をまとめたもの

5.給与規定.txt
青色申告を採用した1984年1月1日より実施している野村医院給与規定

6.給与計算算出式.TXT
これも上と同じで84年より現在も変更なし

7.給与計算メモ.txt
給与計算に関するいろいろ細かな実際的引継事項

8.院内規則.txt
個人情報保護法施行に対応して作成し、平成17 年4月より実施している「患者さんの個人情報の保護に関する院内規則」

9.職員誓約書.txt
患者さんの個人情報の保護に関する院内規則を十分に理解し、遵守する。職務上知り得た患者さんの個人情報を、正当な事由なく第三者に漏らさないという趣旨の誓約書の書式

10.薬剤発注基準.txt
薬剤の下限在庫量を30〜500の10ランクに分け、その数値を各薬剤の小出し各区分に貼り付けている。在庫量がこの値より少なくなれば問屋発注リストに記入する。この下限在庫量は、レセコンで調べた1ヶ月の使用量を参考にして決め、その後の使用量変化に対応した微調整は、薬剤担当の職員が行う。

11.レセプト編綴.txt
レセプト作成から編綴、提出までの手順を「レセプト編綴」を中心にまとめたもの。毎日のカルテ点検、診療最終日夜、レセプト打ち出し後、点検終了後、レセプトを医師会事務所への項目に分けて説明している。

12.レセプト覚書.txt
レセプトに関するメモ的な事柄、特に薬剤名と病名について説明した。

13.会計監査.txt
毎月1回会計事務所の監査がある。これの準備を、1)毎日の準備、2)21日から24日までの間(給与関係)、3)月末、4)月初、5)会計監査の直前〜前日、6)当日に分け、その中で、5)会計監査の直前〜前日を重点的に説明した。

14.小児の薬.txt
小児の薬用量、小児に使う薬、簡易薬用量、繁用処方に分けて説明した。

15.市民健診結果説明ステップ.txt
1)基本検診、大腸がん検診、前立腺がん検診、2)肺がん検診、3)胃がん検診に分けてそれぞれの判定結果の説明のステップを解説した。

16.肺がん判定結果.txt
二人以上の医師による二重読影によって結果判定を行なう肺がん検診の場合、直接その説明をすることができない場合が生じる。それに対して判定結果を郵送する際の文章の雛形。

17.胃がん判定結果.txt
胃がん検診も二人以上の医師による二重読影によって結果判定を行なうので、直接その説明をすることができない場合が生じる。それに対して判定結果を郵送する際の文章の雛形。

18.野村医院職員名簿.txt
1973年9月より2005年8月までに当院に勤務した職員の氏名、就職期間、職種、役職などをまとめたもの。

19.野村医院人事関連年表.txt
1973年9月より2005年8月までに当院に勤務した職員の就職退職年月日、人事関連行事の場所と年月日などをまとめたもの。

20.野村医院行事関連年表.txt
1973年9月より2005年8月までに当院が行なった行事の種類、場所、年月日をまとめたもの。


4.便利なユーティリティを推薦

1.PRTwin98(Prtwin.exe)
これはシェアウエアの印刷ソフトで、紹介状などテキストファイルで作ったテンプレートをこのアイコンにD&Dするだけで簡単に定型の印刷ができるので繁用してきた。

2.Mifes(MIW.EXE)
このアプリケーションソフトは、私がパソコンを始めた20年前より愛用しているエディターで、文章は専らこれで書いて、テキストファイルで保存している。ワープロソフトは印刷加工する場合にこのテキストファイルを読み込んで、印刷ソフトとして使ってきた。


<2005.11.17.>
<2006.1.29.>一部追加


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