競馬は儲からない

競馬は儲からない
ギャンブルをやる人間にとっての基礎知識として、絶対に知っておく必要がある「大数の法則」について考えてみたいと思います。

実際にやってみると実感できると思いますが、能力IDソート表を使って予想をおこなうと新聞では見えない軸馬がクッキリと浮かび上がってきます。
おそらくだれもが(思惑買いしていた人にとって)的中率が向上するはずです、しかしそれで利益が出せるとは考えないでください。
それは危険です、大火傷をする前に先人が紐解いた理論に目を通してください。

ギャンブルの仕組み
競馬で超大穴が出たのでJRA(日本中央競馬会)が経営危機に陥ったというニュースを聞いたことがあるでしょうか。
ないはずです、それは何故でしょうか。 基本的にギャンブルと言うものは主催側・胴元との勝負ではありません。
参加者が出したお金のうちの何%かを、主催側・胴元が抜き取り、残りのお金を参加者同士で奪い合う。それがギャンブルの仕組みです。

控除率:「賭けられた金額に対するギャンブル主催者の利益率」、競馬では25%です。
期待値:「ある特定の賭け方に対して理論上戻ってくる割合」、競馬では75%になります。

大数の法則とは:
ギャンブルをやればやるほど、当たる確率はある一定の値に近づく。
  ■競馬の控除率は25%です。
    つまり、馬券の購入を重ねれば重ねるほど回収率は75%に近づいてくる。
    もちろんこれは上手な人の場合で、下手な人の場合には全部持っていかれるのが普通です。

マーチンゲールの法則(倍々法)
必勝法として紹介される方法で、最初に100円購入する場合、次は200円、3レース目は400円、以降800・・・とはずれるたびに購入金額を倍にしていくというものです。
オッズが2倍以上つけば的中した時点で利益が出ます。
出現確率が30%以上のネタの場合ならば、3回に1回はでる計算になるので確実に的中します、本当?

  ■この30%という値は確率である、最低でも500回以上繰り返してはじめて見えてくる数値です。
    したがって数回ていどでは確率が30%に収束しないのです。
    10回の間に1回しかでなかったり、かと思えば5回中3回もでたりと。
    これが確率の罠です、必勝法として成立しそうにありません。

ちなみに100円で倍々プッシュした場合の金額を示すと次のとおりです。
(100・200・400・800・1600・3200・6400・12800・25600)たった9回でこの金額になります。
しかも的中した場合の儲けは100円です。1回やられたら(損失計上)取り返すことは不可能です。

私はさらに工夫した勝負方法を考えました、出ない場合の最悪回数が存在するのではないか・配当金が1000円以上をターゲットにすれば割増金額を減らせるのではないか・さらに万馬券を対象にすれば倍々プッシュしなくても利益を出せるのではないか・もっと重要なのは買い目の決定方法だ。これらの作戦については別の機会に公開する予定です。
しかし、この作戦を使っても「大数の法則には例外はありえない」の壁にぶつかります。

競馬との付き合い方
「馬券を購入すればするほど損をする」という数学理論が存在することを知った以上、競馬との付き合い方を考えるべきでしょう。

1:必ず負けると分かっている競馬に費やす時間・お金・労力は無駄である。競馬のことはすっぱりと忘れて別のことに時間をまわす。

2:必ず負けると分かっていても、競馬をやめることはできない。なぜなら、競馬をやめたらほかにすることがないし、どこに刺激を求めればよいのか。

1を、選択された方は、これから先ギャンブルで怪我をする心配はないでしょう。ただし時間がたつと「大数の法則」のことを忘れてしまい、たまたま目にした必勝法に吸い寄せられることもあるので注意は必要です。

2を、選択された方は、もう一度目をつぶって考えてください。もしかしたら勝てる可能性があるのではないかという気持ちが少しでもあるのなら、そんな甘い幻想はすっぱり捨てるべきです。
あくまでギャンブルではなくゲームとして楽しむ余裕を持っていただきたいと思います。

ちなみに私の選択肢は2ですが、時折、甘い幻想が襲ってきます。 この幻想は的中したときに発生して、やられてから消えます。
利益がでると欲も一緒にでてくるようである、その欲は授業料として納付させられることになる。
これは何を意味するのか?選択肢は2つだけでなくもっと複雑な要素で構成されていると言うことだと思います。
他人がいくら危険だといっても自分は大丈夫やられないさ。 まさしく競馬は人生の縮図です、右か左か2つに1つ、そんなに単純に答えはでない。

競馬とは未来予測だ、サイコロの目でさえ予測できないのに遙かに複雑な競馬で的中し続けたらそれは奇跡だ。