年
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作品
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備 考
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2001年
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「千と千尋の神隠し」(宮崎駿監督)
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ほぼ史実の通りであるが、近藤喜文氏の猛烈な働きぶりに、当初の構想案通りの3時間の超大作となる。アカデミー賞はもちろんのこと世界中の映画賞を総なめにする歴史的快挙を達成、最終的には100カ国以上で20億人以上を動員する鑑賞する歴史的なヒット作となった。
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2002年
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「猫の恩返し」(森田宏幸監督)
「ギブリーズ episode2」(百瀬義行監督)
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こちらも史実の通り。前年の「千尋」大ヒットの後のプレッシャーは大きかったものと推察されるが、近藤喜文氏が活躍する分、スタッフに余裕が出来て完成度は高まっている。 |
2003年
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「希と希美の万華鏡」(近藤喜文監督)
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「希と希美の万華鏡」
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近藤喜文氏の原作・脚本・監督によるオリジナル作品。
中学3年生の主人公の希美がパラレルワールドに迷い込んでしまい、その世界の自分自身である8歳の希と出会い、成長していくファンタジー。
この世の中は一つだけしかないのではなく無数のパラレルワールドがあること、それぞれのパラレルワールドで自分が生きていること、それぞれの自分が頑張ることで互いに影響を与え合うこと、たとえ自分がどこかの世界で死んでしまうことがあったとしても、パラレルワールドでの自分は生き続けることを知る。
この作品は、生きるとは何かについて悩む人々に感銘を与え、最終的には100カ国以上で20億人以上を動員する、「千尋」と並ぶヒット作となった。もちろん、近藤喜文監督の代表的作品となっている。
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2004年
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「走れセリヌンティウス」(宮崎吾朗監督)
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「走れセリヌンティウス」
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宮崎吾朗氏の原作・脚本・監督によるオリジナル作品。
史実での宮崎吾朗氏は「ゲド戦記」で初監督を務めたが、近藤喜文氏が健在のジブリでは、宮崎吾朗氏は近藤喜文氏に弟子入りし、その指導のもとで修行を行っている。その成果発表として制作されたのがこの作品。
当初はジブリ美術館向けの短編として企画されたが、近藤氏の薫陶を受けた宮崎吾朗監督の才能が開花し、構想がどんどん膨らんでいった結果、2時間越えの超大作となった。
恋人をめぐってメロスとの決闘に敗れたセリヌンティウスは失意のもと故郷を去り、隣国で再起動を図っていた。新天地での生活が軌道に乗ってきたある日、セリヌンティウスはメロスの危機を知る。戦いで英雄となったメロスは敵のゲリラに捕らえられてしまう。ゲリラは身代金を要求するが、王様は動かない。セリヌンティウスはメロスの危機を救うことが出来るのか?
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2005年
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「ハウルの動く城」(細田守監督)
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当初は細田守監督として制作が発表され、途中で宮崎駿監督に交代したという作品であるが、当初の予定通り細田守監督のまま完成にこぎつけている。それが実現出来たのは、もちろん近藤喜文氏の活躍によるところが大きい。
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2006年
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「ゲド戦記1 影との戦い」(宮崎吾朗監督)
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「走れセリヌンティウス」で経験を積んだ宮崎吾朗監督が、満を持して挑んだ超大作。
原作の世界観を忠実に再現しつつ、宮崎吾朗監督の独自の解釈を織り込んだことで完成度が高まり、ジブリとしては異例となるシリーズものの端緒となった。もちろん、この陰には近藤喜文氏の全面的なサポートあってのことなのだが、それを知る人はほとんどいない。 |
2007年
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「ナナとロロの大冒険」(近藤喜文監督)
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「ナナとロロの大冒険」
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近藤喜文氏の原作・脚本・監督によるオリジナル作品。
バイクフリークの主人公ナナと好奇心の塊の少女ロロがバイクに乗って世界を放浪する冒険活劇。ファンタジーを基本としながらも寓話性に満ちた教訓が随所に散りばめられているのだが、説教臭さを感じさせないところが近藤演出の神髄であると評価される傑作。
宮崎吾朗監督を育てつつ細田守監督に協力するという状況の中、これだけの作品を創り出せるだけの時間が近藤監督のどこにあったのかと思わせるが、睡眠時間を削って捻出していたらしい。スタッフの目撃談によると、猛烈に働いていた近藤監督が次の瞬間曝睡に入り、眠ったように死んでいて、次の瞬間、再び猛烈に働き出すというという。近藤監督の超人的な働きぶりを彷彿とさせるエピソードである。
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2008年
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「崖の上のポニョ」(宮崎駿監督)
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これも史実の通りであるが、近藤監督が活躍する分だけ宮崎駿監督のスタジオでの負担が軽くなり、構想を練るのに十分な時間を確保することが出来た。そのため、映画の上映時間が3時間近くに延びている。子供向けの映画としては異例の長さになったが、3時間があっという間に感じられるほどの出来映えのため、途中で飽きてしまう子供は誰もいないという伝説が生み出された。 |
2009年
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「ゲド戦記2 こわれた腕環」(宮崎吾朗監督)
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宮崎吾朗監督による「ゲド戦記」シリーズの第2弾。こちらも原作の世界観を忠実に再現しつつ、独自の要素を盛り込んでいる。
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2010年
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「借りぐらしのアリエッティ」(米林宏昌監督)
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米林宏昌監督の初監督作品。概ね史実通りであるが、近藤喜文氏の才能に感化され、完成度がさらに上がっている。
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2011年
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「コクリコ坂から」(近藤喜文監督)
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史実では宮崎吾朗氏が監督を務めたが、同氏が「ゲド戦記」シリーズに専念することになったため、近藤喜文氏が監督を務めることになった。ストーリーも概ね史実通りであるが、登場人物達の将来が少しだけ追加されている。 |
2012年
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「はやぶさ物語 こんなこともあろうかと」(宮崎駿監督、西崎義展名誉監督)
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JAXAの小惑星探査機「はやぶさ」の波瀾万丈の生涯を描いた異色のドキュメンタリーアニメーション。宮崎駿氏がドキュメンタリーの分野に挑むことが出来たのも、近藤喜文氏がジブリを支える屋台骨としての活躍あってのことである。
なお、映画化にあたっては西崎義展氏を名誉監督に招聘している。なぜなのかピンとこない方はこちらの動画を参照した上で調べてみて欲しい。 |
2013年
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「風立ちぬ」(宮崎駿監督)
「かぐや姫の物語」(高畑勲監督)
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こちらも史実通りであるが、「風立ちぬ」が宮崎駿監督の長編引退作品にならなかったところが最大の違いである。
近藤喜文氏の活躍によってプレッシャーから解放された宮崎駿氏は、存分に才能をふるって制作することが出来た。上映時間は4時間に迫り、劇場では途中でトイレ休憩の時間が設けられるほどだ。
「かぐや姫の物語」も同様で、数々のヒット作によって潤沢な予算が確保出来た高畑勲監督は、予算の心配なく存分に才能をふるって制作することが出来た。一説によると制作費は500億円に達したと言われる。ここまで予算が膨張するとさすがに制作費を回収しきれず赤字になってしまうが、その赤字も吸収出来てしまうほどの余裕がジブリにはある。
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2014年
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「思い出のマーニー」(米林宏昌監督)
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こちらもほぼ史実通りだが、もちろん完成度は段違いに上がっている。近藤喜文氏のシナジー効果の賜物であろう。 |
2015年
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「ゲド戦記3 さいはての島へ」(宮崎吾朗監督)
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宮崎吾朗監督による「ゲド戦記」シリーズの第3弾。引き続き原作の世界観を忠実に再現しつつ、監督のオリジナリティも盛り込まれ、作品としての完成度が一段と上がっている。
通常、シリーズものの興行収入は漸減していくパターンが多いのであるが、「ゲド戦記」はシリーズを重ねるごとに倍々ゲームで収入が増えていき、今やジブリのドル箱である。
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2016年
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「艦隊これくしょん―艦娘の奮闘―」(宮崎駿監督)
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宮崎駿監督の趣味全開の採算度外視作品。宮崎吾朗監督が稼ぎまくった利益を、宮崎駿監督がチュウチュウする見本のような作品。
「オレは今まで稼ぐまくってきたのだから、このくらい許されていいだろう」と開き直る監督であったが、それでも制作費はきっちり回収してしまうところがすごい。引退どころか、ますます絶好調の監督であった。
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2017年
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「ゲド戦記4 帰還」(宮崎吾朗監督)
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宮崎吾朗監督による「ゲド戦記」シリーズの第4弾。
ここまで来るともう世界的な社会現象となり、紛争地域においても戦闘員が「ゲド戦記」を見たがるため、映画公開日は休戦協定が結ばれるという歴史的快挙が実現。映画館では敵味方関係なく見入っているという。
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2018年
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「ダンス!ダンス!ダンス!」(米林宏昌監督)
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米林宏昌

「ダンス!ダンス!ダンス!」
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氏の原作・脚本・監督によるオリジナル作品。
これまでの同氏の監督作品は原作があったが、本作は米林監督のオリジナルで、作家としての才能も開花させた記念碑的名篇である。
ダンスの興業で世界中を放浪するストーリーで、娘たちの成長を描いた物語でもある。女の子達の動きがとにかく可愛くてリピーターが続出、涙なしでは見られない感動的なラストシーンも伝説級で、社会現象にまでなった。
近藤喜文氏は、この作品ではアニメーターとして参加している。「たまには監督とかじゃなく、スタッフとして参加させてよ」と笑う。しかし、近藤氏は無心に描きながら次なる作品を構想しているらしい。
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2019年
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「ゲド戦記5 アースシーの風」(宮崎吾朗監督)
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宮崎吾朗監督による「ゲド戦記」シリーズの第5弾。
世界中の紛争地帯で、公開初日のみならず、映画公開中はずっと休戦状態になるのも当たり前となり、ノーベル平和賞の候補に推薦されるとの噂が立つまでになる。ファンタジーの力は、現実世界の問題の解決にも役立つことが証明された。 |
2020年
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「ヒストリエ」(宮崎駿監督)
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岩明均氏が『モーニング』誌で連載中の原作を宮崎駿氏が映画化。
詳しくない方は検索して調べて欲しい。個人的に見てみたい作品である。
え?どさくさ紛れに管理人の趣味を書かないでくれ?いや、全部そうだから(~∀~)
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……
2035年 |
「生類憐れみの令の物語」(高畑勲監督) |
2020年以降も毎年のように長編作品が発表される。もちろん、近藤喜文監督作品も続々と発表が予定されている。
高畑勲監督も生涯現役を宣言、100歳を迎える2035年に新作が発表される。詳しくは昨年の記事を見て欲しい。 |