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■FR−033■
瀬戸内海 大阪→東予→新居浜 石鎚 新居浜→東予→大阪航路

写真 左:USJ港ドリームシャトル<キャプテンクック> 中:新居浜東港沖の<おれんじエース> 右:備讃瀬戸大槌島近くでの<おれんじ8>

2003年 夏 海の日を前にまたもや、オレンジフェリーで新居浜へ・・・ 石鎚神社本社参拝

                      

●航海 往路・瀬戸内海 復路・瀬戸内海
@★★★★★ 往路 大阪→東予→新居浜 四国開発フェリー=オレンジフェリー<おれんじ7>特別室右舷410号室 夜行便

A★★★★★ 復路 新居浜→東予→大阪 四国開発フェリー=オレンジフェリー<おれんじ7>特別室左舷420号室 昼行便
 総トン数:9,917.00  主機関:27,000 馬力  航海速力:22.5ノット  旅客定 員:750名  積載可能車 両数:トラック139台  就航年月日:1994.3.28

●旅程 船中一泊 一泊二日
第一日目 USJ港21:30(ドリームシャトル)→22:10大阪南港22:50(オレンジフェリー<おれんじ7>)→
第二日目 →06:10東予港06:40→07:50新居浜東港 新居浜東港(タクシー)→JR多喜浜駅08:04(JR)→08:27伊予西条 朝食 伊予西条09:29→09:33石鎚山 石鎚神社本社 石鎚山10:52→10:55伊予西条 ティータイム 伊予西条11:35(JR)→11:53多喜浜(タクシー)→新居浜東港12:40(オレンジフェリー<おれんじ7>)→13:50東予14:30→22:00大阪南港

 

やっぱり思い立っての船旅はまたもやオレンジフェリーで・・・ 海の日を前に石鎚神社本社へ参拝

●前日記
 海の日七月二十一日は今度は月曜日で連休となる。この連休にと思いはしたものの最近オレンジフェリーは週末や休日にはかなり繁盛しているようで望む予約がゲットできないことが多い。しからばその直前にと言うわけで明日明後日と出かけることにして予約センターへ電話。明日の夜便で行き明後日の夜便で戻る船中二泊、四国一日上陸を目論んだなのだが、またもや明後日夜便の特別室は満席。やむなく明日の夜便、明後日の昼便での特別室をゲット!
 まぁ、小生としては要はオレンジフェリー乗船が目的であって四国上陸は下船してから乗船するまでの間の暇つぶしに過ぎないわけであるからどちらでもいいわけだ。とにかく今回もお気楽オレンジフェリーの<おれんじ7>での瀬戸内海ワンナイトクルーズをゲットした!(^^)

●第一日目 またまたまたオレンジフェリーで


写真 USJ港ドリームシャトル乗り場桟橋
 おなじみのUSJ港からの最終便21:30発のキャプテンライン<キャプテンクック>天保山の海遊館前天保山西桟橋に立ち寄り大阪南港フェリーターミナルへ向かう航路に乗船。波は静かに凪いでいた。


写真 キャプテンライン<キャプテンクック>船上から巡る天保山
 USJ港を出ると直ぐに前方に天保山の大観覧車が綺麗なイルミネーションを輝かせている。今宵は岸壁に船影は無く海面に大観覧車と共にマーケットプレイスの建物の窓明かりが映り込み幻想的な光景が楽しめる。十分の航海で天保山西桟橋に入港した<キャプテンクック>からは数人の乗船客が下船して船内に残る乗船客はほんの数人。五分ばかりの停船で定刻21:45出港、大阪南港フェリーターミナルへ向かう。

●大阪南港フェリーターミナルから

写真 大阪南港フェリーターミナルに入港中の<おれんじ7>
 大阪南港フェリーターミナルの北端に設けられた浮桟橋に到着した<キャプテンクック>からは入港中の<おれんじ7>が遠望できる。桟橋から岸壁に降り立ち駐車場を横切りターミナルの連絡ブリッジに至りターミナルビルの二階待合室に至る。一回の発券窓口へ下り、乗船名簿に必要事項を記入して乗船券を手にする頃には丁度乗船が始まる定刻三十分前となる。
 殆ど待つことも無く連絡通路ブリッジの出口で乗船券を差し出し半券がもぎられると船旅は始まりを告げる。<おれんじ7>は船首を岸壁に向けてバースに接岸しているので左手に船体を見ながら船腹後方の乗船口まで100m近くを徒歩で行く。タラップを上ると船内車両甲板に至り、そこからエスカレーターで三階のラウンジへ至るエスカレーターが通じている。
 案内所でルームキーを受け取ると今宵も食事を済ませての乗船なのでレストランへは立ち寄らず自動販売機でコーヒーとポンジュースを買い込み直接部屋へ向かう。前回は左舷側の420号室であったのでの今回は右舷側の410号室を所望しておいた。右舷側は本州側の夜景が眺められるので眠気に誘われる明石大橋通過直後辺りまでは退屈しないからであった。
 部屋に落ち着き浴衣に着替える。
 定刻五分遅れで22:55出港。海面は穏やかだが雲が低く垂れ込めている様子で視界が悪い。

●第二日目 東予から新居浜へ 石鎚へ 新居浜から東予経由瀬戸内海から備讃瀬戸、播磨灘、大阪湾
 明石海峡大橋の手前で午前零時を迎え日付は変わる。
 新居浜へ定刻入港であれば港から多喜浜駅までタクシーで直行すれば08:04発の予讃線下り普通列車に間に合う。これで伊予西条まで行き駅前ビジネスホテルのレストランでのんびり朝食ができる。
 伊予西条では雨が降り出してきた。駅前を小走りでビジネスホテルのレストランへ。朝食は洋食はミニサラダの付いたサンドイッチにフルーツ少々&コーヒーの洋食または焼き魚や煮物などのおかずのお弁当に味噌汁の和食が何れも500円。洋食を注文してのんびりと食う。お変わりのコーヒーが100円というのが嬉しくなる。美味しい石鎚の水で沸かしたコーヒーは美味い。
 ゆっくりお変わりのコーヒーを飲み干し駅に戻り石鎚山までの乗車券を自動販売機で買い求める。改札を出て陸橋を渡り向かい側2番線ホームに入線していた松山行き普通列車に乗り込む。列車といってもワンマンカーで一両のみの車両。後部ドアが入口で整理券を取り降りる時は前部運転席側のドアから降りる。
 このホームには美味しい石鎚の水が湧き出している泉が作られている。カメラに収めたつもりであったがどうも何処にも見当たらない・・・。写っていなかったようだ。(笑)

●JR石鎚山駅から石鎚神社本社
 09:32JR普通列車は石鎚山駅に到着。降り立った島式ホームには待合室もベンチも、屋根も無く、見渡せば海側には辺り一面田園風景が広がり、山手側に石鎚の町がのどかに広がり山が近くに迫っていた。ホームの一端がスロープになっていてそこを下りると線路を渡り駅舎に至る。

写真 JR石鎚山駅
 かつては有人駅であった名残なのだろうかちゃんと駅舎のある石鎚山駅は無人駅であった。待合室に掲示された時刻表で帰りの上り列車の時刻を確認。一時間に一本強の割で普通列車があるようだが一本が観音寺行きとなっているほかは総てが伊予西条行きとなっていた。
 駅前にはちょっとした広場があり道路を挟んで向かいのよろずやさんのようなお店には「JRきっぷうりば」と手書きの看板が掲げられていたが店は閉まっている。
 雨降る中、傘を差し駅舎を後にする。駅舎から出て道路に出ると右手山側に向かえば前方に大きな鳥居が見えている。鳥居の方向に向かい歩き出すと左手に美容室、数軒おいて右手に居酒屋、また数軒おいてみやげものやなどが点在しているが何れも営業している様子は無い。

写真 石鎚神社本社への参道
 その鳥居は国道を渡ったところにあってそれから暫く一般道の緩やかな坂道が続いていた。その先正面に山門が見える。
 雨降る中をゆっくり歩むこと五分あまり荘厳に佇む山門に至る。そこからはなだらかな坂道の参道が鬱蒼とした立ち木に囲まれて続く。行き交う人影も無く静けさの中、三十段余りの階段を上ると社務所と神社会館のある広場に至った。ひとまず小休止。
 本殿はここからさらに階段を上り、右手に折れてさらに百段余りの階段を上ったところにあるようだが木々の茂みに視界が遮られ見ることは出来ない。
 社務所の前のベンチに腰を降ろし一休みするうちに雨が激しく降り始める。

石鎚信仰の教え(引用資料:石鎚神社HP)
 役(えん)の行者(ぎょうしゃ)の開山以来、石鎚信仰は、霊峰石鎚山に登拝することに始まりました。山そのものを神(神体山)として仰ぎ登拝するなかには、次の三つの教えの体得があります。
*修祓(しゅばつ)
 まず、石鎚山へ登拝するには、海や河、滝に入り、禊(みそぎ)をして心身の不浄を除きます。これを修祓といい、人間浄化の第一歩です。
*修行(しゅぎょう)
 次に、清浄を意味する白衣に身をつつみ、登拝しますが、頂上への参道には、試しの鎖、第一、第二、第三の鎖(合計距離、約230メートル)と御鎖の行場があります。険しい岩場にかかる、この御鎖にすがる時こそ、邪心を捨て、無我の境地を体験する、まさに命をかけた行(ぎょう)です。
*鎮魂(ちんこん)
この命がけの行、無我の境地を過ぎて頂上に達すると、人間は大自然と一体になり、神の心にふれ、神人合一のすがすがしい境地になって心が鎮まります。この境地こそが、鎮魂です。

石鎚神社は・・・(引用資料:石鎚神社HP)
 日本七霊山の一つ霊峰石鎚山を神体山(神しずまります山)とする御社で、山頂に頂上社、中腹に成就社と土小屋遥拝殿、そして麓の本社と、4社をあわせて石鎚神社と称している。
*石鎚神社本社
 西条市西田、国道やJR駅の近くに御鎮座。年間を通し、本殿にて主な御祭典、また御祈願、祈祷などを行い、社務所にて、統括した事務を行っている。
*石鎚神社成就社
 石鎚山中腹1,450mに鎮座。石鎚登山ロープウェイ下車徒歩20分。役行者が石鎚山開山の時、請願をなし、成就したことにより名付けられた。諸願成就の宮である。祈願、祈祷を行い、土小屋遙拝殿と並び、霊峰石鎚山への登拝の重要な拠点の一つ。
*石鎚神社土小屋遥拝殿
 石鎚スカイライン終点土小屋。1,500mに鎮座。昭和46年創立し、御神像を遷座奉斎。祈願、祈祷を行い、成就社と並び霊峰石鎚山への登拝の重要な拠点。(4月〜11月の間、開門)
*石鎚神社頂上社
 標高1,982m、西日本最高峰の石鎚山、山頂・弥山に鎮座し、石鎚大神の御降臨の磐境。山頂までは「鎖の行場」で名高い。試しの鎖、一之鎖、二之鎖、三之鎖がかけられているが、鎖の迂回路を通って頂上へ参拝することもできる。

 と、まぁ、かなり信仰の厚いお山のようであるがいかんせん行者修行の場にも相応しく険しい自然環境の中にある。麓の本社にはお山へのぼららなくともこの本社参拝で諸々の願いも叶うそうではあるが、ここもそれなりにお参りするには体力を要する。
 小生は社務所前のベンチで降りしきる雨の中、迫る山を見上げ参拝させていただくことにしておいた。霊気に満ちた辺りの趣はそれでも充分に爽やかなリフレッシュ感覚を満喫することが出来る。
 何よりベンチの背後、垣間見る社務所の中には賽銭箱の前に置かれた灰皿スタンド。前方の神社会館の玄関前には煙草の自動販売機があったことは近頃肩身の狭い思いを強いられることが多い愛煙家にとってはありがたさが身に染みる。(^^)
 もちろん我が身の化身が気持ちだけを携え本殿をお参りしたことにしてベンチに腰を降ろしありがたく霊気の中で一服の喫煙を愉しませていただいたことは言うまでもない。

 たちまちご利益に恵まれたようで暫く休むうちに激しい雨は小降りとなり、やがて雨は止んだ。霊気をいっぱい吸い込み爽やかに来し方をのんびり戻る。
 喫茶店でもあればコーヒーブレイクをと思いはするものの沿道には閉ざされたおみやげものや、営業しているのかしていないのか定かではない居酒屋、美容室があるほかには何も無い。駅前まで戻ると先ほどには閉じていたよろずやさんが店を開けていたようではあるが喫茶店ではなかった。
 待合室にはJRの作業員らしき男性が二名。会釈して迎えてくれる。
 待つこと十分あまり、上り伊予西条行き普通列車は定刻10:52到着した。ワンマンカーなので乗車時に整理券を取り乗り込むと車内で乗車券を車掌から買い求めるか下車駅の改札で清算することとなる。この列車の場合は車内放送で下車時に伊予西条駅で清算して下さいと告げていた。

●立ち寄り喫茶タイムin伊予西条・美味しい石鎚の水で沸かした炭焼きコーヒー
 上り列車には予定していたより一本早い列車に乗れたので伊予西条発11:35の普通列車で多喜浜へ戻る予定をしていたから10:55着のこの列車では接続待ち時間が四十分ある。しからば駅前の喫茶店で美味しいコーヒーをとなるわけである。

写真 伊予西条駅前喫茶コンチェルトで供される美味しい石鎚の水ポット(無料サービス)・炭焼き焙煎コーヒー400円<おつまみスナック付き
 前回訪れたときに味をしめた伊予西条駅前の喫茶店「コンチェルト」気楽な家庭的な雰囲気の喫茶店でコーヒーを注文すると、まず、冷えた美味しい石鎚の水をひとまずポット一杯供してくれる。そして待つこと暫し、供されるコーヒーは炭焼き焙煎の豆で石鎚の水で沸かした美味しいコーヒーである。しかもカップは洒落たウエッジウッドの器なのである。
 ゆっくりコーヒーブレイクのひと時を楽しみ、伊予西条からは11:35発JR普通列車で多喜浜へ向かう。
 今日は高校の終業式なのだろうか、こんな時間帯なのにいやに高校生の姿が多い。男子生徒はみな一様に白いワイシャツに黒いズボンをはいているが、女子生徒たちの制服は色々なデザインで華やいでいる。ちょっと幾種類くらいかと見渡してみると四種類か五種類は認められるようであった。伊予西条にそんなに何校も高校があるのだろうか。
 伊予西条から中萩、新居浜を経て多喜浜へ。この普通列車は途中離合待ちすることも無くスムーズに運行され多喜浜へは10:53着、所要時間は十八分である。

写真 トマト1パック55円・ウルメイワシ約50匹490円・ちりめんじゃこ一袋200g?500円
 多喜浜駅は島式ホームとなっているので改札へは陸橋を渡る。と言っても今では無人駅となっているから改札には人影は無い。陸橋の上からは入港中の<おれんじ7>のオレンジ色のファンネルが遠望できる。相変わらずのどかな多喜浜駅前には人影も無い。
 タクシーも駅前には無く電話で呼ぶことも出来るが徒歩数分の多喜浜タクシー営業所までぶらりと日と歩いて行く。営業所の数軒手前に何とか果実センターと看板を掲げたお店がある。何時も通る度に気がかりなお店なのだが店の前にたまねぎ10kg300円とか大きなトマトが数十個入った箱入りが一箱350円とかで並べられているのだが持ち帰るには多すぎて通り過していた。
 が、今日は小さなトマトがパック入りで一パック中り55円で出ていたので買い求めることにして店内へ入った。店内は果物屋というより食料品店の雰囲気で色々と食品が並んでいた。
 レジの側に袋入りのちりめんじゃこ、ウルメイワシがあり何とも美味そう。
「美味しいですよ・・・。」
 と、お店の人が勧めてくれるのでついつい買い求める。小生は食品の値段にはうといのだがいずれもかなり安いというか激安ではないかと思う。いずれも紛れも無く地元産品である。
 帰宅後いずれも順次食したがとれたて新鮮の美味さ山盛りであったことは言うまでも無い。とりわけ一炙りしたウルメイワシの美味さは絶品であった。

●復路も往路と同じ<おれんじ7>で・・・
 トマトとちりめんじゃこ、ウルメイワシを買い込み一軒置いて隣の多喜浜タクシー営業所へ。
「フェリーに乗るんか?」
 昼休みのおくつろぎ最中であったのだろうか、数人の運転手さんが居たが気さくに声を掛けてくれる。
 タクシーではものの五分あまり新居浜東港には正午過ぎに到着。乗船券は既に大阪で入手しているので発券窓口に立ち寄り必要も無く、窓口前を通過して二階の待合室へ。以前は営業していた待合室は売店営業を休止して以来久しく何時もシャッターが下りている。この日もシャッターが下りていて人影は無かったが、待合室にも全く人影が無い。天井の照明も消えていて待つ人影も無い。誰もいない・・・。
 新居浜東港から徒歩で乗船する一般船客は特に昼便の場合は何時も極めて少ないのが常ではあるが誰もいなくて照明すら消されている状況は初体験である。乗船ブリッジに通じる通路のドアも閉ざされたままである。どうしたことかと怪訝におもいながらドアを押し開き乗船口の方向を覗いて見ると乗船口に立っていたクルーが手招きしてくれた。乗船OKの合図のつもりなのであろう。
 堂々と乗り込む唯一の徒歩乗船客!
 もちろんエスカレーターで上がったロビーにも人影は無く案内所へ直行。
「これお客さまのお忘れ物ですね・・・。」
 と今朝方部屋でデジタルカメラの充電器をコンセントに差し込んだままに置き忘れていた充電器を差し出してくれる。気になっていたので途中で電話を入れておこうかと思っていたのだが、まぁ、戻ったときに尋ねて見ればいいと思い尋ねようとする前に差し出してくれた。こう言う辺りも小生にとって大いにオレンジフェリーがお気に入りの所以のひとつである。(^^)
「お部屋も410にしておきました。」
 と、昨夜の頭上での騒音が気がかりだった420号室を降りがけに変更しておいて欲しいと申し出ておいたこともちゃんと気遣ってくれていた。

 この新居浜12:40発の上り二便には幾度も乗船しているのだが週日月〜金曜日は出港直後の12:50頃、僚船の<おれんじエース>と港を出ると直ぐに反航するはずでその光景を何時もカメラに収めたいと思いながらついつい食い気先行で食い終われば既に行き違っていたとなってたり、土日に掛かる場合が多く未だに果たせていなかった。
 今日こそはと狙いを定めていたのでとにかくひとまずレストランへ行き昼食は早めに済ませ出港すればデッキに出ようと思っていた。

写真 左:おぼろ豆腐300円 右:さば塩焼き350円
「刺身はありませんか・・・?」
「この時間帯にはお刺身はありません。」
 ではと致し方なく刺身を諦め手にしたのはおぼろ豆腐とさばの焼き物。

 おぼろ豆腐は石鎚の美味しい水で作ったとうたい文句のある一品で美味い。さばは写真ではそれほどでもないが現物は丸々と太った大ぶりのさばを半分にぶったぎった豪快なボリュームだ。もちろん近海ものの生さばのようでこれまた絶品に値する。
 食い気に専念していてはまた<おれんじエース>との反航をカメラに収める機会を逸することになる。急いで食事を終えると本船は丁度出港、定刻12:40であった。
 レストランを出て四階経由五階の展望室へ行き、そこから甲板へ出る。港がゆっくりと後方に遠ざかって行く。


写真 新居浜港を後にする
 新居浜東港では<おれんじ7>は入港時に船首を翻し港の出入り口に船首を向け左舷を岸壁に接岸しているので出港時には真っ直ぐ港を出る。そのため入港時には港に入ってから接岸するまでに十五分程度を雄に要するのだが出港の際には港を出るには五分余りを要するのみである。
 後方に港、新居大島を見送りながら港を後にした本船はほんの少し直進すると左へ旋回を始める。

写真 左舷前方に<おれんじエース>の船影を認める。
 左舷前方に新居浜東港へ入れ替わりに入港する僚船の<おれんじエース>の船影が認められる。行く手を横切るかのように左舷から右舷方向へ進む<おれんじエース>を追い求めながら始めは左舷側デッキからその遠景をカメラに収める。

写真 新居浜港を出港して間もなく12:50頃、僚船<おれんじエース>と右舷側で反航する。
 本船はゆっくりと左旋回。前方ブリッジの影に隠れた<おれんじエース>の船影を追って今度は右舷側デッキに移動すると、やがて再びその姿を現す。<おれんじエース>も大きく右旋回しながら港へ向かい互いに反航して行く。
 オレンジフェリーは本船<おれんじ7>は大阪→東予→新居浜→東予→大阪の往復航路、<おれんじ8>は大阪→新居浜→東予→大阪の周回航路、<おれんじエース>は神戸→東予→新居浜→東予→神戸とそれぞれ異なる変則的な航路を行くが、この三隻を僚船として行き交うので僚船との反航を楽しめる機会が多い。
 この日も、まずはここ新居浜東港出港直後の<おれんじエース>との反航の後は、後刻夕刻瀬戸大橋を超えた辺りでは<おれんじ8>との反航が楽しめる。

写真 左:新居浜市沖の四坂島 右:東予港直前の航路表示ブイ
 幾度も度重なる機会を逸しての念願の<おれんじエース>との反航をカメラに収め大満足気分でひとまず船室に落ち着く。シャワーですっきり汗を流し室内デッキの椅子にまどろみながら写り行く霞む四国沿岸の景色を眺めながらの船旅満喫のひと時である。
 新居浜沖に浮かぶ四坂島沖を通過するとやがて巨大なクレーンが立ち並ぶ伊予沖を航行し小一時間のうちに東予港沖に到達する。海面には港への航路を示すブイが浮かび港が近いことを知らせている。


写真 特別室410号室の室内
 東予港への入港は入り江の奥へ入り込み船首を翻し船尾から接岸するので港の入口からは二十分余りの時間を要する。ちょっとひとやすみとベッドに身体を横たえる。
 うとうとしているうちに本船は入港し接岸していた。もう一寝入りと目を瞑ると程よい眠気に誘われうとうとと寝入りふと気づくと本船は東予港を出港していた。
 再び室内デッキにまどろむ。既に来島海峡大橋は後方遠くに見送っていて船窓からの視界には見えなくなっていた。点在する島影を見送りながら本船は凪いだ瀬戸の海を静かに滑るように航行する。ひたすらゆっくりとしたときが流れて行く。

 占いなど好きというわけではないが暇つぶしなどには最適である。Webのとあるサイトでの姓名占いをプリントアウトして持参・・・あはは。

【姓名占い】 *自己批評は小生記す。
天格 大吉:温和で強い意志を持ち、人望厚く順調な発展、成功を納められる大吉数。
 *自己批評:温和=アホ?(笑) 何事にも鈍感なのかも・・・。
地格 最大吉:発明発見の才があり、権力やお金に執着しないのに恵まれ、長上の引き立てのある最大吉数。
 *自己批評:大当たり! お金には執着していないのは確かだが恵まれているか否かは自覚無し。
 健康運:とても恵まれています。体力もあり身体も丈夫です。ただし、無理は禁物。ツケが大きく来ます。
 *自己批評:近頃咳に悩まされてます・・・オレンジフェリーに乗ると治ります。<医者は健康保険が使えますがこちらには使えず全額負担。
 恋愛運:ハイクラスな人物と縁があります。
 *自己批評:何処何処何処に・・・ハイクラスなお方?(^^)
人格 吉凶:大物、豪快で人望あり、人の上に立つ統領運をもっている。
 *自己批評:そうかなぁ・・・あはは
 金運:人から与えられるものを自分の力で大きくする事を喜びとします。使うことより運用する事を好みます。
 *自己批評:使うことも好きだけど・・・。
 仕事運:事業運を使いこなせます。
 *自己批評:使いこなしているのかな・・・自覚無し。
 結婚運:支配欲が強いので気の強い女性とは会わないのですが、手応えを求めるので、自然とそういう人を選ぶでしょう。
 *自己批評:自然の成り行きがそうなのかも。
外格 大凶:ニ面性があり迷いやすい人です。願望や目標を一点に集中させる努力を。
 *自己批評:これは当たっていない感じ。当たるも占い、当たらないも占い。
 対人関係・社交性:誰とでも話を合わせられますが、好き嫌いは激しい人です。内側に溜め込むと攻撃的になる事も注意。
 *自己批評:やっぱり鈍感に過ぎるきらいありなのでしょうねぇ。穏やかに大らかに気分良く過すことを好みます。
 社会運:自分の思いを計画性を持って具体化していく事ができれば、人の協力を得る事もできるでしょう。
 *自己批評:人さまのご協力あってこその自分の存在自覚してますです! はい!
 環境運:芸術に数多く触れられる環境が一番です。手始めに、インテリアのカラーを一番好きな色で統一してみては?
 *自己批評:インテリアのカラー云々より倒壊する前にまず家屋建て替えなきゃ!(笑)
総格 凶:才能はありますが、それを発揮させる能力にかけています。もっと地道に計画性を持った行動を。
 *自己批評:はい! 常に地道に大いに慈悲深く生きていますです!
 一生の全体運:計画性のない所がそのままいくと、大望ばかりあって何もすすまないといった雰囲気となります。もっと現実に実現可能な夢から叶えていくと吉。必要なのは達成感です。
 *自己批評:天上天下唯我独尊・唯一無我空
 晩年の運勢:晩年になっても夢を追う所がありますし、ロマンティストです。ただし、もっと身内に対して現実的な対処をする事。身内に支えられてこその安定なのですから。
 *自己批評:現実より夢がいい。(笑)

 なんともアホなことをあれこれ嗜好するうちに気が付けば昼寝をしていなかった。

 船旅はのんびりだらだら満喫するうちに過ぎてゆく不思議な時の流れに包まれているものである。

写真 瀬戸の眺め
 船窓に島々が点在する。見覚えのある島影もある。程なく瀬戸大橋に差し掛かる頃だ。幾度も幾度も乗船した航路ではあるが不思議にそのたびに新たな発見というか、毎回異なる船窓からの眺めに何時も退屈することは無い。季節によって異なる黄昏時の時刻の違い、日々異なる天候の違いなど色々とその原因はあるのではあろうが同じ船の同じ船窓からの眺めでありながら、その度ごとに異なる印象が何とも心地よいのである。これこそが船旅の醍醐味なのであろうか。
 瀬戸大橋を通過すると程なくおにぎり型の大槌島が目の前に。間もなく僚船<おれんじ8>と反航する頃。

写真 瀬戸大橋を通過して間もなく<おれんじ8>と反航する。
 やがて行く手前方に<おれんじ8>が視界に入ってくる。ここでの反航は互いに20ノット以上の船足で航行してのことであるから以外に短時間のうちに行き交ってしまう。
 前方に小さく認められた<おれんじ8>は程なく真正面に見えると見る見るうちに左舷後方へ遠ざかって行く。本船との間に貨物船が併走していて、その向こうを行く<おれんじ8>はやがて大槌島沖を行き遠ざかって行った。
 早くも昼行瀬戸の海の船旅は半ばを過ぎ余すは四時間。レストランの夕食営業開始を告げる船内放送に誘われ当然のことながらレストランへと向かう。美味い刺身を期待していたのだが・・・。


写真 <おれんじ7>船内レストランの夕食・オレンジ定食700円
 期待に胸膨らませ早速尋ねてみる。
「刺身はありませんか・・・?」
「お刺身はありません。」
 またもや期待していた刺身にはありつけず致し方なく刺身を諦め手にしたのはおれんじ定食。この日のおれんじ定食は二種類用意されていて、一品は丸一個分を半分に切った大ぶりのなすびの焼き物に鶏の唐揚げ、もう一品は小生が手にした写真の品であった。さばの味噌煮にかき揚げが三個、味噌汁にご飯であった。
 昼の塩焼きも美味かったがこの味噌煮も少々甘い目の味付けではあったがさばの味はやはり絶品にして美味かった。かき揚げもかりっと揚がっていてこれまた美味い。味噌汁は相変わらず甘ったるい四国の味か?
 今回もまた美味い刺身にありつけるとの期待は大きく裏切られたが毎度のことながらこのレストランの食事は何時ものことながら一品一品船内で調理してくれる温かな心遣いが嬉しく美味しく食べられることに期待を裏切られることは無い。
 ゆっくり夕食のひと時を過し、自動販売機で購入したコーヒーを手に船室に戻りアフターコーヒーを楽しむ頃には船窓の外にはやがて夜の帳が降りてくる。
 満腹の充足感漂う中、昼寝をしそびれていたこともありちょっと眠気に誘われ室内デッキの椅子に腰を降ろしながらうとうと夢気分。海面を行き交う船舶も多くさすがは瀬戸内海である。その合間合間に点在する停船している小船は多分漁を営んでいる最中なのであろうか。
 昨夜とは異なり視界も良く、やがて加古川辺りなのであろうかオレンジ色の街明かりが行く手前方に見えてくる。点在する小船がさらに一段とその数を増してくる。明石海峡が近い。
 明石の町明かりが微かに認められる頃本船は大きく緩やかに右旋回を始める。そして程なく視界に明石海峡大橋が浮かび上がってくる。

 明石海峡大橋を過ぎるとあますは僅かに一時間あまり。寝そびれた昼寝代わりにとちょっとベッドに潜り込む。暫し熟睡、気づけば既に船内放送は大阪入港三十分前を告げていた。

 

■余談 毎回異なる素敵な印象の船窓からの眺め&毎回異なる船内レストランのバラエティー
 ほんとに不思議なのですがなんど行き来しても船窓からの眺めはその度に新たな印象を伴う新発見があって驚きです。同様にオレンジフェリー各船の船内レストランでの食事のメニューのバラエティーに富んだ移り変わり振りにも驚き。旬の味わいをその時々に供してくれるのが特徴かとも思うのですがその時々に美味しい新発見に恵まれる歓びはあり十分に満足感もあるものの、豊かなアラカルト料理が色々と供されるときやわびしく定食とお定まりのメニューだけが供される時との格差はかなり激しく一定していないバラエティーの豊かさが特徴のようです。(笑)
 でも船内レストランの名誉のためにあえて申し添えます。定番メニューのとんかつ、エビフライ、魚フライ、オムカレー諸々、それに絶品の揚げたてじゃこ天などなど、いずれも決して期待を裏切られることの無い美味しさには大満足!<アラカルトメニューが少なくても決して落胆することはありません!

■余談 豪華フェリー船中一泊四国上陸正味四時間(正確には四時間五十分)
 この船旅はご覧の通り船中一泊、そして四国上陸四時間余りを楽しめる旅である。ちなみに・・・。
@最上級船室・特別室での船旅であれば
 豪華船室独り占めでの料金は往路12000円x130%+帰路12000円x130%x70%=15600円+10920円=26520円
 ちなみにおふたりでお行きになるなら独り占め料金は不要なので往路12000円+帰路12000円x70%=12000円+8400円=20400円(ひとり当り)
 特別室は<おれんじ8>なら展望風呂が付いてます。湯船にゆったり浸かりながら瀬戸の海を眺めて・・・と満喫できるのは間違い無し。<おれんじ7>なら室内デッキが大きな足元までのふたつの船窓に移り行く眺めを満喫しながら旅情を堪能できること請け合い。両者に優劣つけがたし・・・お好みでお選びください。小生は<おれんじ7>の方がお気に入りです。<但し420号室or410号室、310号室&320号室はやや狭いです。
 <おれんじエース>の特別室は特質すべき特長はありませんが結構ノスタルジック漂う落ち着いた雰囲気は楽しめこれまたそれなりのよさのある部屋です。
 ちなみにいずれの特別室にも冷蔵庫は備えられていない。毎回四国の新鮮な海の幸をおみやげにと思うことがあるのであるが生ものの持ち帰りは未だに叶わない所以でもある。
A二等指定で行くなら
 豪華パブリックスペース使い放題で往路4100円+帰路4100円x70%=4100円+2870円=6970円
*いずれもオレンジ会員として入会しておけば入会金年間1000円は必要だが総て20%割引となりさらにリーズナブルに行ける。
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*食事は絶賛に値する朝食は美味しい石鎚の水でサイフォンで沸かした船内でのレギュラーコーヒー200円にブランド塩伯方の塩を添付してくれるゆで卵1個50円で、昼食は魚フライ定食800円、夕食はおれんじ定食700円を食するとすれば三食で僅かに1750円で済む。朝食にゆで卵を五個食っても1900円にしかならない超リーズナブルプライスである。
 もちろん、さらにゆったりのんびり下りも上りもオレンジフェリーの夜行便にすれば船中二泊で超のんびりゆったり船旅も楽しめ乗船料金も変わりは無く、ゆったり四国上陸正味十二時間(正確には十二時間五十分)を楽しめる。
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 リフレッシュひとり旅にも、楽しくグループ旅行にもお勧めです!

 

■ORANGE ROOM■

@Aオレンジフェリー  キャプテンライン・ドリームシャトル

 

2001 H13
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