●オレンジフェリーの航路初乗船の船旅!

■FR−002■
瀬戸内海  大阪←→新居浜←→東予←→大阪航路  瀬戸内海ワンナイト
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写真 大阪南港出港直後の<おれんじ7>のデッキから後方を望む

1998年 師走 船中一泊二日・瀬戸内海周回ゆったりワンナイトクルーズ

●航海 周回・瀬戸内海
@★★★★★ 往路 大阪→新居浜 四国開発フェリー=オレンジフェリー<おれんじ7>特別室 昼行便
A★★★★★ 復路 新居浜→東予→大阪 四国開発フェリー=オレンジフェリー<おれんじ7>特別室 夜行便
 総トン数:9,917.00  主機関:27,000 馬力  航海速力:22.5ノット  旅客定 員:750名  積載可能車 両数:トラック139台  就航年月日:1994.3.28

●旅程 船中一泊 一泊二日
第一日目 京都→大阪南港13:30→新居浜東港→東予港→
第二日目 →05:50大阪南港 大阪入港後船内休憩可07:30まで 大阪南港→京都

 

 定期航路にだってこんな船旅もあるのですよ! 如何? 出発地点からぐるっと一回りして元に戻る周回の船旅である。大阪から出発して新居浜経由東予そして再び大阪へ。まぁ、本来ならば東予往復と言うのでしょうが、今回は東予往復乗船券を購入して、東予では下船せずに乗船しっぱなしで大阪まで戻ってきた。
 発券窓口では東予で一旦下船するようにと念を押されていたが、乗船時にインフォメーションで今回の旅の目的を告げると、快く東予で下船せずに乗船のままでの折り返しを承諾してくれた。もちろん料金は往復を払うわけだが、復路は三割引。この便は早朝05:50大阪着だが、07:30までは船内休憩サービスのシステムがあってゆっくりしていられる。瀬戸内海の昼の景色、黄昏、夜景、朝焼けと存分に瀬戸内海大満喫の船旅となる。もちろん明石大橋も瀬戸大橋も絶景。瀬戸内海航路では最高の設備を整えた船と言っても過言ではないほどの、まるで高級シティーホテル感覚の内装は群を抜いている。

 

【第一日目】

往路 大阪→新居浜→東予→ オレンジフェリー<おれんじ7> 瀬戸内海満喫周回航路
 昼過ぎに乗船すると、定刻13:30静かに岸壁を離れ、眺めの素晴らしい瀬戸の海を静かに西へと向かう。大阪湾を後にすると程なく神戸の町並みが海岸線に広がる。爽やかな潮風を受けながら甲板から眺めているうちに程なく遠目には明石大橋が目に入ってくる。
 瀬戸内海の眺めは北に本州、南に四国、間に間に小島を、そして行き交う船舶をと尽きることなく巡り続く。この日はべた凪、正に滑るようにと言う言葉は、この航海のためにあるのかと思いたくなるほどなめらかに海面を進んで行く<おれんじ7>。最上階の展望ラウンジは高級ホテルのロビーさながらに座り心地のいいソファタイプの椅子がゆったりと配されていてくつろぎのひとときを過ごせる。
 海面を赤く染めていた夕陽が落ちて程なくすると左手には高松の町並みの夜景が夜空に浮かび上がる。間もなく瀬戸大橋の雄姿が視界に入り始める頃、レストランには夕食の準備が整ったと船内放送の案内に誘われレストランへ。セルフサービス式のこざっぱりと綺麗なレストランは、あちこちに家族連れや若い学生風のグループの人たちがテーブルを囲んでいた。小生は魚のフライ定食を求めた。大きな鮭のフライに野菜サラダとパスタのサラダが添えられみそ汁と香の物とごはんで何と700円で満腹。
 食後のコーヒーは部屋へ戻り、ゆったりとくつろぎながら瀬戸大橋でも眺めて見ようと、レストランへ入る前にお湯を入れて貰うため、インフォメーションに預けて置いたポットを受け取り船室に戻る。コーヒーパックをカップに入れ、熱湯を注げば辺りに芳ばしい香りが仄かに漂よい何ともゴージャスな気分。デッキの椅子に腰を下ろし、高松から西へ連なる灯りが点在する四国の沿岸を眺めながらのコーヒーが、のどごしに爽やかに広がる。
 左手前方に瀬戸大橋のランプウエイを浮かび上がらせるイルミネーションが目に止まり、じっと見入れば巨大な雄姿が迫ってくる。明石大橋は夜毎に綺麗にライトアップされているが、瀬戸大橋はライトアップされていない。それでも行き交う車のヘッドライトの流れが、橋の下側に設けられた鉄橋を行くマリンライナーの光跡が、およその様子を浮かび上がらせる。相変わらず凪の瀬戸の海を行く<おれんじ7>は微動だにせず心地いい。
 夜の帳が降りた新居浜には定刻20:10に入港接岸。僅か三十分余りの停泊の後、静かに岸壁を離れ東予へ向かう。一時間余りの静かな航海の後、東予港にも定刻21:50に接岸。本来ならばここが一応の目的地であるわけで、普通は乗船客の誰もが下船することになるのだが小生には関わりはない。(^^) 乗りっぱなしで大阪へ戻るわけだから・・・。
 東予港を22:40出港。船室でくつろいでいるとドアをノックする音。客室係のクルーがにこやかに微笑みながら
 「このままお戻りになりますよね。お掃除とベッドメークは如何致しましょうか?」
 と新しいタオルと歯ブラシのセットを持ってきた。もちろん掃除の必要もベッドメイクの必要もないので、丁重にお断りしてタオルを受け取る。適度な気配りは結構洗練されていて<おれんじ7>クルーへの好感を覚える。

 

【第二日目】

●復路 →大阪 オレンジフェリー<おれんじ7>
 思えば<おれんじ7>は早くも大阪への帰路に就いている。船室のサイドビューの窓からは本州側の島影や点在する町並みの灯りが見える。再びコーヒーを入れながら更けゆく夜の瀬戸の海に視線を巡らせ続けるうちに、前方には再び瀬戸大橋の雄姿。心地良い眠気にも誘われてベッドに潜り込む。
 熟睡から目覚める。まだ外は暗い夜明け前である。船内放送は間もなく大阪入港を告げている。
 ゆっくりと朝食を済ませてから下船準備、早朝到着のための船内休憩時間を設けた心憎いまでもの嬉しいサービスに大満足。

●<おれんじ7>の船室 特別室 素晴らしい室内デッキ
 片道料金13,650円(注:今は料金が改定され少々安くなっている。<12,000円) 復路は三割引 特別室のしつらえは素晴らしいの一言に尽きるでしょう。ゆったりとしたセミダブルタイプのツインベッド、ゆったりとした浴室、リビングスペースのソファも椅子もゴージャスなクロス貼りで、瀬戸の海をのんびりと眺めるには最適な室内デッキにはちょっとしたリゾート感覚の藤椅子とテーブルの三点セット。クルーのみなさんの気配りもなかなかのもの。
 あえて難を言えばベッドにベッドパッドが無いと言うこと。これには驚きだが予備の毛布を引き込めば一応問題なし。快適。けれどもやっぱり、これほどまでに豪華な船室なのに冷蔵庫が無いのはちょっと惜しい感じ。美味しいものを持ち込んでゆったり船室でと思われる向きにはちょっとご不満かも・・・。
 四国開発フェリー<おれんじ7>船長さま!
 ベッドパットを敷き、冷蔵庫があれば最高の居住性を満喫できると思います。ご準備なさったらご連絡を下さいませ! 是非また周回乗船を楽しませていただきたいと思って居りますので・・・。(^^)

 

●余談
 この船と言うべきかそれとも会社の経営姿勢なのでしょうか。何かと旅人の心を捉えた心憎いまでものサービスが行き届いていると見た。特に船内休憩のサービスはのんびり船旅を楽しむ向きには何とも嬉しいサービス。この便で周回して大阪に帰港するのは早朝の05:50。もちろんお急ぎの方には本来の移動手段としての交通機関であるならどうしてこんなサービスをと怪訝に思われる方が居られるかも知れない。
 「05:50に到着後船内で07:30までどうぞごゆっくりおやすみくだい。」
 と言うサービスなのだが、その間、レストランも朝食バイキングの営業を行っている。和食も洋食もバラエティー豊かに準備されている。おかゆ、ロールパン、食パン、みそ汁、焼き魚、はむ、ソーセージ、味つけ海苔、卵焼き、ゆで卵などなどにジュース、ミルク、コーヒー、お茶など気前よくたっぷりどうぞと言った具合で850円は満足満足。ちょっと難はパンを焼く(セルフサービス)オーブントースターが壊れていてトーストパンは真っ黒焦げ・・・。(^^)

 

■後日追記 2001年 秋 10月中旬
 オレンジフェリーでは一昨年辺りから瀬戸内海ワンナイト企画として、この船旅のように大阪南港発定刻13:30の便で新居浜、東予をめぐり下船することなく翌朝大阪南港へ戻る船旅を盛んにPRしている。特別に用意される夕食と朝食もセットになった二等寝台利用のお得なプラン。が、小生は相変わらず今なお単純に往復を買い求めての乗船ばかりである。<実は特別室利用での場合は差額を支払えばいいのだが、この場合はあまりお得ではないようだ。この時は周回できるこの便の使用船舶は<おれんじ7>であったが現在は新鋭船の<おれんじ8>となっていている。
 未だに残念ながらベッドパッド敷き込みと冷蔵庫設置の願は不思議と叶えられていない。そんなことはさておき、いずれにしても、この時の瀬戸内海ワンナイトがクセとなり虜となって、その後、今日に至るまでことあるごとにこの航路活用の所以となったことに疑いの余地はない。(^^)

■後日追記 2001年 秋 10月下旬
 この航路でのワンナイトは今月で確か六度目を楽しんだ。クルーズ客船でも時々あちこちの港でワンナイトクルーズ企画が行われているとは思うが、こちらは定期航路。連日一年三百六十五日休まず運行されている。何時も大阪からの乗船になるのだが同様に新居浜からのワンナイトも可能だ。
 但し、オレンジフェリー主催の「ワンナイトクルーズ企画」は 瀬戸内海ワンナイトクルーズ と言うタイトルで大阪発着のみで実施されている。基本料金は二等寝台利用で@10,000円。参加者特典として @ブリッジ見学 A船橋見学 Bゲーム貸し出し、それに夕・朝食の二食付。特に夕食は参加者にだけは一般乗船客とは別に特製の旬を彩る「クルージングディナー」が用意されている。かなり、お得である。上級船室への変更も出来るが差額料金を支払う必要があり、特に特別室を利用する場合はあまりお得ではない。それに、HPには説明がないように思うのだが三日前までに予約をしておく必要があるので残念ながら小生は未だにこのサービスを利用したことはない。
【自主企画瀬戸内海ワンナイトクルーズ】
 ご参考までに本日十月三十一日現在のオレンジフェリーを利用してワンナイトが可能な便は次の通りである。
@大阪発着<おれんじ8> 大阪発13:30→新居浜→東予→翌朝05:50大阪帰着、帰着後午前七時三十分まで船内休憩可
A新居浜発着<おれんじ7> 新居浜発12:50→東予→大阪→翌朝07:50新居浜帰着
 なお、乗船料金は通常の往復料金を支払うことになるが、往復同一等級利用の場合は復路が三割引になる。
・特別室利用 往路道12,000円+復路8,400円(12,000x0.7)=往復料金20,400円 一人で利用時は三割増=26,520円
・二等自由席利用 往路片道3,660円+復路2,562円(3,660x0.7)=往復料金6,222円

■後日追記 2002年 冬 1月
 思い返すほどに、この船旅は衝撃的でさえあった。これを始まりとしてオレンジフェリーでの瀬戸の海の船旅は今までに13回を数えていた。それを機に、 
特別室・おれんじの部屋 を開設。小生の勝手気ままなオレンジフェリー絶賛のページとした。
 今、読み返すに、この頃はレストランの魚フライ定食魚フライは鮭であった。今はアジである。また、大阪入港後の船内休憩は、この頃は07:30までであったが、今は08:00までと三十分延長されている。

■後日追記 2002年 春 5月
 この船旅に始まったオレンジフェリーでの瀬戸の海の船旅はすでに十六回を数えている。その時々、思い立ったままに乗りっぱなしのワンナイトのこともあれば、新居浜上陸半日の往路ワンナイトあるいは新居浜上陸一日での往路復路ともに夜行便での船中二泊など色々である。
 大阪・新浜・東予を巡るこの航路は毎日昼行便と夜行便の二便が運行されていることが何とも小生にとっては好都合なのである。

■ORANGE ROOM■

オレンジフェリー

 

1998 H10
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1999 H11
next02.gif (38489 バイト)■FR−003■  ■FR−004■  ■FR−005■  ■FR−006■  ■FR−007■  ■FR−008■  ■FR−009■  ■FR−010■  ■BANGAI-1999■
2000 H12
■FR−011■  ■FR−012■  ■FR−013■  ■FR−014■

思い立っての船旅 前世紀・1998-2000