■FR−016■
太平洋  名古屋←→仙台←→苫小牧  札幌雪祭り・太平洋フェリー希有変則ダイヤ仙台乗換
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写真 苫小牧から仙台港へ入港する<きたかみ>から

2001年 厳冬 今世紀初の北海道、ぶらっとまたもや太平洋フェリーで札幌雪祭りちらっと・・・

                      

●航海 往路・伊勢湾→太平洋 復路・太平洋+太平洋→伊勢湾
@★★★★★ 往路 名古屋→仙台→苫小牧航路 太平洋フェリー<きたかみ>スィートルーム 昼夜便
A★★★★★ 復路 苫小牧→仙台 太平洋フェリー<きたかみ>スィートルーム 夜行便
 総トン数:14,000.00 全長:192m 旅客定員:842名 航海速力:24.0ノット 主機 (最大出力):28,800馬力 車両積載数:トラック176台・乗用車150台
B★★★★★ 復路 仙台で乗換 仙台→名古屋 <いしかり>スィートルーム 昼夜便
 総トン数:15,000.00 全長:192m 旅客定員:852名 航海速力:24.0ノット 主機 (最大出力):29,540馬力 車両積載数:トラック176台・乗用車150台

●旅程 船中二泊+船中二泊 四泊五日
第一日目 京都→名古屋→名古屋港金城埠頭→
第二日目 →仙台港→多賀城 多賀城鍋賞味 多賀城→仙台港→
第三日目 →苫小牧港→苫小牧→札幌 札幌雪祭り 札幌→苫小牧→苫小牧港→
第四日目 →仙台港 希有な変則ダイヤのために<きたかみ>から<いしかり>に乗換 仙台港→
第五日目 →名古屋港金城埠頭→名古屋→京都

 

真冬の太平洋、銀世界の札幌雪祭り、復路苫小牧から<きたかみ>仙台からは<いしかり>となる変則ダイヤで・・・

 愛する太平洋フェリー! 何とHPの運行予定表に見入っていると何とも不思議な運行予定の日があった。往路は<きたかみ>で行き、その便で苫小牧で折り返すと<きたかみ>は仙台止まり。仙台からは<いしかり>が名古屋まで運行されていると言う大変珍しい変則ダイヤである。ドッグ入りのための調整でやむなく変則ダイヤを組まざるを得なかったことは想像に難くない。が、しかし、こんなに希有な恵まれた機会に、思い立たないはずはなかった・・・。こうして今回は珍しく一ヶ月前に予約を入れた。二月の厳冬の最中のことで、きっとがら空きであろうとの想像に反し「札幌雪祭」の日と重なりほとんど満席の様子であったが幸運にも往復共にスィートルームを予約できた。

 

●第一日目 名古屋から

往路 名古屋→ 太平洋フェリー<きたかみ>
 京都から新幹線で名古屋駅に降り立つと例によって名古屋駅の地下街で味噌カツときしめんの定食を食しタクシーで名古屋港金城埠頭へ向かった。今日の<きたかみ>は「札幌雪祭」観光のためにほぼ満席と聞いていたのでターミナルビルは人で溢れているかと思っていたのだが大した混雑ではなかった。到着したのが出港定刻20:00の五十分くらい前のことであったから既にほとんどの乗船客は乗船していたのか、あるいは仙台からの乗船客が多いのだろうか。スムーズに乗船券を手にして乗り込む。
 小生の好みの精なのかもしれないが、やはり<きたかみ>のスィートルームは妙に落ち着く。レストランは多いかもと夕食を済ませての乗船なのでもっぱら船室でくつろぐ。
 定刻20:00に出港した<きたかみ>は順調に航海。

 

●第二日目 終日航海で黄昏時に仙台入港

●往路 →仙台→ 太平洋フェリー<きたかみ> 仙台入港、苫小牧へ向かう・・・
 ぐっすり熟睡、目覚めると、まずは太平洋のご来光を拝みながらコーヒーブレイク。さっぱり朝のシャワーを浴びてくつろぐうちに食欲も目覚めてくる。レストランへ向かうと、やっぱり人が多かった。入口には人の列が出来ている。この航路でこんなに船内に乗船客が溢れているのは初めての経験。でも、さすがは太平洋フェリーである。そんなに待たされることもなくレストランへ入れてバイキングの朝食をゆっくりと楽しむことができる。
 この航路では仙台入港17:00までの昼間航行はたっぷりと船旅の醍醐味を満喫できる一日となる。いつも退屈するのではないかと思いもするのだが不思議に退屈した憶えがない。朝食後には船内探索宜しく散歩を兼ねてあちこちを一巡してデッキで外気を思い切り深呼吸してから船室へ戻るとひととき朝寝?(^^) 何もしていなくてもこれまた不思議に適度に空腹感を感じるのは船旅の常である。その頃にはランチタイムが始まることになる。ランチのバイキングでは何時も麺類が供されているがこの日はきしめんであった。さすがに名古屋航路。でも実は少々名古屋っぽい証なのだろうか、味付けはいつもちょっと甘ったるいような気がするのだが・・・。
 昼食後、暫しひとやすみして「ふぇりかクラブ」でコーヒーブレイク。程なくブリッジ見学の案内がある。そんなこんなで案外船昼間の内生活では時間の固まりがないから退屈しないだろうと思うし、また、乗船客を退屈させまいとする太平洋フェリーの心遣いなのでは無かろうかとも思う。もちろんあれこれ「参加する」「参加しない」は乗船客の自由である。
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写真 仙台港へ入港接岸間近の<きたかみ>から見る仙台港フェリーターミナルビル

 そんな訳で退屈することなく昼間航行はことのほか早く終焉を迎えて<きたかみ>は、やがて定刻17:00に仙台港に入港した。出港の20:00まで三時間ある。今宵はまともな夕食にありつこうと船内で聞いていた桜町へタクシーで向かう。開店したばかりの趣の女将が玄関先から覗いていた料亭に入りおすすめのコースを食す。多賀城鍋とやらも付いているという。さすがに海辺、塩釜も近い精なのだろうか、魚も貝も誠に美味い。多賀城鍋は貝類をベースにウニまでたっぷりと入った海の香り満載の貝汁の趣<美味い美味い。ゆっくりのどかに夕食を済ませ港へ戻る。再乗船して満腹の身体を部屋のベッドに横たえると程なく定刻20:00仙台出港。

 

●第三日目 苫小牧から札幌へ

●往路 →苫小牧 太平洋フェリー<きたかみ>
 毎度のことながら早くも二晩を船上で過ごし朝を迎える頃には下北半島沖にさしかかる。朝食を楽しんでいる間には津軽海峡沖を航行していて心なしか海面に北国の趣を感じる。
 定刻10:45苫小牧入港。札幌へ向うことに・・・。

●札幌雪祭、そして帰路へ・・・
 
港からは札幌への直行のバスがあるのだが雪模様なので送れては困るとJRで向かうことにしてタクシーで苫小牧駅へ。JR北海道では苫小牧・札幌間には特級自由席での往復割引乗車券「Sきっぷ」が発売されているのでこれを購入。
 一応の旅の目的は札幌雪祭りであった。札幌では知人とちらっと会う約束もしていたので、こうして雪の中をJRで札幌へ向かうことになったのだが、いきなり特急列車は到着が遅れるという案内アナウンス、どうも雲行きが怪しい。JRも、どうやら雪には弱いようで札幌まで本来なら小一時間で生けるはずの特急は雄に三十分あまり遅れて札幌駅にたどり着いた。おかげでこの調子ではあまりのんびりして居られないと改札を出て知人と出会うなり雪祭会場の大通り公園へ向かった。地下鉄で一駅の距離と言うことなので折角の初札幌体験と徒歩で向かう。アイスバーンの歩道はなれない身にはどうも危うい。しかも寒い、さすが北海道だと感心。大通り公園にたどり着くとさすがに名だたる「札幌雪祭」会場、人出は大賑わいである。が、しかし、如何とも寒さにはことのほか厳しいモノがある。ものの十五分あまり鑑賞はしたものの早くも退散、駅に戻りレストランで歓談の一時を過ごすことにした。
 一時間ほど歓談の後、JRが遅れそうなので予定より一本早い特急で苫小牧へ戻ることになった。往復船中四泊を費やしての「札幌雪祭」鑑賞はかくして十五分あまりを以てお終いとなっていた・・・。(^^)

●往路 →苫小牧 太平洋フェリー<きたかみ>
JRは苫小牧への帰路もやはり少々遅れたが<きたかみ>は遅れることなく定刻19:20苫小牧港を出港した。札幌往復を慌ただしく済ませての再乗船であったが暫し船室に身をやすめると程良く空腹感に見舞われる。レストランでのディナーのひとときを迎えることになる。太平洋は広い・・・。それでも、この航路は沿岸に沿って航行するので全く何も見えない訳ではないが苫小牧港を出港して暫くすると殆ど船窓に流れ行く夜景はなくなる。で、腹を満たすとその後の今宵のショーのお世話になる次第である。
 民謡のグループのショーであった。女性一人、男性三人の若いグループであった。
 苫小牧港に戻り、数時間ぶりの<きたかみ>と再会して再び船上の人となる。実は今回の船旅は「札幌雪祭」鑑賞というのはいわば名目であって、この<きたかみ>は仙台までの変則的な折り返し便で、翌日、仙台から名古屋へは<いしかり>に乗り換えなければならない。が、今回はこれが主たる目的である。北海道に思い残すことはない。

 

●第四日目 目覚めは三陸沖

●復路 →仙台 太平洋フェリー<きたかみ> 仙台で乗換 復路 仙台→ 太平洋フェリー<いしかり>
 翌朝、レストランでの朝食を終え船室にくつろぐうちにほどなく前方彼方に仙台港が視界に入ってくる。真っ直ぐに突き進み行く。やがて島が疎らに近付いてきて入港は間近。港内に入るとほどなくフロントビューの船窓からは前方に岸壁が見える<いしかり>の姿が見えた。<いしかり>は岸壁の前方に接岸していた。その<いしかり>後方に<きたかみ>は定刻09:00接岸した。
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写真 苫小牧から仙台港へ入港する<きたかみ>から

 今日は大イベント。ここでこの<きたかみ>から前方の<いしかり>へと乗り替えとなるので荷物を整理して一旦下船する。ターミナルビルでは、まずは発券窓口で<いしかり>へのチェックインを済ませ向かいの公園で暫し散歩。有り余る時間はゆっくり岸壁散歩で楽しむ。この日<いしかり>は前日から仙台近郊の企画クルーズに出ていたそうで船腹から斜めに下ろされた下船ブリッジが岸壁に延ばされていた。車で乗ることのない小生にとっては下船口から覗く車両甲板の光景は新鮮に映るが・・・、大きな鯨がぱっくり口を開けて車をたんまり呑み込むような印象を持つ。
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写真 左:仙台港<きたかみ>船上から前方岸壁に接岸しているの<いしかり> 右:仙台港乗船ブリッジから手前<きたかみ>前方<いしかり>
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写真 左:仙台港接岸中の<いしかり> 右:下船口が船腹から岸壁に下ろされている
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写真 仙台港接岸中の<いしかり> 舳先は岸壁前方の間近に接していた。

 仙台入港から一時間半あまりが経過していた。一時間前には乗船できるので待合い室に戻る。程なく乗船。まさかと思いきや、あのぱっくりあんぐり開いた岸壁に延びた車両搭載用ブリッジからの乗船であった。ターミナルから出て岸壁を徒歩で歩いての乗船である。積載車両が少ないのか入口からは車両の姿が見えないが何だか車両積載甲板というものは大きな工場の中のような様相で油臭い香りが漂っている。船内案内所フロアへはエレベーターで上がることになる。車両で乗船するドライバーはこのエレベーターを使用することが常なのであろうが、車で乗船する機会のない小生に取ってはこれも嬉しい初体験である。
 乗船券の船室を確かめると右舷側の部屋ではない怪訝に思いながら案内所で右舷の部屋を予約して置いたことを告げると
 「昨夜来のクルーズで右舷100号室が使用されていて部屋に香水の香り凄く残っているので変更させていただきました。」
 という。
 「そうですか?」
 しかし、中程の部屋は好みではない。左舷あるいは右舷の角部屋が好みである。臭いは構わないからと予定通り右舷側の部屋にしてもらう。案内され部屋に入ると確かに室内には強烈な香水の香りが漂っていた。気にはなるがまあぁいい、ドアを開け放ちはしてみたものの慣れてしまえばいいだろうと格別の対処は諦める。それにしてもかなり濃厚な香水の香りであった。
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写真 仙台港出港直後の<いしかり>から<きたかみ>を見送る
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写真 左:<いしかり>のブリッジ 中:ブリッジ内のナビゲーター用デスク 右:デスク頭上には神棚
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写真 仙台港を後に名古屋へ向かう太平洋を行く<いしかり>船上から

 仙台港を出港すると間もなくいつもなら名古屋からの僚船とすれ違うのだが今日は<きたかみ>を仙台港に見送っているので僚船はない。ブリッジ見学はのんびりと行われた。まどろむうちに航海は順調に続きやがて黄昏を迎える。
 レストランが営業を開始する船内アナウンスをうとうとしながら聞き流し今夜は焼きおにぎりとイカ飯で、と決め込むと再び暫しの眠り。寝ぼけ眼で目をこすりながら運動不足解消にとデッキを巡り船内散歩。目的のイカ飯を売店で買い込みコーヒースタンドふぇりかクラブで暖め盛りつけてもらうことに。コーヒーを飲みながら一緒に焼きおにぎりを作ってもらう。隣のおじさんが山盛りの美味そうな枝前の皿を置いてビールを傾けている。枝豆も注文。
 自室に持ち帰ったおにぎり、イカ飯、枝豆をテーブルに並べる。売店では牛舌も買い込んで居たのでナイフで切る。コーヒー好きの小生にとってはスィートルームにサービスで置かれているレギュラーコーヒーパックは何ともありがたい。
 仙台出港時にアシスタントパーサーのお嬢さんに余分にいただけないかとたずねてみれば
 「後ほど、お部屋へおもちしますよ・・・。」
 と嬉しい返事。六個も持ってきてくれたのには感激しきり、元々四個は置かれているので計十個。(^^) 安心安心。幾らコーヒーが好きと言ってもこれでは充分すぎる。(^^)
 まどろみながら食い続けるうちに夜は更けた。

 

●第五日目 名古屋港に帰着

●復路 →名古屋 太平洋フェリー<いしかり> また思い立って・・・と思いつつ
 翌朝目覚めると船窓の外は夜明けを告げていた。太平洋を眺めながらの船室の展望風呂は正にこの世の天国だ。すっきり朝シャン目覚めのコーヒーをすすりながら旅の終わりを間近にしたひとときをひたすらくつろぐ。
 やがて伊良岬沖から三河湾沖を過ぎると伊勢湾へ入り知多半島沿いに航行、最後の朝食バイキングをゆっくりと楽しみ部屋に戻る。今回の船旅の終わりを告げるコーヒーブレイクを終える頃、名古屋港はもう近い。定刻09:20名古屋港入港、金城埠頭に接岸した。

 

●余談
 今回のように仙台港で乗り換えるというような変則ダイヤが組まれることは希にしかない。事前の予約電話を入れたときの担当の人も、乗船時の名古屋での発券窓口での受付嬢も、帰路の苫小牧での窓口でも盛んに仙台での乗り替えを詫びられた。が、小生にとっては乗り替えこそが目的、その類い希な帰路での乗り替えが正に今回の狙い。雪祭りなどは殆どどうでもよく北海道上陸時の時間つぶしのようなものであった。むしろ雪祭りであったが故に結果的には往復スィートルームが確保できたことはラッキーではあったが乗船客はいつになく多く満室の状況であった。
 ブリッジが無く車両積載口からの乗船の機会に恵まれたのも<きたかみ>が通常のバースに接岸し<いしかり>はその前方の普段は使用していないバースに臨時に接岸していたためであったが、これもまたおもしろい体験として思い出に残る体験であった。

 

■後日追記 2001年 秋 10月中旬
 <きたかみ>の「ふぇりかクラブ」のお嬢さん、イカ飯チンッ&盛りつけ、手作りおにぎりありがとう色々お世話になりました。(^^) ほかほかご飯でおかか入り手作りおにぎり・・・。(^^) 今年六月に乗船したときには<いしかり>と同じ焼きおにぎりになってましたねぇ、残念。 <いしかり>アシスタントパーサーのお嬢さん、美味しいレギュラーコーヒーのパックわざわざお部屋まで届けて下さって感激でした! やっぱりフェリーと言えば太平洋フェリーさんですね!

 

@AB太平洋フェリー

 

2001 H13
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2002 H14
■FR−022■  ■FR−023■
  ■BAGAI-2002A■  ■BANGAI-2002B■
■ORANGE ROOM■
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思い立っての船旅 今世紀・2001-200X