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養育費算定表は、各当事者の個別事情を考慮せず、義務者と権利者の収入および子供の年齢だけを考慮します。
@ まず、基礎収入を計算します。
基礎収入=税込み給与×0.4 実際は、給与所得者の場合、0.34〜0.42をかけます
自営業の場合は、0.47〜0.52をかけます
簡単にするために 0.4としてみましょう。
A 子の生活費を計算します。
55 又は 90
子の生活費=義務者の基礎収入 × ---------------------
100 + 55 又は 90
15歳〜20歳は 90、他は 55
B 義務者が負担すべき養育費を計算します。
義務者の基礎収入
養育費=子の生活費× ----------------------------------------
義務者の基礎収入 + 権利者の基礎収入
- 計算例:父親の年収700万円、母親の年収200万円、子供2歳のケース:給与所得の場合
@ 基礎収入を計算
父親の基礎収入=700万円 × 0.4
=280万円
母親の基礎収入=200万円 × 0.4
= 80万円
A 子の生活費を計算
55
子の生活費=280万円 × -------------
100 + 55
= 99万3548円
B 義務者が負担すべき養育費を計算
280万円
養育費=99万3548円 × -----------------
280万円 + 80万円
=77万2760円(年額)
≒ 6万4400円(約:月額)
- 当サイトには、次の4つの計算式が載せてあります。
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基礎収入割合
- 裁判所が、審判で、手作業で養育費を計算する場合、基礎収入割合を簡略して 0.4 と固定することが多いです(給与所得の場合)。
- 上記計算式でも、基礎収入率を 0.4 と固定したので、算定表と比べて、若干、誤差がでます。
- 養育費算定表では、給与所得者の場合、基礎収入の割合は、42%〜34%としています(高額所得者の方が割合は小さい)。そうすると年間収入25万円の場合が42%、2000万円の場合が34%のようです。
- 年間収入2000万円超の場合、養育費はどうなるか、問題です。当初は、2000万円の場合と同じ(養育費は上昇しない)と考えたようです。他方、収入上昇と同じく養育費も上昇するとの考えもあります。下記中心値を算出する計算機は上昇するとの考えで、収入4000万円くらいまでは計算可能です。それ以上は、基礎収入割合が不明ですので、計算結果は不正確です。
基礎収入割合は、収入は上昇するにつれ、減少するのですが、どの程度減少するのか不明です。算定表を発表する際に
、それを発表し、透明性がある議論をすべきですね。
- 当サイトの(中心値を算出する)計算機では、基礎収入率(割合)は次のように計算しています(給与所得の場合)。
基礎収入率(割合)= 0.42-0.08×(収入-250000)/19750000
- 事業所得の場合
- 収入金額
所得税申告書中、収入金額から経費を差引いた所得金額から、さらに、社会保険料控除額を差引いた金額を収入金額として養育費を計算します。別の言い方をすれば、課税される所得金額(26)に社会保険料控除額(12)をプラスした金額を収入金額とします。
- 給与所得と事業所得がある場合
給与所得を事業所得に変換して計算します。例えば、給与所得1000万円、事業所得290万円の場合、給与所得1000万円は、事業所得710万円に相当します。そこで、710万円+290万円=事業所得合計1000万円として計算します。
あるいは、事業所得を給与所得に変換します。事業所得290万円は、給与所得400万円に相当しますので、1000万円+400万円=給与所得合計1400万円として計算します。若干誤差が出ますね。
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実際の計算は下記計算機でできます(養育費の相場、平均を知ることができます)
2.養育費請求の手続き
養育費を請求する場合は、相手方の住所地にある家庭裁判所に調停申立てをします。調停は話し合いです。調停が成立しなければ、自動的に審判に移行し、裁判所が決めてくれます。
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調停前置 |
家事審判法9条乙類4号、家事審判法18条1項 |
| 管轄裁判所:調停 |
相手方の住所地 |
家事審判規則129条1項 |
| 調停不成立 |
審判へ自動移行 |
家事審判法26条1項 |
| 訴訟へ移行 |
家事審判法26条2項 |
| 管轄裁判所:審判 |
相手方の住所地 |
家事審判規則94条 |
不服申立 高等裁判所宛 |
即時抗告 | 家事審規則97条、2週間(家事審判法14条) |
| 審理:高等裁判所(家事審判規則19条)、提出先:原家庭裁判所、印紙:1800円 |
不服申立 最高裁判所宛 |
特別抗告 | 民事訴訟法336条 審理:最高裁判所、提出先:原高等裁判所 理由:憲法違反 5日以内 |
| 許可抗告 | 民事訴訟法337条 審理:最高裁判所、提出先:原高等裁判所 理由:判例違反、法令の解釈に関する重要事項 5日以内 |
3.養育費の説明
養育費の趣旨
婚姻外で子が生まれた場合、未成熟の子どもの監護者は、他方の親に対し、扶養料(養育費)を請求できます。離婚に際し、未成熟の子どもの衣食住の費用(養育費)の分担を、一方の当事者(通常、母親。父親が子供を養育し、母親の収入が多い場合は父親)は他方の当事者に請求できます。
養育費の金額は
親の生活程度によって異なります。子どもは、(生活レベルが高い方の)親と同水準の生活を求めることができます(生活保持義務 民法752条)ので、親の学歴、生活レベルが高ければ、養育費の額もそれと同じ水準を前提とした金額になります。
養育費は子供が成人するまで
養育費は、通常、子どもが成人(20歳。アメリカでは州によって違いますが、18歳とする例が多い)に達するまで支払う例が多いです。最近は、当事者の約束で、子どもが22歳に達するまでとする例が増えてきました。
過去分の養育費
過去分の養育費は、請求の意思表示をした以後の分のみを請求できます。そこで、裁判所に申立するのは後にしても、まず、内容証明郵便などで請求の意思表示だけはしておきましょう。
生活保護基準方式から養育費算定表へ
従来(平成15年3月まで)東京家庭裁判所など多くの裁判所は生活保護基準方式により子どもの生活費を計算し、負担能力(扶養余力)比率に応じて父の分担額(養育費)を算定していました(生活保護基準方式に基づく養育費計算機)。生活保護基準は、ほぼ、毎年変わります。
現在(平成15年4月以降)は、養育費算定表を使います。
養育費の金額
養育費の受給状況については、現在も受給している者が19.0%、受けたことがある者
が16.0%、受けたことがない者が59.1%となっています。
養育費を現在も受けている、または一度で
も受けたことがある者の養育費の1世帯当たりの平均額は、月額42,008円となっています(厚生
労働省雇用均等・児童家庭局「全国母子世帯等調査」(平成18年))。
当事者は、正確な養育費の金額が予め計算できないから安易に妥協してしまう例も多いです。当事者は、他方の当事者に対してではなく、公的保護に頼る傾向があります。
アメリカ、カナダでは、養育費ガイドライン(Guidelines of Child Support) として、あるいは
Childsupport Calculators for all states などで、ドイツでさえ、
Dusseldorfer Tabelle (Stand: 1.1.1996)、などで、具体的な金額が発表されています。
日本では、情報公開が遅れていましたが、平成15年4月に養育費算定表が公開されました。しかし、基礎収入率、低額所得者の養育費の計算根拠などが明らかにされず、算定方法の正確な再現は困難です。
養育費支払いの約束、差押え
養育費は約束しても途中で支払われなくなることが多いです。特に相手が再婚した場合は、不払いになります。そのため養育費の約束は文書にすること、できたら家庭裁判所での調停、あるいは、審判、あるいは、公証役場で公正証書にしてもよいです。不払いの場合、調停調書、審判書、公正証書があると、給料差押え(差押申立書)などの強制執行ができます。
アメリカでは、1975年、連邦政府がChild Support Enforcementプログラムを作り、各州が養育費の履行確保制度を持っています。1984年以降は、養育費の給料天引制度などが導入されています。オーストラリアも同じ。
2004年4月1施行された新しい改正法律によると、(期限がまだ来ていない)将来分の養育費を請求して、相手が将来受取る給与等を差押できます。これを利用すれば、毎月、養育費を給料から天引きしてもらえます。
この将来分の養育費を請求債権として、将来の給料をなどを差押える方法は、保証金なくして仮差押をしたと同じで、極めて効果的です。
反面、債務者(差押をされた当事者)は、差押の取消しの申立(民事執行法153条)をすることになりますが、期限が到来した養育費を支払っても、差押の取消しをしてもらえず、極めて不利な立場に追い込まれます。養育費を遅滞することは避けましょう。
差押えの対象は給料等の債権(継続的給付にかかる債権)、限度は、通常は、給与(通勤手当を除く)の手取り額(社会保険料および税金を差引いた額)の1/2(通常は、1/4まで)まで差押さえできます(民事執行法152条3項)。給料(手取り額)が高額(月額66万円超)の場合は、月額33万円を越える部分は差押えできます(民事執行法施行令2条1項1号)。