minwa of 倉橋島のお宝

倉橋島の民話

善太郎鼻
親孝行むすこの善太郎が能美島で石工として働いていたが、父が急病でたおれたので、息のある間に早く帰ろうとして、小舟で帰るとちゅう、大向のみさきまでくると波が高くなり、小船が木の葉のようにゆれ、とうとう船はくだけ、おとうさんに一目あいたいと、父の病気を心配しながら死んでいきました。 その夜から、島をかよう船は、善太郎鼻があれなければいいがと心配のたねになっています。夜、この岬をとおるのをきらわれたので、今は供養の石塔がたてられています。
おつる岩
大向の浜の西の方におつる岩がある。おつるという娘が潮干狩りのために、磯に行ったところ意外にたくさんの石牡蠣のあるのを見つけ我を忘れて採っているうちに、岩から島の間は潮が満ち、しかも大風となつた。人里離れ救助もなく波にのまれて泣き叫びながら死んだという。 今でも風の強く吹く時は、おつるの鳴き声が聞こえると伝えられている。