各種趣味ですよ

乗り物やら生録やら

自動車単車

日産ティーノとか二輪とか。

懐かしの生録趣味

生録音…某合唱団サイトにおいといた残骸です

ラジオのおはなし

えー、生録もそうですが、すっかり斜陽化した趣味にBCLとかSWLとかいったものがあります。まあ、それはそうなんですが、根強いファンや出戻り組と言うのもあるわけでして。

出戻ったわけでもないんですが、何か最近無性にラジオを聞きたくなったんですね。誰かの手で中継されるIPのパケットより、電離層と地面の間を反射しつつ自力で飛んでくる電波に面白みを感じるというか。昔のスカイセンサー5800ことICF-5800はほとんど完動状態で持っているのですが、ラジオとしては大層すぎたり性能が十分じゃなかったり。そこでソニーのICF-SW7600GSを買いました。最近のソニーには幻滅させられることが多いのですけど、こういうBCLラジオの流れを汲む製品をきらしていないのは立派です。

でも、やっぱりデジタルチューニングというのは馴染めない。待ち受け受信など「番組を聞く」には良いラジオですが、あてもなくバンドをさまよう楽しみが感じられないんです。そこで寝床に松下のRF-B11をおいてあります。こんなラジオでも「プロシード」を名乗っています。往年の「プロシード」ファンは泣くかも。送信所がそばにあるのでとても環境が悪いのですが、中波のイメージが出ます。それでもイランの日本語放送など良く受信できます。気が向くとFMのステレオ音楽を聞く事もできます。使いやすい、良いラジオです。

最近もっと病気したのが、ラジオのキットを組む事。ハムズオフィスから通販で買ったHK-11という並三(3ペン)のキット。並三といっても知らない方がほとんどでしょう。再生検波付きの三球式ストレート受信機のことです(0-V-1、6BD6, 6AQ5, 6X4ですってもっと判らないか)。<戦時中に使われていたラジオ>の事だと思って下さい。当時はスーパーヘテロダイン方式の受信機などを持っていると特高が来たそうです。キットではどこの倉庫を探したのか、随分古い部品が使われています。6BD6が不良だったので交換してもらったのですが、ハムズオフィスというお店、なかなか好印象です。こういう古典的なラジオでも、ローカル局を受信するには充分な性能が出ます。


懐かしのレコード

涼しい時期を狙って、少しずつLPやEPをCD-R化しています。クラシック物は大体再発されるからわざわざCD-Rにしなくてもいいのですが、ポピュラーな音楽は消えていってしまいます。それなりに人気があった人でも久保田早紀の最後の頃のアルバムなど、CDで出る予定がないらしいと聞きます(通販で限定発売されました)。そんな作業で再発見したのが藍美代子。何度かドリフの全員集合にも出たことがあるので、ブラウン管で見たことがあるはずなんですが、ビジュアルな印象/記憶がありません。スカパーの「夜のヒットスタジオ」でも残念ながら出てきません(久保田育子、日暮しの回は永久保存です)。ドリフの「超能力だよ」は入手しましたが、出番が…(ToT)

純エリ子をやめ藍美代子で再デビューした際の「ミカンが実る頃」、アニソンの「星の子チョビン」程度でしか知られていないのですが、実に上手いんですねえこの人。まず声が良くて音程が良い。相当きちんとした歌の勉強をした人だろうと思います。ソプラノらしいスピードのある声に綺麗に響きが乗っていて心地良いんですよ。声の表情もフレージングも上手ですし。アナログ最盛期のふくらみのある録音と音の空間が広く空いたバックの演奏が、飛びの良い声を生かしてます(ほかならぬ御本人が「あのアルバムの音質は誉められた」「数年前に自分でCDを購入して歌を聞いたら感動した」と…)。

どうして売れなかったのかな。歌の上手さと売れるかどうかは別問題ということなのでしょうか。当時は上手い歌手が多かったからかな(ミミ=後のミミ萩原だってなかなか上手いんですよ)。上手すぎて隙がなかったのが逆に悪かったのかな…… 今は仙台は国分町でパブスナック「ビーネ」を経営しながらFMに出たりライブで歌ったりしているそうです。日舞もやってるんですね。なんか、励みになるよなあ、こういうのって。一番好きなのが「思い出がもひとつ」。よくコントロールされた清潔な声が素晴しい。そのうちちびエリミで飲みにいってみようかしらん(もちろん飲んだら乗りません(^^))。

藍美代子さんと話しちゃいました

さて時は過ぎ、ちびエリミで仙台に遊びに行ったときはビーネは定休日。ま、西島三重子の歌で有名な笹谷峠を通ったからいいさ… めげずに出張で仙台に行った際に再度寄ってみました。

いましたよ藍美代子さん(←実際に会うとさん付けになるw)。かわいらしい表情と歌い手らしい張りのある奇麗な声が印象的でした。丁度お客さんが切れた時間帯で、新しく-なんと三十年ぶりに-発表するアルバム(今度はジャズのCDで、タイトルはお店の名前と同じ『biene』←ここから注文できます)のお話や歌謡曲時代のお話、数年前身体を悪くしたのが歌とpfの勉強を再開したきっかけだったというようなお話を伺いましたね。「どんな曲でも歌う自信があった」と言い切る目には、まぎれもない演奏家の光がありました。店にpfを置くスペースがないため、普段はベースとギターをバックに歌うのだそうですが、残念ながら今回はカラオケバック。スタンダードナンバーを聞き、ウイスキーのロックをちびちびやり、へたれな筆者もなんか元気が出た気がしましたよ。そこそこ飲んだのに会計もリーズナブル。店のおねいさん方も美人でジャズが好きそうです。クレジットカードも通るので、仙台にお越しの際は是非(と、何かと応援してしまう)。

筆者の所からだと、ゼファーに乗れば、笹谷-仙台-米沢というルートは気軽な一泊ツーコースになります(飲まなきゃ強行日帰りコース)。年に一度位は藍美代子さんのライブと笹谷峠のライディングを組にして楽しもうかな。問題はビーネライブが平日夜なことで(涙)。

雑談の中の雑談ですが、Bネじゃなかったビーネで驚いたのは、おねいさん方が「国立大学はもうない」ということを知っていたこと。結構知らない人が多いのに。東北大の先生方がよく来店しているというのは本当だと判りましたよ。

それと、Vo+ギター+ベースというのもよい選択ですね。ドラムスやpfをガンガン鳴らすのはお店の規模にも、藍美代子さんの比較的軽い声にも合わない。すると、ノンドラムで演奏できるポピュラー音楽といえば、タンゴや昔のフォークやジャズってことになりますねえ。

最近「純エリ子」時代のレコードを聞く機会があったのですが、藍美代子さんて昔からうまかったんだというのがよく判ります。カンツォーネ成分が入った「バラは贈らないで」なんて採譜して自分でも歌いたいよぉ

筆者は人間の顔を覚えるよりも声を覚える方が好きだと見えて、「耳から離れない声」というのがあります。谷山浩子の歌もそうだったなあ。小学生の頃だったろう、一度聞いた「おはようございますの帽子屋さん」をずっと覚えていて、十年程後に児島由美さんのNHK-FM「軽音楽をあなたに」で流れた際、歌手の名前がわかったという(そうそう児島由美さんも好きだったな。この方も別名で現役です)。Julie Covingtonもそうだった。あれは某所で宿直をしていた夜、FM東京(当時)で流れたのをポケットラジオで偶然聞いたDancing in the dark。20年近く正体がわからず、Googleのお蔭でPete Atkin氏のサイトを見つけ、あの夜の声を再び聞く事ができたんだ。Beautiful Changes plus、Julie Covington plus。今聞き直してみると、随分歌詞を間違えて聞いていたな。それにしてもネットは助かる。藍美代子さんがスナックを経営しているというのもある懐かしオーディオ系BBSで知ったのが初めてだったし、ほとんどの音源を手に入れられたのもネットのおかげ。Julie Covington、藍美代子どちらもiPod mini 6GBに収まり、心の友になっています。熊野松風米の飯とはよく言った物で、きちんと演奏された歌は何回聞いても飽きることがありません。

「Biene」入手。とても心地よいリリカルな仕上がり。低音の暖かい表現を中心にしていますが、高い音を引っ張り回すとやっぱりあの藍美代子の片鱗が。早速iPodに入れました。感想と言うか檄文というか… 「ジャズは初心者」といってこれだけのアルバム出すんだもんな。歌謡曲時代を知らない方でも楽しめるでしょう。

オンラインゲーム作家藍美代子?

ある日検索エンジンを動かしていたら、オンラインのテクストアドヴェンチャーゲーム「アースガルド星の楽しい昔話」が見つかりました。このゲームの制作者名が「藍美代子」になっています。小説やエッセイを発表する歌手はいるが、ゲームとは珍しい(鉄道趣味が嵩じてトレシミュ作っちゃったミュージシャンはいましたが…)、でもCD制作とライブで忙しいんじゃないのかなあ? と思い、藍美代子さんにメールを出した所、実際には心あたりがないそうです。御本人も知らなくて驚いたとか。「藍美代子」を名乗るとは、このゲーム制作者はファンの方なんだろうか?(この項目は2005年6月8日記載。14日現在も制作者名は変わっていませんね。)

CD発売記念ライブ記念ツーリング

2005年9月17日に藍美代子さんのCD発売ライブがありました。天気が安定していたので、ゼファー750を引っぱりだして仙台を目指す事にしました。用事があって出発したのは昼過ぎ。250km程度の距離なので、6時の開場の頃には辿り着くでしょう。本来なら急ぐべきはずなのに、わざわざ山形県民の森を通り、またしてもR286の笹谷峠を(このくらいヘアピンがきついと、ちびエリミの方が走りやすい)超え、仙台西道路に入ったのが6時前。ここからが長かった。渋滞している上に出口がわからん。クソ重いナナハンを漸く広瀬通りの駐輪場に入れ、ライディングギアはロッカーに放り込んで、その足で141に。開演ぎりぎりで滑り込み。思ったより近くて助かったぁ。

モギリをしている女性には見覚えがある。お店で働いているおねいさんです。蔭アナの声にも聞き覚えがあるぞ。

ゆったり座るとキャパ100位のハコが9割方埋まっていて、結構年輩の方が多かったようです。おそらく「ミカンが…」時代のファン層よりも上な。バラード系の曲も多くて、わーっと盛り上がるんじゃなくて、ほのぼのとした、しっとりとした雰囲気。高い音(相変わらずとても綺麗)を活かしたアドリブやコケティッシュなフレーズを交えて18曲、アルバムの曲中心にKilling me softly with his songまで。とても延び延びと聞こえます(後で聞いたら緊張しまくっていたそうなんですが…)。特にThe RoseやToo Shy too Sayといった静かな曲が美しく、入れ込んでいるのがありありとわかります。

それにしても、やっぱ単車と音楽は合う。音楽を聞いている間は直四のビートを感じるし、ワインディングを走る時はフォービートを感じる。

お客さんが大分はけた後、一度しか会ってないのに私を見つけてくれて、「え、バイクで来たの?」。その後、ビーネで打ち上げ? があったんですが、既におねいさん方相手にかなり飲んでいた私らの傍らで、ミュージシャン達と相談している様子が真剣なんですね。私のような酔っ払いにまで「6時間もかけてよくきてくれましたねえ、ライブどうでした」って聞いてくれるし。いろいろアドリブをいれ始めている、歌でそういうことができるのがとても嬉しい、ってお話も伺いました。

同じように神輿を据えてしまった数人のファンと看板まで(看板を超えて?)飲みましたが、良い酒は変に残らない物で、翌日は元気に蔵王エコーラインを走り、お釜を見て、金山峠、高畠と回って帰りました。山道ばっかり走ったら300km走るのに実走8時間近くかかった。背筋はへたるし足はがくがくになるし。それでも山形の田圃道を走っている間も藍美代子さんの歌声が頭に鳴っていたりするんですよ。

バイク乗って、よい歌を聞いて、なるほどなーってお話を聞いて、美人のおねいさんがた相手に旨い酒を飲んで、蔵王のお釜と山道と高畠の田舎道を楽しんで、よい週末でした。

ウィキペディアのマニアックなカキコ

最近何かと騒ぎなウィキペですが、[[藍美代子]]もなかなかのものです。少し前なら純エリ子と藍美代子の関係を知っているだけで威張れたものですが(笑)。最近これまたマニアックな追加がありました。

仙台市青葉区に本社・本店のある大井宝石店のコマーシャルソングでは、当時小学生とは思えない素晴しい歌唱をしている。
日本語版Wikipedia「藍美代子」より

○ちゃんなどを覗くと、ウィキペには削除主義者という方々がいるそうですから、消されちゃうかも知れませんね。この歌は「宮城なつかしCM大全集」(宮城なつかCM保存会、2007)の第22トラック、取説の42ページで扱われています。作詞は千葉幸雄、作曲は坂本登。歌は当時坂本登音楽教室の生徒であった、宮沢美代子時代の(??)藍美代子さんです。1965年制作。小学生の歌には聞こえません。今度飲みに行ったら年齢詐称していないか訊いてみよう(笑)。

あ、そうそう、「大井時計店」なので訂正よろです>投稿者の方。 この項{{GFDL}}

定禅寺通ジャズフェス

毎年9月のはじめ、定禅寺ストリートジャズフェスティバルに行くのが最近の楽しみになっています。笹谷峠をゼファーで越えていくのがまた楽しいのですが、2013年の回は雨模様だったので初めてラフェスタで行きました。仙台市内は駐車場が多くしかも判りやすいので助かります。

これは藍美代子グループの前に演奏していた「こまったーず」です。こんな風に傘の花が咲いていました。で、藍美代子さん登場。こんな雨のテントの中で嶋津さんがアップライトを嬉しそうに弾いているのがまたぐっと来ます。



ビル・エヴァンスのWaltz for Debbyをしっとりと。下手のお客さんに向かって歌いかけているところです。雨も小降りになり、誰も傘をさしていません。ドラムスの方の都合が悪くなったということで、急遽ドラムレスで演奏したとのことですが、それが不思議に当日の天気に合っていて、最後のCome Rain or Come Shineまで明るく穏やかな美代子節を聞かせてくれました。


演奏後のバックヤード。藍美代子さん、嬉しそうですね。

二度目の東京進出

藍美代子さん、ついに東京に引っ越しちゃいました。お母様が亡くなり、お父様が施設に入り、今では東京にも沢山仲間がいるからとおっしゃっていました。地震の時は本当に大変だったそうで、強い方ですね。頭が下がります。

ジャズシンガー AYACO

今ちゃん→ AYACO

ジャズシンガーというと、やはりこのコの名前を挙げないと申し訳ない。我が地元で活躍しているAYACOこと今井綾子さんとは昔同じアマチュア混声合唱団で歌っていたんです。元々新潟のとても有名な声楽家の下でクラシックの歌を勉強していた今ちゃん(と我々は呼んでいた)はある年の最後の演奏会の後、「これからはジャズをやりたい」としっかり仁義を切って去って行きました。それ以降生活面など大変だったようですが、粘り強く歌い続けて、東京でも歌うようになって、少し前のうちらの演奏会にも来てくれて、いい話をしてくれたなあ。一見軽そうなコなのですが、とてもしっかりした芯があって、ほんと頭が下がりましたよ。

筆者は音楽活動からほとんど脱落しているのに、あの頃OLやってた今ちゃんは今やジャズスポットで大活躍。地元なんだから歌を聞きにいかないとなあ。でも、職場と家を単純往復運動している日常がそれをなかなか許してくれなかったりするのです。気合いを入れて遠くに行く方が楽だったりする。などと藍美代子さんばっかり応援してると、今ちゃんもといAYACOさんに怒られそうだ(笑)。今度長岡に聞きにいくからねー

ふと気付いたのですが、ジャズスポットには酒が付き物というのがなかなか行けない理由の一つなんだな。田舎に住んでいるとガソリンエンジンに極度に依存した生活になります。すると音楽聞きにいくのもちびエリミのスタータ回すのですが、となると飲めないんですよ。「飲んだら乗るな」はもちろん、二輪だと「飲んだら死ぬぞ」ですから。

AYACOさん、残念ながら2010年の終わりに山口に引っ越してしまいました。家族の都合みたいです。広島で歌うのがもう決まっているんですよって嬉しそうでした。夏には新潟でも歌うそう。また聞きに行かなきゃ。


怪奇小説

海外サイトのおかげで、英語圏の古い文学作品を読むのが簡単になりました。昔大いに楽しんだアーサー・マッケンの「パンの大神」「白い人々」「赤い手」「黒い封印の話」「弓人」「小人について」(これのソースはArment Biological Pressの"Strange Creatures VII"です)、御存じHPLの「エーリッヒ・ツァンの音楽」「白い船」、ブラックウッドの「太古の魔術」「盗聴者」、R.W.チェンバースの『黄衣の王』から「黄の印」「ドモワゼル・ディー(イースの令嬢)」「預言者達の楽園」「四風の街」「初弾の街」「草原の聖母の街」「リュー・バレー(行き止まり)」などを冬の夜、布団の中で少しづつ読むのはなかなかよいものです。ついつい原文を読みふけってしまい、勢いで「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」に出てくる有名な散歩の経路を現在の航空写真に重ねてみました。CharlesWardWalkingMap.pdfをどうぞ。Google Mapやストビュー、Wikimedia commonsのおかげでH.P.L.の愛した町の様子がわかります。ついでに全訳してみました。「チャールズ・デクスター・ウォードの事件」「闇をさまようもの」「忌まれた家」「冬至祭」「ウルタールの猫」「時間からの影」「ピックマンのモデル」「魔女の家で見た夢」「狂気の山脈にて」「怪奇小説の執筆についての覚書」「ランドルフ・カーターの陳述」「名状し難いもの」「眠りの壁の彼方に」「銀の鍵」です。お読みください。

怪奇小説として毛色の違ったものでは、アンブローズ・ビアスの「板張りの窓」「チカモーガ」も切れ味のよい作品です。こうして見ると訳が下手だなあ。内容をよく覚えていなかった(もしかすると訳を読んだことがなかった?)「カルコサの住民」も読むついでに訳してみました。ラヴクラフティアン必読の不気味な話です。おまけに「羊飼いハイタ」もどうぞ。

もう少し時代を遡って、レ・ファニュの猫怪談「ドラムガニョールの白い猫」を訳してみました。行き届かぬ点は多いのですが、お読みください。

詩人の佐々宝砂さんのTwitterのタイムラインでりついされていた中に、アンナ・キングスフォード Anna Kingsford が出てきました。多分西洋魔術博物館が元です。

(画像のソースはWikimedia Commons)「ヴィクトリア期のオカルト者で一番美人」という触れ込みに惹かれ、鼻の下を伸ばして調べてみると、幸いProject Gutenbergに Dreams and Dream Stories 「夢と夢の物語」がありました。その第二部「夢の物語」前編を訳してみました(もしかして初訳?)。クリスマス・ストーリーの第一話 Village of Seers (「千里眼の村」)、怪談仕立ての悲恋物語である第二話 Steepside (「崖端館」)、作家の考えがはっきり表明されている第三話 Beyond The Sunset (「夕映えのむこうの国」)、皮肉な筆致の第四話 A Turn Of Luck(「幸運のターン」)、悲恋物語の第五話 Noémi(「ノエミ」)、これも純愛に身を捧げる第六話 The Little Old Man’s Story(「小さな老人の話」)、花の精の口を借りて真理と正義の為に一身を捨てた老哲学者を描く第七話 Nightshade(「犬酸漿」)、真の英雄は何を救うべきかを説く第八話 St. George the Chevalier(「騎士・聖ジョージ」)をどうぞ。第一部「夢」から「夢日記」(抄)も訳してみましょう。マイナーですがマイラ・ジョー・クロッサーの「門にて」は動物好きの方々に読んでいただきたい掘り出し物です。同じくマイナーなオリヴィア・ダンバーの「感覚の殻」「長い部屋」も佳品です。

怪奇小説ではありませんが、戦後SFから一つ。スプートニク・ショック冷めやらぬ頃のリチャード・マッケナ:「愛と月の犬」とコードウェイナー・スミスの「親友たち」「いえ、いえ、ラゴーフにはもう!」「西洋科学は素晴らしい」、H・ビーム・パイパーの「最愛の君」。ついでにベンジャミン・ブリテンが作曲した「五つの花の歌」 Five Flower Songs の各詩を邦訳してみました。Five Flower Songs 邦訳(odt)Five Flower Songs 邦訳(pdf)をどうぞ。Marsh flowers にでてくるフェンですが、ケンブリッジシャーのイーリーを舞台にした、ジム・ケリーのシリーズが頭に浮かびます。詩の内容も曲調もそんな感じですね。詩人の George Crabbe が生まれたアルデバラは隣の州にあります。

そういえば昔キャサリン・マンスフィールドも訳したなあ。「カナリア」「パーカー婆やの人生」「蠅」「一杯のお茶」。燦然たる名訳があるのに、屋上屋を架する黒歴史なのかもしれませんが、若いっていいなあっていうか若気の至りということにしてもらって(そのくせ、これらもCC-BYで公開しようと思っているw)。黒歴史ついでにガンジーの「日本の全ての方々へ」、オーウェルの「ファシズムとは何か」「絞首刑」「詩とマイクロホン」「象を撃つ」「ナショナリズムについての覚書」「あなたと原子爆弾」「貧乏人の死に方」もどうぞ。毒を喰らわばなんとやらでホーソーン「死者の妻たち」なんかも。

拙訳の一部を青空文庫に登録していただきました。作品・翻訳に関する情報やお問い合わせは、青空文庫ではなく、Web管理人(GHF03464@nifty.ne.jp)にお寄せくださるようお願いします。また、拙訳を気に入ってくださった場合は、是非ローカルにも保存しておいてください。このような生HTML形式の持ち込み原稿については青空文庫のサーバに格納されず、私が使っているASAHIネットのWebサーバにのみデータが存在します。お金が続く限りはこのサイトを維持するつもりですが、こんな世情ではいつ… (大久保ゆう様の手を借りて、青空形式のテキストを作っています。これは青空文庫のサーバに格納されるので一安心です)→漸く全部本体格納になりましたので青空形式からIPAフォントと青キンフォントを使って縦書きpdfを作りました。タイプセット用TeXソース付き(容量が危ないのでpdfはとりやめ)。

「水牛のように」2012年7月号「オトメンと指を差されて (49)」で、大久保ゆう様が「生前広くは認められなかったH・P・ラヴクラフトやフランツ・カフカが、[中略]どこかごく少数の人にしか認められず毎日をもがきながら生きている、そんな(おそらく私ではない)誰かに訳されていてほしいと願ったりするおのれもいる」とお書きになっているのを読むと、私のような、少数者からすら認められていないぱっとしない者の訳文を青空文庫に登録していただいたのも悪くはなかった気がしてきました。この程度でも登録されるのですから、是非多くの方々が青空文庫に参加されますように(ちょっと参加してます)。


マック

久しぶりにマックを買いました。Mac mini。最低機能バージョン。うわ、本当にBSDが走ってる! ターミナルが使える! SDKにはgccも入っている! その内XcodeとUNIXを勉強するとして、REALbasic入れて遊んでます。これでALGOL系の開発環境があれば…

とりあえずエディタと開発環境、これがあれば計算機は遊べます。↑でやってる趣味の読書にはJedit Xが大活躍。写真をいじるにはGraphicConverterがあれば大抵おけ。

ついでにiPod mini 6GBまで買いましたよ。なんか林檎にはめられている気もしますが(* いぽ売れてるのにIntel CPU採用か… Come back WOZ! *)。192kbpsのAAC LCでエンコードすると、MDより自然な音になる気がします。自分で制作したのも含め、愛着のあるCDを詰め込み、持ち歩いています。

iPodにはS/PDIFがあるわけでもなく、オーディオ的には完全な一体型システムですが、音づくりに誇張感がなく好感が持てますし、ネットでは散々叩かれているおまけヘッドホン(フォスター製?)も、エージングすると目に見えて良くなります。その辺の1000円クラスのインナーイヤーより好ましい音ですね(鞄の中で荷物に押されて壊れた…)。

TASCAM DR-1

最近録音ものには手を出さなかったのですが、練習録音用のMDが遂に不調になったので、ステレオのICレコーダをAmazonしてみました。するとティアックがDR-1なんてものを出しているではありませんか。オリンパスやソニーのより安いし、使いやすそうな形をしています。買ってみると、これがなかなかよくできていて、掘り出し物でした。後発メーカの売りとしては、オーバーダビングができることやチューニングメータとして(マイク内蔵ですし)使えることで、楽器を演奏する人たちむけの機能を強調しています。でも、これ、生録に使うだけでも損はしません。

操作性は流石にティアック製品だけあって、すぐにしっくりきます。マイク入力はステレオミニと標準のモノですが、ステレオミニはプラグインパワーをON/OFFすることができます。

早速、AT-822 (これを使うときはプラグインパワーOFF) とWM-61 (こっちだとON) を使ってホール録音を試してみました。合唱、ピアノ、サックス独奏、筝合奏などです。マイクアンプとADCが随分良くなっている印象で、もやもやしたノイズが少なく、空気感が出ます。その点は往年の業務用DATに匹敵します。テクノロジーの進歩(というより低廉化)は凄いなあと思いましたね。

DR-1自体には編集機能がないので、トラックを分割したりするのはコンピュータ上で行う必要があります。マックにSound It!を入れていますが、まあ便利なものです。2時間くらいの内容を編集するとG5でも随分待たされるのが難点ですが。まあIntel Macを買えということか。

もっとも、Sound It!の上書き機能のバグ(大きなファイルを上書き保存すると、内容が破壊される)には悩まされましたし、DR-1も純正のUSBケーブルを使わないと、ファイルの転送に失敗することがあるのにも驚きました。純正のUSBケーブルはフェライトが巻いてあります。もっとも、SDカードリーダがあればそれで事足りるのですが。

最近ビデオもXacti C4で撮影しています。もうマックなしではいられない体になりました。

TASCAM 2488なんかも買い込み、オペラの録音もやってみました→越後オペラ『みるなの座敷』。やっぱり音楽はいいなあ。舞台は楽しいなあ。

調子に乗って、HD-P2とDR-100も買いました。これで録音と編集は全てソリッドステートレコーダ + マックに移行したことになります。次は老体のNV-DJ1をどうにかする番なのですが、いつになることやら…


佐藤順英さん

ビーネツーというか藍美代子ツーというか、宮城にバイクを走らせる時は笹谷峠を通るようにしています。山形側から登ることが多かったのですが、2007年には仙台側から登ってみました。展望台に着くと風が冷たく、バイクに乗る格好でも結構寒く感じます。私の後から来た薄着の若いおねいさんは、さっさと若いおにいさんの運転する車で帰ってしまいました。この時は色づき始めだったのですが、一度紅葉の盛りの頃ここを通ってみたいと以前から思っています。西島三重子さんの歌う「笹谷峠」が頭に浮かぶからですね。西島さんの素朴な曲と、佐藤順英さんの古風な詩とが不思議にあっています。茂吉の詠む「生きのたづき」の片隅に、昔から男女の出会いと別れがあったのでしょう。似た趣向の曲に「鬼無里の道」があります。こちらは歌いでのある複雑な曲になっていますが、悲しい女の伝説を背景にしている点で共通しています。笹谷峠が阿古耶姫、鬼無里が鬼女紅葉ですね。1970年代は、まだこういうプロの作詞家(佐藤さんは政治家秘書でもあって、なんていうか凄いのですが)の書くきっちりした言葉があったのですね。藍美代子さんの「帰らないヒト」でも『霧の褥に花が心閉じるとき』(吉田央, 1971)と詩的な言葉が出てきましたっけ。フォークブームの時、詩想が乏しくなったことを嘆いたプロデューサーがサトウハチローさんに「悲しくてやりきれない」を依頼したことがあったと記憶しますが、西島さんの場合、弥勒さんが良い詩を書いてくれるので安心して聞いていられます。谷川雁さん、新実徳英さんの「白いうた 青いうた」(合唱曲ってうぃきぺにはあるけど、オリジナルに関しては重唱/独唱といったほうがいいんじゃないかな)もしっかりした言葉で気持ちのよいものです。

ロッテ・レーマンのSP復刻

何度も何度も繰り返して聞き、心に刻み込まれ、それでもなお聞く音楽があります。このサイトに登場する山之内重美(私の心の中では今でも山之内滋美なのですが)、しらいみちよ、藍美代子、西島三重子さんのCDは、昔のアナログ盤なら「すり切れる」程聞いたものでした。生の舞台も聞きに行き、「やっぱり、生の方が上手いなあ」と喜んで。また、サイトには出してないけど、山田(藤本)恭子さんも繰り返し聞きましたね。それと逆に、一目惚れタイプが Julie Covington の歌でした。一度だけ聞いた歌声が耳から離れなかった場合です。

ロッテ・レーマン Lotte Lehmann の歌はどちらでもありませんでした。昔、ポニー・キャニオンがクラシックのレーベルを出した時にLPで出ていたのを、その頃は盛んに聞き、いつか忘れていたものです。たまたまドイツ語の歌を歌う機会が増え、ふと思い出したのがこの名前。なんと、CDでかなりの録音が復刻されているのですね。しかも、昔愛聴した「女の愛と生涯」も出ているではありませんか。ワルターがpfを弾いている盤と、室内楽伴奏の盤があり、私が馴染んでいたのは後者。この二枚、レーマンの歳も違いますし、復刻の方針も違うようです。室内楽版の方が若く、聞く限りにおいては、復刻時に雑音除去に加え、かなりEQとリバーブを使っているようです。ワルター版のエンジニアがいうように、このような処理は復刻としては邪道なのでしょうが、おかげで今のソースと混じって普通に聞けます。

あらためて聞いてみると、一見大時代的なアゴーギクですが、同時に細かな所にも大変に気を遣った演奏ですね。何よりも暖かく、時にコケティッシュな声の表現がたまりません。ああ、歌は素晴らしい、シューマンの陰翳は素晴らしい、ドイツ語はなんと美しいのだろう。どうしたらこんなに自在な表現ができるのだろう。ジャンルも音もまるで違いますが、これに近い感じがしたのが、藍美代子さんの Too shy to sayですね。昔はここまで聞けなかったなあ、少しは音楽を聞く耳ができてきたんだ、俺も無駄に生きてきたわけでもないんだなあ、と。

もちろん実演を聞くことはできませんが、録音技術とデジタル処理技術のおかげで、19世紀から歌い続けて来た歌手の声を、21世紀の今日も味わうことができます。「音響技術者は文化を作った」という誰かの言葉が沁みます。何か、レーマンの歌声もまた心に刻まれそうな気がします。


消音ピアノ

このサイトでは、自分が直接関わったもの以外についてはできるだけ云々しないことにしているのですが、遂に自分には使えないものの話を書く日が来ました。

子供がソナチネアルバムにまで進み、モーツァルトやらベートーヴェンやらという名前が楽譜に載るようになってきました。近所にディアパソンの大きなアップライトがあってそれを弾いていたのですが、ピアノの先生から、夜でも自宅で練習できるようにした方がいいといわれ、「○○さんも××さんも『電子ピアノ』で練習している」と聞きました。そこで、近所の楽器屋さんに行き、最近の電子ピアノの様子を見てみた訳です。

そこが力をいれていたのがローランドの製品で、ソニーのスタジオヘッドホンをさしてみた所、HP207というのがなかなか良い感じでした。恥を忍んでかきますと、ワタクシ鍵盤楽器というのがいっさら^H^H^H^H全然弾けないのです。ですから「良い感じらしいのです」というのが正確なところ。現品特価で安いし、この上というとアップライトもどきの高いのになるし、これでいいかなあとほとんど決めていました。

そこにはヤマハのもあったのですが、ぴんとこず、念のためカワイのもいじってみようとショールームにいってみたんですね。ローランドいちおしな楽器屋さんと違い、ピアノ屋さんのショールームは静かで、音がよく聞こえます。ひとわたり見て「ふーん」と思い、帰ろうとした時に目に留まったのが「消音ピアノ」という名前。

どんなものかというと、普通のピアノに少し手を入れて電子楽器として使えるようにしたものです。ほとんどがアップライトなのでそれで説明すると、ダンパーペダルを固定するとストッパが出てきて、アップライトピアノのハンマが弦を叩く寸前に止めてしまいます。打鍵してからハンマが離れるまでは普通のピアノと同じですから、タッチへの影響がほとんどないまま、無音状態になります。ここで打鍵を検出して内蔵のMIDI音源を鳴らすのですが、カワイ製品ではハンマー部にセンサがついていて、ストッパに止められる前のハンマの動きを調べています。この動作は電源が入っている間常時行われており、消音状態でも通常の状態でも、ハンマまわりにはストッパーがかかる以外の変化はありません。

こうすると、日中は生ピアノとして普通に弾き、夜になったらダンパペダルを固定して電子ピアノとして使うということができ、一台二役になります。MIDI音源の出力はMIDI信号の他、ヘッドホンもラインも出ていますからスタンドアロンでヘッドホンを使って練習することも、アンプに繋いで音量を制御しながら練習することも、コンピュータを通して記録することもできます。幸い集合住宅に住んでいる訳ではないので、日中は音を出しても問題なさそうですから、実はこれこそ求めているものではないかと思いました。

消音ピアノ各製品を比べてみると、やはり大型の方が生ピアノとしての音がよく、特にffで弾いたときに大きな違いが出るのですが、狭い家に置くことを考えると、一番安い K-2 ATX-p という製品でも良さそうです。K-2はカワイのアップライトピアノの中で一番小さいもので、高さが115cmしかない、所謂スピネットタイプです(構造はアップライト)。他の楽器と比べると、本当にかわいい音です。でも赤ちゃんピアノといっても生ピアノ、電子ピアノでは決して出ない音がします。「楽器という物体全体」が鳴る音です。タッチも違うそうです。

実際に家においてみると、こんな赤ちゃんピアノでもそれはそれは立派な音がします。それと、電子音がものすごく良い音でサンプルされていることにも驚きました。カワイの最高機種の音を克明にとらえています。リバーブの程度も電源投入時の設定が最も使いやすくなっています(ヘッドホンで聞く場合、部屋鳴りもどきを電子的に付加しないと違和感があります)。これだけの音が入っているならと、ヘッドホンはおごりました。モニタ用に使っているソニーよりも高級な、AKGのオープンエアの奴です。軽くて実にいい音がします。こういう音なら練習しやすいでしょう。

こういう話をピアノの先生にすると、「ええ、○○さんも××さんもそういう『電子ピアノ』で…」(って、先生、消音ピアノやサイレントピアノのことを電子ピアノと呼んでいたのか…)


うぃきぺ雑感

うぃきぺには参加していませんが、匿名の集合智というのが存在しうるのか、大変興味深い実験だと思ってみています。

学問のプロの研究者の世界では、出典主義ではなく、再検証主義を採っている。すなわち、ある知識が提起されたとしても、他の研究者は、これを鵜呑みにすることなく、自分たちもまた同じ方法によって再検証し、その結果を持ち寄って、確かな知識を確立していく。

ここにおいてふたたび問題になるのが、検証可能性だ。他の研究者によって原理的に再検証できないのでは、知識としての立場を確立できない。Wikiも、他者にも再検証可能な個々のオーサーの直接経験を第一としている。

「出典」というと、日本の輸入学問の悪しき伝統のせいもあって、あたかも他の出版物の文言を指すかのようだが、wikiの原語は、ソースないしレファレンス、つまり源泉ないし参照であり、知識の出所としての再検証の対象ないし方法のことだ。これほど誤解が多い以上、訳語を早急に正すべきだろう。

むしろ、自分自身が直接に検証した身近な知識ではなく、どこぞの本に書いてあった、という引用や孫引の集積になると、たとえ書いてあったということ自体は事実であっても、書いてある内容の事実性から遊離する危険性が高まっている。

日本語版ウィキペディアより[[ノート:検証可能性]]、著者は[[利用者:純丘曜彰]] 。2007年10月13日 (土)に投稿されたもの。

純丘曜彰というのは本名で、九州東海大学准教授なのだそうです。

ここで大切なのが、<他者にも再検証可能な個々のオーサーの直接経験を第一としている>という部分だと思うんですよ。その中でも、「個々のオーサー」の部分。『○○の本を読んだら××と書いてあった』という経験と『○○という物質に△△という操作をしたら××という現象が発生したのを見た』という経験は、個人の直接経験という点で等価です(今日び人間が『見た』なんてのは信用されないから、機械に見させるわけですが、機械の出力を見て『現象が発生した』と思うのは結局人間です)。ですから、直接 quote するならまだしも、必ずしもきちんとした訓練を受け、背景となる知識を知っているとは限らない人が cite した記述なんて、所詮は『独自研究』とおっつかっつ。それでも「個々のオーサー」が特定できるならまだしも、ウィキペディアはそういうシステムを取っていません。更に悪いことに、同じユーザ名の投稿なら同じ人が投稿したと一応は考えられますが、一人で複数のユーザ名を持つことを許可しているので、逆は真になりません。結局○ちゃんと同じ「誰が書いたのかもわからない」システムなんですね。だから、一見多数の人が再検証して納得したように見えても、実は全て記述者の「自作自演」(誤用ですがw)である可能性もありますし、特定の信仰を持つネットイナゴの襲撃かもしれない。ですから、百科事典風○ちゃんである以上、「ネットの中から操作しがたい何か」を典拠にするしかない、一番手っ取り早いのが書籍だということになるんでしょう。何故かその辺の論議がすっとばされているのが不思議です。


iPod今昔

悪の根源はAmazon.co.jpでした。第三世代のiPod touchの説明に、「Tiger 10.4.11とiTunes 9で動く」と書いてあるんですよ。そうだったのか、早く買っておかないと! と見事にやられました。メインで使っているのがiBook G4(1GHz, 1.12GB)なんていう過去の遺物なので、Tigerのままだったのですね。程度の良さそうな中古があったので32GB版を購入しました。前の利用者が液晶保護シールやプロテクタを付けてくれているので、その辺の出費も面倒もありません。でも、ふたを開けてがっかり、げ〜、Tigerじゃ動かないじゃん、Leopard以降が必要なんじゃん。やられた(涙)。

買い置きがあったので、まずOSをLeopard 10.5.6に替えました。Leopard自体は職場のG5マックで慣れていて、Tigerとの互換性が高い上にいろいろ便利なのは知っていましたが、こんな低スペック機に入れてまともに動くのか心配でした。実際、導入にはだいぶ時間がかかり、延々HDDがカリカリ言っていました。その後はアップデートが何百メガバイトもあってカリカリカリカリ。しかし入ってしまえば普通にサクッと動き、iPod touchをのんびりと認識します。

写真右のiPod 20GBはminiの次に購入し長年愛用して来た奴です。ビクターのインナーイヤー型ヘッドホンで聞き比べると、20GBのは素っ気ない音で、touchはちょっとドンシャリが入っています(特に低域の方)。音が悪い悪いと叩かれながら、iPodシリーズの音もだいぶ「音楽用」になってきたわけです。でも、定位と音の輪郭感や張り出しは昔のモデルの方がいいぞ。この20GBはこれからは子供用として第二の人(?)生を歩むことになります。

iPod touchで面白いのはWiFi接続が単独で可能なことでしょう。メーラもSafariもiTunesも入っています。Google Mapも一発です。自分ではやってませんが、ゲームもできるんですね。無線LANとtouch一台があれば、どこでもインターネット上の動画、音楽、文書が楽しめるというわけです。YouTubeに流れているJulie Covingtonや藍美代子さんの歌、猫動画とか、wisさんが無料のPodcastで流して下さる「ドグラ・マグラ」の朗読とか、大枚三千円を投入した1960年代の時刻表の電子復刻版とか、昨年末に自分で訳したKing in Yellowの後半部分とか。昔のCDから取り込んだヴィウコミルシュカのディーリアスを聞きながらiBooksでポーの「アッシャー家の崩壊」を読むのはなんとも言えない経験です。

このUIではプログラムも小説も書けませんが、Webのフォーム埋め程度は問題なく行えます。ネットを中心としたデジタルコンテンツを軽々と消費/利用していくには大変な威力を発揮しますね。部分部分は目新しくなくても、こういう形でまとめてしまえるのがアップルの凄い所だと改めて痛感しました。なぜiPod touchの大判焼きらしいiPadがこれほど騒がれるかもよくわかりましたよ。

入れているAppは2ちゃんビューア(笑)のようなアレ系の奴とかWethernewsとかiBooksとか無料系のばかりすね。実用性があるのかないのかよくわからない美人天気が癒しです(ちゃんとした予報を見るにはWethernewsかWebを使う。)

(後になって気付きましたが、うちのiPod touchはiOS 4.2.1になっていたのでiTunes 10を必要としたのであって、素のままのiPod touch第三世代はTiger対応だったのですね。)

青空文庫をソニーリーダーで読む

電子書籍端末 PRS-T2 を購入しました。青空文庫の書籍をpdfにすれば気持ちよく読むことができます。有名な「青空キンドル」のスタンドアロン版を、SnowLeopard上に組んだ記録です。TeXを使って実装しています。読んでみる


なつかしのMarathon

2ちゃんを読んでいたら、Marathonのスクリーンショットが出てきました。Marathonは大昔のマックのゲームで、宇宙もののFPS (First Person Shooter) です。Wolfenstein 3D、Quake、Return to Castle Wolfensteinとこの手のゲームは好きでしたが、MacPowerのデモ版を楽しく遊んだという記憶がありません。その後フリーでプレイできる仕掛け(AlephOne)が出たと聞き導入してみましたがこの時も途中で挫折しました。三度目の正直でプレイしてみると大いにはまり込み、Marathon、Marathon 2、Marathon Infinity、サードパーティのTempus Irae、Rubicon Xとクリアしてしまいました。SF小説としても読めるくらいの大量のテキストが端末に表示され、次第にそれを読むためにプレイを続けるって感じになっていきます。ついでにRubicon X fのTychoパートを中心としたWalkthrough Guideを書きました。OpenDocument版pdf版とがあります。Marathon Eternal X の完全版(だといいな)歩き方ガイドも作っています。OpenDocument版pdf版があります。


Windows 8.1 on NEC VersaPro VJ17M

あろうことか、Windows 8.1をいれてしまいました。山のか…もとい女房のXPノートにです。日電のVersaPro VJ17M。もとはDATからPC録音に移行しようと思って購入したのですが、TASCAM HD-P2があまりに便利なので、結局使わなかったものです。女房が使っていたXPノート(やはり日電)を子供が落として破損してしまい、その代替に使って(使われて)いました。

必要なファイルをNASに逃がしておいて、HDDを80GBから1TBにすげ替え。これで残量を気にして汲々としなくてすみます。で、Windows 8.1通常版32bitを入れようとすると、DVDを読まない。実は、できるだけ安く上げようと、TEAC CD-224E-RっていうCDしか読めないドライブの機種を買っていたんですね(女房が「CD-R焼けない」と文句をいってたわけだ)。BIOSが古いのでUSB DVDドライブからブートすることもできません。やふおくでCD-224の後継機を探しても見つからず、本来ここで詰みなのですが、壊れた方の日電ノートが残っていて、DVD-Videoが再生できたことを思い出し、光学ドライブのすげ替えを行うことにしました。そちらは松下のドライブでした。今度はうまくいき、機械任せで簡単に導入終了。

タブレットだかPCだかわからないUIはなんだかな。2GBのRAMでも結構動くので驚きました。M$ Office 2007を入れ直し(再認証は不要でした)動作を確認したところで、ドライバ類を入れます。

ディスプレイアダプタのチップはATI Radeon Xpress 200Mで、Windows 8.1のドライバは公開されていませんが、Windows 8 環境で Radeon Xpress 200M グラフィックドライバをインストールする方法を参考に、インストーラをちょっと騙してWindows 7のドライバを入れてしまいました。トラックパッドは日電のサイトからWindows 7用のNX PADドライバをとってきて、普通に入れればそのまま使えます。

後は、コンパネからシステムフルバックアップを行って一安心。注文している4G RAMを付ければもっと楽になるでしょう(認識されるのは3GBまでですが)。やはりWindowsをいじると体に悪く、風邪をひいてしまいました。マックならHDD交換してもOS入れてTime Machineからユーザファイルを書き戻せばいいので、ずっと楽です。

Octave 3.8.1 on Snow Leopard / Mountain Lion

MATLAB風データ処理系であるOctaveが3.8.1になったというので、Homebrewしてみました。Mountain Lion機でもSnow Leopard機でも普通に brew install でき、octave --force-guiで起動するとマルチペインのウィンドウが出ます。3.8.0の出始めのころは全然ビルドできなかったので、ちょっと感動。Homebrewはファイル置き場がはっきりしていて導入しやすい感じがします。Lazarusも知らないうちに1.2.2になって随分よくなりました。Octave, Free Pascal / Lazarus, R の3つがあれば、とりあえず仕事にはなるかな。書き物はLibreOfficeで。


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Last Update : 15, Jul., 2023