This is a Japanese translation of R. W. Chambers' 'The Prophets' Paradise' from "The King in Yellow".
R. W. チェンバース『黄衣の王』より「預言者達の楽園」です。
R. W. チェンバース作
The Creative CAT訳
「もし酒と愛との組が捨てられて後
初めて預言者の楽園が成るならば、
ああ我は疑う、預言者達の楽園は、
片手のうろの如く空虚ならんかと」
彼は微笑んで言った: 「彼女を世界じゅう探しなさい。」
私は言った、「どうして世界じゅう? 私の世界はここ、これらの壁と頭上の硝子の板の間; 鍍金の大瓶と鈍い宝石つきの腕、曇ったフレームとカンバス、黒いチェストと奇妙な彫刻があり青と金で染められた背の高い椅子の中。」
「誰を待っている?」彼は言い、私は答えた、「彼女がくれば私には分かるはず。」
私の暖炉で炎の舌が、白くなりゆく灰に秘密をささやいた。下の街路に私は足音、声、歌を聞いた。
「誰を待っている?」彼は言い、私は答えた、「私には分かるはず。」
下の街路の足音、声、歌、私は歌を知っていたが足音と声は知らなかった。
「愚かな!」彼は叫んだ「歌は同じ、声と足音は歳ふり変わっただけだ。」
暖炉で炎の舌が、白くなりゆく灰の上に秘密をささやいた: 「もう待たないで; それらは通り過ぎてしまった、下の街路の足音と声が。」
そこで彼は微笑んで言った: 「誰を待っている? 彼女を世界じゅう探しなさい!」
私は答えた、「私の世界はここ、これらの壁と頭上の硝子の板の間; ここ、鍍金の大瓶と鈍い宝石つきの腕、曇ったフレームとカンバス、黒いチェストと奇妙な彫刻があり青と金で染められた背の高い椅子の中。」
過去の亡霊はそれ以上進めないだろう。
「もし本当に、」彼女はため息をついた、「私の中にあなたの友が見つかるなら、一緒に引き返しましょう。ここでは、夏空の下ではあなたは忘れてしまう。」
私は彼女を抱きしめた、哀願し、愛撫しながら: 私は怒りに白くなって彼女をつかんだが、彼女は抗った。
「もし本当に、」彼女はため息をついた、「私の中にあなたの友が見つかるなら、一緒に引き返しましょう。」
過去の亡霊はそれ以上進めないだろう。
私は花咲く野辺に行った。その花弁は雪より白くその心臓は純金だ。
野の果てで女が叫んだ、「あたしは愛する彼を殺してしまったの!」そして瓶から血を花々に注いだ。その花弁は雪より白くその心臓は純金だ。
野の果てに私は追った、瓶の上に千の名前を読んだ、その間も内部から鮮血が縁まで湧いていた。
「あたしは愛する彼を殺してしまったの!」彼女は叫んだ。「世界は渇けり; さあお飲み!」彼女は通り過ぎ、私は野の果てに彼女が血を花々に注ぐのを見つめた。その花弁は雪より白くその心臓は純金だ。
私はほとんど誰も通れない橋まで来た。
「通れ!」橋守は叫んだ、が、私は笑って言った「時間はある;」そして彼は微笑んで門を閉ざした。
老いも若きもそのほとんど誰も通れない橋に来た。皆拒まれた。私はぼんやりと立って彼らを数えた。彼らの騒ぎと哀悼に飽きると、私は再びほとんど誰も通れない橋まで来た。
門の所にいる群衆は叫んだ、「彼は遅すぎだ!」だが私は笑って言った「時間はあるさ。」
「通れ!」私が入ると橋守は叫び; 微笑んで門を閉ざした。
その場所、通りの中で群衆が最も込んでいる所に、私はピエロと共に立っていた。全ての目が私を向いた。
「彼らは何を笑っているのだろう?」私は聞いたが、彼はにやにや笑って、私の黒いマントからチョークを払った。「分からないな; 何か剽軽なものには違いない、恐らく正直なこそ泥だ。」
全ての目が私を向いた。
「彼はお前の財布を盗ったぞ!」彼らは笑った。
「私の財布を!」私は叫んだ; 「ピエロが──助けてくれ! それはこそ泥だ!」
彼らは笑った: 「彼はお前の財布を盗ったぞ!」
その時真実が鏡を持って歩み出た。「もし彼が正直なこそ泥なら、」真実は叫んだ「ピエロは自分の姿をこの鏡で映して見られるでしょう!」だが彼はにやにや笑って、私の黒いマントからチョークを払った。
「わかったか、」彼は言った「真実が正直なこそ泥だ、彼女はお前にお前の鏡を返すんだ。」
全ての目が私を向いた。
「真実を逮捕しろ!」私は叫んだ。自分が無くしたのは鏡でなく財布だったことを忘れ、私はピエロと共に立っていた、通りの中で群衆が最も込んでいる所に。
「彼女は綺麗だったか?」私は聞いた、が、彼はほくそ笑むだけで、帽子についた鈴がジャラジャラなるのを聞いていた。
「傷ついていた、」彼は忍び笑いをした; 「長旅のことを考えろ、危険の日々を、恐怖の夜々を! 彼女のために、彼がいかにさまよい、何年も何年も、敵地を通り、親族を家族を慕いつつ、彼女を切望していたかを!」
「傷ついていた、」彼は忍び笑いをして、帽子についた鈴がジャラジャラなるのを聞いていた。
「彼女は綺麗だったか?」私は聞いた、が、彼は刺々しく言うだけで、帽子についた鈴につぶやいていた。
「彼女は門で彼にキスした、」彼は忍び笑いをした「だが、広間で受けた兄弟からの歓迎が、彼の心の琴線に触れた。」
「彼女は綺麗だったか?」私は聞いた。
「傷ついていた、」彼はほくそ笑んだ; 「長旅のことを考えろ、危険の日々を、恐怖の夜々を! 彼女のために、彼がいかにさまよい、何年も何年も、敵地を通り、親族を家族を慕いつつ、彼女を切望していたかを!」
「彼女は門で彼にキスした、だが、広間で受けた兄弟からの歓迎が、彼の心の琴線に触れた。」
「彼女は綺麗だったか?」私は聞いた、が、彼は刺々しく言うだけで、帽子についた鈴の音を聞いていた。
クラウンは白粉を塗った顔を鏡に向けた。
「色白なのが美しいことなら、」彼は言った「誰が白い仮面をつけた僕に勝るだろうか?」
「誰が白い仮面をつけた彼に勝るだろうか?」私は隣にいる死に聞いた。
「誰が吾輩に勝る?」死は言った「吾輩は更に青ざめておるぞ。」
「君はとても美しい。」クラウンはため息をついた、白粉を塗った顔を鏡から振り向けながら。
「もしあなたの愛が真実なら」愛が言った「もう待たないで。彼女に宝石を差し上げなさい、彼女を侮辱し、侮辱された者を愛するあなた自身を侮辱する宝石を。もしあなたの愛が真実なら、」愛が言った「もう待たないで。」
私は宝石を持って彼女の所に行った、が、彼女はそれを踏みつけ、すすり泣いた: 「私に待つことを教えて、──あなたを愛しています!」
「ならば待ちなさい、もし真実なら」愛は言った。(*1)
こういう作品は大変苦手としているので、是非原文(ここやWikisourceで読めます)をお読みください。<B>タグで囲われた部分(太字)は、原文では大文字で始まる単語です。(*1)は原題が The Love Test なんで「愛の試し」とでもすべきなのですが、「○かな×かな〜」もとい<100点取ると嫌われて、0点では許してくれない>アレが頭に浮かびまして orz