聖なる町・スリランガム

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 スリランガムはタミール州の地方都市ティルチラパリ郊外にあります。川の対岸に見える大ゴプラム(ヒンドゥー寺院の門塔)は高さ75メートルあり、インド最大(つまり世界一)の大きさを誇ります。しかし、スリランガムはゴプラムによってのみ有名なのではありません。

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 地図を見ると、中央のヴィシュヌ神を祀ったラグナータスワーミー寺院を7層の壁が取り囲んでいるのがわかります。壁によって仕切られた方形の……門前町に対して門内町とでもいうのでしょうか、つまりスリランガムとは寺院の名前ではなく、町あるいはヒンドゥーの宇宙観を表した宗教空間の名前なのです。巨大ゴプラム(南門)の右手に見える白いゴプラム(東門)の先にぼんやり見える(輪郭がわずかに白い)北のゴプラム。これが外周の一辺の長さに相当します。ゴプラムの数は20余り。

 巨大寺院といえば遺跡と結びつけがちですが、町としては比較的新しく、巨大ゴプラムが完成したのは1987年。寺院都市の建築が現代のプロジェクトということに驚かされますが、実は1981年に訪れた時には何もわかりませんでした。名前も知らずに訪ねたのは、おそらく地元の人に勧められたからでしょう。工事中の慌ただしい雰囲気はなく、時間が止まったかのような田舎の印象しかなかったような……

 むしろ地元の子供たちにカラリパヤット(インド武術)と剣道の教え合いっこをした楽しい思い出が残っています。忘れられないのは、その時に「ここはヒンドゥー教徒しか入れないんだ。僕の兄さんは警備員をやっているから言いつけてやる」と言ったクソガキがいたことで、他の子供たちから「気にしなくていいよ。やれるもんならやってみろ。##、**、&&」と罵倒されていましたなぁ。(笑)
 今でも異教徒というか外国人が入れるのは内側から3番目の門まで。でも、当時はそんな内側に入った覚えはないのですが……。そうだとしたら、実にもったいない経験をしたことになります。
何も覚えていないのですから。

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南門を入ってすぐ
右も左も巡礼さんばかり






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75メートルの巨大ゴプラム
けっこうカラフルだったりする







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東門は未完成なのか
まだ塗装されていない


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スリランガムを一歩出ると 南国の村といった雰囲気