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『ダークスタイル・ダークエレメンタラー 〜ヴァーダークラルアンティー =闇帝鬼(やみていき)〜』


                 第八旋承壁陣(だいはちせんしょうへきじん)


                               たかさき はやと






 「エルフィール、あれが……そうなのか?」
 ジョルディーは城を指さしてたずねる。
「そうだ……」
 黒い妖気を放つ城が二人の前にある。
 城には塔がたくさん立っている。
 二人が城の門の前に立つ。
 門からぞろぞろと武具を身につけたエルフたちが現れる。
「エルフィール……他の者たちはどうしたんだ?……」
「攻撃して来たみんなは封印された……
 オマエたちもそうなりたいか?」
 遠巻きに二人を眺めていて、手出しできないエルフたち。
「攻撃できないみたいだな」
「一時の状況に甘えるな。こんなことでは引かない連中だ。
 いつ攻撃してきてもおかしくない……」
 二人はただ城の中に進む。
 なぜか、誰も攻撃して来ない。
 ダリルの部屋はもっとも奥の塔の最上階にあった。
ギギィ……
 重々しい音を立てて、木の扉が開く。
「ようこそ二人とも……
 私が封印の元(もと)……元凶(げんきょう)だ」
 黒いマントに全身を包んだ中年の男性が、部屋の奥に立っている。
ザギンッ!
 ジョルディーの目にも止まらぬ斬撃がダリルを一刀両断した。
 影のようにゆらめくダリルだが、一瞬ののちには元の姿に戻る。
「魔則化(まそくか)された私を斬ることはできない……
 魔則(まそく)を破る者は封印されるがいい……」
 そう言ってダリルはジョルディーに手を向ける。
「サラマンダーッ!」
ドゴオッ……!
 炎の竜がダリルを襲う。
 だが、そこに平然とダリルは立っている。
「エルフィール……そうか、おまえはこの男を……。
 いいだろう……だが、攻撃は無駄だ。
 私の存在はここにありてここにはない……
 私こそは影のような者……」
 うなだれる二人。
 すでに二人には打つ手がなかった。
「私を倒すには封印の魔則(まそく)を破るしかないのだから……な。
 食事の時間だ」
 ダリルはその場を去って行く。
 二人だけが残された。
 二人は疲れたように城の外に出る。完全な敗北だった。
「よおっジョルディーじゃないか!」
 そよ風が舞った。
 まばゆい光りの中に、一人の女性が立っていた。
「ミラル……」
 ジョルディーはやっとのことで言葉をつむいだ。
 風はまだミラルのまわりを回っていた。
 なにもかも巻き込むがごとく………









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