2018年度


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● 首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 国際文化コース 表象文化論分野 / 首都大学東京大学院 人文科学研究科 文化基礎論専攻 専任教員

※大学院の研究生についてお問い合わせいただくことがありますが、所属分野では研究生の受け入れをしていません。

※研究室訪問にも対応していません。おたずねになりたいことがありましたら、メール等でご連絡ください。


2018年度の授業については以下のとおりです。(2018.03.26現在)


大学院 芸術表象論研究・特論 金曜日 3時限 前期
1.授業方針・テーマ
《表象文化論の重要文献の講読》
この授業では表象文化論の基礎的文献、古典的名著を批判的に読み進める。今年度は前期・後期を通じて渡部直己編『日本批評大全』を読む。日本では文芸批評が人文学において特別な役割を果たしてきた。文学だけではなく、思想、哲学から芸術全般をふくむ広い範囲をカバーし、そこに生じる知のあり方を問うてきたといえるかもしれない。本書に収められた、文芸批評を中心とする70編ほどの批評のテクストを実際に読むことによって、それがいかなる営為であったかを知るとともに、その歴史を学ぶ。前期は同書の前半を読む。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
日本の批評史にかんする知識を深める。
批評が人文学においてどのような役割を果たしてきたのか。
批評的な見方・センスを身につけ、さまざまな文化的・社会的事象の理解に役立てられるようにする。
文献の扱い方を学び、今後の表象文化論の研究に活かせるようにする。

3.授業計画・内容
第1回 イントロダクション(発表の割り当ても)
第2〜14回 文献講読と関連事項の検討
第15回 まとめ

【授業方法】ともかく全体を読み通すことを目的とし、そのために毎回30ページほどのテクストを取り上げる。1編ごとに担当者が内容について口頭で説明ならびにコメントをし、それにもとづいて全体で重要事項の確認と意見交換をする。その上でつぎのテクストへ移る、というかたちを考えている。

【授業外学習】テキストや関連資料にはかならず事前に目を通し、内容を把握したうえで授業に臨むこと。

4.テキスト・参考書等
テキスト:渡部直己編『日本批評大全』、河出書房新社、2017年。テキストと関連資料はeラーニングシステム(kibaco)をとおして配付する。履修を考えている者はなるべく早い段階でkibacoの本授業に自己登録し、各自入手すること(連絡もkibacoをとおして行なうことがある)。なお、授業でのテクスト参照用にパソコン、タブレット端末の使用を認める。

5.成績評価方法
平常点。

6.特記事項
テキストを入手したうえで、かならず初回に出席すること。履修希望でありながら初回に出席できない者は早めに連絡すること。授業内容からして前期・後期ともに履修することが望ましいが、後期のみの履修でもかまわない。ただし、その場合は前期にあつかったテクストをなるべく早い段階で各自かならず目を通しておくようにすること。

【他の授業科目との関連性】特別な予備知識は必要とせず、専門にとらわれず関心があれば履修できる。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることはできる。必要がある場合はメール(wakagi[at]a.email.ne.jp)で連絡をすること。


大学院 芸術表象論研究・特論 金曜日 3時限 後期
1.授業方針・テーマ
《表象文化論の基本文献の講読》
この授業では表象文化論の基礎的文献、古典的名著を批判的に読み進める。今年度は前期・後期を通じて渡部直己編『日本批評大全』を読む。日本では文芸批評が人文学において特別な役割を果たしてきた。文学だけではなく、思想、哲学から芸術全般をふくむ広い範囲をカバーし、そこに生じる知のあり方を問うてきたといえるかもしれない。本書に収められた、文芸批評を中心とする70編ほどの批評のテクストを実際に読むことによって、それがいかなる営為であったかを知るとともに、その歴史を学ぶ。後期は同書の前半を読む。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
日本の批評史にかんする知識を深める。
批評が人文学においてどのような役割を果たしてきたのか。
批評的な見方・センスを身につけ、さまざまな文化的・社会的事象の理解に役立てられるようにする。
文献の扱い方を学び、今後の表象文化論の研究に活かせるようにする。

3.授業計画・内容
第1回 イントロダクション(発表の割り当ても)
第2〜14回 文献講読と関連事項の検討
第15回 まとめ

【授業方法】ともかく全体を読み通すことを目的とし、そのために毎回30ページほどのテクストを取り上げる。1編ごとに担当者が内容について口頭で説明ならびにコメントをし、それにもとづいて全体で重要事項の確認と意見交換をする。その上でつぎのテクストへ移る、というかたちを考えている。

【授業外学習】テキストや関連資料にはかならず事前に目を通し、内容を把握したうえで授業に臨むこと。

4.テキスト・参考書等
テキスト:渡部直己編『日本批評大全』、河出書房新社、2017年。テキストと関連資料はeラーニングシステム(kibaco)をとおして配付する。履修を考えている者はなるべく早い段階でkibacoの本授業に自己登録し、各自入手すること(連絡もkibacoをとおして行なうことがある)。なお、授業でのテクスト参照用にパソコン、タブレット端末の使用を認める。

5.成績評価方法
平常点。

6.特記事項
テキストを入手したうえで、かならず初回に出席すること。履修希望でありながら初回に出席できない者は早めに連絡すること。

【他の授業科目との関連性】特別な予備知識は必要とせず、専門にとらわれず関心があれば履修できる。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることはできる。必要がある場合はメール(wakagi[at]a.email.ne.jp)で連絡をすること。


学部 表象文化論基礎理論/表象文化論入門 火曜日 4時限 前期
1.授業方針・テーマ
《記号論と構造主義》
表象文化論の諸理論のなかでも基本中の基本ともいえる記号論と構造主義をあつかう。関係する学説とその背景、主要な概念・テクニカルタームのほか、基本的な分析ツールとその利用法、過去の理論的実践の成果などを学ぶ。講義は受講者にまったく予備知識がないことを前提として行なう。なお、ここでは思想的・哲学的側面よりも、芸術作品や文化的事象の分析や理解に必要な基本的思考法としての側面を重視しながら講義する。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
表象文化論研究に必要不可欠な、記号論と構造主義にかんする基礎的な知識と教養を身につける。
関連する諸理論を学ぶのに必要な基礎的なことがらと基本的な考え方を学ぶ。
具体的な目標としては、たとえばロラン・バルトの理論的著作に自力で読み進められるくらいの知識の獲得をめざす。

3.授業計画・内容
第1回 イントロダクション
第2〜3回 ソシュール言語学の基本的な考え方[シニフィアン/シニフィエ、ラング/パロールなど]
第4〜5回 記号論の基本的アプローチ[デノテーション/コノテーションなど](ロラン・バルト)、隠喩/換喩(ロマン・ヤーコブソン)
第6回 アイコン/インデックス/シンボル(チャールズ・S・パース)、ふたつの「誤謬」(ニュー・クリティシズム)
第7回 構造主義の考え方とその歴史的背景(クロード・レヴィ=ストロース)
第8回 中間試験と前半のまとめ、ロシア・フォルマリズムの理論(異化)
第9回 物語の構造分析:物語論(1)(ウラジーミル・プロップ,バルト)
第10回 テクスト分析[シニフィアンス](バルト、ジュリア・クリステヴァ)
第11回 物語論(2)(ジェラール・ジュネット)、「作者」、作品/テクスト、(バルト、ウェイン・ブース)
第12回 ヤコブソンの詩学(コミュニケーションの6つの基本機能)、間テクスト性(バフチン、クリステヴァ)
第13回 「第三の意味」(バルト)
第14回 期末試験と解説
第15回 まとめ

【授業方法】講義形式の授業。知識を得ることが目的なので、試験で点数が取れればよく、出席等の平常点はとくに重視しない。ただし、講読資料にかんする小レポートを数回提出してもらい、理解度をみる機会はもうける。

【授業外学習】授業であつかうトピックごとに講読資料や参考資料をkibacoをとおして配布する。それを読むことによって講義内容を復習し、理解を深めることが望まれる。

4.テキスト・参考書等
テキストは指定しない。講読資料と参考資料をeラーニングシステム(kibaco)を通じて適宜配付する。履修を考えている者はなるべく早い段階でkibacoの本授業に自己登録すること(連絡もkibacoをとおして行なうことがある)。

5.成績評価方法
(1)平常点(5%)、(2)中間&期末試験(95%)
*試験の点数の一部を講読資料にかんするレポートに割り当てる。
*試験で出題するのはすべて用語説明問題。講義内容にもとづいて解答すればよい。

6.特記事項
過去に《記号論と構造主義》を履修した者はこの授業を再度履修することはできない。

【他の授業科目との関連性】表象文化論のもっとも基礎な知識を得るための授業なので、受講にあたり、他の科目との関連を考える必要はない。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることができる。必要がある場合はメール(wakagi[at]a.email.ne.jp)で連絡をすること


学部 空間表象論 火曜日 4時限 後期
1.授業方針・テーマ
《映像文化論の理論、方法、可能性》
「映像」という言葉は、1963年に刊行された松本俊夫の著作『映像の発見──アヴァンギャルドとドキュメンタリー』が広く読まれるのにともない、日本に定着していったといわれている。それほどまでに大きな影響力をもったこの映像作家の文章を導きの糸として映像文化論の理論、方法、可能性について考えていく。参考映像を観る機会も設けるようにするが、ありきたりの劇映画とはいくぶん異なる映像体験をもたらす作品をおもに取り上げることになる。松本俊夫のテクストについては、慣れないと多少難しく感じる者もいるかもしれないが、受講にさいしては、そこであつかわれているテーマ、作家名、作品名、専門用語などに関心があればとくに問題はない。関心を持つ者に、テクストの内容をできるだけ「わかりやすく解説」することを担当教員の大きな課題のひとつとしたい。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
多様なジャンルの映像作品にふれることによって、映像文化にかんする幅広い教養を身につける。
映像文化論およびイメージ論の理論にかんする知識を深める。
映像やイメージ、さらには芸術・文化のさまざまな事象について理論的に思考する能力を身につける。
自分の文化的事象の捉え方に批判的なまなざしを向け、それを相対化できるようにする。

3.授業計画・内容
第1回 イントロダクション、講義内容の確認
第2〜4回 「映画芸術の現代的視座」の解説と関連事項の検討
第4〜5回 「前衛記録映画論」の解説と関連事項の検討
第6〜10回 「逸脱の映像」の解説と関連事項の検討
第11〜14会 その他のテクストの解説と関連事項の検討
第15回 まとめ

【授業方法】講義形式の授業。必要に応じて参考映像も鑑賞する。授業での発言を歓迎するほか、場合によっては受講者による報告などを交えてもよい。コメントシートなどによって随時受講者の受け止め方、理解度に配慮し、講義内容に反映させる。

【授業外学習】テキストや関連資料についてはかならず事前に目を通した上で(わからないならわからないなりに疑問点などを明確にした上で)授業に臨むこと。紹介された映画、映像作品に数多くふれることが望ましい。

4.テキスト・参考書等
松本俊夫の以下の3つの論文をさしあたりテキストとしておく。
(1)「映画芸術の現代的視座」、(2)「前衛記録映画論」、ともに『映像の発見』(1963年初版)所収、清流出版、2005年。
(3)「逸脱の映像」、『逸脱の映像──拡張・変容・実験精神』所収、月曜社、2013年。
(4)その他。
テキストとその他の関連資料はeラーニングシステム(kibaco)をとおして配付する。履修を考えている者はなるべく早い段階でkibacoの本授業に自己登録し、各自入手すること(連絡もkibacoをとおして行なうことがある)。

5.成績評価方法
(1)期末レポート(70%)、(2)平常点(30%)
*評価にさいしては状況に応じてほかのさまざまな要素も考慮する。
*期末レポートについては、講義内容を自分なりに消化し、自分の問題にいかに引き付けて論じることができているかという点を評価する。

6.特記事項
上記「授業方針・テーマ」を読み、テクストの内容を確認したうえで、かならず初回に出席すること。

【他の授業との関連性】《記号論と構造主義》を履修している(同程度の記号論にかんする知識がある)ことを前提とする。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることはできる。必要がある場合はメール(wakagi[at]a.email.ne.jp)で連絡をすること。


学部 表象文化史B 火曜日 5時限 前期
1.授業方針・テーマ
《「ループもの」研究》
時間ループという現象にもとづいて展開する物語のパターンがあり、劇映画、アニメーション、マンガ、ゲーム、ライトノベルなどではこのところこれを採用する作品をよく目にするようになっている。浅羽通明『時間ループ物語論』を読みながら、こうした「ループもの」がどういう物語を可能にするのか、どういう思想を表現しうるのか、どうしてそれがひとを惹きつけるのか、この時代にあって何を照射しているのかなどの問題について考える。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
ジャンルを横断してあらわれる「ループもの」をとおして現代の物語芸術の主要な傾向にかんする知識を深める。
物語のひとつの類型をとおして多様なジャンルの作品にふれると同時にそれらを読み解く文化分析の手法を学ぶ。
文化的事象の捉え方、さらにはみずからのものの見方に批判的なまなざしを向けられるようにする。

第1回 イントロダクション(発表の割り当ても)、第1章について
第2〜14回 文献講読(第2章以後)と関連事項の検討
第15回 まとめ

【授業方法】講義形式で必要に応じて情報を提供し、概念の解説もするが、章ごとに担当者を決めて内容説明や関連事項の報告をしてもらう。それにもとづいて全体で意見交換を行ない、このテーマにかんする知識と理解を深めていく。

【授業外学習】テキストや関連資料についてはかならず事前に目を通し、内容を把握したうえで授業に臨むこと。また、テキストであつかわれるさまざまな作品を事前にできるだけ多くふれておくことも求められる。具体的には、『涼宮ハルヒの憂鬱』、『恋はデジャ・ヴ』、『ひぐらしのなく頃に』、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、『未来の思い出』(森田芳光監督、藤子・F・不二雄原作)、『All You Need Is Kill』(桜坂洋)、「秋の牢獄」(恒川光太郎)、『ターン』(北村薫)、『リセット』(垣谷美雨)など。

4.テキスト・参考書等
テキスト:浅羽通明『時間ループ物語論』、洋泉社、2012年。テキストと関連資料はeラーニングシステム(kibaco)をとおして配付する。履修を考えている者はなるべく早い段階でkibacoの本授業に自己登録し、各自入手すること(連絡もkibacoをとおして行なうことがある)。

5.成績評価方法
(1)発表・報告、授業への参加・貢献度(70%)、(2)期末レポート(30%)
*履修者数や授業の状況によっては(1)のみで評価することもある。

6.特記事項
履修希望者はkibacoでテキストを確認したうえで、かならず初回に出席すること(初回から第1章の内容をあつかう。プリントアウトし、読んでくること。これができない者の受講は認めない)。履修希望でありながら初回に出席できない者は早めに連絡すること。場合によっては履修を制限をする。

【他の授業科目との関連性】上記のような作品に関心があり、このテーマについて考えたいと思う者であれば受講できる(ただし、1年生は履修不可)。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることができる。必要がある場合はメール(wakagi[at]a.email.ne.jp)で連絡をすること。


学部 芸術表象論 火曜日 5時限 後期
1.授業方針・テーマ
《文章表現論》
さまざまな書き手の、さまざまなスタイル/形式の文章(論文、評論、エッセイ、小説など)を取り上げ、文体的特徴と表現技法を分析、検討するのと同時に、実際に自分でも文章(書評、評論、論文など)を書き、履修者が「読むこと/書くこと」に自覚的に向かえるようにする。フィクションの創作も排除はしないが、そちらについて各自が自分で研鑽を積んでもらうこととし、ここでは論理的展開のある文章形式に重きをおく。授業における共通の了解事項を得、分析・検討のための理論的な手立てを学ぶために中村明『日本語文体論』ならびにいくつかの文章読本の一部を講読することから始める。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
文章の表現能力を高める。
読むことと書くことに自覚的に向かえるようにする。
文章表現に意識的に取り組むことによって、論理的思考を展開する能力を養う。

3.授業計画・内容
第1回 イントロダクション
第2〜4回 理論的テクストの講読
第5〜8回 さまざまなスタイル/形式の文章の文体的特徴と表現技法の分析・検討
第9〜12回 受講生が選んだ文章の文体的特徴と表現技法の分析・検討
第13〜14回 予備日
第15回 まとめ

【授業方法】演習形式の授業。文章ごとに担当者を決めて、発表を行なっていく。進行予定は上記のとおりだが、履修者が書いた文章の合評も随時織りまぜていく。

【授業外学習】講読・参考資料にはかならず事前に目を通し、内容を把握した上で授業に臨むこと。文章執筆の課題についてもしっかりと準備をしてこなすこと。

4.テキスト・参考書等
講読・関連資料:中村明『日本語文体論』(岩波現代文庫、2016年)、ならびにいくつかの文章読本。
講読・関連資料ならびに分析・検討の題材はkibacoをとおして適宜配布する。履修を考えている者はなるべく早い段階でkibacoの本授業に自己登録し、各自入手すること(連絡もkibacoをとおして行なうことがある)。
参考書:斎藤美奈子『文章読本さん江』、ちくま文庫、2007年。

5.成績評価方法
(1)平常点:発表・報告・課題の提出、授業への参加・貢献度(80%)、(2)まとめのレポート(20%)
*履修者数や授業の状況によっては(1)のみで評価することもある。

6.特記事項
講読・参考資料を入手したうえで、かならず初回に出席すること。履修希望でありながら初回に出席できない者は早めに連絡すること。

【他の授業科目との関連性】特別な予備知識は必要とせず、専門にとらわれず関心があれば履修できる。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることはできる。必要がある場合はメール(wakagi[at]a.email.ne.jp)で連絡をすること。


学部 表象文化論演習 金曜日 3時限 前期
1.授業方針・テーマ
《表象文化論の重要文献の講読》
この授業では表象文化論の基礎的文献、古典的名著を批判的に読み進める。今年度は前期・後期を通じて渡部直己編『日本批評大全』を読む。日本では文芸批評が人文学において特別な役割を果たしてきた。文学だけではなく、思想、哲学から芸術全般をふくむ広い範囲をカバーし、そこに生じる知のあり方を問うてきたといえるかもしれない。本書に収められた、文芸批評を中心とする70編ほどの批評のテクストを実際に読むことによって、それがいかなる営為であったかを知るとともに、その歴史を学ぶ。前期は同書の前半を読む。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
日本の批評史にかんする知識を深める。
批評が人文学においてどのような役割を果たしてきたのか。
批評的な見方・センスを身につけ、さまざまな文化的・社会的事象の理解に役立てられるようにする。
文献の扱い方を学び、今後の表象文化論の研究に活かせるようにする。

3.授業計画・内容
第1回 イントロダクション(発表の割り当ても)
第2〜14回 文献講読と関連事項の検討
第15回 まとめ

【授業方法】ともかく全体を読み通すことを目的とし、そのために毎回30ページほどのテクストを取り上げる。1編ごとに担当者が内容について口頭で説明ならびにコメントをし、それにもとづいて全体で重要事項の確認と意見交換をする。その上でつぎのテクストへ移る、というかたちを考えている。

【授業外学習】テキストや関連資料にはかならず事前に目を通し、内容を把握したうえで授業に臨むこと。

4.テキスト・参考書等
テキスト:渡部直己編『日本批評大全』、河出書房新社、2017年。テキストと関連資料はeラーニングシステム(kibaco)をとおして配付する。履修を考えている者はなるべく早い段階でkibacoの本授業に自己登録し、各自入手すること(連絡もkibacoをとおして行なうことがある)。なお、授業でのテクスト参照用にパソコン、タブレット端末の使用を認める。

5.成績評価方法
平常点:発表・報告、授業への参加・貢献度。

6.特記事項
テキストを入手したうえで、かならず初回に出席すること。履修希望でありながら初回に出席できない者は早めに連絡すること。大学院との共通授業だが、その点を気にする必要はない。

【他の授業科目との関連性】特別な予備知識は必要とせず、専門にとらわれず関心があれば履修できる。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることはできる。必要がある場合はメール(wakagi@a.email.ne.jp)で連絡をすること。


学部 表象文化論演習 金曜日 3時限 後期
1.授業方針・テーマ
《表象文化論の基本文献の講読》
この授業では表象文化論の基礎的文献、古典的名著を批判的に読み進める。今年度は前期・後期を通じて渡部直己編『日本批評大全』を読む。日本では文芸批評が人文学において特別な役割を果たしてきた。文学だけではなく、思想、哲学から芸術全般をふくむ広い範囲をカバーし、そこに生じる知のあり方を問うてきたといえるかもしれない。本書に収められた、文芸批評を中心とする70編ほどの批評のテクストを実際に読むことによって、それがいかなる営為であったかを知るとともに、その歴史を学ぶ。後期は同書の後半を読む。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
日本の批評史にかんする知識を深める。
批評が人文学においてどのような役割を果たしてきたのか。
批評的な見方・センスを身につけ、さまざまな文化的・社会的事象の理解に役立てられるようにする。
文献の扱い方を学び、今後の表象文化論の研究に活かせるようにする。

3.授業計画・内容
第1回 イントロダクション(発表の割り当ても)
第2〜14回 文献講読と関連事項の検討
第15回 まとめ

【授業方法】ともかく全体を読み通すことを目的とし、そのために毎回30ページほどのテクストを取り上げる。1編ごとに担当者が内容について口頭で説明ならびにコメントをし、それにもとづいて全体で重要事項の確認と意見交換をする。その上でつぎのテクストへ移る、というかたちを考えている。

【授業外学習】テキストや関連資料にはかならず事前に目を通し、内容を把握したうえで授業に臨むこと。

4.テキスト・参考書等
テキスト:渡部直己編『日本批評大全』、河出書房新社、2017年。テキストと関連資料はeラーニングシステム(kibaco)をとおして配付する。履修を考えている者はなるべく早い段階でkibacoの本授業に自己登録し、各自入手すること(連絡もkibacoをとおして行なうことがある)。なお、授業でのテクスト参照用にパソコン、タブレット端末の使用を認める。

5.成績評価方法
平常点:発表・報告、授業への参加・貢献度。

6.特記事項
テキストを入手したうえで、かならず初回に出席すること。履修希望でありながら初回に出席できない者は早めに連絡すること。授業内容からして前期・後期ともに履修することが望ましいが、後期のみの履修でもかまわない。ただし、その場合は前期にあつかったテクストをなるべく早い段階で各自かならず目を通しておくようにすること。大学院との共通授業だが、その点を気にする必要はない。

【他の授業科目との関連性】特別な予備知識は必要とせず、専門にとらわれず関心があれば履修できる。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることはできる。必要がある場合はメール(wakagi[at]a.email.ne.jp)で連絡をすること。


学部 表象文化論入門 金曜日 4時限 前期
1.授業方針・テーマ
《学術論文作成演習》
束事を身につけておく必要がある。本授業ではそうした学術論文の書き方の基礎を学ぶことを第一の目的とし、あわせて資料収集の方法、文献の批判的な読み方など論文執筆の準備にかかわることについても考えていく。余裕があれば口頭での発表や報告の基本的な作法を学ぶことも視野に入れる。なお、ひとくちに「論文」といっても学問領域によってルールや作法が異なるが、ここでは当然ながら表象文化論と呼ばれる学問領域におけるそれを念頭に置いている。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
学術論文を作成するための基礎知識を習得する。
論文という形式の文章の特徴・特質を理解する。
さまざまな文献を批判的に読み解く能力を身につける。
学術的な手続きを踏まえながら、自分なりに論文というかたちで考えをまとめられるようにする。

3.授業計画・内容
第1回 イントロダクション 第2回 論文という形式の文章について 第3回 文献の取り上げ方 第4回 文献表記の方法 第5回 文献一覧の作り方 第6回 引用の仕方 第7回 註のつけ方 第8回 テーマ設定の仕方 第9回 資料収集の方法 第10回 論述の組み立て方 第11回 文体について 第12回 注意点の再確認(出典の明記、書式の統一、引用個所の確認・照合など) 第13回 文献の扱い方のまとめ 第14回 各種資料(文献以外)の扱い方 第15回 まとめ

【授業方法】論文執筆に必要なことがらについて講義し、受講者はそれを踏まえてさまざまな作業をし、提出物としてまとめる。これをくりかえすことによって学術論文の書き方を身につけ、その成果を活かして期末レポートを作成する。

【授業外学習】毎回出される課題にもとづいて作業をし、提出物としてまとめること。

4.テキスト・参考書等
教科書:佐藤望ほか『アカデミック・スキルズ──大学生のための知的技法入門』(第2版、慶應義塾大学出版会、2012年)。各自購入すること。
eラーニングシステム(kibaco)をとおして参考資料等を適宜配付する。履修を考えている者はなるべく早い段階でkibacoの本授業に自己登録すること(連絡もkibacoをとおして行なうことがある)。

5.成績評価方法
(1)平常点[提出物、授業での各種作業など](50%)、(2)期末レポート(50%)。
*正当な理由がある場合をのぞき、欠席が4回を超えた時点で単位取得の資格を失う。

6.特記事項
過去に《学術論文作成演習》を履修した者はこの授業を再度履修することはできない。他教室の学生が履修を希望する場合は、いくつか確認したいことがあるので事前に連絡をすること。

【他の授業科目との関連性】授業内容、その性格からしてとくにほかの科目との関連を考える必要はない。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることはできる。必要がある場合はメール(wakagi[at]a.email.ne.jp)で連絡をすること。



学部 表象文化史B 金曜日 4時限 後期
1.授業方針・テーマ
《物語分析の理論と実践》
小説、映画、アニメーション、マンガなどのフィクション作品を「物語」(「語り」)に注目して分析する方法を学ぶ。物語論(ナラトロジー)の基本的な方法論を学んだうえで、実際にさまざまな物語作品の分析を行なう。そのさい、メディアやジャンルの特性も視野に入れながら、個々の物語(語り)の様態と機能、特性と効果についても検討を加えていく。こうした作業を通じて最終的には受講者がみずから物語論の立場から作品を分析し、とりわけ構造という観点から作品を深く理解できるようになることを目的とする。ジャンルは何であれ、作品をていねいに読み解きながら形式を分析していく、というような作業に関心が持てることを履修の条件とする。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
フィクション作品のつくられ方を分析・検討する技術や手法を身につける。
フィクション作品の特性や傾向を考察する力を養う。
語りという観点からフィクションの技法を捉えることによって作品の理解を深めることができる。
認識の手段としての物語という視点も学び、身のまわりの日常的・社会的なことがらを理解・検討するさいに役立てる。

3.授業計画・内容
第1回 イントロダクション
第2〜4回 物語分析のための理論
第5〜8回 分析例の紹介と検討
(第6回 中間試験)
第9〜14回 分析作業
第15回 まとめ

【授業方法】まず最初に物語分析のための基礎理論を集中的に講義し、受講者(と)のあいだで理論と方法論と共有する。これについては中間試験も行ない、基本用語の定着度と基本概念の理解度をみる。つづいて、その理論をもちいた分析の仕方、ならびに実際の分析例について講義し、それらを踏まえたうえで今度は受講者に各自関心がある物語作品を分析し、それについて発表してもらう。最後にその成果をまとめたものを期末レポートとして提出してもらう。分析に移行してからも、必要に応じて理論にかんする補足も随時行なう。

【授業外学習】テキストのほか参考資料もきちんと読んで予習と復習をし、物語分析の方法論の習得につとめるようにすること。分析の課題についてはしっかり準備した上でこなすこと。

4.テキスト・参考書等
テキスト:橋本陽介『物語論──基礎と応用』、講談社メチエ、2017年。各自購入すること。
参考資料等については、eラーニングシステム(kibaco)をとおして適宜配付する。

5.成績評価方法
(1)中間試験(30%)、(2)期末レポート(30%)、(3)平常点(40%)

6.特記事項
【他の授業との関連性】《記号論と構造主義》を履修している(同程度の記号論、物語論にかんする知識がある)ことが望ましい。

【質問受付方法(オフィスアワー)】オフィスアワーはとくに設定しないが、火曜日と金曜日の授業の前後に時間をつくることはできる。必要がある場合はメール(wakagi[at]a.email.ne.jp)で連絡をすること。



● 国際基督教大学 非常勤講師


  Modern Art II 近代美術 II 水曜日 5-7時限 第1学期
概要
広義の映像文化に属する現代のさまざまな作品(映画、アニメーション、ミュージック・ヴィデオ、写真、絵画、ポスターなど)を取り上げながら、イメージ論・視覚文化論・映像文化論の主要なテーマと関連する諸理論を概観する。

学習目標
視覚文化・映像文化にかんする幅広い知識と教養を身につける。
イメージ論・視覚文化論・映像文化論の基本的な視座の取り方ならびに基礎的な理論を学ぶ。

内容
たとえば以下のようなテーマで講義する(ただし、あつかう順番はこのとおりではない)。 1.「芸術」概念と「アートワールド」
2.運動、時間、メタモルフォーズ
3.夢、象徴、精神分析
4.異化とメッセージの詩的機能
5.モンタージュと意味の生成
6.ロラン・バルトの写真論
7.イメージと無意志的記憶
8.カタストロフと表象不可能性
9.遠近法と空間表象
10.イメージ人類学
11.ジル・ドゥルーズの映画論
12.ポストメディウム的状況
13.引用とパロディ
14.メタフィクション(メタ映画)と語りの枠組み

教授言語の詳細
講義:日本語
講読資料・参考文献・教材:日本語
試験・小テスト・課題:日本語
ディスカッション・プレゼンテーション・その他:日本語
教員とのコミュニケーション:日本語

成績評価基準
[1]平常点(小テストを含む)(20%)、[2]期末試験(80%)。なお、試験で一定 の基準を満たした者にかぎっては、自主的に提出されるレポートも成績評価の参考にする (詳細は授業で説明する)。

授業時間外学習
講読資料・参考資料等を適宜読んできてもらう。

参考文献
講読資料はpdf等で配付する(各自プリントアウトしてきてもらうことがある)。参考文献は授業で指示する。

注意事項
かならず初回に出席すること。パワーポイントを使用するが、スライドの配布はしない。 あつかう作品のなかには、かわったもの、頽廃的なもの、グロテスクなもの、エロティッ クなもの、「わけのわからない」ものなどがふくまれることをあらかじめ断わっておく。 携帯電話・スマホ等は原則として使用しないでいただきたい(時計としても)。居眠 り、“内職”も不可とする。





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