2016年度


★ 大学の教員として──
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● 首都大学東京 都市教養学部 人文・社会系 国際文化コース 表象文化論分野 / 首都大学東京大学院 人文科学研究科 文化基礎論専攻 専任教員

※大学院の研究生についてお問い合わせいただくことがありますが、所属分野では研究生の受け入れをしていません。

※研究室訪問にも対応していません。おたずねになりたいことがありましたら、メール等でご連絡ください。


2016年度の授業については以下のとおりです。(2016.03.14現在)


大学院 芸術表象論研究・特論 金曜日 3時限 前期
1.授業方針・テーマ
《文学と視覚文化にかんする文献を読む》
この授業の枠ではこれまで表象文化論を学ぶうえで重要な基礎的文献、古典的名著を批判的に取りあげてきたが、今年度・前期はいくぶん趣向をかえ、文学と視覚文化(視覚性)にかんする論文3点(いずれもリヴィア・モネという研究者によるもの)を関連資料を適宜参照しながらゆっくりと読んでいく。(そのなかでできれば文献を読むことだけでなく、論文を書くことについて考える機会も設けたい。)

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
表象文化論の基礎理論にかんする幅広い知識や教養を身に着け、さまざまな文化的事象の理解に役立てられるようにする。
文学と視覚文化の関係について洞察を深める。
本の読み方、文献の扱い方を学ぶ。

3.授業計画・内容
第1回:イントロダクション(発表の割り当ても)
第2〜15回:演習形式での文献講読と関連事項の検討

4.テキスト・参考書等
(1)リヴィア・モネ『視覚のドラマツルギー──視覚研究の現状と今後の課題』(『國文學』1998年9月号、11月号)。
(2)リヴィア・モネ『テレビ画像的な[テレヴィジュアル]退行未来と不眠の肉体──村上春樹の短編小説における視覚性と仮想現実[ヴァーチャル・リアリティー]』(『國文學』1998年2月臨時増刊号)。
(3)リヴィア・モネ『自動少女──尾崎翠における映画と滑稽なるもの』(『國文學』2000年3月号、5月号)。
(4)関連資料(各種論文等)。
eラーニングシステム(kibaco)を通じてテキストと関連資料を配付する。テクストはこの順番であつかっていく。
*(2)では村上春樹「TVピープル」、「眠り」(短編集『TVピープル』所収)が、(3)では尾崎翠『第七官界彷徨』が取り上げられている。事前に目を通しておくことが望ましい。

5.成績評価方法
平常点。

6.特記事項
受講者は4月の早い段階でkibacoの本授業に自己登録し、テキストの内容を把握したうえで、かならず初回に出席すること。 ※履修希望者は4月6日までに担当教員にメールで連絡すること。


大学院 芸術表象論研究・特論 金曜日 3時限 後期
1.授業方針・テーマ
《表象文化論の基本文献の講読》
この授業では表象文化論を学ぶうえで重要な基礎的文献、古典的名著を批判的に読み進めていく。今年度の後期は、柳父章『翻訳語成立事情』を取り上げる。
本書について出版社はつぎのように紹介している──《かつて、この国に「恋愛」はなかった。「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは、ほんの一世紀前にすぎない。社会、個人、自然、権利、自由、彼・彼女などの基本語が、幕末─明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ、日本人のものの見方をどう導いてきたかを明らかにする》(岩波書店HPより)。
授業では本書を読みながら翻訳について考えるというよりも、外国語の考え方を私たちがどう取り込み、それによって私たちの思考のあり方がどうかわったのかを比較文化的観点から検討してみたい。(そのなかでできれば文献を読むことだけでなく、論文を書くことについて考える機会も設けたい。)

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
表象文化論の基礎理論にかんする幅広い知識を身に着け、さまざまな文化的事象の理解に役立てられるようにする。
本の読み方、文献の扱い方を学ぶ。

3.授業計画・内容
第1回:イントロダクション(発表の割り当ても)
第2〜15回:演習形式での文献講読と関連事項の検討

4.テキスト・参考書等
テキスト:柳父章『翻訳語成立事情』(岩波新書、1982年)。その他の資料は適宜配付する。

5.成績評価方法
平常点。

6.特記事項
テキストを入手したうえで、かならず初回に出席すること。
※履修希望者は10月3日〜5日のあいだに担当教員にメールで連絡すること。


学部 表象文化論基礎理論/表象文化論入門 火曜日 4時限 前期
1.授業方針・テーマ
《記号論と構造主義》
記号論と構造主義にかんする学説の流れ、主要な概念・テクニカルタームのほか、基本的な分析のツールとその利用法、過去の理論的実践の成果などを学ぶ。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
表象文化論研究に必要不可欠な、記号論と構造主義にかんする基礎的な知識と教養を身につける。
思想的・哲学的側面よりも、芸術作品や文化的事象の分析や理解に必要な基本的思考法としての側面を重視しながら講義する。
具体的な目標としては、たとえばロラン・バルトの理論的著作に自力で当たれるくらいの知識の獲得をめざす。

3.授業計画・内容
第1回:イントロダクション[ふたつの「誤謬」](ニュー・クリティシズム)
第2〜3回:ソシュール言語学の基本的な考え方[シニフィアン/シニフィエ、ラング/パロールなど]
第4〜5回:記号論の基本的アプローチ[デノテーション/コノテーションなど](ロラン・バルト)
第6回: 隠喩/換喩(ロマン・ヤーコブソン)、アイコン/インデックス/シンボル(チャールズ・S・パース)
第7回:構造主義の考え方とその歴史的背景(クロード・レヴィ=ストロース)
第8回:中間試験と前半のまとめ
第9回:物語の構造分析:物語論(1)(ウラジーミル・プロップ,バルト)
第10回:テクスト分析[シニフィアンス](バルト、ジュリア・クリステヴァ)
第11回: 物語論(2)(ジェラール・ジュネット)
第12回:作品/テクスト、「作者」(バルト、ウェイン・ブース)、ロシア・フォルマリズムの理論
第13回: ヤーコブソンの詩学、間テクスト性(ミハイル・バフチン、クリステヴァ)、「第三の意味」(バルト)
第14回:期末試験と解説
第15回:まとめ

4.テキスト・参考書等
eラーニングシステム(kibaco)を通じて講読資料等を適宜配付する。

5.成績評価方法
(1)平常点(5%)、(2)中間&期末試験[小レポートをふくむ](95%)

6.特記事項
過去に《記号論と構造主義》を履修した者はこの授業を再度履修することはできない。


学部 芸術表象論/表象言語の諸問題 火曜日 5時限 後期
1.授業方針・テーマ
《西洋近現代絵画の見方を学ぶ》
西洋絵画においては、印象派以後、従来の約束事が崩壊し、新たな価値観のもとで多様な動きが生じてきた。それにともない絵画の捉え方も当然ながら変化しており、そこではしばしば知的なアプローチが求められるようにもなっている。その基本事項を手際よくまとめ、紹介する文献を講読しながら、そうした近現代絵画の見方を学んでいく。演習形式の授業で、章ごとに担当者を決めて、発表してもらう。そのさいとくに具体的な作品の紹介に力を注いでもらう。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
西洋近現代絵画にかんする知識や教養を深める。
芸術作品の捉え方、みずからのものの見方にも批判的なまなざしを向けられるようにする。
これまでなじみのなかった芸術作品との出逢いの場を創出することも目的のひとつとする。

3.授業計画・内容
第1回:イントロダクション(発表の割り当ても)
第2〜14回:演習形式での文献講読と関連事項の検討
第15回:まとめ(試験をふくむ場合もある)

4.テキスト・参考書等
テキスト:三浦篤『まなざしのレッスン 2西洋近現代絵画』(東京大学出版会、2015年)。

5.成績評価方法
(1)発表・報告、授業への参加・貢献度(50 %)、(2)レポートもしくは試験(50%、どちらにするかは履修者数によって決める)。

6.特記事項
テキストを入手し、かならず内容を確認したうえで、初回に出席すること(履修希望でありながら初回に出席できない者は10月に入ってからこちらに連絡すること)。場合によっては履修を制限をする。


学部 表象文化史B 金曜日 3時限 前期
1.授業方針・テーマ
《文学と視覚文化にかんする文献を読む》
この授業の枠ではこれまで表象文化論を学ぶうえで重要な基礎的文献、古典的名著を批判的に取りあげてきたが、今年度・前期はいくぶん趣向をかえ、文学と視覚文化(視覚性)にかんする論文3点(いずれもリヴィア・モネという研究者によるもの)を関連資料を適宜参照しながらゆっくりと読んでいく。(そのなかでできれば文献を読むことだけでなく、論文を書くことについて考える機会も設けたい。)

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
表象文化論の基礎理論にかんする幅広い知識や教養を身に着け、さまざまな文化的事象の理解に役立てられるようにする。
文学と視覚文化の関係について洞察を深める。
本の読み方、文献の扱い方を学ぶ。

3.授業計画・内容
第1回:イントロダクション(発表の割り当ても)
第2〜15回:演習形式での文献講読と関連事項の検討

4.テキスト・参考書等
(1)リヴィア・モネ『視覚のドラマツルギー──視覚研究の現状と今後の課題』(『國文學』1998年9月号、11月号)。
(2)リヴィア・モネ『テレビ画像的な[テレヴィジュアル]退行未来と不眠の肉体──村上春樹の短編小説における視覚性と仮想現実[ヴァーチャル・リアリティー]』(『國文學』1998年2月臨時増刊号)。
(3)リヴィア・モネ『自動少女──尾崎翠における映画と滑稽なるもの』(『國文學』2000年3月号、5月号)。
(4)関連資料(各種論文等)。
eラーニングシステム(kibaco)を通じてテキストと関連資料を配付する。テクストはこの順番であつかっていく。
(2)では村上春樹「TVピープル」、「眠り」(短編集『TVピープル』所収)が、(3)では尾崎翠『第七官界彷徨』が取り上げられている。事前に目を通しておくことが望ましい。

5.成績評価方法
平常点(人数によってはレポートを課すこともある)。

6.特記事項
受講者は4月の早い段階でkibacoの本授業に自己登録し、テキストの内容を把握したうえで、かならず初回に出席すること。予備知識は問わない。また、大学院との共通授業だが、そのことで躊躇する必要はない(ただし、人数によって履修制限をすることがある)。
※履修希望者は4月6日〜7日のあいだに担当教員にメールで連絡すること。


学部 表象文化史B 金曜日 3時限 後期
1.授業方針・テーマ
《表象文化論の基本文献の講読》
この授業では表象文化論を学ぶうえで重要な基礎的文献、古典的名著を批判的に読み進めていく。今年度の後期は、柳父章『翻訳語成立事情』を取り上げる。
本書について出版社はつぎのように紹介している──《かつて、この国に「恋愛」はなかった。「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは、ほんの一世紀前にすぎない。社会、個人、自然、権利、自由、彼・彼女などの基本語が、幕末─明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ、日本人のものの見方をどう導いてきたかを明らかにする》(岩波書店HPより)。
授業では本書を読みながら翻訳について考えるというよりも、外国語の考え方を私たちがどう取り込み、それによって私たちの思考のあり方がどうかわったのかを比較文化的観点から検討してみたい。(そのなかでできれば文献を読むことだけでなく、論文を書くことについて考える機会も設けたい。)

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
表象文化論の基礎理論にかんする幅広い知識を身に着け、さまざまな文化的事象の理解に役立てられるようにする。
本の読み方、文献の扱い方を学ぶ。

3.授業計画・内容
第1回:イントロダクション(発表の割り当ても)
第2〜15回:演習形式での文献講読と関連事項の検討

4.テキスト・参考書等
テキスト:柳父章『翻訳語成立事情』(岩波新書、1982年)。その他の資料は適宜配付する。

5.成績評価方法
平常点(人数によってはレポートを課すこともある)。

6.特記事項
テキストを入手したうえで、かならず初回に出席すること。大学院との共通授業だが、そのことで躊躇する必要はない(ただし、人数によって履修制限をすることがある)。
※履修希望者は10月5日〜6日のあいだに担当教員にメール(wakagi@a.email.ne.jp)で連絡すること。


学部 外国語文献講読3/表象言語の諸問題 金曜日 4時限 前期
1.授業方針・テーマ
《フランス語文献講読》
日本の伝統的な生活文化の美を陰影にみいだす谷崎潤一郎『陰翳礼讃』のフランス語訳を原文と比較対照させながら読む。表象文化論の多様な立場からの読解も随時試みる。
テクストの訳読が中心となるが、未習の(あるいは、あまりよく理解できていない)文法事項についてはその都度解説をくわえていく。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
フランス語文献の読解力を身につける。
関連するさまざまな文化的事象にかんする知識を習得する。
テクスト分析の多様な手法を学ぶ。

3.授業計画・内容
第1回:イントロダクション
第2〜15回:テクストの講読

4.テキスト・参考書等
『陰翳礼讃』のフランス語訳はプリントを配布する。日本語原文は各自で用意すること。

5.成績評価方法
平常点

6.特記事項
かならず初回に出席すること。表象文化論分野に進級した2年生の語学力と理解度をみながら授業を進めていく(最初はかなりゆっくり進行する)が、それ以外の(表象の3年生以上、あるいは他分野・他教室の)受講者も歓迎する。英語以外の外国語もできるだけ継続的に学んでもらいたい。



学部 芸術表象論/表象言語の諸問題 金曜日 4時限 後期
1.授業方針・テーマ
《アニメーションの歴史》
世界のアニメーションの歴史(映画前史をふくむ)をたどることによって、この特殊な映像ジャンルにかんする知識と理解を深める。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
アニメーションの歴史を知ることによって映像文化についての理解を深める。
芸術作品の捉え方、みずからのものの見方にも批判的なまなざしを向けられるようにする。
これまでなじみのなかった芸術作品との出逢いの場を創出することも目的のひとつとする。

3.授業計画・内容
第1回:イントロダクション
第2〜3回:アニメーションの歴史の概略
第4回:映画前史の視覚玩具・装置と「動く映像」の仕組み
*以下、年代順に作品を鑑賞し、技術・地域・時代という観点から適宜検討をくわえていく。
第5〜6回:1900年代
第7〜8回:1930〜1940年代
第9回:1950〜1960年代
第10回:1960〜1970年代
第11回:1970年代
第12回:1970〜1980年代
第13〜14回:1980年代〜現在
第15回:まとめ

4.テキスト・参考書等
必要なテキストはeラーニングシステム(kibaco)をとおして配付する。
参考書:山村浩二『アニメーションの世界へようこそ』.岩波ジュニア新書,2006年;津堅信之『アニメーション学入門』.平凡社新書,2005年。

5.成績評価方法
(1)平常点(20%)、(2)中間レポート・期末レポート(80%)。

6.特記事項
かならず初回に出席すること。授業のテーマに本当に関心のある者にかぎる。携帯電話の使用(時計としても)、居眠り、“内職”は「不可」とする。
作品にはときに多少変わったもの、退廃的なもの、グロテスクなもの、エロティックなもの、とっぴなものが出てくることもあるので、注意すること。未知のもの、「わからない」ものに拒否反応をしめす者は受講を控えること。
なお、2013年度の《アニメーションの歴史》と内容が重なるので、その受講者は履修できない。



学部 表象文化論基礎B[教養科目] 火曜日 4時限 後期
1.授業方針・テーマ
《イメージとことば》
映像作品について語るとき、私たちはどのような「ことば」をもちいればいいのだろうか。この問いから出発し、映像にまつわるさまざまな問題について、多くの文章を書きながら考えていってもらう。
取り上げるのはミュージック・ヴィデオやカートゥーン映画、アニメーション映画(ただし日本の「アニメ」はあつかわない)など。そこにあらわれているイメージを愛で、楽しみ、おもしろがりながら、関連するさまざまな問題を検討していく。作品を自分の目でしっかりと観ることを何よりも重視する。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
映像文化にかんする知識と教養を身につける。
自分の文化的事象の捉え方に批判的なまなざしを向け、それを相対化できるようにする。
これまでなじみのなかった芸術作品との出逢いの場を創出することも目的のひとつとする。

3.授業計画・内容
第1回:イントロダクション
第2回〜第6回:映像と音(楽)
第7回〜第10回:アニメーションの多様な手法
第11回〜第14回:ミュージック・ヴィデオとそのさまざまなコンテクスト
第15回:まとめ

4.テキスト・参考書等
テキストはとくに指定しない。参考書は授業でその都度紹介する。

5.成績評価方法
(1)中間レポート・学期末レポート[課題は授業で発表。掲示はしない](70%)、(2)平常点 [初回の小レポート、授業時のコメントシートなど](30%)。
なお、提出期限を過ぎたレポートはいかなる理由があっても受け取れない。

6.特記事項
かならず初回に出席すること。まじめに授業に取り組める者以外は受講してはならない。携帯電話の使用(時計としても)、居眠り、“内職”は「不可」とする。
映像作品はひとによって受けとめ方がことなるのであえて書いておくと、(芸術作品にしばしば登場する)変わったもの、退廃的なもの、グロテスクなもの、エロティックなもの、とっぴなもの、未知のもの、「わからない」ものを受け入れられる者以外は受講しないほうがいいと思う。
【注意】初回に発表するテーマで小レポートを提出してもらう。これを履修の要件とし、未提出者は登録しても単位は取得できない。(初回欠席者は注意すること。)


学部 基礎ゼミナール 火曜日 5時限 前期
1.授業方針・テーマ
テーマ 【アニメーションの表現様式について】
アメリカのカートゥーン映画をおもな題材として、絵、動き、音という3つの観点からアニメーション(さらには映画)の表現様式について考察し、映像文化にかんする理解を深める。このテーマにかんする文献の講読を中心に授業を進めていく。さしあたり章ごとに担当者を決めて、内容の報告をしてもらい、そこに受講者の関心を随時反映させていくようにしたい。本をていねいに読むこと、映像をしっかりと観ること、考えを言葉できちんと表現することを重視する。

2.習得できる知識・能力や授業の目的・到達目標
映像文化にかんする知識と教養を身につける。
芸術作品の捉え方、みずからのものの見方にも批判的なまなざしを向けられるようにする。
これまでなじみのなかった芸術作品との出逢いの場を創出することも目的のひとつとする。

3.授業計画・内容
第1回:基礎ゼミナールガイダンス
第2回:イントロダクション(授業の進め方・成績評価についての説明、発表の割り当てなど)
第3〜14回:担当者による発表・報告を軸とする文献講読と関連事項の検討
第15回:まとめ
*中間レポートを提出してもらい、そのいくつかに検討をくわえる機会も設ける。

4.テキスト・参考書等
テキスト:細馬宏通『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか──アニメーションの表現史』(新潮選書、2013年)

5.成績評価方法
発表・報告、授業への参加・貢献度、中間・期末レポートなどにより総合的に判断する。ただし、あたえられた課題をきちんとこなしている場合は「4」を基本とする。また、正当な理由なく、4回以上欠席した場合は「1」となる。

6.特記事項
履修者は早めにテキストを入手し、第2回にはかならず持参すること。予備知識等はまったく問わないが、まじめに課題に取り組める者にかぎる。


● 国際基督教大学 非常勤講師


  Modern Art II 近代美術 II 水曜日 5-7時限 第1学期
概要
広義の映像文化に属する現代のさまざまな作品(映画、アニメーション、ミュージック・ヴィデオ、写真、絵画、ポスターなど)を取り上げながら、イメージ論・視覚文化論・映像文化論の主要なテーマと関連する諸理論を概観する。

学習目標
視覚文化・映像文化にかんする幅広い知識と教養を身につける。
イメージ論・視覚文化論・映像文化論の基本的な視座の取り方ならびに基礎的な理論を学ぶ。

内容
たとえば以下のようなテーマで講義する(ただし、あつかう順番はこのとおりではない)。
1.「芸術」概念と「アートワールド」
2.運動、時間、メタモルフォーズ
3.夢、象徴、精神分析
4.異化とメッセージの詩的機能
5.モンタージュと意味の生成
6.ロラン・バルトの写真論
7.イメージと無意志的記憶
8.カタストロフと表象不可能性
9.遠近法と空間表象
10.イメージ人類学
11.ジル・ドゥルーズの映画論
12.ポストメディウム的状況
13.引用とパロディ
14.映像と音(楽)

教授言語の詳細
講義:日本語
講読資料・参考文献・教材:日本語
試験・小テスト・課題:日本語
ディスカッション・プレゼンテーション・その他:日本語
教員とのコミュニケーション:日本語

成績評価基準
[1]平常点(20%)、[2]試験および/あるいはレポート(80%)(履修者数をみて判断する)

授業時間外学習
講読資料・参考資料等を適宜読んできてもらう。

参考文献
講読資料はpdf等で配付する(各自プリントアウトしてきてもらうことがある)。参考文献は授業で指示する。

注意事項
かならず初回に出席すること。携帯電話等の使用(時計としても)、居眠り、“内職”は不可とする。あつかう作品のなかには、かわったもの、頽廃的なもの、グロテスクなもの、エロティックなもの、「わけのわからない」ものなどがふくまれることをあらかじめ断わっておく。





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