前書新PocketDOS概要新PocketDOS日本語化
旧PocketDOS(英)XT-CE(英)XT-CE(日)旧PocketDOS(日)コネパク日本語入力(FEP)FAQ and TIPS参照・参考

HP200LX のフラッシュメモリカードを有効活用
Jornada720 DOS遺産継承作戦 3

作戦弐号「痕forLXするならXT-CE」其の弐

XT-CE上でPC-DOSのDOS/C化

 …「初めて買ったパソコンにはWindows95が載ってました、こんな画面の狭いキカイはJornada720が初めてですぅ」なんて方には、ここからが最大の難所(DOSエミュレータのマニュアルには一切なにも書いてないから)となる訳ですが、LXerはじめ我々DOSモバイラーにとってはここまでくれば勝ったも同然です(いばりっ)。ましてや、今回はPC-DOS J7を載せたのでやることはCGA対応だけです。こんなのはV-TEXTをつかいこなしてきた諸賢には朝飯前でございましょ?

HP200LX日本語化キット(jkit)を使ってみる

 …歯ごたえがない程、あっさり通ります。なーんにも書くことがありません

JKIT DOS/C起動終了画面

HP100LX フリーDOS/C環境を適用してみる(詳述)

 …さすがはjkitの原形、これまた拍子ぬけなほど簡単に稼動しました。では次に…

フリー環境DOS/C起動終了画面

 …などとどんどん通り過ぎて行ってしまっては不親切ですね。どれかひとつは腰を据えて日本語CGA表示を実現する方法を解説しましょう。で、詳述にこの系を選んだ理由は、

だからです。

用意するもの

  1. fontman
  2. yadc
  3. 通称"げんちょもフォント"(上の画面写真で表示されてるのもこのフォントですが、日本語はこんなかんじ。16*8の25行表示です)

げんちょもフォントで「gen=旧約聖書創世紀」を表示というだじゃれ

スキーム

 日本語DOSのシステムフロッピーを日本語DOS/C化して、最後にそれを仮想ディスク化してXT-CEの仮想A:ドライブに入れるものとしてお話します。で、母艦の物理A:driveにシステム転送済みフロッピーの実体があるとしましょう。

  1.  まず、a:ドライブにドライバ類を置いとくディレクトリを作ります。free環境からとってa:\free\とでもしましょう(安直)。かつて\bin\というディレクトリにバイナリを置くのがカッコ良かった頃(HDD以前)もありましたが、大方のバイナリがアプリ名のフォルダに入ってる昨今、しかもドキュメントも入れて\bin\もありませんよね。
  2.  拾ってきたfontmanとyadcを解凍してこのa:\free\に送ります。
  3.  フォントをいれるディレクトリを作ります。これまた安直にa:\font\としておきます。
  4.  次は当然このディレクトリにフォントを解凍します。
  5.  ここまでのおさらいです。a:\free\の中に
     FONTBUF  EXE       2,112 94-09-27   22:50
     FONTMAN  DOC       9,966 94-11-18    0:39
     FONTMAN  EXE       7,936 94-11-17   23:20
     FONTMAN  INI         318 94-11-17   23:20
     YADC     DOC      11,267 94-11-24    0:53
     YADC     EXE      16,939 94-10-14   15:52
     YADC     INI       2,464 94-11-21   23:53
     YSTAT    DOC       2,667 94-02-28   22:39
     YSTAT    EXE      12,787 94-02-28   22:39
    
    a:\font\の中に
     GEN9808X FNT       2,582 96-01-21   21:43
     GENHN08X FNT       2,065 96-01-21   21:42
     GENZN08X FNT     110,706 96-01-21   21:41
    
    があることを確認してください。これ以外のモノあるぶんにはかまいませんが、欠けていると困ります(ドキュメントや周辺tool等を取捨出来る方は、自己判断してくださって構いません)。
  6.  a:\free\fontman.iniを編集します。基本では用意したフォントはfontX2形式の"げんちょもフォント"だけですから、存在しないものはコメントアウトし、導入したものを追記すると、a:\free\fontman.iniの中身はこうなります。
    ;
    ; fontx2 フォント定義
    ;
    [fontx2]
    ; a:\font\jpkhn8x.fnt
    ; a:\font\jpkhn14x.fnt
    ; a:\font\jpkhn16x.fnt
    a:\font\genhn08x.fnt
    a:\font\genzn08x.fnt
    a:\font\gen9808x.fnt
    
    ;
    ; font.14 フォント定義 (font.14 を使用する場合)
    ;
    [font14]
    ; a:\font\font.14
    ; a:\font\font.tbl
    
    ;
    ; 恵梨沙フォント定義 (elisa.fnt を使用する場合)
    ;
    [elisa]
    ; a:\font\elisa.fnt
    ; a:\font\font.tbl
    
  7. 今度は起動ファイルです。config.sys末尾に以下の2行を書き足してください。
    devicehigh=a:\free\fontman.exe -b5 -fa:\free\fontman.ini
    devicehigh=a:\free\yadc.exe -bd
    
  8. autoexec.batのどこかに(path文の直後がいいでしょう)念の為以下の一行を書き足してください。
    path a:\free;%path%
    
  9. おさらい2です。念の為、前頁でのXT-CEの独自コマンドの利用の薦めと合わせて、最小構成の起動ファイル全文を示します。ただし、XT-CEの仮想B:ドライブにXTCE_SYS.DSKを挿入しておくことが前提として組んでますので、このフロッピーで試しに母艦を起動しようとしても次々にエラーが出ます。慌てないでください。

    config.sys

    buffers=8
    files=24
    lastdrive=j
    shell=a:\command.com /e:512 /p /h
    
    DOS=UMB
    DEVICE=b:\XTCE\XTCE_UMB.sys
    DEVICEHIGH=b:\XTCE\XTCE_EMS.sys
    DEVICEHIGH=b:\XTCE\WinCE_FS.sys
    
    devicehigh=a:\free\fontman.exe -b5 -fa:\free\fontman.ini
    devicehigh=a:\free\yadc.exe -bd
    

    autoexec.bat

    @echo off
    prompt $p$g
    b:\xtce\redirect e: "/storage card2"
    path b:\xtce;b:\tinyed;%path%
    path a:\free;%path%
    
    xtce_pen
    
  10. 最後にこのフロッピーをイメージ化します。母艦のDOS窓で
    c:\Program Files\XTCE\DumpDisk.exe a: c:\PC-DOS7.DSK
    
    を実行して下さい。c:\のrootに仮想ディスクファイルPC-DOS7.DSKが出来ますので、CE機に転送してお用いください。XT-PCで試運転してみるのもいいでしょう("storage card2"のアサインがエラーになりますけど)。いずれの場合も仮想B:ドライブにXTCE_SYS.DSKを挿入しておくことをお忘れなく。

オプショナル

これらもa:\fontディレクトリに解凍し、a:\free\fontman.iniに正しく追記すれば、yadcのモード変更でそれぞれのフォントが使えるようになります。げんちょもフォントとともに高視認性フリーフォントとして自信をもってお薦め出来るこれらは全てHPLXの、もっといえばFHPPCの文化遺産です。 フォントフェイスはこんなかんじで、上が「赤城ポップ(16*11)」、下が「ぱうフォント(16*16)」です。

赤城フォントで「祝詞」

ぱうフォントで「般若心経」

CGA汎用フリーウエア群を使ってみる

 FontXDspCCを使ってみましたが…あっさりOKです。いやー、さすがに本家PC-DOS J7はらくちんですわん。

DspCCで起動

特記事項

 先達の情報サイトでは、何故か皆様$fontm.sysを利用しておられ、しかも「$fonte.sysは使えない」事を匂わせる記述すらしている場合があります。しかし、Jornada720で最新バージョンのXT-CEを使う場合には、$fonte.sysも使えます。ただし…何故かfontのロードに「ハングアップと確信するのに充分なくらい」時間がかかり(赤城とぱうも組込む私の環境で55秒、従来機ではもっとでしょう)、下に示した画面のまま滞ってしまいます。ですから…実は単に昔から爆遅なだけで先駆者の皆様は少々せっかちな早とちりをなさっていた、ということはないでしょうか(笑)。ちなみに、組込みさえ通り抜ければ、納得できる表示速度で動きますから、起動時に待ってもコンベンショナルメモリが空くメリットのほうが大きいと思います。

一見ハマリの$fonte.sys

やり残している事

  1.  ヴェテランの方はとっくにお気づきでしょうが、かな漢字変換FEPを組み込んでいません。e:ドライブを認識させた後にdynaload.comで組み込めば、LX時代に鍛え上げたラージ辞書がそのまま使える…はずなんですが…WXII+の後組み込みは出来ますが、[alt]+[SPACE]では起動出来ません。これは、エミュレータがキーボードをフックした上にキー入力を選んで拾ってる事(だってkeyboard.sys組んでないのに日本語キーボードで動いてますし、アプリケーションキーなどは…これはこれで大変便利ですけど)によると踏んでいます。

    で、FEP起動キーを変更するにはwx2sys.iniの中の

    GRPH+SPACE = 86 40 00 00 00 00
    
    という行の記述を、機能的に競合しなくてエミュレータが感知してくれるキーにしてやればいい、というトコロまでは見当がつくのですが、どういう組合わせがソレに該当するのかまだ掴んでいません。もしかして、これを解決してFEPを起動したときに伝説の暴走がおこるのかなあ?(情報をお持ちの方、是非メールなど頂きたくお願い致します)。解決しました。
  2.  というわけで、表題どおり、どの日本語環境でも「痕forLX」はplay出来ます。

    「痕forLX」

    しかし…「終末の過ごし方 for LX」ができないっ(泣)。起動し、動作しているようなのですが、文字色が地色と同じになってしまって見えません。なにかの拍子で表示の具合が悪くなると文字表示が反転してちゃんと文字もあったことが判る事もある、というありさまです。これもどうにかする方法をご存知の方はぜひご一報頂きたいところです。


戻る進む

Sectionのtopに戻る

Homeに戻る