2000’sTODAY みんなの“いま”を話そっ!VOL.8 MAIL

SPACE99  

「医師の言葉」に… 医師だけではないはず 医師の言葉 北風は冷たかった】
【普賢岳を覚えていますか?】 【ちびとも日記】bV 【フリーマーin札幌】 【“生”の終りを…】
【おいしい?】 【ちびとも日記】bU 【親は‥(病棟から)】 【幼い頃の……】
【ちびとも日記】bT 【ちびとも日記】bS 病院(或は医師)に思うこと 【ちびとも日記】【bR】
【いま 母は元気です】 燕尾服の〜 【ちびとも日記】bQ 【ちびとも日記bP】
写真というもの 決断 生体肝移植 ターミナルケア 患者さんは多いです
どうする!“ゴミ” 癌 その時貴女だったら? インフォームド・コンセント 「かあさん!…」を応援
患者さんを 父を 心が通じなければ WATASHI 母さん!頑張ろう
父が…… クリニックの今 「WATASHI」読みました YUN TODAYbQ
YUN TodaybP
              MAIL

北風が冷たかった

抜けるような青空
冷たい北風がマフラーをなびかせていた
左手に小高い木立がある道を歩いていた
その木立の向こうに野球場があるのを知っている
道は出来たばかりの変にジグザクの一方通行路
そういえば少し前まで放置自動車が列をなしていた
改修後は気持ちのいい遊歩道になっている だから最近好んで歩く
そのカーブを過ぎると並木の美しい大通りと交差する

右手の少し大きな木の下に動く人影が目に入った
あっ……
鮮やかな赤とピンク柄の布に包んだものを大切そうに抱えている
“赤ちゃんっ!!” 声にでそうになった
次の瞬間こわばった顔をした女性の鋭い視線に圧倒され……
目を伏せた先に大きく掘られた穴が木の根本にあった
そばに突き刺されたスコップの柄の赤さが……
“埋めるんだっ” 背中は冷たく鳥肌が走っていた
空を見上げながら 歩を早めているオレって……
振り向かないでいられないオレって……

かなり深い穴なのだろう かのご婦人は腰を折って屈み込んでいた
“まさかこんな道端の共有の木の下に…” “そんなこと……”
“そうかっ ペット!だっ きっと”
自分の顔に心なしか赤みが戻ったのを感じた

あの時の あの表情が あの目が 脳裏から離れない
あれから随分過っているけど
あの道にはまだ歩を運んでいない
今日もパソコンの雑誌を買いに本屋に行った
遠回りをして大通りを………

きょう 1月の半ばなのに
4月上旬の陽気……とTVは言っていた

あの日のことは まだ誰にも話していない

                                     h.



医師の言葉

hanaさんや h.oさんの投稿を拝見していて、12年前に亡くなった 父のことを思い出し、
患者や、その家族の立場から医療現場にいらっしゃる 方に訴えることが出来れば・・と思い、
お話しさせて頂きたいと思います。

父は56歳と言う若さで心臓を患いました。
心臓の収縮運動が極端に小さくなり、全身に血液を送る力が激減するため 少し動いただけで、
まるでマラソンでもしたような疲れや息切れ、不整脈 などが襲うのです。
名前もない、原因もわからない、治療法もない珍しい病気だったそうです。

ある大病院に入院中、腕の血管から造影剤を入れて心臓の動きを調べるため 簡単な手術をしたいから・・と
家族全員が主治医の先生に呼ばれました。
一通り説明が終わった後、何かにつかまりながらようやく歩ける状態で
すっかり気弱になった父が不安そうに医師に尋ねました。
「又、車を運転できるようになるでしょうか」
若いその医師は雑談のついでの様な気軽さでこう答えたのです。
「あなたの心臓はいつ止まるかわかりませんからね。
運転中に止まったりしたら他の車の迷惑になりますよ。 やめときなさい。」・・・と。
事実、父はその後一度も運転席に座ることなく3ヶ月後にこの世を去ったの ですが、
あの医師の言葉でどれほど打ちのめされ、落胆し、爪の先ほどの希望 さえ無くしてしまったか・・・。
父の死期を早めた原因の一つは、あの医師の心ない一言ではなかったか・・と 今でも思います。

ターミナルケアと言う言葉を全ての医療関係者の方に机上の論理ではなく
「患者は、今現在、弱った心と体を持って生きている人間なのだ」との認識を
持った上で肝に銘じて頂きたい・・・と思うのです。

死を宣告された患者や家族にとって、主治医と言うのは神仏よりも大きな存在です。
その表情一つ、仕草の一つ一つで希望を持てたり、又不安になったりするの です。

患者を「症例」の対象としてだけではなく、真心を持って見て頂きたいと 心から願っています。
                                                     
                                                     yoshirin

     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ターミナルケア


最近よく耳にする言葉 「終末期医療」 
治癒の見込みのない患者の苦痛を和らげる治療をし
精神的に支えたり介護することと理解すればいいようだ
基本には全人的医療 つまり患者の心身両面をとらえ(把握) 心身医学的に対処する事になる 
言うまでもなく基盤には 患者側と医療側の信頼関係が不可欠だ

「インフォームド・コンセ ント」が重要になる
“知らされたうえでの同意”と解釈したらいいのでしょうか 医者は患者に病状や検査結果 
今後の治療方法(方針)を十分説明し
患者は 納得し治療方法に同意する いまの医療現場に欠かすことの出来ない要素だ

先ほど「患者取り違え手術」の報道に衝撃を受けた 「これほどの“非常識”が大学病院で」と……

先のhanaさんも医療現場から

「大病院のお医者さんは、ある程度患者さんを一症例として、
あつかったり珍しい症例は、学会の題材としたりも?
医学の発達の為に、経験を増やすため に? 人として扱ってないとは言わないけど 
たくさんの患者さんに一人ずつ人権を 尊重して
対応してる 医者ばかりでは無いような気がします」 と述べられているように 
医療関係者(医者)の中には人格的に的確性を欠く 人もいるのが 現実であるようだ

「大学病院の医療者はとかく常識を軽視する医者が少くない
常識的な考 えは 学問的でないと考えてる者さえいる」
「大学病院に潜在する特性(体質)として依存性が強い 
互いに依存し合う事 で 自己責任の自覚が薄れ…略…
大学という権威に依存し(虎の威を借る狐)的責任回避
甘え・奢り・自己中心・自己防衛・自己顕示傾向に傾き…略…しばしば責任を 患者になすりつける」 と
ある大学の名誉教授が書いていた
大学病院がいや医者が 全てこのような人達ではないのは勿論だ 
むしろ人格 的にも技術的にも 秀でた方々が圧倒的だと思う 
ただメス扱いが名人でも人格も抜群だとは限ら ないのも事実だ
患者からみて一番怖いのは
「自己顕示の野心がすぎればやたらに新しいことに飛びつき 
患者を実験台 にしたり 教材(モノ)と見なす風潮を生む 
実力が伴わない者が先端医療を試みる程危険なことはない」
のように自己を見失ってる 或いは野心に走った医者に我が身を任す事だ
医療技術の進歩 平均寿命の延びによって
「インフォームド・コンセント」「ターミナルケア」の本当の意味での確立が急がれる
ホスピス「末期患者の苦痛を除去し介護する医療施設」も含めて 
この分野 はまだ我が国は立ち遅れているようだ 

先にこのページに書いた拙文だが 敢えて再録しました
12年間未だ癒されないyoshirinさんの心情を思うとき なんともやりきれない気持ちになります
患者の心情 家族のそれを汲み取り癒すことまでが 医師の“医療行為”と心得るべきではないでしょうか
それはあまりにも医師に過酷な要求なのでしょうか

                                                         h.


「医師だけではないはずです」

hさん コメントを頂き、ありがとうございます。お書きになった様な医療関係者の方ばかりならば
患者やその家族の心情的な葛藤も今よりはずっと少なくなるのに・・と思い ます。
「医師にそこまで要求する事は無理なのか・・・」と言う言葉がありましたが
私には決して無理なこととは思えません。

確かに人間の命を預かると言う、特殊な職業ではありますが、だからこそ
他のどんな職種の方よりも人間的な心が必要なのだと思うのです。
例えば学校の教師も人間相手の職業と言う点では同じですが、子供達は「体罰」 の2文字をふりかざし、
教師に敵意をむき出しにして反抗したりします。
それでも教師は本来の「勉強を教える」と言う仕事の他に
子供達の心を手探り しながら試行錯誤を繰り返すのです。

主治医にそんな態度をとる患者はいません。弱い立場にあるからです。
「要求する」「・・しない」に関わらず、医師自身の人間的な常識の範囲内の問題であると思います。
対、人間であったり、時間的・体力的・精神的にきつい仕事であったり・・・と言うのは
なにも医師に限ったことではないはずです。
患者が信頼し、安心して治療を受けられる医師もたくさんいる事は知っていますが、
「多い」「少ない」の問題でもないのです。

父がその大病院に入院する前、市立の病院に入院していましたが
その時の主治医もインターンを終えたばかりで1年毎にいろいろな病院をまわっ て経験を積んでいく・・・
と言う段階の若い先生でした。
「手がしびれます」「息切れがします」と言う度に「ちょっと待って下さい」と 言われ、
医局に戻って大学ノートや医学書をめくって調べていらっしゃいましたが、
結局ベテランの婦長さんに「どれ出したら良いんでしょうね・・」とたずねているのです。
それを目の当たりにする家族の不安が、医師をなさっている方にわかって頂けるでしょうか?
若い医師がベテランとして育つまで、様々な経験を積むために患者を担当するのは分かりますが、
医者として成長する前に、人間として成長して欲しいと
怒りや不満を飲み込むしかない立場の者は願っているのです。

                                   yoshirin

掲示板


「医師の言葉」に寄せて‥

先のyoshirinさんの「医師の言葉」にいろいろ考えさせられました。
医者の立場とか、昔の記憶とか、亡くなった患者さんの事とか、 今の先生は、どうかなぁって思ったり。
今の職場は、対象が乳癌の患者さんばかり。 医者の一言がすごく大切だから。
傍目は元気な患者さんも、いろいろ悩んで考えてるなっていつも思うし、あたしたちの言葉には、敏感に反応されるし、
いいかげんな事は 言えないなぁって思ってるので。

お父様は、とても怖かったんだろうと思います。 とても、残念な言葉だったでしょうね、医者の言葉が。
病は気からって、昔から言うように本当に気持ちで戦う必要があるものですから。
人の心は、持って生まれた性格なんてのも、あるらしいけど、今いる環境が人を作ると思うのです。
病気に対して、心が負けてると、必ず病気は悪さをします。 医学的には、解決しない病気でも、奇跡はあると思うから。
少しでも、元気な時間が増えるとか、治癒しなくても、心のもち方で 明かりが差すことも多いと思うので。

病気を治すのが医者の勤めなら、気持ちを癒すお手伝いをするのが 家族や看護婦の役目なのかもしれません。
悲しいかな、現実の忙しさや、時間に追われ、流れていく患者を診てるだけの 医者もいるけど、
そんな医者ばかりじゃない。
先生の中の葛藤も見てきました、私。
泣きながら、患者の蘇生をしていた先生や、諦めずに心臓マッサージを何時間も していた先生。
患者さんとの話は時間外に頑張って聞いていたり、その為に朝も早くから出勤して いる先生。
何日も1人の患者さんの為に病院に泊まりこんでた先生。

患者さんは、医者を選べます。
アメリカ的に今、病院は3軒行きなさいと言われています。
どんなに有名な先生も、自分と波長が合わなければ、病院を替わる勇気も 必要じゃないかなって思います。
決めるのは、かかる患者さんだと思ってます。

たとえば、患者さんが、
難しい病気だと知ったとき、 医者に絶望的な告知をされたとき、思い切って違う病院にかかってみたらと思います。
二度辛い思いをされるかもしれない、けれど、また違う希望を持てるかもしれない そんな風にも考えました。
それは、あたしが医療関係者だから考えることでしょうか。。。

先週末に、前の病院の仲間たちとの年に一度の集まりがありました。
仲間の先輩Aさんは、あたしより3歳年上で、独身時代から、 彼氏の話なんか聞いたり、
結婚式は、参加させてもらってと仲良くさせてもらってま した。
その後2人の子供の母になって、退職されたんです。 その先輩も胃がんで3年前に亡くなりました。
また、C先輩は、結婚して妊娠がわかったときに、ご主人が倒れて、後遺症が残る 病気になり、
一時は生死も問われたぐらいなんですが、やっとそれも乗り越えて、子供を出産して、
自分がご主人のリハビリと育児と仕事に追われて大変だとか。
ご主人が、社会復帰が見えてきたとき、2人目の妊娠がわかり、さらに、苦労されているらしいです。
そして、主催者である、あたしの親友は、今22歳年上の当時の患者さんと 結婚して、
車椅子のご主人と生活してます。

いろいろいろな人間模様が。。。。
                                                      hana

掲示板


VOL.1 VOL.2 VOL.3 VOL.4 VOL.5 VOL.6 VOL.7
メール アイコン
ご感想はこちらへ
トップ アイコン
トップ