読書録

シリアル番号 308

書名

複雑性とパラドックス

著者

ジョン・L・キャスティー

出版社

白揚社

ジャンル

サイエンス

発行日

1996/11/10第1刷
1996/11/30第3刷

購入日

1996/12/10

評価

原題:Complexification

ウィーン工科大学教授、サンタフェ研究所研究員の数理科学者が書いた通俗解説書。原論文の引用と添付資料が豊富。カタストロフィー理論、カスプ点、チューリングマシン、カオス、ゲーデルの不完全性定理、エピメデスのパラドックス等話題は豊富。

国際応用システム解析研究所のチェザー・マーケイティは採用したベルギーの数学者Pierre Verhulstのロジスティック曲線またはS字曲線をF/(1-F)でプロットすると直線になることを示した。

ベルヌーイの効用関数、U(f)=log(f/f0)ここでf0は生活に必要なギリギリの収入レベル。ジップ則はf(r)=1/(rlog(1.78R))となるrはランク、Rは対象とする言語の単語数。バッハの曲は通信工学者が1/fノイズと呼ぶ音として記述できる。すなわち時間スケールフリーである。すなわち音楽はフラクタルである。投機市場はフラクタルである。

フランスの数学者・物理学者ラプラスは、ニュートン的視点にたって、宇宙の全ての粒子のある瞬間の位置と速度が与えられれば、超知性体はその後の全ての粒子の動きを完全に予言しうるという主張をした。これを決定論的機械としての宇宙という。これは宇宙の全史は大きなコスミックブックに書かれているということになる。現在のカオス的見方は宇宙は自身の小さな部分の将来の振る舞いについては予言できないのではないかとということになっている。これは人間の自由意志が未来を決めるということになる。

ジョン・ホーガンの「科学の終焉」で引用。

カオス関連の本はこの他にも、00705413129930844271010221062107810811082

Rev. June 3. 2011


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