事業部紹介
「オリジナリティのためだけのオリジナルマシン」と 「勝つための定番マシン」の不毛な二者択一の間に、 きっと「勝つためのオリジナルマシン」があるはずです。 異常設計事業部はその道を目指して、 日夜努力しています。

異常設計事業部では1999年から かわさきロボット競技大会 への参加を継続して来ましたが、2008年はマシン未完成のため参加を見送りました。 今年は残念な結果とはなりましたが、みなさん2009年のラグオ電工にご期待下さい。

このページでは当事業部が開発した マシンの紹介およびマシン開発上必要となった 基盤技術の紹介を行っています。

マシン紹介
当事業部の作成したかわさきマシン「らぴすらずり」シリーズを紹介します。
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マークがついているのが今回の更新です。

「らぴすらずりXVIII」
(第15回かわさきロボット競技大会参加予定マシン)
750mmの高さ制限下での初の挑戦になるはずだった 「らぴすらずりXVIII」ですが10年ぶりに未完成出場辞退となりました。

「らぴすらずりXIVr」
(第14回かわさきロボット競技大会参加マシン)
吸盤によるリングへの吸着を用いた3台目のマシンです。 XIIIで挑戦した入場&押し出しアクチュエータの共用化は無理が過ぎたので廃止。 改めて二つのアクチュエータを備えました。
また、スタート台からリングの外を通って入場する斜めスタートを実施しました。

対戦成績は2戦2敗の予選落ちだったのですが、 インプレスのRobot Watchに記事が載りました。

「らぴすらずりXIII」
(第13回かわさきロボット競技大会参加マシン)
らぴすらずりXIIに続いて 吸盤によるリングへの吸着を用いた相手の押し出しを追求した2台目のマシンです。 リングへの入場と相手の押し出しを同じアクチュエータで実施することで設計を簡素化、 また二つのアームそれぞれの展開とリングへの入場を自動で行うなどの新機軸を盛り込みました。

マシンはおおよそ所定の動作を示しましたが、2戦2敗の予選落ちとなりました。

「おグーら」ローバー
(第1回国際火星ローバーコンテストRCリミテッド部門優勝マシン)
2005年10月に福岡で行われた 第1回国際火星ローバーコンテスト のRCリミテッド部門で優勝したマシン。 ルールが明確でないことから奇をてらわず、 なるべくシンプルな構成とする事を心がけました。

「らぴすらずりXII」
(第12回かわさきロボット競技大会参加マシン)
4年ぶりにダクテッドファン以外の方法による相手の押し出しを追求した新マシン。 あわせて第12回大会から導入された大々的なルール変更にも対応する事となりました。 設計上も周囲環境上も負荷が大きい中での製作となりましたが、 なんとか完成にこぎ着けました。

大会では残念ながら1勝2敗の予選落ちとなりました。

「らぴすらずりX.5 」
(第11回かわさきロボット競技大会特別戦出場マシン)
ルール改正に対応するため「らぴすらずりIXx」のアーム部分を改良、 ギアボックス制限が外れたことから脚機構は1軸推進として軽量化し、 「プロペラ推力による相手の押し出し」という発想の有効性を 実証するために二年連続の本選出場を目指しました。

予選敗退という結果となりミッションサクセス条件を達成する事は できませんでしたが、特別戦に出場して 「しろやぎ04」号と かわロボJr用審判パンダの協力を得て、 プロペラ推力による相手の押し出しを デモンストレーションすることができました。

「らぴすらずりIXx 」
(第10回かわさきロボット競技大会ベスト16・ユニーク賞受賞マシン)
プロペラの推力で相手を押すという発想を実証するために、 「らぴすらずりIX」の足機構に強化したアームを搭載。 アームの推力にはドイツ製のダクテッドファンとDCブラシレスモータ、 足機構の駆動には飛行機用のアンプを利用、 さらにボディにはカーボンファイバー、 マシンロゴはプロペラをイメージさせるものと、 電動ラジコン飛行機の技術を全面的に導入しました。

パイロットZさんの勇敢な操縦もあって予選では2000年大会の準優勝マシン 「女王様」を撃破、 本選ベスト16に入賞しユニーク賞を受賞しました。

「らぴすらずりIX (LIXU2)」(第9回かわさきロボット競技大会参加マシン)
「らぴすらずりIII」以降3年ぶりの完全新作マシン。 高速に展開する2本のアームで相手を挟み込み、 三本目のアームには180mm径プロペラと380モータを二つ搭載。 プロペラの推力で相手を押すという、まったく新しい発想を実現しましたが、 大会ではプロペラの推力不足とアームの跳ね返りという不具合で2戦2敗。 有効性を実証することはできませんでした。

「保守的らぴすらずり」(第8回かわさきロボット競技大会参加マシン)
2001年8月上旬から9月15日の大会までの短期間のうちに 「確実に出場できて、今まで誰もやったことがなくて、面白いマシンを作る」 というコンセプトに基づいて作られました。 短期間での完成を可能とするために「らぴすらずりIII」の足回りを再び再利用し、 そこに「代替保守的アーム」を組み合わせる事としました。 戦績は4戦1勝2敗1不戦勝の一次予選敗退ですが、代替保守的アームと粘着足先の有効性の検証と、 格闘戦の経験を得ることが出来ました。

「らぴすらずりVI」(第7回かわさきロボット競技大会参加マシン)
「らぴすらずりIII」の足回りを受け継ぎ、 新たに設計した腕機構を取り付けたのが「らぴすらずりVI」です。 新設計の腕の不具合で期待通りの動作はしませんでした。

「しりこん・ちっぷ」
(第7回かわさきロボット競技大会ベスト32・ユニーク賞受賞マシン) MAY2000-
ナカウエ重工と共同開発したのが「しりこん・ちっぷ」です。 当社は主に機構部分を担当。 腕機構は「らぴすらずりVI」と共通でしたが、 それ以外の部分では徹底した軽量化と簡素化が図られています。 Meister君の操縦よろしきを得て、 「らぴすらずり」級としては史上初めて本戦に出場しました。 本選ベスト32ユニーク賞受賞
また、機構部分は改装されて「しりこん・あいりす」で再利用されました。

「らぴすらずりIII」
(第6回かわさきロボット競技大会特別戦参加マシン)
「らぴすらずり」で採用したのと同等の展開長2000mmのアームを搭載しながら、 同時にチェビシェフリンクを足機構に利用して200mm/sの走行速度を実現。 ロングレンジアームによる遠隔地攻撃と高い機動性を両立させた画期的マシン。
特別戦に出場し、フィールドに作られたタイプAの丘の登頂に成功、 また4台同時参加のバトルロイヤルで1位になるなど、縦横無尽の活躍を見せました。 また足回りは「らぴすらずりVI」「保守的らぴすらずり」で再利用され、 短期間でのアイデアの検証のための有効なプラットフォームになりました。

「らぴすらずり」(第4回かわさきロボット競技大会参加マシン)
マシンの全長350mm、全幅250mm、重量3500gというシビアな制限のある中で、 展開長2000mm弱のアームを持ち、 試合のスタート直後からフィールドの反対側にいる相手マシンを攻撃できる、 かわさきロボット競技大会史上初めての「展開型」ロボットです。
さまざまな反響を呼びましたが、 試合では予選の敗者復活戦で防衛大学校滝田先生作の「YTメカ」に敗れ、 本選には出場できませんでした。

基盤技術紹介
当事業部および提携先がかわさきロボット用に開発した基盤技術について紹介します。
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「ICL」(新しいチェビシェフリンク反転機構)
MKondo氏の考案した、 まったく新しいチェビシェフリンク反転機構を彼の許可を得てここで公開します。 この反転機構は、 軌跡反転のためにカトレアなどで使用されていたスライダクランク機構を必要とせず、 また部品点数もきわめて少なく、VMCのように特殊な曲線を使用する事もありません。

この方式は既に 「A3」 「 KASA Mk.II」などで使用され、一定の成果を収めていますが、 一般には知られていないため、この場で公開する事としました。

「VMCGen」(車体上下方向移動零化足先計算スクリプト)
近年のかわさきマシンには必要不可欠ともいえる 「車体上下方向移動零化足先(VMC,Vertical Motion Canceller)」を正確に導出する方法について追求し、 その計算を実行するスクリプトを開発しました。 このスクリプトは「らぴすらずりIX」の足先を設計する時に使用され、 正確な車体上下方向移動零化足先(VMC)曲線を与えることが実証されました。

「ミラーチェビシェフ2機構」
ナカウエ重工提案のチェビシェフリンクの配置方法「ミラーチェビシェフ2」をさらに再検討、 僅か3層のリンクの中にチェビシェフリンク二つを組み入れました。 この「ミラーチェビシェフ2リンクIIIcバージョン」は、 「らぴすらずりIII」「らぴすらずりIV」「しりこん・ちっぷ」「はっぴーかめかめ」「不倶戴天」 の足機構として採用され、コンパクトで安定した足機構であることが実証されました。
また第8回大会以降ではロボット技研関係者以外で初めて、 「しろやぎ」シリーズの足機構としても採用されました。

「ogulink」(4節リンク軌跡計算専用スクリプト)
4節リンクのパラメータからリンクの動きを自動的に計算し、 同時にパラメータを変更しながらデータを集めていくMatlabスクリプト。 「らぴすらずり」の攻撃用巨大アームのパラメータ決定に使用しました。

「GeneLINK」(4節リンク軌跡最適化スクリプト)
足、およびアームに使用する四節リンクのパラメータを自動で最適化するために GA(遺伝的アルゴリズム)を用いるMatlabスクリプトです。 プログラミングにかかる時間よりも検索範囲を広げて総当りした方が 結果を得るまでの時間が早いことが判明したために開発を中止しました。


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