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「らぴすらずりIXx」 〜第10回かわさきロボット競技大会大会ベスト16・ユニーク賞受賞マシン |
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「らぴすらずりIX」からの改良点 | ||||||||||||||||||||||
「らぴすらずりIXx」は
「らぴすらずりIX(以下LIXU)」の改良・増強版です。
よってどの点が改良され、増強されたかを比較しながら解説するのがよいでしょう。
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推力の変更〜ダクテッドファン〜 | ||||||||||||||||||||||
らぴすらずりIXxでは、
LIXUで採用した「380モータ+ユニオン模型180mm径プロペラの双発」のような常識的組み合わせでは
推力が不足していると判断して、さらに強力な推進ユニットを探すこととしました。
その結果二つの方式が候補に挙がりました。
![]() 図1:ダクテッドファンとプロペラの比較
しかしこのダクテッドファンは駆動に20セル(24V弱)が必要であり、 引き抜く電流が40A以上と大きいことから2400mAhのNiCdバッテリーが必要となりました。 軽量で期待されたリチウムポリマー電池は放電できる電流不足のため却下されました。 NiCdバッテリーの重量は1240g。これはマシン全体の重量の36%となり、 「構造重量比」という単語が飛び出したくらいです。
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アームの簡素化〜ジェット推進アーム〜 | ||||||||||||||||||||||
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脚と電力系〜航空用アンプの使用〜 | ||||||||||||||||||||||
足機構はLIXUの補正足先機構をそのまま使用し、
フレームのみをカーボンに置き換えて軽量化するのが当初の予定でしたが、
それでは重量オーバーしそうなことが製作中に判明しました。
そこで軽量化のために脚のモータを駆動するアンプも くらふとるうむの飛行機用アンプとすることにしました。 これによって標準のFutaba S3003+実委支給アンプの組み合わせに比べ、 片足あたり70gが削減できました。 ジェット推進アームに使用したハッカーB50-16Lブラシレスモータも 飛行機用のアンプで駆動したので、 アーム展開用のトリガーを除くすべてのモータが飛行機用のアンプで駆動されることとなりました。 ただし、飛行機はバックしないので、これらアンプに後進機能はありません。 ゆえにらぴすらずりIXxはバックのできないマシンとなりました。
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完成したマシン | ||||||||||||||||||||||
らぴすらずりIXxは軽量化のために見境なくカーボンを多用したために、
今までのらぴすらずりシリーズと異なって非常に黒いマシンとなりました。
そのため、黒い競技フィールドに溶け込んでしまって写真写りの悪化を招きました。
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![]() 図4:らぴすらずりIXx (2003年8月24日)
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マシンスペック | ||||||||||||||||||||||
製作したマシンのスペックを以下に示します。
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20世紀中は平均年率-4.2%で縮小していた待機姿勢でのマシンの高さは、
2001年の
「保守的らぴすらずりを底として、
21世紀に入ると年率39%の高率で成長に転じ、V字回復を達成しました。
その結果「らぴすらずりIXx」のマシン高さは
2100mmと初めて2000mmを突破し、
史上最も背丈の高いかわさきマシンとなりました。
![]() 図5:らぴすらずりシリーズの背丈の比較
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試合結果 | ||||||||||||||||||||||
「らぴすらずりIXx」は2003年8月23/24日に行われた「第10回かわさきロボット競技大会」に参加しました。
試合結果は以下のとおりです。
「らぴすらずりIXx」は「らぴすらずり」の名が付いたマシンとしては初めて、 予選をストレートで突破し、本選に出場しました。 予選2回戦では2000年大会の準優勝マシン「女王様」と対戦して、 これを破りました。この時部品の一部が飛散するという事故を起こしました。 幸い負傷者は出ませんでしたが、安全性に対する考慮が不十分であった事が 判明しました。 そこで安全性を考慮した形で若干の設計変更を行って翌日の本選に出場し、 本選1回戦ではもっとも不得意とする形状の、 フルカウリングマシン「趙呉級公明」と対戦しこれを破りましたが、 本選第2回戦で右足がこの期に及んで故障するというトラブルに見舞われ、 走行審査を突破できず敗退しました。 最終成績は201チーム中ベスト16。ユニーク賞を受賞しました。
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マシン総括 | ||||||||||||||||||||||
「らぴすらずりIXx」は、
大会関係者・関係者以外にも大きなインパクトを与え、
大会終了時の指導講評では佐藤実行委員長にマシン名を挙げて紹介され、
あるいはオーム社発行の「ロボコンマガジンNo30」にも大きく掲載されるなどしました。
また「らぴすらずりIXx」の本選出場によって、かわさきロボットコンテストに しばしば見られる、「オリジナリティのためだけのオリジナルマシン」か 「勝つための定番マシン」かの不毛な二者択一だけでなく、 「オリジナルマシンによる勝利」の第三の選択肢があることが 具体例を以って示されました。 ラグオ電工は今後もマシンの安全性の確保に努めるとともに、 独創的なマシンの開発で、 かわさきロボットコンテストの発展に寄与します。
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マシン略歴 | ||||||||||||||||||||||
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