ニュージーランド南島サザンアルプスをトレッキングする

これで言葉はおまかせ

最近では少しは変わったようですが、日本人は海外、特に欧米で一人になると、とっても内向的で恥ずかしそうにしています。その一因は日本の英語教育にあります。外国人と会話したこともない英語の先生に子供の時から無理やり和式英語(ジャパニーズイングリッシュ)を叩き込まれ、徹底的に英語コンプレックスを植え付けられます。今後は小学生から英語コンプレックスを植え付けるそうで、やれやれです。この裏返しが、日本語だけで通用する団体旅行のご婦人方の人目をはばからぬワイワイギャーギャーです。でも、心配ご無用。私がコンプレックス解消法を伝授します。

英語は話せなくて当然です

米国では2,800万人がスペイン語しか話せません。ボストンやニューヨークに住むいわゆる東部の米国人は南部の英語をモゴモゴで理解不能と言います。シンガポール人の英語は中国語訛りのシングリッシュで部外者には理解不能です。オーストラリアはオージーです。訛りが激しく単語も短くつめられます。たとえば、カンガルーはルーです。英国イングランドの英語は日本人には聞きやすいのですが、ロンドンのイーストサイドの庶民の英語は、映画マイフェアレディ―で紹介されたように理解不能な宇宙語です。要するにまともな英語を話せる人は少ないのです。こんな中で日ごろ英語を使う機会のない日本人がこんな連中と英語で話せるはずはないのです。こんなことで怯んだり、行動の範囲を絞られたりする必要はありません。

欧米人が日本の観光地で自由闊達に行動している姿を良く見ます。日本語を話せないことなど全く引け目に感じていません。気楽に日本人に話しかけ、自分のやりたいことをやっています。私たちもこうでなければならないのです。何で日本人が英語を話せないことに引け目を感じなければならないのか。これぞ、誤った英語教育の影響なのです。

あらゆる事態を想定してフラッシュカードを準備する

「キーワード」を英語で書いて見せれば、世界のどこでも理解してもらえます。世界中でタクシーの運転手 数十人にホテルの名前と住所を書いた紙を見せて、理解してもらえなかったことは一度もありません。行先をシェラトンと言ったつもりがヒルトンに連れて行かれる失敗も、防ぐことができます。これがここで言うフラッシュカードです。これで趣意は通ります。ここから先は手振り身振りで行きましょう。最近はやりの「ベビーサイン」って万国共通の身振り手振りだって知っていますか?

出発から帰国までの想像できるあらゆる場面に沿って必要になりそうなキーワードを名刺大のフラッシュカードに書き出します。カードは文房具店で印刷用紙の一種として販売されています。それをいつでも取り出せるよう胸ポケットに入れておいてその都度 相手に示すのです。それだけで相手は何を求められているか理解します。あなたが尋ねられる立場で考えてください。ホテルの名前と住所を書いた紙を外国人に示されたら、あなたは瞬時にそこへどう行くのか聞かれていると理解するでしょう。さあ、順を追ってフラッシュカードを作りましょう。コツはキーワードだけ書くこと。回りくどい文章にしないようにしましょう。

フラッシュカードは複数枚作って同伴者と持ち合います。これで奥さまが迷子になっても安心です

イベント 情景 フラッシュカードの作り方
自己紹介する ホテルでチェックインする、旅先で自己紹介する、土産物を自宅に送ってもらう、トランクのネームタグに差し込む、など。 名前/住所/電話番号を英語で、日本人向けに裏に日本語を書く。
Tabi-suki, Taro & Hanako
1-2-3 Yoko-michi, Hachioji-shi, Tokyo Japan 192-1234
phone: +81 42-636-1234
タクシーを探す 駅や街でタクシーブースの場所を尋ねる。街によっては決まった場所でないとタクシーを拾えないことがある。 Taxi Booth? 丁寧には、Where is the nearest Taxi Booth? Taxi Boothの部分をBus StopSubway Stationなどに換えて、いろいろな(一般名の)場所を探す目的に使用します。単にタクシーを呼んでもらいたいならフロントデスクで、Taxi please です。
ホテルを探す タクシー運転手に示す、ホテルまでの道を聞く、名前を自分で確認するなど。 ホテルの名前/住所/電話番号を書く。電話番号は万一のため。
The Sumner - 54 Upper Berkeley Str, Marble Arch, London
phone: +44 (0)20 7723 2244
博物館を探す タクシー運転手に示す、博物館までの道を聞く、名前を自分で確認するなど。 The British Museum または Where is the British Museum?
有名な施設や場所の場合は住所は不要です。the British Museumの部分を城址などの旧所名跡やレストランに換えて、いろいろな(特定の)場所へ道を尋ねるために用います。
注:英博物館だからtheが付くが、他は付きません。
切符を買う 駅の窓口で行先を告げて切符を買う。長距離バスも同じ。 行先、出発時刻と特急/急行など列車の種類(分かれば列車番号)、座席のクラス、片道/往復の別、人数を告げて購入します。例えば、
Earliest Express to Firenz, First Class, One Way, Two Adults  鈍行で近くまでなら、単に、To Frankfurt, Round Trip, Two personsです。
注:時刻表と列車の種類などはトーマスクックのヨーロッパ鉄道時刻表を参照。必携です。
レストランを探す レストランではメニュー(お品書き)を指差せばよい。だが、趣好に合ったレストランを探すにはフラッシュカードが役立つ。宿所の女将に推奨を尋ねる。 Japanese Restaurant nearby?またはJapanes Restaurant you recommend nearby?でよい。Japanesr Restaurantに換えてFish RestaurantItalian Restaurantまたは地元料理が食べたければLocal Food Restaurantにする。行き方が聞き取れなかったら、「紙に書いて」を使う。
紙に書いて 日本人は英語を「読む力」が「聞く力」よりずっと上です。書いてもらえば大方のことは理解できるし、必要なら辞書を使うこともできます。 Write it down please? これでタクシーの運転手に渡す行き方を紙に書いてくれるはずです。女将が親切ならタクシーの運転手にその旨を直接伝えてくれるかもしれません。帰りはホテル名を書いたカードを使います。買い物で、名前を聞いた時、その他、何でも聞き取れないときに使います。

フラッシュカードの原点は、ホストとゲストの関係卑近には売り手と買い手の関係です。旅先ではあなたはゲストです。街ですれ違う人にとってもあなたはその地のゲストです。片言でも、一切れの紙に書いた言葉でも、きっかけになるならホストは喜んであなたにサービスします。決して遠慮することではなく、お互いにハッピーな関係なのです。