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フォトコンテストの公募 
■山口フォトコンテストが実施された。地元の実行委員会が主催し西宮市も共催している。「山口地域を題材とした写真」をテーマにして二月初めに公募され、中旬までに選考の上、入賞作品は23日から27日に山口ホ−ルで展示される。実行委員会メンバーの知人から出品を促がされた。
■HP「にしのみや山口風土記」用に、ここ数年に撮りためた膨大な画像がある。全くの素人写真である。それでもバシャバシャ撮れるデジカメの効用もあって写真撮影への興味は深まるばかりだ。いい機会だと思った。生まれて初めてのフォトコンテスト応募を決めた。公募初日の2月1日、朝からパソコンにつきっきりで撮り貯めた画像をチェックした。半日かけて最終的にこれぞと思う6枚を抽出した。
■応募規定では写真サイズは四つ切りかA4サイズとある。自宅プリンターではプリントは無理だ。SDカードに納めて最寄りの「カメラのキタムラ」に車を走らせた。A4サイズは単価680円だが3枚セットだと990円だという。締めて1980円也の自己啓発投資だった。
■良い写真のなんたるかも知らない。自分の美意識とセンスだけを頼りに撮った6点である。専門家の目で審査されるというだけでもありがたい。同じ土俵で選ばれた入賞作品を眺めることも楽しみだ。
■2月2日朝、山口ホールに出向いた。フォトコンテストの作品応募のためだ。ホール前のホワイエには受付が設けられている。受付のホールの管理受託会社の職員は、同じ住宅街の顔見知りの奥さんだった。受付二日目の応募状況を聞きと、すでにかなりの応募があるとのこと。初めての山口でのフォトコンテストは手応え十分なスタートを切ったようだ。
■考えてみれば好材料がいくつか考えられる。応募者の年代層は私の公民館講座・山口風土記の受講者と重なるような気がした。「山口という地域を題材とした写真」の募集である。山口の町に興味と関心を寄せている人たちに違いない。成熟しつつある新興住宅街でリタイヤを迎えた人たちが、私同様にあらためて「我が町」に目を注ぎだした。今やデジカメはリタイヤおじさんたちの必需品だ。散策途中の風景写真や伝統行事や催しもののスナップが撮りためられている。そんなオヤジたちの前に「山口フォトコンテスト」の回覧板やチラシが舞い込んだのだ。私ならずとも「イッチョウ、応募してみるか!」の心境になったとしても不思議はない。
■予想外の応募は、この企画の素晴らしさを物語っている。毎年の定例イベントにぜひしてほしい。それは間違いなく多くの人にデジカメモニターを通してこの町を見つめさせる良いきっかけになる筈だ。
応募作品と入選作品の展示 
■展示の二日目にホールを訪ねた。ホワイエでご近所の老夫婦とはち合わせた。多くの住民に地域の楽しいイベントとして支持されていることが窺えた。そのホワイエには特別展として、故河中三朗氏の遺作「山口の野鳥たち」が展示されている。野鳥たちの可愛い姿が生き生きと伝わってくる。
■会場入り口の受付で応募用紙が渡された。来館者の選ぶ優秀作品の賞が設けられているとのことだ。広いホールに所狭しと展示パネルが据えられている。手前から順番にゆっくりと見て回る。撮影者の独自の切り口で切り取られた山口の様々な風景や風物、人物ショットが次々と目の前に現れる。知人の作品も目につく。奥の方のパネルに私の作品6点を見つけた。作品全体との比較でもそれほど見劣りはしないと内心ホッとした。
■奥の壁際のパネルには各賞の入選作品が展示されている。もちろん私の作品は枠外だった。作品展示のないスペースに「見学者の選ぶ賞」の掲示がある。かくなる上は狙い目はこの賞である。入口受付の投票箱に応募用紙を投入した。用紙には自分の応募作品の最もお気に入りの作品ナンバーを記入した。無駄な抵抗の一票ではある。
表彰式・・・新たな文化の場 
■2月27日の日曜午後、山口ホールのフォトコンテスト表彰式に出た。会場には後方にセットバックされたパネルに応募作品が展示されている。前方スペースに設けられたパイプ椅子を100人ほどの参加者が埋めている。2時にピアノとヴァイオリンのデュオでオープニングとなった。
■その後、主催者による開会挨拶がある。実行委員会委員長の山口自治会連合会長が演壇に立つ。「初めのフォトコンテストの開催で不安だった。ふたを開けてみると166点もの応募があり、展示会場には450名もの方に来場頂いた。大変喜んでいる。山口の景色や風物の再発見を通して、この町の活性化につながればと思っている。このイベントが新たな文化に育つよう第2回、第3回の開催に向けて引き続きご協力、ご支援をお願いしたい」といった内容だった。
■続いて、各賞の表彰となる。山口郵便局賞、JA兵庫六甲賞、さくらやまなみ賞、奨励賞、社会福祉協議会山口支部賞、中野自治会賞、財団法人山口町徳風会賞、山口町自治会連合会賞、入選、特選の各賞だ。
実行委員長や各賞の協賛組織の代表者から賞状と副賞が受賞者に贈られる。奨励賞には子どもたち三人に贈られた。今後の力作の応募奨励の趣旨もこめられているようだ。
■表彰式に続いてミニコンサートとなる。ピアノの今井彩香さんとヴァイオリンの山本綾さんという若くて綺麗な女性お二人のデュオである。バッハのG線上のアリアやシューマンのトロイメライなど比較的なじみのあるクラシック曲が8曲演奏された。聞き覚えのあるメロディーの心地良い旋律に久々に聴き入った。アンコール曲も含めて3時には演奏が終了し、閉会挨拶後に参加者は散会した。
■散会後、参加者たち混じってあらためて受賞作品に見入った。挨拶を交わしあう顔見知りの人たちも多い。閉会後の表彰式は一転して地域の知人同士の交流の場になっている。特選に選ばれたのは「雨中の激走」と題された作品だった。昨年の公智神社の秋祭りの最中である。突然の雨に大急ぎでダンジリを避難させなければならない。濡れながら必死でダンジリを引っ張る人たちの躍動感が伝わってくる。撮影者の地元の知人は、伝統行事には欠かさず一眼レフの大きなデジカメを抱えて出動する無類の写真好きである。さすがというほかはない作品だった。特選の横に展示されている山口町自治会連合会賞は来場者の投票によって選ばれた作品だ。「謹賀新年 金仙寺湖の初日の出」と題されている。画像の下半分いっぱいに広がる湖面の奥の六甲の山並みから太陽が顔を出す寸前の陽光を切りとった美しい写真だった。
■山口を愛する人たちの、写真撮影を趣味とする愛好家たちの新たな集いの場が幕を開けた。この町の新たな文化の場として定着することを願ってやまない。