昨日にひきつづき本の紹介を。(^^)
佐々敦行著『人の上に立つ人の仕事の実例「危機管理」術』(三笠書房)です。
佐々氏は日本では危機管理に関するプロフェッショナル、第一人者といえま
しょうか。昔、渡部昇一先生がホストを務めた新世紀歓談にもよく出演され
ていましたね、そういえば。最近テレビで拝見したのは変わったところでは、
笑福亭鶴瓶さん&香取慎吾くんがホスト役の「平成日本の夜明け」
(だったでしょうか?)で、御自身が体験されてきた浅間山荘事件や成田空港
反対の過激派との攻防、大島の三原山噴火における一万三千人におよぶ島民の
非難、等々。獅子奮迅の活躍ぶりを披露されました。この本にも当時の様子が
満載です。
面白かった…というか興味深かったのは、三原山噴火時のエピソード。時の
総理大臣の中曽根康弘氏、官房長官の後藤田正晴氏らとの緊迫したやりとり。
一方で機能しない官僚機構。だいぶん前のことになりますが、現在日本が
直面している弊害がくっきりと示されています。そして阪神大震災の時や
地下鉄サリン事件当時の裏話…リーダーというものはどうあるべきか、する
どく指摘されていました。
危機管理というものは自然災害発生時や戦争時の政府に要求されるばかりで
はなく、私達ひとりひとり、そして各企業などの組織にも必要とされるもの
です。その例を去年おきた雪印の大規模な食中毒事件(もはや事件ですね、
あれは)を例にあげて語られていました。
日本という国では、「危機管理」をまともにとりあげて教育しているのは
防衛大学ぐらいと聞きます。なんともお寒い限り。数多くの様々なタイプの
人々と接する機会があるのですが、結構耳にする台詞、
「誰が責任を取ってくれるんだ!?」
まず他人に責任添加して、自ら解決しようとしないタイプの人々…こういう
方々はリーダーとしては資質を欠いているといえるかも。佐々さんがこの本
で語っていたのは、
「私がやらずに誰がやる」
優れたリーダーとは、こういう姿勢を持った方が多いということでした。
(まぁ、平時にはそれが発揮されることはないので分かりづらいですが)
組織でリーダーとして活躍したい、自分で会社などを興していろいろやって
みたい等々お考えの方にはお勧めです。ぜひご一読を。(^^)
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