また、新しい本を読みました。和田秀樹&畑村洋太郎著『失敗を絶対成功に
変える技術』(アスキー)という題名です。
和田秀樹さんは何冊か紹介していますが、心理学の専門家です。そして
畑村さんは「失敗学」というものを提唱されています。何だ?と思われ
た方も多いかもしれませんね。
日本の社会は減点主義社会で、一回失敗すると再起できなくなく傾向が
あります。それが悪い方にでているのが近年、官庁や企業でさまざまに
起きている事件や事故なのかもしれません。悪い点が分かっていながら
自分が失敗することを異常に恐れる結果、それを隠そうとして事態の
悪化を招いてしまうという…(例としては去年の雪印の食中毒事件や、
薬害エイズ事件などをあげられていましたね)
個人がこういう社会で、どのように「失敗」「ミス」といったモノと
上手くつき合っていったらよいか。それが畑村さんの失敗学のすすめ、
といったところでしょうか。場合によっては逃げることを考えてもよい、
責任を他の人に押し付けて逃げもよい、という意見は一見無責任に
思えるかもしれません。が、すべての人が様々な責任やリスクを負える
ほどの強靱な精神を持っているわけではありませんし、いまいち適材
適所という人材活用のできていない日本の社会においては、このような
考え方は必要かもしれませんね。
まぁ逃げた場合、左遷されたり、不景気の世の中ではリストラされたり
ということもあるかもしれませんが、その責任をかぶることで自分自身
の健康を害したり、時には追い詰められて自殺したりしてしまうことを
考えれば、その方がずっといいかも。この本のなかには、どのように
立ち居振る舞いをしてそういう事態を避けたらよいか、についても書か
れています。詳しくは本を参照されてください。
自分を攻めてしまう傾向のある方には、役に立つ一冊ではないかと思い
ますねぇ。
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