東京蜘蛛談話会 2012年-2013年 記録

 

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記録  2012年1月1日~2013年2月20日
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 このウェブサイトは東京蜘蛛談話会運営委員のひとり,
池田がボランティアで作っているものです.



2013年度記録
(2013年2月~2014年2月20日)

東京蜘蛛談話会 Tokyo Spider Study Group マーク・デザイン
秋山あゆ子
(蜘蛛はアカイロ
トリノフンダマシ)

更新日 2014年2月16日
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 このウェブサイトは東京蜘蛛談話会運営委員のひとり,
池田がボランティアで作っているものです.

 

説明: 東京蜘蛛談話会観察会
東京蜘蛛談話会 観察会(1983年10月)
中央は高野伸二氏、右は熊田憲一氏

   説明: line


  「東京」と付いていますが,会員は全国にいます.
 日本で最大規模の蜘蛛の同好会です.

         東京蜘蛛談話会規約 (別掲)

  「クモ生理生態事典」も日本蜘蛛学会会誌と東京蜘蛛談話会会誌から
  記事を拾いました.
  この同好会はクモに興味を持つすべての人ために開かれています.
  会員は老若男女を問いません.現在、全国に200名ほどの会員がいます.

  入会の際,資格審査はありません.
  事務局に連絡するか、または、下記の口座に会費を振り込んでください.

  


事務局:初芝伸吾 HATSUSHIBA, shingo
〒186-0002 東京都国立市*****

Tel:042***** Fax:042*****
*****MAIL


郵便振替口座 00170-8-74885 東京蜘蛛談話会 
   会費は年間 3800円
 (学生は2000円です)

会計:須黒 達巳


会長
:新海栄一

本部:小野展嗣
 〒305-0005 茨木県つくば市天久保4-1-1
国立科学博物館 動物研究部

運営委員:池田博明、小野展嗣、木村知之、甲野 涼、
新海 明、須黒達巳、谷川明男、萩本房枝、初芝伸吾、
仲條竜太、安田明雄、八幡明彦

会計監査;梅林 力、加藤輝代子

 熊田理恵『クモ入門講座』パンフレット【PDFファイル】
 初心者用 道具・採集法などの解説

 このウェブの内容(項目)
Ⅰ 2013年 談話会TOPICS 
Ⅱ 2013年度 活動計画
Ⅲ 談話会活動履歴 
Ⅳ 会誌および通信
Ⅴ 東京クモゼミ
Ⅵ バックナンバー
   談話会規約 

P R : LINKS
 
●アサヒネットのホームページの容量上限を超過したためpdfファイルやpptファイルをかなりネット上から削除しました。リンク先につながらない場合に、希望の方は面倒でも池田まで連絡をして下さい。ご希望のファイルをメールへ添付して送ります

東京蜘蛛談話会通信  オンライン版
 

日本蜘蛛学会 公式ホームページ
■『クモの巣と網の不思議』増補復刻版案内 ■日本蜘蛛学会 大会 日程
英国蜘蛛学会メインページ ■日本蜘蛛学会「資料室」学会ウェブ試用版の一部
中部蜘蛛懇談会 三重クモ談話会
■安藤昭久氏の「サラグモ屋敷
 微小なサラグモの写真が見事に撮影されています
■荘司康治郎氏の「クモ画像集
 珍しい種も写真で紹介されています
■池田博明・桑田隆生・新海明編 
 クモ生理生態事典(2010年版)
 クモの種ごとに生態情報が記述されています
■写真付き図鑑及び
 解説CD『日本のクモ』案内  2012年版
 谷川明男氏の「クモ情報」
■新海栄一著の文一総合出版
 『日本のクモ』初版2006年・写真の間違い 
■DVDブック『ダーウィンが来た』
 新井浩司氏による正誤pdf
■池田博明 SPIDER  DATA 
  クモの情報を集積
動物行動の映像データベース
■池田博明 日本ハエトリグモ研究センター 3.11地震・原発事故初動の記録
■児童書絶版を怒る---「怒りをこめてふり返れ」 
 池田のfavorite books /favorite songs
   Opinions
■加藤康子手づくり絵本公開 クモが主人公
 (1)クモの『ウィビーちゃんとおともだち』
 (2)絵本 『おにんぎょうをたすけよう

Ⅰ. 2013年 クモ TOPICS  (日付逆順。編集・池田)

◆NEWS OF JAPANESE SPIDERS◆TOPICS◆
 Kiyoto OGATA discovered and took the photographs that the species of the spider Patu kishidai caught and fed the mite in nature. (July 28, 2012)

 Akihisa ANDO discovered that the Trachelas spider (Trachelas japonicus) deposited the glue on the cocoon, then she stuck the sand grains on it. What is the mysterious glue? (Dec.8, 2011) And then, the other spider made an mysterious solution on cocoon was Orthobula spider.(July 8, 2012)

 Shigeru ASAMA took the photograph of pollen eaten the theridid spider (Anelosimus crassipes) and the subadult male of the species was eating the pollen directly. A few pollen feeding by spiders was reported. (Dec.8, 2011)
 
★アサヒネットのホームページの容量上限超過のためpdfファイルやpptファイルを一時的にネット上から削除しました。リンク先につながらない場合に、希望の方は面倒でも池田まで連絡をして下さい。ご希望のファイルをメールへ添付して送ります。
●2月16日(日)観察会は、幹事より雪の為、中止にしますとの連絡がありました。告知が当日となったことをお詫びします。
●2月15日(土)、東日本の太平洋岸は大雪となりました。長靴をはくなど足元に注意しましょう。
●Kishidaia,103号が発行されました(2014年2月5日)。多型特集、中島はるさん追悼号です。
会員の小澤實樹さんが2月1日に逝去されました。お通夜は2月5日18時より、告別式は2月6日11時より、場所は世田谷区代沢の「森巌寺」(下北沢駅より8分)の予定です。ご冥福をお祈り致します。
●日本テレビ「世界一受けたい授業」1月18日(土)の「生き物の知恵」(新宅広二・生態科学研究機構)で三種類のクモが紹介されました。テントウムシに模様を似せたツシマトリノフンダマシ、BBCの映像からカタツムリの殻を糸で釣り上げて住処にするOlios coenobitus(マダガスカルのアシダカグモ科のクモ)、水中に住むミズグモです。BBC Earth News(英文)に、クモのトピックがあります(「談話会通信」141号2014年5月発行予定で紹介)。
●フジテレビ系列の『有吉弘行のダレトク!?』1月14日(火)23:15で「タランチュラは猛毒を持っているはデマ」が放映されました。タランチュラに咬まれて人が死んだ例はないと池田が解説しています。番組の動画が配信されています。
●会誌Kishidaia,103号の著者校正が終わりました。
●日本蜘蛛学会誌Acta arachnologica, Vol.62, No.2が発刊されました(12月)。ながらくCyrtarachne inaequalisと同定されてきたオオトリノフンダマシが、タイプ標本の検討により、新種とすべきものであることが分かり、本土産はC. akirai、沖縄産はマギイトリノフンダマシ C. jucunda と名付けられました。タイ産の標本により、ヤマトジャノメグモ Anepsion japonicum の正体も判明しました。談話会合宿が行われた宮城県歌津のホラヒメグモの新種ウタツホラヒメグモ Nesticus utatsuensisも記載されました(谷川明男氏による)。また、馬場友希氏によりクマドリハエトリ Marpissa yawatai、シマヤハズハエトリ Marpissa suguroi の新種2種、池田博明により沖縄の新記録種3種、オオクマハエトリ Nungia epigynalis、ヤマネコハエトリ Pancorius submontanus、アジアミカドハエトリ Theyne orientalis が記載されています。
12月の例会が終了しました。
●日本蜘蛛学会のニュース・レター「遊糸」33号に「クモの進化<前篇>」と題して造網性クモ類の進化について解説しました(池田)。
●12月の例会のプログラムが決まりました。みなさまふるってご参加ください。なお『クモの巣と網の不思議』復刻版も2000円で販売します。
もと学習研究社の編集部で学研の図鑑『クモ』を作られ、談話会の会員でもあった古浜隆さんが亡くなられました。観察会でお世話になりました。ご冥福をお祈り致します。
●宮下直氏の連載、工作舎のホームページ「第6の大量絶滅時代を救う知恵」。第9回から22回までテキスト部のみ(pdf)。ちなみに、第1回〜第4回pdf第5回〜第8回pdf
●動物行動映像データベースに高須賀圭三さんの動画2本「ニホンヒメグモのシート式不規則網による捕食様式」及び「オオヒメグモの釣り上げ式不規則網による捕食様式」が投稿されました。
●孵化したキカマキリモドキの1令幼虫がイタチグモ雌成体の足から上っていってクモに取り付きました(酒井春彦氏の実験です)。ハシリグモやコモリグモには1匹取り付いただけですが、イタチグモには10匹以上取り付いたそうです。幼虫はクモの養分を奪って成長し、やがて卵嚢に移って蛹化するそうです。カマキリモドキの飼育記録や生活史記録が意外にありません。イタチグモに至っては卵嚢も不明です。なにか情報をお持ちの方、池田まで御教示下さい。(追記)輿石さんから平田慎一郎氏の「カマキリモドキ幼虫の生活」『昆虫と自然』(2009年7月)の記事を紹介していただきました。
 なお成虫を知らない方のために『日本の昆虫(2)』(文一総合出版)の奥山清市氏の写真を参考に載せておきます。玄人好みの形をした虫です。
●出版社倒産のため、入手不能だった池田博明(編)『クモの巣と網の不思議』(文葉社)を復刻しました。自費出版の夢工房発行で、本体価格は2000円です。後払いですが、他に送料(メール便の予定 160円)と封筒代50円と郵便振替料金がかかります。注文は11月4日より、池田宛メールで(+を@に変えて下さい)受け付けます。支払いは本が到着してから郵便振替で入金して下さい。注文を受け付けた時点で、必ずその旨池田から返信いたします。注文後、三日たっても返信がない場合には注文が届いていないか、スパムメールと誤認されてはじかれた可能性がありますので、確認メールを送って下さい。
 内容は初版のミスを訂正しているほか、第6部を追加しています。第6部は新海明氏の造網行動の記録(キヌアシナガグモ、カラカラグモ、ヨリメグモ、ナンブコツブグモなど)です。
●『21世紀のクモ研究 その傾向と見通し』がグリーン洋書(<at>を@に変換して送信可能)で案内されています。本体価格は15600円。
●<ダーウィンが来た!>10月20日放送「サバンナの巨木とハチ」は、エジプトイチジクとイチジクコバチの共生を見せてくれました。体長がたった1ミリのコバチの行動を撮影した技術には驚嘆しました。飛び立ったメスのコバチが円網にかかり、クモに捕獲される場面がありました。
●動物行動の映像データベースに「1頭のクモを取り合う2頭のオオモンクロクモバチ」(高須賀圭三、愛媛県)投稿。クモはコアシダカグモのように見えます(6, Oct.)。
●10月4日(金)、NHKEテレで22:00から「にっぽんの芸能」『蜘蛛絲梓弦』を放送。再放送は11日(金)12:00から。
●9月27日、神奈川新聞の4コマ漫画「カンちゃん」にクモが登場。
冬の例会は12月8日(日)です。講演募集中。
●日本蜘蛛学会誌Acta arachnologica, Vol.62, No.1が発刊されました(9月14日)。分類関係の論文がたくさん載っています。日本のハエトリグモ分類学者が一篇ずつ、馬場友希氏がワイノジハエトリ Marpissa mashibarai Baba 2013 を山口県と東京都から、須黒達巳氏がホムラハエトリ Cosmophasis lami Berry, Beaty & Proszynski 1997を石垣島から、山崎健史氏が Myrmaracjne tamsuiensis Yamasaki 2013を台湾から、池田がノコバハエトリ Gedea okinawaensis Ikeda 2013を沖縄島と西表島から記載・報告しています。ワイノジハエトリは岡山県から野嶋宏一氏も採集されていました。4mm程度のとても小さい細長いハエトリです。他に谷川明男氏のオキナワキムラグモの系統を分析した二論文、タイの新記録種4種(Chotwongと共著)があります。外国の研究者によるラオス産サソリや、イラン産カニムシ、中国雲南省のワシグモの一種など盛りだくさんです。
●文一総合出版発行の季刊雑誌「このは」第5号に須黒達巳さんがハエトリグモ24種の写真(白バック、向きをそろえた生きたクモの写真です)を寄稿しています。9月10日発売です。また、若い皆さんに前野ウルド浩太郎『孤独なバッタが群れるとき』(東海大学出版会、2012年、¥2000)と笠井献一『科学者たちの卵たちに贈る言葉 江上不二夫が伝えたかったこと』(岩波科学ライブラリー、2013年、¥1200)がお薦めです。失敗ばかりの研究生活が続いたときに元気が出ます。
●日本蜘蛛学会大会が終わりました。晴天続きだった高知は24日(土)は久しぶりの雨。ザトウムシやヤミサラグモなどあまり採集されてこなかった生き物にこそ地史の刻印が残されていることを感じました。ゲノム研究も佳境のようです。
●日本ではナガコガネグモの交尾の記録や撮影はありませんでした。交尾後のオスが捕食された例が吉田真氏の『スパイダー・ウォーズ』(新草出版、1990年、絶版)に報告されているだけでした。しかし、千葉県松戸市の水野姉妹が、8月18日午後4時にナガコガネグモの交尾を観察・撮影しました。 交尾後、オスはメスから離れてメスの網に留まったそうです。調べてみましたところ、ナガコガネグモを室内飼育で交尾させたシュナイダーの実験例がありましたが、自然状態での記録・観察はこれが初めてです。やはり関東地方での交尾時期はお盆頃だったんですね。私は交尾は夜間と思っていましたが、予測はみごとに外れました。シュナイダーの実験では70~80%のオスは交尾後食われるそうです。この値は自然界ではもっと低いかもしれません。というのはオスの求愛行動でのふるまいが メスの攻撃に影響するかどうかという研究がオーストラリアのコガネグモの一種で(これも室内実験です),2013年に報告されているからです(20,Aug.)。メスの脱皮直後に交尾するならオスはもっと安全です(30,Aug)。
●動物行動映像データベースに「クサグモにアタックするニッコウクモヒメバチ」が登録。
●真夏の中央アルプス宝剣岳(約3000m)周辺で韓国の登山者が遭難し死亡した。天候急変により濡れて低体温症で亡くなったもの。ニュースで山の専門家が死なないための着衣の重要性に言及しないことが腹立たしい。「山を甘く見た」ようなことしか助言しないのでは専門家の名に値しない。どんなに雨に濡れてもウールのアンダーウェア、つまり毛を着ていれば低体温症になることはないのだ。登山者にとっては下着がもっとも重要。ただし一着5千円くらいするが生命には代えられない。40年前に探検部だったときに買ったウールのジャケットは当時の値段で二万円強だった(これは下宿代三か月半分の値段である)。
 啓林館『生物基礎』指導書(朱註)では野外観察における下着の重要性を強調しておいた。初心者も登る立山連峰で、バスで行ける室堂からすぐそこに見える山頂(約3000m)で10月に木綿の下着が濡れて風に吹かれて8人も死んでいるほどだ。登山者は過去の事故から学習しないのだろうか。私は小田原城内高校の山岳部の顧問だったとき、繰り返し生徒には指導してきた。山岳部員の彼女たちは登山中に雨でずぶ濡れになっても一言も弱音を吐かなかったが、雨具も下着もそれなりの装備をしていたからである(30,July)。自衛隊のサバイバル訓練でも下着の素材はもっとも重要視されているそうだ。
●ウェブ上に「分子生物学時代の網の進化とクモの適応放散の再構成」というPDF論文(2009年)があり,参考文献も可能な限りリンクされています。すべて英語ですが最近の「Spider Ecophysiology」のBlackledgeの総説につながるものです。また,「分子系統学と進化」という雑誌に出た「クモ目完性域類の系統学」という大論文(2010年)もウェブ上からPDFで読むことができます。ただし全篇英語です。(24,July)
●7月19日(金)から21日(日)、合宿が天候に恵まれ無事終了しました。漁家民宿「やすらぎ」にお世話になりました。ホームページに出立時に民宿前で撮影された集合写真が掲載される可能性もあります(このHPかどうか・・・)。クモ滝でシノビグモが発見されました。歌津町民の八幡さん大喜び。(22,July)。朝のNHKニュースで震災で西表島に流れ着いた歌津の郵便ポストが歌津に戻ってきたと報じられた。記念にビギンが「歌津へきてけさい」という歌を作った(12, Aug.)。
●技術評論社から5月に出版された図鑑『落ち葉の下の生きものとそのなかま』には萩野康則さんの専門のエダヒゲムシも載っています。写真は皆越ようせい、ミミズくらぶ編。マニアックな生き物図鑑です。クモは地中性のクモが中心です。エダヒゲムシは皆越さんの別の本『小さな生き物の不思議』にも載っています(こちらにはクモは載っていません。主役はダンゴムシ)。
●2013年7月17日(水)「あさいち」で久慈市小袖の方言「じぇ」の起源は盛岡市内の「じゃ」で、さらに「じゃ」は京都に由来があると説明されました。このとき京都のイラストには室町時代の公家さんがつり下がったクモに驚いて「じゃ」と言う絵が使われていました。なおこの日の「あさいち」レポーター、寺門亜以子アナウンサーは3年前までNHK山形放送局にいた逸材。こんなにあか抜けた女子アナが山形局にいるのかとビックリしたものです。その後、札幌局へ異動し、オリンピックのレポーターを経て中央へ。台本をしっかり頭に入れて話す才人です。
●動物行動の映像データベースに「ニールセンクモヒメバチ幼虫に操作されて 網を強化するギンメッキゴミグモ」が投稿されました(7月2日)。
●7月1日19:30「クローズアップ現代」(NHKテレビ)にて、バイオミメティクス(生物模倣技術)のひとつとして、スパイバーの「人工繊維クモ」が報道されました。
●6月29日(土)18:10「マサカメ」(NHKテレビ)にて「お掃除ロボット」の動きにクモの円網作りの行動が生かされたという話題が取り上げられました。
●6月28日、『クモはなぜ糸をつくるのか?』(丸善、2300円+税)が発行されました。鈴木海花さんの2冊めの本、『「虫目」のススメ』(全国農村教育協会、1900円+税)も発刊されました。昆虫だけでなくクモにも注目しています。
●衛星画像により地球的な環境変化を俯瞰できるサイト Timelapseが出来ています。日本の地名で検索すれば日本も俯瞰できるそうです。参照ファイル初期表示が日本のファイル。1984年から2012年までの定点変化を空から見た画像です。
●NHK「スタジオ・パークからこんにちは」(6月20日)に出演の女優・宮崎美子さんは『生き物地球紀行』を担当していたとき、ペットにしたい生き物がいたという。それはなんと、タランチュラ(Mexican red knee)。手にのせて見ると「とても美しいんですよ」と話されていた。大傑作コメディ映画『俺っちのウェディング』(1983)以来の宮崎美子ファンの私は嬉しかった。最近は2012年の映画『かぞくのくに』でもオモニ役を印象深く演じていた。映画『南極料理人』では隊員の車両主任が運転席に宮崎美子のポートレートを貼っていた。原作ではこのモデルは問題ある報道カメラマンで写真もアグネス・ラムと山口百恵の水着写真だったそうだが、映画のスタッフに宮崎ファンがいたと思われる。
●『Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎』(学研メディカル秀潤社,2013年6月7日発行,16544円)に、セアカゴケグモ刺咬症の症状や治療が出ていますが、 大利昌久・入交敏勝(1984)『現代皮膚科学大系 第8巻』より、 クモ刺咬症とその治療の記載と大きく変わるものではありませんでした。
●講談社の「動く図鑑WONDER MOVE」シリーズ『昆虫』のDVD(60分) にナゲナワグモの粘球作成と投げ縄捕虫が収録されていました(Amazonの本の紹介ページにサンプル動画が出ています)。このシリーズはみものの映像が多く、図鑑の将来性に夢が広がります。
●英国に昨年暮れアメリカのアリゾナ州からの荷物に多数のクロゴケグモが紛れ込んだニュースがありました。
●ユルゲン・オットー氏のクジャクハエトリの動画はかなり可笑しい。びっくり顔のクジャクハエトリがいます。
●6月8日11時半からNHK「目撃!日本列島 虫のふしぎ世界へ」で、栗林慧さん撮影の蜘蛛のバルーニングの美しい写真が紹介されたようです。
●新井浩司さんより、「私も所属している《西多摩自然フォーラム》の会員に、 海洋堂の造形作家(原型師)松村しのぶさんもおりまして、 たまに、 横沢入その他のフィールドなんかも一緒に観察したりもしています。 その松村さんから、以前、『オキナワキムラグモ』を造りたいという話を受け、 私も生体をお渡ししたり、谷川さんからもアドバイスを貰ったりしていましたが、 このたび、それが発売になりました。 海洋堂「カプセルQミュージアム」シリーズで、 「日本の動物コレクション」の第2弾、 沖縄奄美/やんばる編の中の一つです。 松村さんは、 今までに無く精巧な動物フィギュアを、チョコエッグに用い、 大ヒットさせた立役者で第一人者なので、やはりクオリティが違います。 8月には、第3弾の東京/大都市と離島編が出る予定ですが、 この中の『テナガカニムシ』は、佐藤英文さんのアドバイスを受けての造形です」。驚くべきクオリティです。オキナワキムラグモを新井さんが 野外に仕掛けた映像を添付しておきました。オキナワキムラグモはAmazonの「おもちゃ」で購入可能です。
●「クモの糸量産化」(山形県鶴岡市の企業スパイバーによる)の記者発表があった(5月24日)。技術を論文発表してほしい。
●真鶴町原生林をフィールドに調査し、クモの環境選好度をデータ化(pdf)してみます(毎月2時間ずつ種と数を調査)。 採集層をオーバーヘッド(頭上、OH)・レベル、バスト(胸高、B)・レベル、 ニー(ひざ、N)・レベル、フット(足元、F)・レベルに分類してみます。採集法ではOHとBはビーティング、Nはスイーピング、Fはシフティングに対応させ、ルッキングは各層に設けます。 採集層の高さは子供と大人では異なるという批判が予想されますが、そこは大雑把な分類のほうが有効だと思うので問題にしないつもりです。 他に潅木、草原などハビタットは枚挙して区分します。5月23日、真鶴町お林駐車場わきのアイジサイ叢で、神奈川県新記録種アシハグモ♀が採集と思ったのですが、 新井浩司さんからヤマトカレハグモではないかと指摘を受け、確認しました。ヤマトカレハグモ♀(左写真)でした。
●観察会で『クモ基本60』の原稿を使ってみました。
●タカラトミーアーツ販売の毒グモ5種セットが販売されています(1500円)。 チョコエッグのフィギュアをまとめたものです。Amazonで購入可能です。欄外に写真あり。
もと会員・土屋昌利さんが4月19日に心筋梗塞で逝去されました。ご冥福をお祈り致します。韓国の南宮峻先生が5月14日に逝去されました。 南宮先生は白先生や萱嶋先生の薫陶を受けられ、韓国の洞窟の蜘蛛の草分け的な研究を始め、後進の指導や蜘蛛写真にも取り組まれて『韓国蜘蛛図鑑』を刊行されました。 ご冥福をお祈り致します。
●週間天気予報によると5月19日(日)の観察会の予報は曇りときどき雨,池田は『クモ基本60』の原案を持って参加する予定です。 5月末現在は新海栄一さんの助言を受けているところです。(当日は晴れでした)
●洋書を紹介します。『カザフスタンのクモ』、カザフスタンは中東に位置する面積では世界第9位の国。クモは978種が記録されていますが、 本にはそのうち176種がB5版1ページ大に一種一個体、絵(カラー)で紹介されています。サラグモ科以外のほとんどの科のクモが紹介されています。 日本との共通種も載っています。一方、『北米の普通クモ類』ですが、八木沼健夫先生の図鑑を思い出していただければ、大きさも厚さもそれに近い雰囲気です。 68科469種のクモがカラーイラスト詳細図で掲載されています。全271ページで、ハエトリだけを数えてみたら12図版に58種が掲載されていました。 他にハエトリの解説部分は23ページあります。値段は円安が進んでいますが、グリーン洋書ではカタログ通り7600円です(Amazon洋書のほうが安い)。 美しい図を見ているだけでもハッピーな気分になれますので、お買い得だと思います。
 『湖南動物誌(蜘蛛類)』上下冊(伊長民)は全種について外観・外部内部生殖器が線画で描かれている他、説明も中国語と英語で付されています。『Spiders of China』と合わせて使えば有用です。
 『ヨーロッパのクモ総覧』は第1巻で、古蛛亜目からヒメグモ科までが掲載されています。全種の特徴(属徴、腹部斑紋、生殖器、ヨーロッパの分布)が 解説と図で表されています。全522ページの大冊。同定にはたいへん便利な書物で、続刊も期待できます。
●丸善からのブルネッタとクレイグの訳本は宮下直氏が監修中だそうです。宮下氏によれば発行は6月とか。三井恵津子(訳)「クモはなぜ糸を作るのか」、 出版社からは5月25日発売とアナウンスされていましたが、やや遅れました。6月29日予定です
●5月5日こどもの日です。山形市のソメイヨシノは例年より数日早い程度でした。東京は二週間近く早かったので、どうなることかと懸念していました。 例年、山形市ではゴールデンウィークが満開です。今年は4月29日にはピークが終わっていました。一方、天童のサクランボ園の桜の開花は例年通りで4月29日に佐藤錦の満開はまだでした。 露地物の佐藤錦の満開は5月3日ごろ。天候不順で寒くて、受粉するミツバチの飛翔が少ないです。NHK総合TVの「さわやか自然百景」では今年度観察会の場所になっている 狭山丘陵の雑木林が紹介されていました。クモは登場しませんでした。続く「小さな旅」では高尾山が紹介されていました(こちらは再放送。クモは登場しません)。
●音楽空間「武宮」等の主催で「中島はる先生を偲ぶ会」が企画されました。日時・会場・参加申し込みなどは別項案内を参照してください。
●談話会発行の『クモ基本60』概要がほぼ決まりました。総会で決定されました。発行は7月〜8月の間の予定です。 談話会会員の方には完成時に1部贈呈されます。新たに入会された方には1部贈呈されます。非会員の方や追加で注文される方は池田まで、 (1)住所と郵便番号、(2)氏名、(3)電話番号かメルアド(メールで注文された方は無要)、(4)冊数をお知らせください。頒価千円/冊+送料+クッション封筒で 1冊当り1200円弱で販売します。支払いは郵便振替で後払いでお願いします。予約も受付けています。池田宛メールで (+を@に変更して下さい)予約してください。
●絵本作家の秋山あゆ子さんが描かれたアカイロトリノフンダマシを本ウェブのキャラクター・マークに使わせていただくことになりました。 本ウェブはリンク・フリーですが、リンクなさる方は このマークを使って下さい。やや大きいマークを冒頭に掲げました。『クモ基本60』ウェブ公開版では独自ドメイン「tokyospider.net」を立ち上げる予定です。 その際のキャラクター・マークにも使わせていただきます。
スクリュー管(マルエム社製品)3種類を市価の6〜7割で譲っていただきました。 ご希望の方には実費及び送料負担・後払いでお分けします。中蓋がプラスティックの押し込み式です。案内は下記
●4月の例会・総会のプログラムができました。
●文一総合出版刊の『日本の昆虫1400(1)』(2013)を携帯して野外で昆虫も同定してみました。昆虫は翅があって飛び去ってしまうため, なかなか判定が難しい。大井町山田地区でエサキモンキツノカメムシやベニシジミを確認。類似種の判定には比較図が必須。ハチや甲虫は第2巻に収録(5月刊行)。-4月22日記
●宮下直氏(東京大学)より紹介,「電子雑誌PLOS Oneにクモの糸を編みこんだ繊維が手の外科処理に使う材料として、 耐性面などで大変優れているという論文(英文)が出ました」。 使われたクモはアメリカジョロウグモです。しおり糸60〜120本の糸を束にして使ったそうです。屈筋の腱の治療(縫合)に使い、糸は採った後6ケ月も長持ちするそうです。
●性選択による急速な進化の例として著名な「クジャクハエトリ Peacock spider」がアメリカの科学雑誌の表紙になったようです。 雑誌のタイトルが不明ですが。雑誌内の論文の書誌情報は、Katrina Claw「Rapid Evolution in Eggs and Sperm」, ***, 100(3):210-217。以前にも紹介しましたが、You tubeの「Peacock spider」で発見者Jurgen Ottoの解説付きで♂の求愛行動を見ることができます。
●池田の自宅のある町中心に「クモ幼体写真図鑑」を作ってみました。 まだ数種類ですが順次増やしていきたいと思います。
●動き回るクモの撮影にはみなさん苦労されていると思います。 徘徊性のクモを気絶させると足を縮めてしまい、生きた感じがしません。 そこでひと工夫。水の表面に落とす方法で撮影してみたところ、比較的うまく撮影できました。 撮影方法のひとつとして紹介しておきます(池田)。
●都内在住の鈴木海花さんの『虫目で歩けば』(2010,ブルース・インターアクションズ)は現代版・虫愛づる姫君を創成する試みです。 身近な虫やクモを撮影しながら観察されています。浜口哲一さんが言っておられたトコロジスト実践記録といった趣があります。 ただ同定はご自分でなさっているため、クモの名前にはじゃっかん間違いがありました。誤りを指摘したところ、 ご自分のブログに誤りを公開されました。公刊された本の誤りを認めることは 勇気の要ることでなかなかできることではありません。
●大阪市立自然史博物館では5月18日(土)13:00〜17:00「ゴケグモ類の現状と問題」(pdf)シンポジウムが開かれます。 ちなみに、池田『毒グモ騒動の真実』補足解説があります。
●4月28日の談話会例会・総会の場所は昨年までと異なり、錦糸町の会場です。間違いのないようにご注意を。
グリーン洋書(<at>を@に変換して送信可能)に入荷したクモの専門書を案内します。 カタログNo.G-857の案内は別欄にて。在庫があるわけではなく注文を請けて発注するようです。
●4月9日晴れ、神奈川県足柄上郡大井町の第一生命跡のヒイラギ垣根ではクサグモ幼体,ササグモ幼体,スズミグモ幼体, ゴミグモ♀亜成体,チュウガタシロカネグモ♂が見られました。5日後、草原ではマミジロハエトリ♂や♂亜成体(♀型)、ウヅキコモリグモ♂♀、 キザハシオニグモ♂、シボグモ・ササグモ・アサヒエビグモ各幼体、チュウガタシロカネグモ♂♀が目立ちます。 4月18日には近くの吾妻山でクサグモ幼体、カラフトオニグモ亜成体、ヤマシロオニグモ幼体、シロスジショウジョウグモ♂亜成体♀亜成体、ウロコアシナガグモ幼体、 カバキコマチグモ幼体、キザハシオニグモ♂亜成体、コハナグモ幼体、ガザミグモ♀亜成体、ササグモ幼体などを観察。4月19日は松田町にて, ネコグモ♀、メスジロハエトリ♂と幼体,シロカネグモ・コハナグモ・ヤマシロオニグモ・ヒシガタグモ・ヤマトフクログモ(?)各幼体を観察。 4月22日大井町山田地区にてアリグモ・コクサグモ・クサグモ・シャコグモ・キベリミジングモ♂各幼体、デーニッツハエトリ♂を観察。 マミジロハエトリの♂亜成体がメス型だと知って仰天。たとえば写真の3mm程度のマミジロ幼体、これは♀でしょうか♂でしょうか。 これまでは♀幼体と判断してきました。しかし、実は♂幼体も同型だったのです!
●2013年4月8日(月)21:00〜TBS・TV『七人の刑事(6)』(原作・鳥羽亮、脚本・林誠人・小杉晶子、監督・中前勇児)のプロローグにクモが登場。 村上弘明演ずる刑事は大の虫嫌い。携帯電話の上にいたクモを妻(岡田奈々)にどけてもらいます。その結果、妻のパソコン購入の要求を聞くことに・・・。 登場したクモはマダラヒメグモでした。エピローグでは雪虫も登場します。準備が大変だったろうに。ちなみにドラマの撮影は2月上旬の10日間でした。 何度か出てくる木曽のロケ場面もまとめて撮影されていました。映画最盛期の映画撮影・編集・公開のサイクルに近い早業です。 物語は佐藤藍子が拝金主義の女王さま的な社長を演ずる犯罪もの。長谷直美が文芸部顧問の教員を演じます。 推理のキモの部分は推理ドラマを見慣れたひとには見当がついてしまいますが・・・証拠をどう活用するかはまずまずでした。 連続殺人事件なのに警視庁の捜査班が最後まで七人だけというのは不自然です。リアリズムを追求するドラマでもないですが。
●丸善出版の『クモはなぜ糸を作るのか(仮)』は価格 2,415円(税込)で発行日は2013年5月25日(発売)となりました。
●NHK・TVの「さわやか自然百景 鳥取砂丘」でイソコモリグモが登場(2013年3月31日、7:52ごろ)。子守の様子、子供が夜に穴から出てくる様子、 蛾を捕獲する行動などが紹介されました。オンデマンドで配信されています。
●読売新聞連載小説3月27日(水)、 吉田修一「怒り」146回の挿絵は政田武史画のセアカゴケグモでした。もっとも小説の本文にゴケグモは出てきません。
●事務局の初芝さんの勤務先移転の関係で談話会の事務所住所も変わりました(3月25日)。
●ネントウィッヒ編集の『Spider Ecophysiology』(Springer)が発刊されます。以前に『Ecophysiology of Spiders』というたいへん便利な本がありましたが、 その新編集版で著者も内容も一新されています(各研究項目について第一人者がレビューしています)。2月発行で539ページ,英語です。価格は2万円弱です。 クモの生理生態に広く関心をもつ学生さんには必携かもしれません。Amazonで注文できます。目次を概略紹介しました。
●会誌102号が発送されました(3月18日)。数日中にお手元に届くはずです。
●『クモ基本60』編集中ですが作成途上で関連種などに写真が不足なことに気づきました。追伸:さっそく安藤さん、水野さんから提供の申し出がありましたので、 それらの写真を募集リストから削除しました(3月14日)。引き続き別府史朗さん・田中和徳さんからも提供がありましたので、該当の種を削除しました(3月26日)。 谷川明男さん、初芝伸吾さんからご提供いただきました(4月5日)。募集を終えました。
●アリ研究の東正剛さん(北海道大学)の退官記念の本『パワー・エコロジー』に寄せた植物進化研究の 矢原徹一さん(九州大学)のエッセイが面白い。大学院生の東さんとは学生のころ院生のゼミ「系統と生態」でお会いし、 教授時代の東さんとは啓林館の教科書編集会議でお会いしました。6月2日(日)のNHK「ダーウィンが来た」ハキリアリの回で紹介された村上貴弘氏の研究も出ています。
夏の合宿を南三陸町で計画中です。東日本大震災で津波被害を受けた町ですが、復興に向けての活動も確実に始まっています。
●東京蜘蛛談話会発行予定の『クモ基本60(新クモ基本50)』編集中。以前にクモの写真を撮影して下さった 日本蜘蛛学会会員の石田岳士さん(以前は愛知県豊橋市在住でした)を探しています。連絡先をご存じの方は池田宛メールで (+を@に変更して下さい)お知らせください。また,生態情報は『クモ生理生態事典』を参考にして記述する予定ですが、情報源の著者名をフルネームで明記する予定です。 もし氏名を記述して欲しくないという方がいらっしゃいましたら、4月28日までに池田宛ご連絡ください。見開きページのサンプル案をpdfで示しました。まだ編集者(池田・仲條・初芝)で検討途中です。ご意見がありましたら池田までお知らせ下さい。なお、このサンプルは写真の画素数を落としてあります。まだ写真の使用許可を取っていないところもあります。
●宮下直氏の連載「第6の大量絶滅時代を救う知恵」(工作舎)が3月中旬現在第8回目テキスト部分(第5回〜第8回)だけpdf
●偕成社より、新海明著・谷川明男写真『クモの巣図鑑』が発刊されました(2013年2月28日)。クモの網の写真からクモの種類がわかるとして約40種のクモが解説されています。 クモの網ウォチングとともにクモ・ウォッチングとしても活用できる図鑑です。ハードカバーなので持ち歩くのはもったいない感じがありますが、類のない図鑑として傑作です。 定価は1890円、Amazonからも購入可能です。談話会通信138号に書評を書きました。
●キシダイア103号に中島晴子さんの追悼文を募集します。参考資料として、「中島晴子さんの談話会活動」を作成しました。 洩れがありましたらご教示下さい(池田)。
●岩波生物学辞典第5版が刊行されました。最近の成果まで収録されています。第4版にあった項目も削除されずに索引から引けるように編集されています。価格は12000円(税別)。
●3月3日(日)「ダーウィンが来た」は「ふしぎ!輝くクモの水中生活」で、主役はミズグモです。ディレクターのウラ日記によりますと、 「私がミズグモを知ったきっかけは『ガラス蜘蛛』(工作舎)という1冊の本。 ベルギーのメーテルリンクという文学者が、ヨーロッパの沼で見られる風変わりなクモについて美しい文で書き綴ったものです。..(略)... 実物の動くミズグモを見た時には感激もひとしおでした。でも実際に目の当たりにしていてもにわかには信じられないほど、その暮らしぶりは奇妙な事ばかり。 人間から見ると非効率に思えるようなやり方で徹底的に水中にこだわって生きるミズグモを前に、思わず「生きものって不思議・・」とつぶやくのでした」。
●USAでクモ糸の利用について子供向け(7-12歳)の本が出版されました。Amazonでは2000円弱です。「Stronger Than Steel: Spider Silk DNA and the Quest for Better Bulletproof Vests, Sutures, and Parachute Rope (Scientists in the Field) 」。子供向けとは思えないほど内容豊富です。
●さかな解説者としての「さかなクン」の解説の密度に感心しました(2月15日 NHKスタジオパークからこんにちはに出演)。クモでも同様の解説が観察会などでできるといいと思いました。改めてインタープリターの方法と重要性を感じたわけです。『クモ基本60』に記述を生かしたいと思います(池田)。
中島晴子(作曲家・中島はる)さんが、2013年2月7日に亡くなられました。故人の遺志により葬儀は近親者のみにて行われました。ご遺族は香典・供花・供物等は辞退されておられます。
●2013年2月10日(日)、2012年度の2月の観察会が小田原市わんぱくランド及びいこいの森にて行われました。貞元己良さんから2月の目録が, 安藤昭久さんから主にリター層の同定目録が寄せられました(2月20日)。年間を通しての報告(会誌原稿pdfファイル)を作成しましたので 参考になさって下さい。
●NHKの「ダーウインが来た!スペシャル 日本の動物たちはスゴかった」(2月9日午後7時30分から60分間)にムツトゲイセキグモが登場しました。第2章「匠のワザで生き抜け」に7時52分から1分間。撮影の吉田嗣郎氏より、談話会の皆様の活動の賜物とお礼の言葉がありました。
●2013年3月下旬に丸善出版からブルネッタとクレイグの『Spider Silk』の訳本が出るようです。訳者は三井恵津子氏。本の題名は「クモはなぜ糸を作るのか(仮題)」とか(4月4日)。その後、5月25日発売と確定しました。
●2013年1月4日、種子島から打ち上げられたロケットにハエトリグモが搭載された実験の速報が、企画のステファニー女史から届きました。大意は「連絡が遅くなってごめんなさい。7月21日、日本のHTV-3ロケットに搭載された2種のハエトリグモ、ゼブラハエトリSalticus scenicus とセアカハエトリ Phidippus johnsoni についてお知らせします。国際宇宙ステーション内で両種とも食欲を示しましたが、ゼブラハエトリはもっぱら隠れがちでした。両種ともショウジョウバエを与えられると宇宙でもちゃんと捕獲に成功しました。私は確認していないのですが、両種ともその後もジャンプしてハエを捕まえてはいたようです。 ウエブ(このウェブはハエトリとは関係ないのですが)をディグすればセアカハエトリがジャンプする映像が見られます。餌なしでも約100日は生きますのでハエの寿命が尽きる後半50日も大丈夫でした。地球への帰還の旅でセアカは生還しました。面白い映像が撮れています」
●談話会例会の会場として使用させていただておりました東京環境工科専門学校は2013年の4月に錦糸町へ移転します。2013年からはこの新校舎をお借りする予定です。お間違えのないようにご注意ください。
●島野智之さんの『ダニ・マニア』(八坂書房,1995円)が発刊されました(2012年12月25日)。無害なダニであるササラダニを中心にダニの多様な生き方を紹介した本です。著者割引では1600円ですが、Amazonから購入しても送料無料ですからたいして変わらないのでAmazonで購入なさって下さい。
●Kishidaia、101号が発送されました。『毒グモ騒動の真実』について、日本蜘蛛学会関係誌でもきちんと読み込んだ解説がありませんでしたので、 池田が補足解説を書きました。辛口ですが正確を期していただきたいという趣旨です。
●『新クモ基本50』の写真を提供下さる方、写真募集の締め切り(12月31日)が近づいております。お手持ちの良い写真がありましたら是非ご提供下さい。
●2012年12月20日に日本蜘蛛学会誌, Acta arachnologica, vol.61, No.2が届きました。夏の日本蜘蛛学会大会報告が載っています。早い対応に驚きです。沖縄本島から下謝名松榮氏がアワセイソタナグモ Paratheuma awasensis を記載しています。分類関係は、中国産ヤドカリグモ、トルコ産ザトウムシ、ラオスの蜘蛛などの論文。生態の論文として弘中豊・安倍弘「カバキコマチグモが営巣に利用する植物の多様性」があります。
●宮下直氏が工作舎のホームページで「第6の大量絶滅時代を救う知恵」を連載中です。
  12月中旬現在第4回目でクモの話題があります。テキスト部分(第1回〜第4回)だけpdfにしました。


  2011年3月11日  地震・原発関連記事は別ページに。   


国際クモ学会 International Society for Arachnology
19th International Congress of Arachnplogy
日時・会場 2013年6月23日~28日 台湾
http://araneae.thu.edu.tw/ica2013/ja/registration
Dear colleagues: On behalf of the organizing committee of 19th International Congress of Arachnology
I would like to call your attention that the deadline of early registration is extended from March 1 to March 15.
I would like to invite those who interested in attending this meeting but does not register yet take time to complete the process.
After March 15 the web site of 19th ICA will open for payments of registration and accommodation.
The payment can be achieved either by credit card through the Paypal system of ISA, or by wiring.
Detailed information and instruction regarding payment will be provided in web site of 19th ICA after March 15

I look forward to seeing all of you in Taiwan!

I-Min Tso
President. Organizing Committee of 19th ICA
Department of Life Science
Tunghai University
Taiwan

2013年度 東京蜘蛛談話会 活動計画    (計画や世話人などの立候補は事務局まで)

★観察会/採集会
の案内

埼玉県
日高市  日和田山
集合は 西武秩父線高麗駅 10時。
改札前 集合
 9時台に高麗駅着は二本のみ。
  (9:27  9:50)

 徒歩15分。駅付近と途中にコンビニあり、
 トイレは登山口にあり(ただし手洗い場なし)。
 1991年の観察会・巾着田の道路をはさんで
 反対側の低山です。

開催日時

 第1回  2013年5月19日(日)
 第2回  2013年7月7日(日) 
 第3回  2013年10月6日(日)
 第4回  2014年2月16日(日) 雪の為、中止

世話人:平松毅久・仲條竜太
      平松携帯 080******

★合宿の案内


   2013年  夏の合宿 
   7月19日(金)〜21日(日)まで,
 宮城県南三陸町
 歌津
 宿舎 
 山漁家民宿
 やすらぎ 
〒988-0452 宮城県本吉郡南三陸町
歌津町向67-2
 1泊1万円程度
氏名・性別・年齢・住所・電話・
 メルアド・交通手段(電車か自動車かレンタカーか)を
 連絡


  担当  谷川明男・八幡明彦・新海明 
         修了しました
       申し込み先 新海明まで
       〒192-0352 八王子市****
       19日(金)東北新幹線 くりこま高原駅 15:05集合
           (やまびこ61号)
       21日(日) くりこま高原駅 14:50 解散
           (やまびこ60号)

★総会および例会
の案内

 例会および総会
 2013年4月28日(日) 10時より
   (開場は9時30分) 

  東京環境工科専門学校にて

 2013年4月から
 東京環境工科専門学校は
 錦糸町に移転し、
 自然研究所と一緒の建物になります


 最寄駅:「錦糸町駅」
 (JR総武線、東京メトロ半蔵門線)錦糸町駅南口から
 徒歩3分
 〒120-0022 東京都墨田区江東橋3-3-7


 冬の例会 
 2013年 12月8日(日)
   開場は9時30分
 講演発表を希望する会員は
 *****MAIL
又は下記(有)エコシスへ連絡を
TEL.042****
FAX.042****

 東京環境工科専門学校

事務局 :初芝伸吾 TEL.090*****
会場世話人:
加藤輝代子 090-****
*****MAIL

談話会通信

138号(5月)・139号(10月)・140号(2月)

編集者:谷川明男
****MAIL

会誌

 
 103号 発行済み
  特集 趣意書別掲。
 104号 版下製作中 
   2013年12月締切

 105号 投稿受付中(6月締め切り)

原稿送付先
  〒194-0041 町田市******
 仲條竜太氏 
 No.105から
 谷川明男氏****MAIL
 または
  〒258-0018
 大井町***** 池田博明
  ****MAIL

SALES  改訂しました
 (2012年8月)

 「CD 日本のクモ
 ver.2012
 新海明・安藤昭久・谷川明男・
 池田博明・桑田隆生(編)

 2010年版を改訂し,谷川撮影のクモの種毎の写真が満載されています
 その後の文献を追加し、分類群を更新しました.
 『CD 日本のクモ ver.2012』には
 クモ生理生態事典(2010年版)
 を収録しています。
 
 価格は 2140円(送料とも)です。
  申込は谷川へ****MAIL

 ★マックではOSX以降でないと見ることができません
例会及び総会
の案内

  2013年4月28日(日) 東京環境工科専門学校 最寄り駅は錦糸町

        例会・総会のプログラム  発表募集中

 1.開  式
     10:00~
 2.自己紹介(近況)とクモについて疑問など四方山話   ~11:30
 3.講  演 ※講演時間 25分(1鈴15分、2鈴20分、3鈴25分) 質問時間 5分
   (1) 江戸時代・増山雪斎の蜘蛛図/クモの撮影法  池田博明 11:30~12:00
   昼    食 12:00~13:00
   総    会 13:00~14:00
   (2) クモの巣図鑑作成の経緯    新海 明(演者)・谷川明男 14:00~14:30
   (3) 日本にもいた美しいハエトリグモたち   須黒達巳 14:30~15:00
   (4) 電子顕微鏡でみたクモの微細構造(14) 糸疣・篩板類  梅林 力 15:00~15:30
   休    憩 15:30~15:50
   (5) トラマルはジャノメだった ウィモルワン=チョウォン・谷川明男(演者)・池田勇介 15:50~16:20
   (6) タイ旅行記~クモと友人を訪ねて   本多佳子 16:20~16:50
 4.閉 式 (写真撮影) 17:00~
 5.懇親会         17:20~
12月
例会の報告


  2013年12月8日(日) 例会報告

 1.開 式      10:00~
 2.自己紹介とクモ類について疑問など四方山話  ~11:00
 3.講  演 ※講演時間 25分(1鈴15分、2鈴20分、3鈴25分) 質問時間5分
   (1) ジョロウグモの個体数密度の年変化 (40年間の記録) および、
   その他のクモ類での個体数密度の変化傾向  新海明(代読・谷川) 11:00~11:30
   (2) 森林内ではクサグモ消失? 池田博明  11:30~12:00
    [クサグモ、ヤマトカレハグモ、イエタナグモ、ヒメシモフリヤチグモ、イタチグモにキカマキリモドキ寄生]
    昼  食 12:00~12:40
   (3) タイ蜘蛛見遊山の旅     谷川明男 12:40~13:10
   (4) タイで採集したハエトリグモ  須黒達巳 13:10~13:40 
   (5) 青ケ島紀行  笹岡文雄 13:40~14:10
     休  憩 14:10~14:20 
   (6)フクログモから生まれた?  新井浩司  14:20~14:40
      [トビイロフクログモやアサヒハエトリにヒメカマキリモドキ寄生]
   (7)ヒメグモから餌を盗むクロマルイソウロウグモ  腰高直樹 14:40~14:50
   (8) コモリグモの卵嚢に寄生する蜂  輿石紗葉子 14:50~15:20
   (9) 緑のハグモの正体 [Nigma sp.]  平松毅久 15:20~15:50
   (10) クモの話題3つ [イタチグモ、タイリクカレハグモ、ジャバラハエトリの一種] 小野展嗣 15:50~16:20
  
  4.閉 式・写真撮影  16:40~
  5.懇親会 [会場外]      16:50~
会誌企画
   会誌103号に変更(2012年12月)   編集趣意書      クモの多型

 同種の個体間で色彩や形態などが不連続に異なることを多型(polymorphism)といいます.アズマキシダグモPisaura lamaの体色にさまざまなものがみられるのは,多型の代表的な例です(たとえば,有田・八木沼 1975,新海 2006).イオウイロハシリグモDolomedes sulfureusやヤマシロオニグモNeoscona scylla,ホシミドリヒメグモChrysso foliata,キヒメグモParasteatoda asiaticaなどでも体色や斑紋に多型がみられ,その詳細は久保寺・池田(1989)や池田(1990)にまとめられています.
 形態に多型がみられることもあります.たとえばウススジハエトリYaginumaella striatipesの外雌器の形態には,多様な変異がみられます(池田 2011).外雌器はクモの同定に用いられることが多いため,その多型は分類学者を悩ませます. また,近年ではアリグモの一種Myrmarachne bakeriで擬態に多型がみられる例も報告されています(Nelson 2010).様々なアリに擬態することにどの様な進化的意味があるのか,それともないのか,今後の研究が待たれるところです.
 様々な多型がみられる一方で,実際は別種であったということもあるかもしれません.Tanikawa(2008)の見直しが行われるまで,キクメハシリグモD. japonicusはアオグロハシリグモD. raptorの,スジボソハシリグモD. angustivirgatsusはイオウイロハシリグモの多型だと思っていた方も多いのではないでしょうか?
 次々号 103号では,これらの多型がもたらす課題や話題について論文やエッセイを特集します.小さな発見や日頃の気づきでも構いません.ふるってのご投稿をお願いします.
 なおテーマ以外の内容の論文等も,通常通り受け付けますので,こちらもぜひご投稿ください.
  
   引用文献
 有田立身・八木沼健夫 1975.キシダグモ属の検討.Atypus,63:29-30.
 久保寺みか・池田博明 1989.キヒメグモの色彩多型.Kishidaia,59:1-4.
 池田博明 1990.クモの多型について(1).生物教育学雑誌,1:7-12.
 池田博明 2011.ウススジハエトリの変異.東京クモゼミ報告,207号
 Nelson X.J. 2010. Polymorphism in an ant mimicking jumping spider. The Journal of Arachnology, 38: 139-141.
 新海栄一 2006.ネイチャーガイド 日本のクモ.文一総合出版.

第1部 呼吸と循環系
*Evolution and Adaptation of Hemocyanin Within Spiders
*The Circular System of Spiders
*Trachea in Spiders: Respiration's Organs for Special Functions
第2部 運動と分散
*Hydraulic System of Locomotion
*Functional Aspects of Spider Scopulae
*Cost-Benefit Balance of Dispersal and the Evolution of Conditional Dispersal Strategies in Spiders
第3部 免疫システムと病原微生物
*The Immune System of Spiders
*Endsymbiont Infections in Spiders
*Fungal Pathogens of Spiders
第4部 化学的コミュニケーションと繁殖
*Chemical Communication and Contact Cuticular Compounds in Spiders
*Spider Olfaction : Attracting, Detecting, Luring and Avoiding
*Karyotypes, Sex Chromosomes, and Meiotic Division in Spiders
*Male Reproductive System of Spiders
第5部 毒
*Main Compounds of Spider Venoms
*The Neurotoxic Mode of Action of Venoms from the Spider Family Theraphosidae
*The Cytotoxic Mode of Action of the Venom of Cupiennius salei (Ctenidae)
(続き)
*The Evolution of a Toxic Enzyme in Sicariid Spiders
*Predation by Spitting Spiders: Elaborate Venom Gland. Intricate Delivery System
*Spider Venoms Potentially Lethal to Humans
第6部 糸
*Spider Silk: Molecular Structure and Function in Webs
*Aggregate Silk Gland Secretions of Araneooid Spiders
*Cribellar Thread 
第7部 色彩
*Insect View of Orb Spider Body Colorations
*Stractural Colours In Spiders
*UV and Camouflage in Crab Spiders (Thomisidae)・・・佐藤有恒氏がインセクタリウムに書いたアズチグモの記事も取り上げられています
*Rapid Colour Change in Spiders・・・池田がAtypusに書いたキハダエビグモも取り上げられています
第8部 栄養
*Nutritional Aspects of Spider Feeding
*Hervivory in Spiders
*Artificial Diets for Spiders
第9部 生態毒性学
*Effects of Heavy Metal Contamination
*Side Effects of Synthetic Pesticides on Spiders
*Side Effects of Bacillus thuringensis Toxins of Spiders
*Effects of Neem of Spiders
第10部 応用
*Modelling and Applications of the Hydraulie Spider Leg Mechanism
*Adhesion of Flat Surfaces: From Spiders to Stickers
*Technical and Biomedical Use of Nature's Strongest Fiber: Spider Silk
*Spider Venom Components as Drug Candidates

付属 クモの系統学
索引
.
グリーン洋書 カタログ G-857案内
53. Common Spiders of North America by R.A.Bradley, 288pp, 2012. 7,600円
 (Amazonでは5800円です)

54. The Spiders of Europe, a Synthesis of Data. Vol.1 Atypidae-Theridiidae by B.Le Peru, 522pp, 2011. 9,500円
 (Amazonでは出品なし)

55. 湖南動物誌(蜘蛛類) 上下冊 by 伊長民, 1590pp, 2012. 1 set only  15,000円
  (亜東書店では取り寄せ注文が可能のようです。値は多少高い)

56. Spiders of Kazakhstan by D.V.Logunov and A.V.Gromov, 232pp, 2012.  9,100円
 (Amazonでは品切です) 
57. Fossil Aracnids by J.A.Dunlop and D.Penny, 192pp, 2012.  12,800円
 (Amazonでは48371円です。中古は23150円)

58. Fossil Spiders: Yhe evolutionary History of a Mega-diverse Order. by D.Penny and P.A.Selden, 128pp, 2011. 7,500円
  (Amazonでは10849円です)

59. The Velvet Spiders: An Atlas of the Eresidae by A.Miller and C.Griswold, 144pp, 2012. 7,600円
  (Amazonでは在庫切れです)
Spider Research in the 21st Century trends & perspectives』
Edited by David Penny
Foreword by Norman I. Platnick
 Chapter 1 Biodiversity: An African perspective
 Chapter 2 Systematics: Progress in the study of spider diversity and Evolution
 Chapter 3 Evolutionary Ecology : Linking traits, selective pressures and ecological functions
 Chapter 4 Biogeography: From testing patterns to understanding processes in spiders and related arachnids
 Chapter 5 Genetics and Genomics : The arrival of a new molecular era of spider research
 Chapter 6 Agroecology : Trait composition, spatial relationships, trophic interactions
 Chapter 7 Behaviour: Why are spiders good models for research
 Chapter 8 Spider Silk: An ancient biomaterial for the 21st century
 Chapter 9 Paleontrogy: Interpretation and application of the fossil record
 『クモ基本60』 概要 
        現在、鋭意編集中です。内容や写真を再検討し、レイアウト中です(12月中旬記)。

 (1)書名  クモ基本60  Spider Life  クモのある生活   (2) 仕様  B6版 136ページ
 (3) 監修 新海栄一      編集  池田博明・仲條竜太・初芝伸吾・甲野涼  
 (4) 発行  東京蜘蛛談話会 (自費出版) 600部   (5)頒価  1000円  
 (6) 談話会会員には1部送付される。新規入会者には1部贈呈。
 (7) 内容  第1部 季節を問わず成体が見られるクモ,第2部 春に成熟するクモ,第3部 夏に成熟するクモ,第4部 秋に成熟するクモ。
   東京蜘蛛談話会観察会のデータより記録率60%以上のクモ60種を基本種として 「習性」「観察ポイント」「トピック」を記述し,
  成体♂♀記録率をグラフで示した ( 5月・7月・10月・2月)。さらに,識別ポイントを生態写真と線画で示した。 基本種♀のほか♂写真を掲載。
    (会員の投稿による生態写真を使用)  
  基本種の見開き隣のページに関連種3〜4種を写真で示し,簡略に解説。
  解説内容は主に会員による各種の生態(生息環境,成熟時期,産卵回数,産卵数,令数など)を記述。
  ◆クモに興味を持ち始めたひとを対象とし,フィールドでの観察の手引きとなる図鑑とする.  
 (8)予算  印刷費;80万円 写真借用謝礼;30万円(非会員で1枚提供の方には図鑑を贈呈) 事務経費; 8万円  発送費用;5万円
 (9) 注文に対する対応   注文者は事務局(初芝)またはホームページ担当(池田)へメールまたは郵便で依頼する。
 本は郵便振込用紙を同封して注文者に送る。 (頒価+メール便+クッション封筒)=1200円弱を請求する予定(実費請求)。
 注文者は郵便振込用紙を用いて支払いを行う(東京蜘蛛談話会会計宛)。つまり後払い。
 販売実績報告は発送担当者が行う。談話会会計は図鑑の件は特別会計扱い。
 (10)ウェブ上での図鑑を公開予定。新たにドメイン[tokyospider.net]を取得して,図鑑のPDFを公開する。今年度中に準備する。
 オープン・アクセスでフリー(無料)で公開する。プロバイダーの費用は例えば,年間 5670円+3990円+月使用料=9660円強。
 (nifty La Coocan スタンダードの場合。上限は4GB。独自ドメイン取得)。
 ウェブ上の図鑑はデータ投げ込み窓口を設定したり、同定に役立つ情報を追加していくことが可能。   

   『クモ基本60』注文について

 会員の方には完成後、1部贈呈・郵送されます。
 非会員の方や追加で注文される方は池田まで、(1)住所と郵便番号、(2)氏名、(3)電話番号かメルアド(メールで注文された方は無要)、(4)冊数をお知らせください。頒価千円/冊+送料+クッション封筒で1冊当り1200円弱で販売します。支払いは郵便振替で後払いでお願いします。予約も受付けています。****MAIL

   『クモ基本60』原稿A4版を持参し、5月19日 日和田山の観察会で初心者を自認する方々に使ってみたところ・・・・・

   (1)使い方   クモが採れる⇒池田が同定⇒『クモ基本60』の該当ページを見る。記録率を見る。トレース図とグラフで特徴を説明する。
   (2)トレース図の評価  特徴がクリアで良い。白黒写真より明瞭。基本種の写真近くにあったほうがひと目で把握できる。
   (3)グラフの評価 採った段階の見当をつけるのに役立つ。必須。(割合の数値よりバーの有無に注意が向いていた)
   (4)記録率の評価  知らなかった種の記録率が高いと覚えなくてはという意欲がわく。(例イタチグモ、シボグモ)
   (5)文章量の評価  その種について知りたいことがたくさん載っているほうがよい。多ければ多いほど良い。
   (6)『基本60』に載っていない種で採れた主な種  イズツグモ(♀3頭、スギ植林地)、コケヒメグモ♀♂(シモフリヒメ?要確認)、
           ウデブトハエトリ♂、エキスハエトリ♀、アシヨレグモ♀、ザラアカムネグモ♀、カラオニグモ♀、キベリミジグモ♂
           ほかの種はすべて載っていました。珍しかったのはフタホシテオノグモ♂♀(和山さん採集) 金色!
     
      「中島はる先生を偲ぶ会」   偲ぶ会実行委員会(音楽空間「武宮」ほか)   修了しました
      申し込み 5月15日まで  偲ぶ会日時 2013年6月13日(木) 17:00〜  会場 めぐろパーシモンホール 小ホール
      

    日本蜘蛛学会 第45回 大会の案内   2013年8月24日(土)〜25日(日) 高知大学物部キャンパス   修了しました

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活動履歴

(1)1998年度1999年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 98年度99年度別ファイルになっています
(2)2000年度2001年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 00年度01年度別ファイルになっています
(3)2002年度2003年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 02年度03年度別ファイルになっています
(4)2004年度2005年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 04年度05年度別ファイルになっています
(5)2006年度2007年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 06年度07年度別ファイルになっています
(6)2008年度2009年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 08年度09年度別ファイルになっています
(7)2010年度2011年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 10年度11年度別ファイルになっています
(8)2012年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 12年度別ファイルになっています

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.東京蜘蛛談話会会誌
および談話会通信
について

 (1)東京蜘蛛談話会 通信   編集者:谷川明男
     原稿送付先は〒247-0007 横浜市栄区小菅ヶ谷1-4-2-1416 
      ******MAIL 

 (2)東京蜘蛛談話会 会誌  

    → 原稿送付先:〒194-0041 町田市***** 仲條竜太

               〒258-0018 足柄上郡大井町***** 池田博明
           
    e-mailでテキストファイル(またはワードファイル)で送ってくださっても結構です
        メールは仲條または池田へ


 (3)会誌 「Kishidaia 1-100号総目次 pdf」

         『クモ生理生態事典』では小さな観察記事もひろって掲載しています。目次と併せて
        使えばREFERENCEができます。事典には主に次のふたつの会誌から掲載しています。

    * 日本蜘蛛学会会誌 Acta arachnologica  「Acta 目次  (1936年から48巻1号までの分)
         目次作成者:谷川明男/池田博明

    * 日本蜘蛛学会誌 Atypus  総目次 「Atypus 総目次」(1952年から1992年まで100号発行されました)
         目次作成者:谷川明男 

   *『クモ生理生態事典』(改訂版.2010年.編著 池田博明・桑田隆生・新海明)
     クモの種毎にこれまで調べられた内容を引けます。
     ただしファイル・サイズが大きいため,ファイル転送には30秒以上かかります。


 (4)会誌バックナンバー pdf (72号以降は谷川のサイトで) 
   先は長い・・・逆順で気長にやります。
   正順でpdf化なさりたい方は遠慮なくお申し出下さい。

71号pdf【18MB】 70号pdf【16MB】 69号pdf【3.7MB】 68号pdf【3.4MB】 67号pdf【4.1MB】
66号(1)pdf【4.9MB】 66号(2)pdf【3.7MB】 66号(3)pdf【3.6MB】 66号(4)pdf【5.9MB】 65号pdf【12.5MB】
64号【**】 63号【**】 62号【**】 61号【**】 60号【**】
59号【**】 58号【**】 57号【**】 56号【**】 55号【**】
54号【**】 53号【**】 52号【**】 51号【**】 50号【**】
10~7号【4.0MB】 6~3号【3.2MB】 2~1号【2.6MB】 1~10号は新装版


Ⅴ. 東京クモゼミ報告(池田博明作成)
 
              BACK TO HOMEの設定はしていません。201号からはpdfファイル

 池田博明のクモゼミ等にて発表した内容の紹介(一部). ファイルを提供頂ければ他の方のも案内します。
 ただし,アサヒネットの上限を超過したため一時削除したファイルがあります。
 閲覧希望の方は池田へ連絡をして下さい。
クモの色彩と色素(pdf) クジャクハエトリ(ppt) クモの足はなぜ8本なのか(pdf) クモの足はなぜ8本なのか(pdf)
クモの足はなぜ8本なのか(pdf) クモの環境適応と進化(pdf) クモの環境適応と進化(pdf) クモの環境適応と進化(pdf)
ボルネオのハエトリ(ppt) 熱帯ユウレイグモの網(pdf) ボルネオの野菜と果実(ppt) Nentwig,1987クモの餌(pdf)
蝿取のサイズと食いわけ(pdf) クモの毒の進化(pdf) 「ヤモリの指」クモ糸活用(pdf) 円網の進化 (pdf)
クモの栄養学(pdf) 円網単系統:分子的証拠 糸腺の比較組織化学Kovoor 関口晃一蜘蛛研究(pdf)
happy face spider解説(pdf) USAクモ糸の絵本(ppt) クモの系統樹2013(pdf) 関口青年の青春
環境データの集積(pdf) 篩板糸(pdf)
Ecophys.22章
昆虫とクモの体色1(pdf)
Ecophys23章(前) 昼行性
昆虫とクモの体色2(pdf)
Ecophys23章(後) 夜行性
瞬間的体色変化
Ecophys.26章
クモの人工餌(pdf)
Ecophys.29章
カニグモ体色変化(pdf)
Ecophys.25章
集合腺(pdf)
Ecophys.21章

★東京クモゼミは誰でも参加できるゼミです。
 年齢や参加資格は問われません。
 千葉県市川市の加藤輝代子さんのお宅で行われています.
 集合は午前11時にJR市川駅の改札を出て
    右のチラシスタンドの前辺り。(右図参照)
 その後,バスで移動しています。
 松戸車庫行きのバスに乗り、5分後,「栗山」で降ります。

  クモゼミは第一土曜
  または日曜日に加藤さんのお宅(207号室)で予定.
 

  次回は,2014年3月1日(土)です

    
    
Ⅵ.バックナンバーは,谷川明男クモホームページ
     (谷川氏のデータベース、遊絲、Kishidaia談話会通信など)
   → http://www.asahi-net.or.jp/~dp7a-tnkw/

BACK TO IKEDA  HOME = SPIDER DATA




Spider Silk is much produced artificially by SPIBER.

説明: 澤田和久作
蓋と中蓋(押し込み式)の様子
サイズは
<大>No.7 (H=78mm, φ=35mm)
<中>No.5 (H=55mm, φ=27mm)
<小>No.3 (H=45mm, φ=21mm)
スクリュー管容量は
<大>約50mL
<中>約20mL
<小>約10mL

注文は1本単位で
受け付けます。
<大>110円
<中> 70円
<小> 50円

他に送料がかかり
ます。支払いは
郵便振替で。
■注文は,****MAIL スクリュー管の提供は「ともだち館」で行なっています

●立体しかけ絵本  『タランチュラ』

説明: http://homepage3.nifty.com/~hispider/seminar/unocovertarantula.JPG
Uncover TARANTULA
傑作です。2005年12月,
講談社より日本語版が
出版されました。

説明: http://homepage3.nifty.com/~hispider/tokyoss/tarantulabody.JPG
『立体モデル大図鑑 タラン
チュラのからだ』訳・八幡明彦
2800円 講談社より



新井浩司 記録・製作映画 『Spider World』 内容紹介
クモの好きな方々に楽しんでいただくとともに、一般の方へクモに関心を持っていただくために記録・編集しました。詳細内容は別記

National Geographic タイトル 「サムライ・スパイダーズ」(字幕)    2005年8月14日(日)夜9時~10時放映。   詳細内容は別記


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    東京蜘蛛談話会規約

1. 会の性格
 本会は、クモ愛好者の集いである。クモに関心のある人なら、専門研究者、アマチュアの別なく、また、年齢、性別の制約を受けず、互いに集まり懇談することを旨とする。   

2. 会の目的
 本会は、上の性格に基づいて、会員相互の親睦、連絡をはかること、愛好者の底辺を拡大すること、および専門研究についての案内、方向付けをすることをその目的とする。

3. 会の活動
 本会は、上の目的に沿うために、次の活動を行なう。
 (1).会誌および談話会通信の発行。
 (2).例会、採集観察会、講演会、映写会、総会等の開催。
 (3).その他、会の目的を達成するのに必要な活動。

4. 会員
 所定の会費を納めた人を会員とする。会員は、本会の行う全ての活動に参加することが出来る。また、会誌KISHIDAIAの配布を受け、投稿することができる。
 (1).入会 会費を受領したときをもって入会とする。(当年度入会。希望により次年度の入会を認める。)
 (2).退会  a.退会届けを受領したときをもって退会とする。 b.会費を2年間未納したときをもって退会とする。
 (3).団体はその代表者が個人として入会する。代表者以外については規約7を適用する。

5. 会計
 本会の経済的運営は、会費、寄付金、その他の収入を基とする。
 (1).会費の区分は、一般会費と学生会費とする。金額は別に定める。
 (2).会計年度は、4月1日より翌年3月31日までとする。

6. 会の運営
 本会の活動を円滑に行うため、会長、運営委員を置く。
 (1).会長は本会を代表する。
 (2).運営委員会は会長と運営委員によって構成し、本会の性格に基づく目的の達成に必要な諸活動の企画、実施を合議の上行う。 運営委員会内に、事務局、会計、編集、総務の係り等を置く。会長及び運営委員は総会において承認を受けねばならない。 運営委員の任期は2年とする。ただし、再任は妨げない。
  ①事務局 会に関する総務、会員の入大会等。
  ②会計 会費の受け入れ等
  ③会誌編集 会誌KISHIDAIAへの投稿原稿受け付け、発行、発送等。
  ④通信編集 談話会通信の原稿受け付け、発行、発送等。

7. 会員外の会活動への参加
  「2.会の目的」に沿い、会の認めた活動に対し、会員外のクモ愛好者・クモに興味のある人への会活動への参加を認める。
 (1).出席した活動の必要経費は、会に納入する。

8. 規約の改正
 上の規約の改正については、総会において討議し、出席会員の3分の2以上の承認を受けねばならない。改正についての議題は、全会員がその提出を行うことができる。

                           以上
別表1
 会費は年額、一般会費3800円、学生会費は2000円とする。

 (1977年6月26日改定・1988年6月12日一部改定・1998年4月29日会費額改定)
 (1989年5月10日改定・2002年4月21日改定)  


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SPIDER FIGURE

チョコエッグ 毒蜘蛛
シドニージョウゴグモ 傑作 セアカゴケグモ クロゴケグモ
タランチュラ カバキコマチグモ カバキのちまき住居

▼オキナワキムラグモ   クモはフィギュアです。野外の人工巣に置いたものです  撮影・新井浩司


▲組立部品と組立過程  池田撮影



IKEDA’s Opinions for Nature 
●池田は少年写真新聞社『理科教育ニュース』No.887(2013年7月8日発行)「どの魚の歯かな?」監修および指導資料「魚の歯と食性」を執筆しました。調べてみると大変面白いテーマでした(5,June)。
●サイエンス・ライターの活動として池田は、『理科教室』2013年2月号に「生命活動を支えるイオン」(高校生物におけるイオン学習)、少年写真新聞社『理科教育ニュース』No.873(2013年2月8日発行)「脂肪や体毛で寒さに耐える」監修および指導資料「哺乳動物の耐寒・防寒」を執筆しました(30, Dec.)。
●自然保護を標榜する人は極端化して、すべての開発を悪徳とみなす場合がある。しかし、そんな都市の住民のエゴイズムが地方を衰退させている現実がある。学者も地方の衰退を正す施策を持っていない。地方を衰退させている土地利用規制の実態を告発する本が出版された。 関心のある方は案内をどうぞ。(2012年8月)
●2012年5月28日、世界自然遺産に指定された小笠原諸島では観光客が外来種を持ち込むことを阻止しようと、観光客を制限する措置を決定。自然環境は「変わるのが自然」なのに、奇妙な方策をするものである。「人為的」を英語では「artistic」という。アートもヒトの営為である。「外来種を持ち込んではならない、在来種を守れ」という主張に潜む排外主義は健全な精神のなせるわざではない。坂口安吾の「日本文化私観」や「堕落論」のほうがずっと健全だ。
IKEDA's Opinions for Culture
●キネマ旬報のベストテンでも日本映画のベストワンに『ペコロスの母に会いに行く』が選出されました(1月9日)。
●NHK EテレのETV特集で 記憶は愛である 森崎東・忘却と闘う映画監督  2013年12月21日(土)23:00より60分(再放送は12月28日0:45=27日深夜)。ヨコハマ映画祭で『ペコロスの母に会いに行く』が2013年度の監督賞を受賞。映画はベストテン第3位。
●NHKの朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』には、きちんと食べることの大切さが打ち出されています。 「孤食」(ひとり食べ)などという言葉が話題になる昨今、それとは反対のメッセージを伝えています。 ちなみに、池田小百合著『お話し大好き家族の時間』(文芸社、1500円。『満点ママ』改稿)は、家族みんなで食べることを一番に考えた子育ての記録です。 ご注文は池田宛メールで(+を@に変えて下さい)可能です。(30,Oct)
●蜘蛛と無関係ですが8月20日に発売された、山田洋次名作映画DVDマガジン第17巻 『馬鹿が戦車でやって来る』(講談社) は戦後日本の喜劇映画のベスト・ワン作品です。レンタル店にもあります。未見の方は是非ごらん下さい。
●8月4日(日)午後1時からNHKアーカイブズで『アンダルシアの虹』が30年ぶりに放映されました。 『四季 ユートピアノ』のスピン・オフ作品『川の流れはバイオリンの音』で始まった「川 リバーズ」シリーズの第2作。舞台はスペイン。 演出は佐々木昭一郎、主演は中尾幸世で中尾さんがリバーズでもっとも好きな作品と言っている一篇です。ちなみにクモは登場しません。
●勝新主演・演出の伝説の刑事ドラマ『警視-K』が再放送、6月28日(金) 実際は29日(土)午前1:30~7:00で第1話~第6話まで、引き続き第7話〜第13話も放送されました、BS日本映画専門チャンネル。 CS時代劇専門チャンネルではテレビ版「座頭市物語」勝新演出セレクション(7月1日から)や「河内山宗俊」が再放送されています(6月下旬から)。勝新演出の凄さがわかります。
●大型連休に伴って風疹や鳥インフルエンザ対策が叫ばれています。 インフルエンザに関する基礎知識は池田執筆『生物基礎』指導書朱註(啓林館) を参考にしてください(28, Apr.)。
●NHK朝の連続ドラマ「あまちゃん」は大笑いだった(4月1日)。クモと関係ないので欄外へ。
      
               『純と愛』と『あまちゃん』    2013年4月1日   IKEDA

 怒鳴ってばかりいる登場人物に閉口してほとんど見て来なかった『純と愛』が終わって、NHKの朝の連続ドラマも新しくなった。『純と愛』は「本当の心が見える」主人公だったが、本当の心などを見て人間関係など築けるわけがない。人間社会は「良い誤解」で成り立っているのだから。「隣のひとはみんな善人」と誤解し合うことで世間で生きていけるのである。本当の心などをいちいちのぞかれたのでは、わずらわしくって生きていけない。そのためか、愛(いとし)君の超能力が消えてしまってからのほうがドラマが落ち着いてきたし、最初はこれほどイヤなやつはいないほどだった、ヒロインの知人たちが、すべて実は良いひとだったと変わってしまったのも予想通りだった。だいいち本心があれほどいやな人物で終わるのだったら、役柄を引き受けるひとがいないはずである。つまり、本心なんて見ないほうが幸福なのである。擬制の幸福こそが生きる糧なのだ。そういえば、中島みゆき作詞・作曲、桜田淳子の歌に「しあわせ芝居」という名曲があったなあ。

 さて、宮藤官九郎(クドカン)の脚本による「あまちゃん(海女ちゃん)」は、最初から曲者女優ぞろいの方言全開ドラマで、『純と愛』とはまったく異なる展開を予想させる。つまり、これは田舎のファンタジーである。地の果てみたいな不便な岩手県の漁村を背景にしたおとぎ話である。井上ひさしの『吉里吉里人』をドラマ化したようなものである。字幕で翻訳が必要な方言は日本語なのにほとんど何を言っているのか分からない(東北人の私には少しわかる)。しかも、その方言を話すのが<木野花>であり、<渡辺えり>(山形県出身!)であり、<美保純>(傑作映画『俺っちのウェディング』のカッペ=田舎っぺを思い起こさせる話し方)であり、<片桐はいり>である。故郷が嫌で袖ケ浜を離れ、すっかり都会化した母親は<小泉今日子>で、ベテラン海女の祖母は<宮本信子>である。ヒロインを取り巻くこの顔ぶれと方言を毎朝見聞きするだけで笑いが止まらない。
 追記:第2回から方言は減った。音楽担当は大友良英。山下毅雄(アニメの『ルパン3世』)をリスペクトする音楽家である。
 「あさいち」にクドカンが出演して語ったところによれば(5月24日)、完全な方言で字幕付きの試みは第1回めだけの実験だったとのこと。こんな調子でいきますよと視聴者に広言する役割をもたせたのだという。
 


2012年度記録
(2012年1月1日~2013年2月10日)


事務局:初芝伸吾 HATSUSHIBA, shingo
〒186-0002 東京都国立市*****
Tel:042**** Fax:042*****
****MAIL


郵便振替口座 00170-8-74885 東京蜘蛛談話会 
   会費は年間 3800円
 (学生は2000円です)

会計:安田明雄
〒231-0861 横浜市****


会長
:新海栄一

本部:小野展嗣
 〒305-0005 茨木県つくば市天久保4-1-1
国立科学博物館 動物研究部

運営委員:池田博明、小野展嗣、木村知之、甲野 涼、
新海 明、谷川明男、萩本房枝、初芝伸吾、仲條竜太
安田明雄、八幡明彦

会計監査;梅林 力、加藤輝代子

 熊田理恵『クモ入門講座』パンフレット【PDFファイル】
 初心者用 道具・採集法などの解説

 このウェブの内容(項目)
Ⅰ 2012年 談話会TOPICS 
ⅡA 2012年度 活動計画
ⅡB 2011年度 活動記録
Ⅲ 談話会活動履歴 
Ⅳ 会誌および通信
Ⅴ 東京クモゼミ
Ⅵ バックナンバー
   談話会規約 

P R : LINKS

Ⅰ. 2012年 クモ TOPICS  (日付逆順。編集・池田)

◆NEWS OF JAPANESE SPIDERS◆TOPICS◆
 Kiyoto OGATA discovered and took the photographs that the species of the spider Patu kishidai caught and fed the mite in nature. (July 28, 2012)

 Akihisa ANDO discovered that the Trachelas spider (Trachelas japonicus) deposited the glue on the cocoon, then she stuck the sand grains on it. What is the mysterious glue? (Dec.8, 2011) And then, the other spider made an mysterious solution on cocoon was Orthobula spider.(July 8, 2012)

 Shigeru ASAMA took the photograph of pollen eaten the theridid spider (Anelosimus crassipes) and the subadult male of the species was eating the pollen directly. A few pollen feeding by spiders was reported. (Dec.8, 2011)
 
★アサヒネットのホームページの容量上限超過のためpdfファイルやpptファイルを一時的にネット上から削除しました。リンク先につながらない場合に、希望の方は面倒でも池田まで連絡をして下さい。ご希望のファイルをメールへ添付して送ります。
中島晴子(作曲家・中島はる)さんが、2013年2月7日に亡くなられました。故人の遺志により葬儀は近親者のみにて行われました。ご遺族よりご香典・供花・供物等は辞退されておられます。
●2013年2月10日(日)、2012年度の2月の観察会が小田原市わんぱくランド及びいこいの森にて行われました。年間を通しての仮目録(pdfファイル)を作成しましたので参考になさって下さい。訂正・追加・同定結果などはメールにて池田までお寄せ下さい。
●NHKの「ダーウインが来た!スペシャル 日本の動物たちはスゴかった」(2月9日午後7時30分から60分間)にムツトゲイデキグモが登場しました。第2章「匠のワザで生き抜け」に7時52分から1分間。撮影の吉田嗣郎氏より、談話会の皆様の活動の賜物とお礼の言葉がありました。
●2013年3月下旬に丸善出版からブルネッタとクレイグの『Spider Silk』の訳本が出るようです。訳者は三井恵津子氏。本の題名は「クモはなぜ糸を作るのか(仮題)」とか。
●2013年1月4日、種子島から打ち上げられたロケットにハエトリグモが搭載された実験の速報が、企画のステファニー女史から届きました。大意は「連絡が遅くなってごめんなさい。7月21日、日本のHTV-3ロケットに搭載された2種のハエトリグモ、ゼブラハエトリSalticus scenicus とセアカハエトリ Phidippus johnsoni についてお知らせします。国際宇宙ステーション内で両種とも食欲を示しましたが、ゼブラハエトリはもっぱら隠れがちでした。両種ともショウジョウバエを与えられると宇宙でもちゃんと捕獲に成功しました。私は確認していないのですが、両種ともその後もジャンプしてハエを捕まえてはいたようです。 ウエブ(このウェブはハエトリとは関係ないのですが)をディグすればセアカハエトリがジャンプする映像が見られます。餌なしでも約100日は生きますのでハエの寿命が尽きる後半50日も大丈夫でした。地球への帰還の旅でセアカは生還しました。面白い映像が撮れています」
●談話会例会の会場として使用させていただいておりました東京環境工科専門学校は2013年の4月に錦糸町へ移転します。新校舎の案内がウェブ上にあります。2013年からはこの新校舎をお借りする予定です。お間違えのないようにご注意ください。
●島野智之さんの『ダニ・マニア』(八坂書房,1995円)が発刊されました(2012年12月25日)。無害なダニであるササラダニを中心にダニの多様な生き方を紹介した本です。著者割引では1600円ですが、Amazonから購入しても送料無料ですからたいして変わらないのでAmazonで購入なさって下さい。
●Kishidaia、101号が発送されました。『毒グモ騒動の真実』について、日本蜘蛛学会関係誌でもきちんと読み込んだ解説がありませんでしたので、池田が解説を書きました。辛口ですが正確を期していただきたいという趣旨です。
●映画監督の佐々木昭一郎さんから届いたクリスマス・メッセージです。ストリート第九です。音楽は画面に合わせてミキシングしたものですが、最高度の技術で編集されています。“空港で「ボレロ」”のplayers(演奏グループ)はCobwebs(クモの巣)と命名されています。
●『新クモ基本50』の写真を提供下さる方、写真募集の締め切り(12月31日)が近づいております。お手持ちの良い写真がありましたら是非ご提供下さい。『新クモ基本50 野外識別図鑑』収録予定クモ写真募集
●2012年12月20日に日本蜘蛛学会誌, Acta arachnologica, vol.61, No.2が届きました。夏の日本蜘蛛学会大会報告が載っています。早い対応に驚きです。沖縄本島から下謝名松榮氏がアワセイソタナグモ Paratheuma awasensis を記載しています。分類関係は、中国産ヤドカリグモ、トルコ産ザトウムシ、ラオスの蜘蛛などの論文。生態の論文として弘中豊・安倍弘「カバキコマチグモが営巣に利用する植物の多様性」があります。
●サイエンス・ライターの活動として池田は、『理科教室』2013年2月号に「生命活動を支えるイオン」(高校生物におけるイオン学習)、少年写真新聞社『理科教育ニュース』No.873(2013年2月8日発行)「脂肪や体毛で寒さに耐える」監修および指導資料「哺乳動物の耐寒・防寒」を執筆しました。
●宮下直氏が工作舎のホームページで「第6の大量絶滅時代を救う知恵」を連載中です。 12月中旬現在第4回目でクモの話題があります。テキスト部分(第1回〜第4回)だけpdfにしました。
●Kishidaia,101号は12月16日発送予定でしたが、21日現在、印刷は完成しています。発送先確認中です。
●12月2日(日)の例会のプログラムです。
■まったくクモとは関係ないので、この項目は2月末に削除しますが、1980年の勝新主演・監督の刑事TVドラマ『警視-K』がBSの日本映画専門チャンネル・岩井俊二監督presentsマイリトル映画祭として放送されます(1月12日から2話ずつ毎週土曜に放送。全13話)。先行番組は12月6日(実際は7日の午前)を皮切りにセレクト作品3話(第3・5・11話)がときどき放送されます。ハイビジョン化されたうえに、音もクリアになっていて、本放送のときより良い状態です。放送当時は同時録音・台本なし・即興演技等あまりに前衛的なドラマだったため、話が理解できない、セリフが聞き取れない等、評価は散々でした。一部には熱狂的に支持されましたが・・・。ちなみに池田の日本映画ベストワン作品は勝新のワンマン映画『顔役』です。『警視-K』も絶賛していますが、視聴者の理解は得られなかったようです。ようやく時代がカツシンに追いついたということでしょうか。日本映画専門チャンネルの宮川朋之プロデューサーに拍手!。
●11月20日(火)、NHK『純と愛』にアシダカグモの♂が出演(第44回)。NHKオンデマンドでも見られます。タイトル前、アパートでの朝食時、純が強がっていると、愛(いとし)君が「縁起が良い」と言う。純が愛の視線の先を見ると畳の上にアシダカグモのオスがいた。途端に怖がる純。愛は「朝蜘蛛は縁起が良いといいますが」と説明するが、純が怖がっているので、愛はクモを外へ出してあげる。
●2012年11月14日18:20頃、NHK首都圏ネットワークで、環境省が本日、福岡県でかまれた女性が呼吸障害に陥るとか、神奈川県川崎市で発見されるなど、セアカゴケグモが生息圏を拡大しているのに伴い、消毒法などのガイドラインをまとめることになったという報道がなされた。
●エイミー・スチュワート『邪悪な虫』(朝日出版社)にはクロゴケグモ、ドクイトグモ、ブラジルドクシボグモ Phoneutria nigriventer などが取り上げられています。記述はそこそこ妥当なものでした。原著題名はWicked Bugs、エイミーはニューヨーク・タイムズに寄稿するサイエンス・ライター。
●小田原市わんぱくランド・いこいの森の仮の5月7月10月クモ記録pdfです。
●東日本大震災当時、官房副長官だった福山哲郎『原発危機 官邸からの証言』(ちくま新書)が原発事故初動の記録を欠かさず付けた私の見解からは納得のいく内容だった。マスコミの見当違いな官邸批判には言葉を失う。なにか軸が狂っているとしか思えない。原発事故に関しては、文藝春秋に連載していた柳田邦男氏の検証論文が改訂増補されて本になるのを待とう。
求む!アダンソンハエトリのオス。チェコの研究者Hulaが日本のアダンソンハエトリ(オス。生きたまま)を探しています。もし採取されたかたは本多佳子さんへ連絡して下さい。本多さんのメルアドは<at>を@に変えて下さい。Hulaは染色体の研究者です。[追記:黒田アキさんからHulaへ送られました。ありがとうございます。無事到着しました。]
●ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥京都大学教授が「研究は10%も成功したら大成功。90%は失敗。失敗に耐えることが大事」と言っておられた。生物学の研究では特にその思いが強い。中学や高校の科学賞受賞者が意外に研究を長続きさせずに止めてしまうのは、指導者が失敗しないように敷いた道を歩くことで成功体験をもつため、失敗の連続という苛酷な現実に挫折してしまうからだと思う。私個人は学校教育とは常識を育成することにあると考えている。つまりフツウの人に育てるのが学校教育である。英才教育ができるほど教育学は成熟していないし、学校教育でそれができるなどというのは教員の思い上がりだ。天才や秀才は邪魔さえしなければ自分で伸びていく。そして教育者は求める人の前に出現するものだ。路傍のホームレスの人だって、ある人にとっては教育者になるかもしれない(渡辺一夫の「ほんとうの教育者はと問われて」の受け売りです)。
●田仲義弘『狩蜂生態図鑑』(全国農村教育協会、2012年9月19日、2500円)には、クモもかなり登場します。ベッコウバチ科はクモバチ科と名称が変わりました。池田は以前に、ハエトリグモを狩ったPison属のハチを報告したことがあるのですが、この本によるとそのハチの正体はナミヒメクモバチ Auplos carbonarius とされていました。この本にはクモの種名は記述されていませんが、写真からかなりクモの種名がわかります。ハチの本であるとともにクモの本でもあります。
●菊屋奈良義さんの『イノシシ母ちゃんにドキドキ』(白水社、2012年10月10日発行、1800円)が発刊されています。農家にとって迷惑な動物として語られることの多い野生イノシシの生態が書かれています。
●談話会通信136号がお手元に届いたことと思います。18ページ目に池田「ラベルが読めない」の記事がありますが、標本を粗略に扱っているように誤読されると水山さんから意見がありました。原稿の文責は池田にあります。要訂正の予定です。
●2012年度12月例会は12月2日(日)です。
●鹿児島大学の山崎健史氏が日本のアリグモのうち、アリグモ M. japonica を再検討するために、タイプ産地の函館周辺の材料を探しています。お持ちの方は山崎氏まで連絡をして下さい。山崎氏のメルアドは<at>を@に変えて下さい。
●10月4日(木)NHK朝の連続テレビドラマ『純と愛』第4回にアシダカグモ雌が登場。ヒロインの合格を伝える電話をまともに聞こうとしない父親(武田鉄矢)はクモが怖い。息子たちもクモが怖い。母親(森下愛子)がウチワに載せて逃がしてあげるという展開だった。 萱嶋泉氏が奄美大島での体験をもとに南西諸島では「アシダカグモが家に入るとハブがクモを追いかけて家に来る」という言い伝えがあると記録していたことを思い出した(誠文堂新光社『アシダカグモ』より)。もっとも、鶴崎展巨氏は舞台となっている宮古島にはハブが分布していないし、キャラクター設定では父親は大阪出身で沖縄出身者は母親だから言い伝えを生かす展開なら母親がクモにきびしい処置をするはずと指摘している。クモ提供は伊丹市昆虫館の奥山清市氏。後ほどオスも登場するそうです。
●2012年9月中旬に日本蜘蛛学会誌, Acta arachnologica, vol.61, No.1が出ました。ハエトリグモの新種・新記録種が報じられています。 須黒達巳・八畑謙介氏による先島諸島のミカヅキハエトリEvarcha selenaria SUGURO & YAHATA, 2012、 須黒氏による奄美大島・沖縄本島のマスラオハエトリ Thiania suboppressa STRAND 1907、 山崎健史・黄俊男氏による奄美大島・沖縄島・久米島・台湾のムナビロアリグモ Myrmarachne lattithoracica YAMASAKI & HUANG, 2012である。ムナビロアリグモは池田が谷川明男氏採集品をオオアリグモと同定した種である。谷川明男氏は北海道からカムイハシリグモ Dolomedes senilis SIMON, 1880を報告し、東北地方(青森県青森市と,談話会合宿を行った山形県西置賜郡小国町)からはミチノクハシリグモDolomedes pegasus TANIKAWA, 2012 を新種記載した。小池直樹氏は岩手県からゼニフキナミハグモ Cybaeus zenifukiensis (KOMATSU, 1968)の雄を記載、吉田哉氏はジャワ島のYunohamaella takasukai YOSHIDA, 2012を新種記載、中国のHu & Zhangは中国の雲南省のツチカニムシの一種を新種記載した。谷川明男氏が関口晃一氏の訃報・追悼記事を書いている。
●9月14日(金)のNHK「あさいち」でゴケグモ情報が出る(清水裕行氏より12日(水)に取材ありの情報)。番組冒頭に尖閣諸島に中国船が侵入のニュースが入りました。その後、ほぼ12分ほど「あの毒グモが・・・近くに」という報道。福岡市東区で履物に入ったセアカに咬まれた86歳のおばあさんの例、野洲市の小学校の側溝で発見された例の後、過去の咬症例は63例、発見例は1995年は3府県だったが、いまや21府県というフリップの後、加村隆英さん(追手門学院大教授)が解説及び実地検分。一匹のメスが6個の卵嚢を作成するとして1個50~200卵なので子グモは千匹以上になる。日当たりのいい環境を好み、在来のクモが好まない新たな環境に住み拡大していると説明。レポーターは自分から咬みつくことはない、駆除は殺虫剤で行い、卵嚢は踏み潰すか焼くことを勧めていた。万一咬まれた場合には温水や石鹸水で洗い、すみやかに病院へ(殺したクモをできれば持参)。重症化する例は少ない、と説明。
●LEDの目が光るラジコン蜘蛛が発売されています。BLACK WIDOWという名称のゴケグモ類似の斑紋です。こんな玩具を買う人がいるのでしょうか。H女史がこの小形版(?)を持っていましたが、彼女の目のほうが輝いていました。Amazonでも購入できますが、在庫の1個は私が買ってしまいました。すみません。(中国製です。操縦機には普通のスーパーには売っていない9Vの乾電池が必要です。蜘蛛側にいれる1.5V乾電池の入れ方は取り扱い説明書が間違っています。逆方向には入らないんですが・・・。スイッチの位置も間違い。取り扱い説明書は製品を見ないで作られるようです)。
●中島はるさんの男声合唱曲を歌う羅漢の第三回定期演奏会が10月14日(日)に開かれます。この日は談話会の観察会と重なっていますが,観察会が終了してすぐに小田原から渋谷に向かえばギリギリ間に合うと思われます。
●日本蜘蛛学会第44回大会で特別講演された合成クモ糸繊維の開発の関山和秀スパイバー(株)社長は今年度の山形県科学技術奨励賞を受賞,その研究発表が山形県庁講堂で行われます。一般聴講が可能。発表は,9月10日午後1時半から,山形市の県庁講堂にて。問い合わせは山形県工業振興課023-630-2312。
●8月30日です。『キューバのサソリ』(英文)という本が8月26日に出版されましたが一般書店には出ません。キューバには54種類のサソリが生息しているそうです。美しい生態写真も豊富で(カラー写真は636枚),サソリ好きには垂涎の本になりそうです。欲しい人は著者に直接注文して下さい。価格は6000円ほどです。
 Scorpions of Cuba. A new book in English by Rolando Teruel and Frantisek Kovarik. The island of Cuba hosts the most diverse scorpion fauna per area, and this book is the result of its long-range studies.
 Treated are all 54 species in the form of keys, comments on morphology, habitats and distribution maps, 636 color photos depicting preseved as well as live specimens, their mating, parental care and localities, and presented are descriptions of two new taxa - Cryptoiclus rodriguezi gen. et sp. n. (Diplocentrinae) and Microtityus pusillus sp. n.
 More information on the book can be obtained at www.kovarex.com/scorpio, where 11 selected pages give an idea about the internal arrangement and appearance of the publication.
 The book can be ordered directly from the second author at kovarik.scorpio<at.mark>gmail.com.(<at.mark>を@に変更して送信すること).
 The price is 60 euros (75 USD), which includes postage.
●日本蜘蛛学会山形大会が8月25日・26日、霞城セントラル3階山形市保健センター(山形駅から2階に直結)で開催。無事終了。次年度は高知大学です。
英国蜘蛛学会のメインページには「ウェブ上のクモニュース」というリンクがあり、なかなか興味深いニュースが拾われていますし、原著論文へのリンクもされています。Topicからリンクをたどると色々な話題をサーベィできます。吸血した蚊を選択するハエトリEvarcha culicivora は吸血した蚊の形を触肢で識別しているとか、植物食のハエトリBagheera kiplingi の食事内容を安定同位体比で測定したところ、ベルシャン体というタンパク質が豊富な結節が90%を占めていたとか、研究者は「クモ界のガンジーです」と話しているとかが、報じられています。リセイハエトリの一種Lyssomanes viridis の第1脚が短くても顎の大きいオス個体のほうがメスを獲得できるというニュースもあります。もっともPhidippus clarus のメス同士の闘いではサイズだけがメスを獲得する利点とも限らず、なわばりメスが強いことが見られ、オス同士のような闘争マナーはなく相手を殺してしまうまで進むそうです。さらに繁殖段階に近いほうが勝つとも。闘争動機が強いからでしょう。研究者にも勝者の予測がつかないほどだといいます。この記事には「デスペレートな妻たちにはオスとは別のルールがある」と題されています。
●千石正一氏の遺著『つながりあういのち』(ディスカヴァー21)によれば、東京農工大学に入学した千石青年は嫌われ生き物としてクモ研究者になろうと思ったそうです。しかし同級生に国見裕久さんがいて「クモの研究をやる」と宣言したので「クモは彼に任せ」、両生類は松井正文に任せ、爬虫類を担当することにしたとか(49頁)。この本には加藤輝代子さんもコケオニグモ発見に驚いてくれたひととして登場します(125頁)。
●ズキンヌカグモ属のメスの同定に迷って安藤昭久さんに助けを求めたところ写真解説資料をわざわざ作成して下さいました。自分ひとりで使うのは勿体ないのでpdfにしました。安藤さんの許可を貰っていませんが・・・よかったでしょうか。
●大利昌久氏の『悪魔の感染症』(悠飛社,2012年.¥1890)を紹介します。外務省の医務官として世界各地で活躍された大利先生の感染症に関するドキュメントで、日中戦争や太平洋戦争、731部隊、湾岸戦争などで使われた生物兵器について、ジャーナリストも知らない実態が書かれています。イラク軍が国連軍に撃ち込んだスカッドミサイルに仕込まれた細菌を販売したのはなんと米国の会社である。その細菌のために米国の帰還兵20万人が発症、帰国後兵士の妻にも感染、奇形児も産まれた。英国軍人も1233人が死亡(そのうちの13%は自殺)。もちろんペンタゴンは否定しているが・・・。一読驚嘆します。Amazonでももう在庫なしの稀少本です。神奈川医師会報に寄稿された大利氏のpdf「悪魔の感染症」を御覧ください。この内容は本の第1章に相当します。第2章「パリからインド15000km」に大利氏のクモ研究が総括されています。 pdfで紹介
●7月31日、小田原市わんぱくらんどのムツトゲイセキグモ夜間調査報告。雌雄が発見されました。10月の観察会まで生残しているといいですが。
●7月29日、四会合同の高山合宿が無事終了しました。緒方清人さんからユアギグモがダニを捕食していることを伺いました。ユアギグモは花粉が主食ではないかと推定されていたクモです。そのクモの捕食習性の観察は世界初の快挙です。緒方さんにより発表予定です。
●7月24日発行で清水裕行・金沢至・西川喜朗『毒グモ騒動の真実』(全国農村教育協会,1800円)が発行されました。労作です。 1995年11月に始まった<毒グモ騒動>から今日に至るまでの「ゴケグモ情報センター」(清水氏運営)の記録は詳細です。ただし、日本の毒物学の権威でクモ毒にも詳しい中島暉躬博士の毒の論文や クモ毒の研究者・川合述史博士の一般書『一寸の虫にも十分の毒』(講談社、1997年)や『分子から見た脳』(講談社、1994年).『脳と毒物』(朝倉書店、1989年)、 大利昌久・池田博明『クモ毒液とクモ毒素』(J.Toxicology, 1998の和訳) などは参考文献から落ちています。また、池田『神奈川の毒グモ, ハイイロゴケグモの例』(1997)も参照されておらず、ハイイロゴケグモ発見の経緯は正しくありません。東京蜘蛛談話会で1995年12月16日に横浜でゴケグモ調査を行なった記録も落ちています!  どれも何年も前から印刷物でもウェブ上でも公開されている資料なのですが・・。セアカゴケグモは大阪府だけでなく四日市でも出現し、四日市の状況は三重クモ談話会の皆さんによって詳細に記録され、会誌「しのびぐも」に報じられているのですが、ほとんど記述に生かされていません。また、「クモ生理生態事典」にもセアカゴケグモとハイイロゴケグモについて記述しているのですが、参照された様子がありません。日本クモ学会が当時行った対策も正しく記述されていません。この本と合わせて[SPIDER DATA]の「毒グモとクモ毒」の項目を参考にしていただければ、より理解が進むと思います。 欠落部分の補足解説を執筆。会誌Kishidaia101号に投稿。仲條編集委員の助言を入れ草稿から 「検疫所への手紙/資料」、「毒物学」抜粋を除いて補足解説を書きました。
●日本蜘蛛学会第44回大会のプログラム(会場は山形駅のすぐ近くです)が、仮ですが出来ました。当日まで参加可能です。関心のあるかたはぜひこぞって参加なさって下さい。
2012年7月21日午前、種子島宇宙センターから打ち上げられた日本のロケット「こうのとり(HTV)」3号機にハエトリグモとショウジョウバエが搭乗しました。無重力下では餌捕獲できないのではないかというアイデアを試す実験です。採用された実験案はエジプトの小学生のもの。クモの選定等に鹿児島大学・山崎健史氏が協力しています。池田もコメントで協力しました。記事は読売新聞7月21日号に掲載されています。
●2012年7月14日(土)19:00Eテレ『地球ドラマチック』「スーパー・スパイダー 驚異!クモの世界」(45分)カナダ・フランス Nova Media TV制作(ディレクターはヴィンセント・アムルー)を放映。構成は空中分散から餌捕獲、ミズグモ、求愛、産卵、子守行動とディスカバリー・チャンネル風です。日本語版クモ学監修は小野展嗣さんです。NHKオンデマンド見逃し番組で7月29日まで見ることができます。
●小田原市わんぱくらんどのムツトゲイセキグモ夜間調査を7月31日に計画しました。別記予定を参照して下さい。参加希望の方は前日までに必ず池田へメールで連絡して下さい。小田原駅のいこいの森行きバス停(3番乗り場)に午後6時30分集合。バスは運行がないため自家用車で送迎します。調査時間は2時間を予定しています。
●Shawn WilderのSpider Nutriton : An Integrative Perspective.の概説をクモの栄養学pdfで提供しました(7月15日)。
●7月8日は昼頃小雨にみまわれましたが、なんとか大雨にならずに修了しました。仮の5月7月クモ記録pdfを出しておきます。
●観察会7月8日(日)小田原市の天気予報は曇りのち晴れのようです。午前中は「わんぱくランド」のわんぱくの森から、これまでにムツトゲイセキグモの卵のうの記録があった地点を巡回してみます。午後はいこいの森を探索します。

●4月のドイツのライプチヒでのロッシーニ作曲の歌劇『セヴィリアの理髪師』は、クラウス・グートの演出で、バルトロが「蜘蛛」で、彼の家は「蜘蛛の巣」、ロジーナは蝶、アルマヴィーヴァ伯爵はキリギリス、フィガロはトンボだったそうである。日本から見に行ったある人の評価は「演出が酷くて不快!」とか。歌劇の分野では古典オペラの過激な演出が流行しており、快く思わないひとの方が多い。グートの演出はトンデモナイものらしいが、蜘蛛関係者は見てみたいものかも。舞台写真を見ると円網は開こしき(アシナガグモの円網)になっています。モーツァルト作曲のダ・ポンテ三部作(『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『コシ・ファン・トゥッテ』)のグートの演出は、それなりに納得のいくものでしたが。
●今夏の山形での日本蜘蛛学会大会のシンポジウムの内容が発表されました。
●数少ない読むに価する書評家・斎藤美奈子の『本の本』(ちくま文庫,1500円)に「学研の図鑑の白眉であった『クモ』・・・」という記述を見つけました(p.754)。斎藤は断定する、「マイナーな生き物をきちんと紹介した本にこそ価値があるのに。復刊して!」。
●プルシンスキーの『世界のハエトリグモ』のURLは<http://www.miiz.waw.pl/salticid/main.htm>を参照して欲しいそうです。マディソンのページからアクセスできる以前のバージョンはミスが訂正されていないとのこと。プルシンスキーはデータベース全体を見直しました。
●次々号のKishidaia 102号では特集を企画しました。編集趣意書を参考に投稿して下さい。ただし、特集テーマ以外の投稿もOKです。
●『ビジュアル・ディクショナリー 英和大事典』(日東書院,5500円.2012年6月15日発行)は同朋舎『英和ビジュアル・ディクショナリー 分解博物館21』(1999)の補遺・改訂版です。この本は英絵事典で「クモやサソリのなかま」が,見開きで出ています。専門外の分野の訳語をイメージするのには重宝です。ちなみにクモのページでは,形態用語は正しく訳されていますが,クモの例示で外国のクモに付されている和名は不適当でした。「ウオツリグモ」にオウシュウハシリグモ,「イエタナグモ」にタナグモ,Nucteanaにコガネグモという不適切な和名が当てられています。他の箇所でも外国産の種に当てた和名は信用しないほうがよいかもしれません。
●若原正己『シネマで生物学』(インターナショナル・ラグジュアリー・メディア,1200円.2012年6月5日発行)は映画に登場する生き物に注目した本ですが,当然,蜘蛛も「蜘蛛の巣」に注目されて出ています。取り上げられた映画は『スパイダー・マン』,『シャーロットのおくりもの』,『ヴェロニカ・ゲリン』(クモの巣の入れ墨)。他の蛛形綱の生き物は出ていません。ただ,この本は映画の解説であって,映画のなかの生き物のトリビアを期待してはいけません。例えば『スパイダー・マン』の蜘蛛のことでしたら,八幡氏の解説のほうが詳しいし,『シャーロットのおくりもの』でしたら萩野氏の解説がありました。また,蜘蛛映画として有名な『アラクノフォビア』に登場する蜘蛛については谷川氏の解説が詳しいです。蜘蛛そのものが登場する話題の映画としては,「ハリー・ポッター」や『ビートル・ジュース』もありますね。若原氏は1970年代に池田が大学在学中に発生学実習でお世話になりました。映画好きとは知りませんでした。
6月11日、USAのバージニア自然史博物館の名誉キュレーター、リチャード・ホフマン博士が心不全により逝去。アメリカ蜘蛛学会会員で多足類(倍脚類)の分類の専門家でした。
●5月29日、岩波書店よりジンマー著『進化 生命のたどる道』が発刊されました。5880円、フルカラーの本です。クモの記述はありませんが、ダーウィン以前から最新の進化学研究にまで触れています。ジンマーの本にはすでに『「進化」大全』がありました。
 他にも書店に行くと『研究者が教える動物飼育 第2巻 昆虫とクモの仲間』(共立出版、2800円)とか、サイエンス新書『ぞわぞわした生き物たち』(金子隆一著、ソフトバンククリエィティブ)がありました。『動物飼育』はコガネグモについて山下茂樹博士、ハエトリグモに関して永田崇・小柳光正博士が書いていました。コガネグモは百円程度の虫かごで、ハエトリグモは管びんで飼育しているそうです。残念ながら、新知見はありませんでした。実際のところ、研究目的にもよりますが、コガネグモも管びんで飼育できますし(造網性では、特にリトリートを作るクモやボロ網のクモは飼育しやすいです)、ハエトリグモには前川式ホンチ飼育箱がすぐれた道具です。
 他にも、加藤むつみさんや張替智行さんの工夫とか、そういった画期的な方法はまったく紹介されていませんでした。私達がアピールしないといけませんね。金子氏の本はクモの最初の化石について、ブルネッタとクレイグの本からの内容や図が書いてあります。
●神奈川県の藤沢市,川名自然フォーラム第46回公開例会「これは驚き!クモの多彩さ」。5月27日(日)、神奈川県藤沢市の新林公園(藤沢市川名字新林411の1.藤沢駅から徒歩15分)にて。受付9:45,午前10時~12時は園内で講演,午後1時から午後3時は公園内でクモ観察。入場無料。講演・指導は池田。午前・午後いずれかの参加も可能、観察に参加する場合は無地の使い古し傘(ビーティング用)を持参が望ましい。藤沢市はクモ未調査地域で,新林公園の調査は昨年の10月(43種)の続き。今回は28種を記録しました。
●2012年9月にスロヴェニアで行われるヨーロッパの第27回蜘蛛大会のセカンド・サーキュラーが届きました。
会員の池田勇介君が亡くなられました。ご冥福をお祈り致します
●5月21日(月)の金環日食の天気は曇らしい(当日は東京都内は薄曇で観測できました)。ところで、日食のときのクモの行動変化を萱嶋泉が記していると,高島春雄が報じている。それによると,日食(80%)の時,シロガネグモ(たぶんコシロカネグモ)は歩脚をすっかり縮めた.オニグモやユウレイグモは造網を開始し,クサグモは網を修繕する動作をした〔高島春雄Acta12巻(3/4)〕.
●好天に恵まれ第1回観察会が修了しました。予想以上に慎重な足取りで予定した行程を半分くらいしか周回できませんでした。
 とりあえず仮の「クモ記録」をpdfで出しておきます。今後適宜、追加・修正していき、最終的には会誌にまとめます。
●通信135号が発送されました。カラー印刷が試みられました。
 観察会初日5月13日は、天気予報では、晴れそうです。わんぱくランド内は「わんぱくの森」を観察、そこから「うなぎ沢」を経て「いこいの森」管理棟へ入ります。昼食はこの辺り。「木工研修センター」「ふれあいの丘」。川を横断せずに(増水していると危険なので)「第3駐車場」から「クヌギの森」、「バス停下雑木林」と周回する予定です。
●日本蜘蛛学会ホームページに今年度の夏の大会の案内が公開されました。別記します。
●4月29日(日)の東京蜘蛛談話会例会・総会のプログラムです。
●あるTV局からドクイトグモに関する質問があり、答えました。Q&Aをpdfで。
●Kishidaia 100号がお手元に届いたと思います(3月26-28日ごろ)。
●2001年に出版されたUSAの絵本「なぜ どうして クモは糸を紡ぐの」を紹介します。pdfファイルで4MBあります。
●カニグモの色覚に関する論文が出ました。論文を入手していませんので又聞き情報です。論文は,Insausti, T. C., J. Defrize, C. R. Lazzari and J. Casas. 2012. Visual eye fields and morphology support color vision in a color-changing crab-spider. Arthropod Structure and Development 41: 155―163. David Hillは次のようにコメントしています。「カニグモの眼の構造に関する素晴らしい図のあるとても良い論文です。私が興味を持ったのは次の二点です。(1) 前中眼(AME)の走査電顕像で層状の網膜が示されていること。ハエトリグモでもAMEは層状ですが、カニグモのAMEは小さい。ハエトリグモと比較することで、層状構造の進化と機能について、多くの仮説がありますが、いくつかの見通しが得られます。 (2)カニグモの後中眼(PME)はハエトリグモのように上を向いています。PMEは大抵のハエトリグモでは小さい眼ですが、眼の呼び名が正しくないことを思い出させます。著者らはHomannにならってハエトリグモの後側眼(PLE)をPMEと呼んでいることに注目ですが、カニグモのPMEをハエトリグモのPLEと比較するときにこれに注意していません。註記: 多くの論文でハエトリグモ亜科のPMEは痕跡的であると言われているにもかかわらず、解剖学的研究はすべて別のことを示唆しています。これらの眼はよく知られているように、ハエトリの一種Phidippus属のようなハエトリでは多くの受容体を持っています。いま必要なのはある種のエビグモに関する良い研究です (私はエビグモが単系統だとは思っていません), 特にEbo属のAMEは大きいです」。.
●3月27日放送予定フジテレビ「超ド級!世界のありえない映像博覧会」にてハワイのニコヤカヒメグモhappy face spiderが紹介される予定です。ニコヤカヒメグモについての解説を作成しました
●池田発表の「関口晃一先生の蜘蛛研究」について2009年4月の談話会で話したpptをpdfにしました。
●ブルネッタとクレイグの『Spider Silk』(Yale University)のペーパーバック本が発売されました(予定より遅れ3月下旬になるようです)。1700円程度。ちなみにハードカバーは2500円くらい。3月22日に着きました。
●宮下直・井鷺裕司著『生物多様性と生態学.遺伝子・種・生態学』(朝倉書店,2012年3月10日出版,A5判 ISBN: 9784254171501 価格¥2,940)が発刊されます。
●新聞記事から拾う。2012年1月28日読売新聞「ピンぼけ度で距離を正確に計るハエトリグモ」(新海明氏提供)、2月3日=クモの巣がじょうぶな秘密解明」(谷川明男氏提供)。この二つの新聞内容をpdfで。希望者は池田まで。前者について西野真由子さんから新聞より詳しい情報があるウェブを教えていただきました。
●2月1日に関口晃一先生(もと日本蜘蛛学会会長)が逝去されました。通夜は2月6日(月)18時より,銀杏ホール(埼玉県久喜市下清久360)。告別式は2月7日(火)10時より銀杏ホール。Kishidaia 101号では関口先生の追悼文を特集します。会誌編集者へお寄せ下さい。
●2月2日,歌舞伎俳優の中村勘太郎改め六代目中村勘九郎の襲名披露公演となる「二月大歌舞伎」が2日、東京・新橋演舞場で幕を開けた。襲名披露公演の演目は『土蜘』だった。
●洋書ですが昆虫生理学の進歩シリーズの41巻『Spider Physiology and Behaviour』(Academic Press)が届きました。内容は別記の通りです。重要な総説が載っています。
●第55回日本学生科学賞にクモ研究が二題あった。ひとつは旭化成賞の千葉県松戸市立第六中学校クモ研究グループ『クモに会いたい?!Ⅵ』,もうひとつは高校の部一等賞の和歌山県立海南高等学校科学部クモ班の『キシノウエトタテグモの研究』である。松戸第六中学校のほうはナガコガネグモの卵のうの構造の二重の袋の役割を調べた研究だそうである(読売新聞2012年1月23日版)。2012年7月の追記・和仁道大さんによれば、松戸の方は和仁さんが指導なさった観察会以来クモのとりことなった、水野恵さん・碧さんの研究だそうです。
●サイエンス・ライターのフォーブズが書いた『ヤモリの指』(早川書房,2007)の第3章「自然のナイロン」には,蜘蛛の糸を産業化しようとする試みが紹介されていました。 図をpdfで紹介しました。
●「NEWTON」2012年2月号に「こんなにちがう雌雄の姿」とジョロウグモが取り上げられているが,写真で写っているのはジョロウグモ Nephila clavata ではなくアメリカジョロウグモ Nephila clavipes
●『自然保護』1・2月号にジョロウグモに福島県飯舘村で「放射性銀が蓄積」という情報が掲載されていた。pdfにて加工。
●ナショナル・ジオグラフィック・ニュースより、「小さなクモに大きな脳が」は別記の本の第4論文と関連します。また,「クモの遺伝子を紡ぐ遺伝子組み換えカイコ」というニュースもありました。pdfファイルで読めるように加工しましたが上限超過のため削除しました。希望者は池田まで。
●2012年1月4日オペラ『月の刀』公演がありました。オペレッタではなく,オペラでした。第二幕の村人が花を捧げるところでモーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』を想い出した私としては、『月の刀』はモーツァルトのオペラ『魔笛』に対するリスペクトのように見えました。『月の刀』の悪魔たちは、<夜の女王><三人の侍女><モノスタトス>に見立てられます。そして<王子タミーノ>も<王女パミーナ>も<パパゲーノ>も<パパゲーナ>もそれに相当する感のある人物が登場してきます。母親と祖母の二重唱は私が大好きなオペラ『コシ・ファン・トゥッテ』の姉妹の二重唱のように美しく響きました。
●2011年末に日本蜘蛛学会誌, Acta arachnologica, vol.60, No.2 が出ました。クモ関係では谷川明男氏のツシマトリノフンダマシの雄の初記載、加村隆英氏の奄美大島産のアマミヨリメケムリグモおよびアマミトンビグモの2新種、吉田哉氏のブルネイ産のヒメグモ(ツクネグモに近縁の種やヒシガタグモに近縁の種など)の記載・再記載、中国のGuoらの海南島産のハエトリグモの2新種・ミジングモ属の5新種が掲載されています。他には青木淳一・島野智之氏の北海道大黒島のササラダニ相の論文。和文では今年2011年の鳥取大会の報告があります。ザトウムシやクモの染色体研究の第一人者、鈴木正将博士の追悼文が鶴崎展巨氏によって書かれており、必読。千葉県博の萩野康則さんによるクモ展示の苦労話も談話会会員のみなさんの活動報告の感があります。
●逗子市の田中和徳さんより,2008年の観察記録が寄せられました(12月31日)。ツシマトリノフンダマシ雌,横須賀市光の丘の光の丘水辺公園の北東尾根にて,2008年7月12日,別府史朗・信子による。
●瀬名秀明の書評集『科学の栞』(朝日新書)に錦三郎『飛行蜘蛛』(笹間書院)が紹介されています(p.182)。
●朝日新聞出版より ,『ダーウィンが来た!生き物新伝説』DVDブック/第37号/2012年1月10日号「一発必中ナゲナワグモ」が 「ケープ・ペンギン」 と一緒になって発売されました(12月24日発売)。今後のクモ企画を成功させるためにも皆さん,購入しましょう。一冊1490円です。 Amazonで注文できます。  
●学術専門の洋書ですが昆虫生理学の進歩シリーズの40巻・41巻として『Spider Physiology and Behaviour』がAcademic Pressから発刊されています。41巻はこの12月27日に発売です。290ページ近い論文集ですので,この分野に関心のある学生さんには必読かと思われます。価格はそれぞれ12,000円ほど。40巻の内容は英語なので別記しました。また、ニュージーランドのクモのモノグラフも出ておりました。既に1999年初版でしたが2005年にハードバックで再刊されていました。ハエトリに関してはオーストラリアのモノグラフが出ていませんので貴重な一冊です。値段は6000円ほど。こちらも英語なので別記しました
●LEVIのポケット図鑑『Spiders and Their Kin』が2001年に改訂されていました。改訂に伴い,図も内容もかなり充実していて,値段はAmazonで,400円から700円程度。みなさんにお薦めできます。お買い得です。
●南オーストラリアのクジャクハエトリの求愛行動がYou Tubeに投稿されました。撮影・投稿者はユルゲン・オットーです(12月13日)。音楽入りの未記載種の 「Peacock spider 2」と、解説付きの既知種の「Peacock spider」があります。 後者にはオットーが解説を付けています。解説は英語で話されていますが、たいへんやさしい英語です。両者とも6分半ほどです。2012年11月、近似別種の続篇も出ていました。

    地震・原発関連記事は別ページに。   

 Casas,J., 2011.Advances in Insect Physiology, vol.40. Spider Physiology and Behaviour: Physiology. Academic Press. 223p+4pl.,
 Venom Composition and Strategies in Spiders: Is Everything Possible? 86p. 
   (図をpdfで紹介可能です
 Spider Nutriton : An Integrative Perspective.  50p.
 Endosymbiont Infections in Spiders   18p.
 Grade Changes in Brain-Body Allometry: Morphological and Behavioural Correlates of Brain Size in Miniature Spiders, Insects and Other Invertebrates.  60p.
Casas,J., 2011.Advances in Insect Physiology, vol.41. Spider Physiology and Behaviour: Physiology. Academic Press. 271p+3pl.,

 The Sensory and Behavioural Biology of Whip Spiders(Arachnida, Amblypygi). 64p.
 Dynamic Population Structure and the Evolution of Spider Mating Systems. 50p.
 Spider Cognition. 60p.
 The Form and Function of Spider Orb Webs: Evolution from Silk to Ecosystem. 88p.
  (第四論文の図をpdfで紹介可能です。
 Forster and Forster, 1999. Spiders of New Zealand and Their World-wide Kin. University of Otago Press.Reprinted in hardback 2005.

 Introducing Spiders,
(1) Structure and behaviour of spiders, (2) The life of spider, (3) Spider Relatives, (4) Trapdoor spiders and their kin, (5) Living fossils: Araneomorphae, (6) Free-living spiders, (7) Crab spiders, (8) Hunting spiders, (9) Jumping spiders, (10) Six-eyed spiders, (11) Orbweb spiders, (12) Spaceweb spiders, (13) Midget spiders, (14) Seashore spiders, (15) Hackled-silk spiders, (16) Four families, (17) Harmful spiders, (18) How to find and study spiders. 

         日本蜘蛛学会 第44回大会 (2012年度)の案内  大会委員長  吉田 哉
               済みました 
 日時・会場  2012年8月25日(土)・26日(日)  霞城セントラル 3階 山形市保健センター大会議室
       〒990-0828 山形市城南町一丁目1番1号 (山形駅西口隣接)
           8月24日(金) (役員会) 13:00開場、 13:30 編集委員会、14:30 評議員会、16:00 自然保護委員会
           8月25日(土) 開場 9:30、 10:00 一般講演、ポスター発表、シンポジウム1、総会、
                    懇親会 ホテルメトロポリタン山形 (山形市香澄町一丁目1番1号)   
           8月26日(日) 開場 9:30、 10:00 一般講演、シンポジウム2
 参加費    大会費 一般 4000円、学生 2000円、 懇親会費 一般 5000円、学生 3000円
 参加申し込み・講演申し込み     電子メール等で受け付けていました。
8月25日  シンポジウム1:「クモの形態の多様性とその意義」世話人:宮下 直
 1.井原 庸「交尾器の多様性」
 2.山崎健史「アリグモの形態の多様性」
 3.新海 明「網の多様性」
8月26日  シンポジウム2:「日本のクモ目はどれだけ調べられたか」世話人:吉田 哉
 1.加村隆英:「日本のワシグモ科研究の概要」
 2.井原 庸:「地理的分化の著しい地表性クモ類:記載分類の現状と課題」
 3.谷川明男:「日本のクモの分類学の現状」

ⅡA2012年度 東京蜘蛛談話会 活動計画    (計画や世話人などの立候補は事務局まで)

★観察会
採集会

神奈川県
小田原市いこいの森 及び わんぱくランド

集合は JR小田原駅(西口)に10時15分。東口ではありません
     (新幹線側です。駅前がすぐバス停3番乗り場です)
     10:20発「いこいの森」行きに乗車し
     終点まで15分。280円かかります。
     7月のルートは午前中はわんぱくランド、
     (ムツトゲ卵のうのあった数地点の周辺を回ります)
     午後はいこいの森を予定しています。
 
     帰りのバスは16時発を予定(14時発、15時発もあります)
  

開催日時
 第1回  2012年5月13日(日) 済みました
 第2回  2012年7月8日(日) 済みました
   特別編 ムツトゲイセキグモ生態調査
        7月31日(火)午後6時30分
 第3回  2012年10月14日(日)   済みました 
 第4回  2013年2月10日(日)
世話人:池田博明 090-9670-1525

小田原市寺社林のクモデータ pdfファイル

小田原のクモ類 『小田原市史別編 自然』よりpdfファイル

pdfの希望者は池田まで。

  特別企画   ムツトゲイセキグモ 生態調査  会員有志によるものです。 済みました   
     卵嚢発見位置を中心にクモ自体の有無を見て回りました。

     日時  2012年7月31日(火) 午後5時~9時30分。
     雄成体1頭、雌亜成体1頭(体長6mm、地表からの高さは2m10cm)が新井浩司さんにより発見されました。

★合宿

2012年  夏の合宿  中部・三重・東京蜘蛛談話会合同合宿

 岐阜県高山市
 宿舎は 山久(やまきゅう)
 高山市天性寺町58 0577****   済みました

 宿泊費(2日間の昼食も含む)は8000円程度ですが、傭車費(燃料費)等も考えて1泊1万円程度になってしまうと思います。


  合宿日時  済みました
   2012年7月27日(金)午後2時~29日(日)午前12時

  参加申し込み
    5月末までに申し込んで下さい。

  事務局の初芝までEメール
       

★総会および例会

例会・総会

2012年4月29日(日)   10時より(開場は9時30分) 済みました
 


世話人:初芝伸吾 講演発表を希望する会員は

  (+を@に変えて下さい)
または、下記(有)エコシスへ連絡をください。
TEL.042*****
FAX.042*****

会場世話人:加藤輝代子 090*****
 *****MAIL

例会
2012年  12月2日(日) 10時より(開場は9時30分)
             済みました
東京環境工科専門学校
  

2013年4月28日から
 東京環境工科専門学校は錦糸町に移転します


  参加費が必要かも。

 最寄駅:「錦糸町駅」(JR総武線、東京メトロ半蔵門線)より徒歩3分
 住所 東京都墨田区江東橋3-3-7

東京環境工科専門学校への
地図は右図。 (準備中)

談話会通信

135号(5月)・136号(10月)・137号(2月)

編集者:谷川明男
 ****MAIL

会誌

 
 100号(発送ずみ) 3月24日発送。
 101号(印刷中)  12月16日発送予定
 102号(投稿受付中)  特集を企画しています[102号⇒103号]。
      102号の原稿締切は**月末日です
 103号(投稿受付中)  趣意書別掲。特集は103号にします。

 新『クモ基本50 野外識別図鑑』収録予定クモ写真募集 (pdfファイル)

原稿送付先
〒194-0041 町田市*****仲條竜太氏
または
〒258-0018
大井町*****池田博明

 改訂しました(2012年8月)

  「CD 日本のクモ ver.2012
 新海明・安藤昭久・谷川明男・
 池田博明・桑田隆生(編)

 2010年版を改訂し,谷川撮影のクモの種毎の写真が満載されています
 その後の文献を追加し、分類群を更新しました.
 『CD 日本のクモ ver.2012』には
 クモ生理生態事典(2010年版)
 を収録しています。
 
 価格は 2140円(送料とも)です。
  申込は谷川へ

 ★マックではOSX以降でないと見ることができません
例会
総会

  2012年4月29日(日)  例会・総会のプログラム   済みました

 1.開会  10:00
 2.自己紹介と近況  
 3・講演  30分 (講演時間 25分,質疑応答5分)
   午前 (1) 生き物としてのクモ-新クモ基本50種の生活-    池田博明  11:30  【pdfファイル】 
                           
 4.総会  13:00-14:00  
 5.講演
   午後 (2) 火山活動が大型土壌動物相の分布と個体数に与える長期的な影響  柊 雅実  14:00
       (3) 台湾・香港で採集したハエトリグモ    須黒辰巳   14:30
       (4) 電子顕微鏡で見たクモの微細構造(12)  梅林 力  15:00
          休憩
       (5) 尽きぬトリノフンダマシ類の研究課題    谷川明男  15:40
       (6) まだいたハシリグモ  谷川明男  16:10
       (7) バリオ(ボルネオ)の美しいクモ   浅間 茂  16:40

 6.閉会   写真撮影
 7.懇親会  会場にて  懇親会参加者は1000円。懇親会に出ない方は無料.
例会
総会

  2012年12月2日(日)  例会・総会のプログラム     済みました  

 1.開会                                     10:00
 2.自己紹介と近況  クモ類について疑問など四方山話      ~11:15
 3.講  演 ※講演時間 25分(1鈴15分、2鈴20分、3鈴25分) 質問時間 5分
   (1) ボルネオのクモ3種    浅間 茂                 11:15~11:45
     <ウツボカズラの一種の中に住むカニグモ、青い光沢のアシナガグモ、社会性のコガネグモの一種など>
   (2)オトヒメグモは水タンク付き   安藤昭久              11:45~12:15
     <オトヒメグモは産卵時、水性の液体を出し泥と混ぜて卵嚢に塗る。ネコグモの糊状物質の放出口は中疣のこぶ状腺か>

        昼  食                               12:15~13:00

   (3ナガコガネグモのかくれ帯の魅力 水野恵・水野 碧        13:00~13:30
     <風洞実験でシート状のかくれ帯が気流を乱すことが判明。かくれ帯は気流を迂回させる。成長に伴うかくれ帯の変化がわかった>
   (4)コモリグモ科の子守行動に関わる形態の比較   輿石紗葉子 13:30~14:00
     <子守行動に関する雌成体の腹部の毛と子グモの爪には形態的関連性があるとは言い難い>
   (5)クモの生態の「はてな?」    池田博明              14:00~14:45
     <生態研究の案を列挙。持ち時間を15分もオーバーしてしまいました。詰め込みすぎでした(池田)>
       休  憩 14:45~15:30 (国際蜘蛛学会紹介 20分  小野展嗣)
   (6)イソコモリグモ2012    谷川明男・新海 明           15:30~16:00
     <本州北限が判明。佐渡ヶ島の系統は柏崎と一致した>
   (7)韓国イソコモリグモ探蛛行  谷川明男               16:00~16:30
     <韓国の砂浜にはイソコモリではなく、タイリクミズコモリがいた>
   (8)走査電子顕微鏡でみたクモの微細構造(13)  梅林 力     16:30~16:55
     <新篩板類の中疣の後端には篩板出糸管と構造の等しい出糸管が観察される>

  4.閉会                                      17:00~
  5.懇親会 (東京環境工科専門学校 2F)                 17:15~ 19:30
    懇親会参加者は1000円。懇親会に出ない方は無料.
 

  『羅漢』第三回定期演奏会   中島はるの世界   2012年10月14日(日) 19時開演(18:30会場)   済みました   
   東京都渋谷区文化総合センター 大和田伝承ホール (渋谷駅西口よりセルリアンタワーそば)
       演奏会費 1000円  問い合わせ 045-334-4435 (工藤)
   男声合唱「酒を讃える萬葉の歌」 (訳・詩 峯陽)
   男声合唱「歌う昆虫記」(作詞 さいとうしんいちろう) 男声合唱版初演
   ピアノ独奏 「ピアノのための二つの百人一首」 改訂初演  
   男声合唱・尺八四重奏・英語朗読「やさしい般若心経」 (作詞 幻 一) 新作初演

   会誌102号[⇒103号に変更(2012年12月)]   編集趣意書      クモの多型

 同種の個体間で色彩や形態などが不連続に異なることを多型(polymorphism)といいます.アズマキシダグモPisaura lamaの体色にさまざまなものがみられるのは,多型の代表的な例です(たとえば,有田・八木沼 1975,新海 2006).イオウイロハシリグモDolomedes sulfureusやヤマシロオニグモNeoscona scylla,ホシミドリヒメグモChrysso foliata,キヒメグモParasteatoda asiaticaなどでも体色や斑紋に多型がみられ,その詳細は久保寺・池田(1989)や池田(1990)にまとめられています.
 形態に多型がみられることもあります.たとえばウススジハエトリYaginumaella striatipesの外雌器の形態には,多様な変異がみられます(池田 2011).外雌器はクモの同定に用いられることが多いため,その多型は分類学者を悩ませます. また,近年ではアリグモの一種Myrmarachne bakeriで擬態に多型がみられる例も報告されています(Nelson 2010).様々なアリに擬態することにどの様な進化的意味があるのか,それともないのか,今後の研究が待たれるところです.
 様々な多型がみられる一方で,実際は別種であったということもあるかもしれません.Tanikawa(2008)の見直しが行われるまで,キクメハシリグモD. japonicusはアオグロハシリグモD. raptorの,スジボソハシリグモD. angustivirgatsusはイオウイロハシリグモの多型だと思っていた方も多いのではないでしょうか?
 次々号 102号では,これらの多型がもたらす課題や話題について論文やエッセイを特集します.小さな発見や日頃の気づきでも構いません.ふるってのご投稿をお願いします.
 なおテーマ以外の内容の論文等も,通常通り受け付けますので,こちらもぜひご投稿ください.
  
   引用文献
 有田立身・八木沼健夫 1975.キシダグモ属の検討.Atypus,63:29-30.
 久保寺みか・池田博明 1989.キヒメグモの色彩多型.Kishidaia,59:1-4.
 池田博明 1990.クモの多型について(1).生物教育学雑誌,1:7-12.
 池田博明 2011.ウススジハエトリの変異.東京クモゼミ報告,207号
 Nelson X.J. 2010. Polymorphism in an ant mimicking jumping spider. The Journal of Arachnology, 38: 139-141.
 新海栄一 2006.ネイチャーガイド 日本のクモ.文一総合出版.

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活動履歴

(1)1998年度1999年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 98年度99年度別ファイルになっています
(2)2000年度2001年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 00年度01年度別ファイルになっています
(3)2002年度2003年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 02年度03年度別ファイルになっています
(4)2004年度2005年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 04年度05年度別ファイルになっています
(5)2006年度2007年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 06年度07年度別ファイルになっています
(6)2008年度2009年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 08年度09年度別ファイルになっています
(7)2010年度2011年度 東京蜘蛛談話会 活動報告 10年度11年度別ファイルになっています

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.東京蜘蛛談話会会誌
および談話会通信
について

 (1)東京蜘蛛談話会通信   編集者:谷川明男
     原稿送付先は〒247-0007 横浜市***********
       て下さい)    

 (2)東京蜘蛛談話会誌  

    → 原稿送付先:〒194-0041 町田市**** 仲條竜太

               〒258-0018 足柄上郡**** 池田博明
           
    e-mailでテキストファイル(またはワードファイル)で送ってくださっても結構です
        


 (3)会誌 「Kishidaia 1-100号総目次 pdf」

         『クモ生理生態事典』では小さな観察記事もひろって掲載しています。目次と併せて
  使えばREFERENCEができます。事典には主に次のふたつの会誌から掲載しています。

    * 日本蜘蛛学会会誌 Acta arachnologica  「Acta 目次  (1936年から48巻1号までの分)
        目次作成者:谷川明男/池田博明

    * 日本蜘蛛学会誌 Atypus  総目次 「Atypus 総目次」(1952年から1992年まで100号発行されました)
        目次作成者:谷川明男 

   *『クモ生理生態事典』(改訂版.2010年.編著 池田博明・桑田隆生・新海明)
     クモの種毎にこれまで調べられた内容を引けます。
     ただしファイル・サイズが大きいため,ファイル転送には30秒以上かかります。


 (4)会誌バックナンバー pdf (72号以降は谷川のサイトで) 
   先は長い・・・逆順で気長にやります。
   正順でpdf化なさりたい方は遠慮なくお申し出下さい。

71号pdf【18MB】 70号pdf【16MB】 69号pdf【3.7MB】 68号pdf【3.4MB】 67号pdf【4.1MB】
10~7号【4.0MB】 6~3号【3.2MB】 2~1号【2.6MB】 1~10号は新装版


Ⅴ. 東京クモゼミ報告(それぞれテキストファイルです.池田博明作成)
 
              BACK TO HOMEの設定はしていません

 池田博明のクモゼミ等にて発表した内容の紹介(一部). ファイルを提供頂ければ他の方のも案内します。
 ただし,アサヒネットの上限を超過したため一時削除したファイルがあります。
 閲覧希望の方は池田へ連絡をして下さい。
クモの色彩と色素(pdf) クジャクハエトリ(ppt) クモの足はなぜ8本足なのか(ppt) クモの環境適応と進化(ppt)
ボルネオのハエトリ(ppt) 熱帯ユウレイグモの網(pdf) ボルネオの野菜と果実(ppt) Nentwig,1987クモの餌(pdf)
『生物基礎』指導書の朱註(pdf) クモの毒の進化(pdf) 「ヤモリの指」クモ糸活用(pdf) 円網の進化 (pdf)
蝿取のサイズと食いわけ(pdf) 円網単系統:分子的証拠 糸腺の比較組織化学Kovoor 関口晃一蜘蛛研究(pdf)
happy face spider解説(pdf) USAクモ糸の絵本(ppt) クモの栄養学(pdf) 関口青年の青春

★東京クモゼミは誰でも参加できるゼミです。
 年齢や参加資格は問われません。
 千葉県市川市の加藤輝代子さんのお宅で行われています.
 集合は午前11時にJR市川駅の改札を出て
    右のチラシスタンドの前辺り。(右図参照)
 その後,バスで移動しています。
 松戸車庫行きのバスに乗り、5分後,「栗山」で降ります。
2012年のクモゼミは土曜日に加藤さんのお宅で予定. 

  次回は,2013年3月2日()です
。 
 
 ★毎月第一曜または第二曜ですが前日にも
  このページで確認して下さい.
   (なんらかの都合で中止になる場合もありますので)
 
バックナンバーは,谷川明男クモホームページ
     (谷川氏のデータベース、遊絲、Kishidaia談話会通信など)
   → http://www.asahi-net.or.jp/~dp7a-tnkw/

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説明: 澤田和久作


●立体しかけ絵本  『タランチュラ』

説明: http://homepage3.nifty.com/~hispider/seminar/unocovertarantula.JPG
Uncover
 TARANTULA
傑作です。200512月,
講談社より日本語版が
出版されました。

説明: http://homepage3.nifty.com/~hispider/tokyoss/tarantulabody.JPG
『立体モデル大図鑑 タラン
チュラのからだ』訳・八幡明彦
2800
円 講談社より



新井浩司 記録・製作映画 『Spider World』 内容紹介
クモの好きな方々に楽しんでいただくとともに、一般の方へクモに関心を持っていただくために記録・編集しました。詳細内容は別記しています。

    National Geographic タイトル 「サムライ・スパイダーズ」(字幕)    2005814()夜9時~10時放映  。詳細内容は別記しています。


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    東京蜘蛛談話会規約

1. 会の性格
 本会は、クモ愛好者の集いである。クモに関心のある人なら、専門研究者、アマチュアの別なく、また、年齢、性別の制約を受けず、互いに集まり懇談することを旨とする。   

2. 会の目的
 本会は、上の性格に基づいて、会員相互の親睦、連絡をはかること、愛好者の底辺を拡大すること、および専門研究についての案内、方向付けをすることをその目的とする。

3. 会の活動
本会は、上の目的に沿うために、次の活動を行なう。
(1).会誌"KISHIDAIA"および"談話会通信"の発行。
(2).例会、採集観察会、講演会、映写会、総会等の開催。
(3).その他、会の目的を達成するのに必要な活動。

4. 会員
 所定の会費を納めた人を会員とする。会員は、本会の行う全ての活動に参加することが出来る。また、会誌KISHIDAIAの配布を受け、投稿することができる。
(1).入会 会費を受領したときをもって入会とする。(当年度入会。希望により次年度の入会を認める。)
(2).退会  a.退会届けを受領したときをもって退会とする。 b.会費を2年間未納したときをもって退会とする。
(3).団体はその代表者が個人として入会する。代表者以外については規約7を適用する。

5. 会計
 本会の経済的運営は、会費、寄付金、その他の収入を基とする。
(1).会費の区分は、一般会費と学生会費とする。金額は別に定める。
(2).会計年度は、4月1日より翌年3月31日までとする。

6. 会の運営
 本会の活動を円滑に行うため、会長、運営委員を置く。
(1).会長は本会を代表する。
(2).運営委員会は会長と運営委員によって構成し、本会の性格に基づく目的の達成に必要な諸活動の企画、実施を合議の上行う。運営委員会内に、事務局、会計、編集、総務の係り等を置く。会長及び運営委員は総会において承認を受けねばならない。運営委員の任期は2年とする。ただし、再任は妨げない。
 ①事務局 会に関する総務、会員の入大会等。
 ②会計 会費の受け入れ等
 ③会誌編集 会誌KISHIDAIAへの投稿原稿受け付け、発行、発送等。
 ④通信編集 談話会通信の原稿受け付け、発行、発送等。

7. 会員外の会活動への参加
  「2.会の目的」に沿い、会の認めた活動に対し、会員外のクモ愛好者・クモに興味のある人への会活動への参加を認める。
(1).出席した活動の必要経費は、会に納入する。

8. 規約の改正
 上の規約の改正については、総会において討議し、出席会員の3分の2以上の承認を受けねばならない。改正についての議題は、全会員がその提出を行うことができる。

                           以上
別表1
会費は年額、一般会費3800円、学生会費は2000円とする。

1977626日改定・1988612日一部改定・1998429日会費額改定)
1989510日改定・2002421日改定)    


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                 IKEDA’s Opinions for Nature 
●自然保護を標榜する人は極端化して、すべての開発を悪徳とみなす場合がある。しかし、そんな都市の住民のエゴイズムが地方を衰退させている現実がある。学者も地方の衰退を正す施策を持っていない。地方を衰退させている土地利用規制の実態を告発する本が出版された。 関心のある方は案内をどうぞ
●2012年5月28日、世界自然遺産に指定された小笠原諸島では観光客が外来種を持ち込むことを阻止しようと、観光客を制限する措置を決定。自然環境は「変わるのが自然」なのに、奇妙な方策をするものである。「人為的」を英語では「artistic」という。アートもヒトの営為である。「外来種を持ち込んではならない、在来種を守れ」という主張に潜む排外主義は健全な精神のなせるわざではない。坂口安吾の「日本文化私観」や「堕落論」のほうがずっと健全だ。