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 映画 日記              池田 博明 


これまでの映画日記で扱った作品データベース  映画日記 前年の分  


2018年1月1日以降、2018年7月14日までに見た 外 国 映 画 (洋画)

見た日と場所 作  品              感    想 ・ 梗  概   (池田博明)
2018年7月7日

DVD 
ムーラン・ルージュ

20世紀フォックス
2001年
128分 
  『ロミオとジュリエット』のバズ・ラーマン監督が製作・脚本・監督を司ったミュージカル風恋愛映画。『ロミオとジュリエット』でも感じたが、人間つまりは色と欲といった認識が垣間見えて、評価できない。下品な意識を感じるのだ。
 田舎からパリへ出て来たクリスチャン(ユアン・マクレガー)は愛こそすべてと信ずる理想主義的な作家。ムーラン・ルージュの歌姫サティン(ニコール・キッドマン)に公爵と間違われて気を持たされ、勘違いが本物の恋に発展することになる。サティンをものにしようとする公爵(リチャード・ロクスボロウ)は、金にものを言わせて舞台の筋書きや施設も思いのままにしようとする。クリスチャンとサティンは公爵の誘惑に応じず、逃亡を計画するが、公爵が殺し屋を使ってクリスチャンの殺害を画策していることを知って、サティンはクリスチャンに対する恋愛は無くなったと告げて公爵に身を任せようとする。裏切られたと思い込んだクリスチャンは激しい嫉妬心からショウの舞台でサティンに体を買った分の金を投げ返して別れを告げようとする。
 特殊撮影で舞台の華やかさ・豪華さが際立つ。アカデミー賞(美術賞・衣装デザイン賞)受賞。作家と高級娼婦の恋という陳腐なストーリーにリアリティがなく、何が評価されたのかが私には分からない作品だった。
2018年6月26日


DVD
天地創造


20世紀フォックス
1966年
175分 
 原題は「The Bible...In The Beginning 」。監督はジョン・ヒューストン。アダムとイヴ、カインとアベル、ノアの箱舟、バベルの塔、アブラハムの妻サライと女奴隷ハガルの妊娠、ソドムとゴモラ、イサクの誕生とアブラハムの試練など旧約聖書の草創期の挿話が描かれる。3時間近い全編、音楽(黛敏郎)が鳴っている。聖書にはイサクの息子エサウとヤコブの兄弟の争いが綴られているが、映画はその前の挿話で終わっている。また、ソドムが滅ぼされた後、ロトの娘たちは父親から子種をもらっているが、父と娘の同衾といった挿話は避けられている。神の言葉を絶対視してひとり息子を生贄に捧げようとしたアブラハムの子孫が繁栄すると約束された挿話が最終話になっていることで、製作者のラウレンティスの意図がどこにあったのかは明らかだろう。史劇が盛んに製作されていた60年代ではなく、現代にこの企画書を提出したら通っただろうか。理不尽でも神の言葉を絶対視する思想は必ずしも無くなってはいない現代では賛否両論が激しく起こるのではないだろうか。
2018年5月27日


DVD 
フロム・ダスク・ティル・ドーン




ワーナー
ミラマックス
1996-2000
108分 
 『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996年)。 タランティーノ脚本・主演のバンパイヤ血まみれ映画。監督のロドリゲスは香港のクンフー映画に夢中だったとか、タランティーノと嗜好が似ていたという。
 ジョージ・クルーニーは凶悪犯兄弟の兄セス役。タランティーノは弟リッチー役。銀行強盗犯で収監されていた兄を性犯罪者の弟が助けて脱獄させる。弟は雑貨店のマスターの唇が「助けて」と動いていたと難癖をつける、人質女性をレイプした挙句に殺してしまう、若い女をみるとプッシーをなめてと求愛されていると妄想してしまうというキレやすい性格。メキシコ国境を無事に超えたナイトクラブでバンパイヤに咬まれ、吸血鬼になってしまう。映画の後半は店のスタッフ全員が吸血鬼になって襲撃してくる状況でセスと牧師ジェラード(ハーヴェィ・カイテル)と彼の息子スコットと娘ケイト(ジュリエット・ルイス)の戦いが描かれる。ゾンビのように襲撃してくるバンパイヤとの戦いはスプラッター的。バンパイヤを退治・溶解させるには十字架を打ち込むか、木の杭を心臓に打ち込むこと、太陽光線を浴びせることだ。
 メイキング『フル・ティルト・ブギ』(1997年、100分)には雑用係といったスタッフの断片的な働きが描かれているだけで、作品の本質を語るような内容は無い。
 『フロム・ダスク・ティル・ドーン2 Texas Blood Money』(1998年,88分)、ロドリゲスは製作総指揮、タランティーノは製作に当る。脚本・演出はスコット・スピーゲル。メキシコで銀行強盗を企む一味の首領が車の故障で立ち寄ったナイト・クラブが例のバンパイヤの巣窟。彼から感染した強盗団の面々が凶暴なバンパイヤとなって警官隊と死闘を繰り広げる。途中で正体を見破った強盗団の一員バックは顔見知りの保安官に事情を訴え、バンパイヤと戦う体勢を作る。
 『フロム・ダスク・ティル・ドーン3 The Hangman's Daughter 』(2000年,94分)。メキシコで行方不明になったビアスの真相を描く物語。縛り首になるはずだった無法者ジョーはすんでのところで、仲間に助けられた。死刑執行人の娘エスメラルダを人質に取って逃走。ビアスと一緒になった牧師夫婦同乗の駅馬車はジョーの一味に襲撃される。ビアスの「パンチョ・ヴィラにお宝を届ける」という話を耳にした無法娘の情報だったが、ビアスの言う宝とは自分自身のことだった。無法者志願の娘に恐怖を経験させようとジョーは娘を縛り首にする。沙漠の中に出没したクラブに次第にみんなが集まって来る。バンパイヤへの変身が始まる。次第にエスメラルダの過去が明らかになって来る。
2018年5月27日


DVD 
消された証人

コロンビア
1955年
96分 
 大物ギャングの罪を立件するための証人が裁判所の階段で銃撃されてしまう。刑務所の囚人で洗濯女シェリー(ジンジャー・ロジャース)が仕事の途中で呼び出され、検事の依頼を聞く。ギャングのボス、コスティンを罪に問う証言の依頼だった。シェリーは自分の身が危なくなるそんな証言を引き受けるつもりはなかった。ホテルに匿われたシェリーには大勢の護衛が付いたが、同居の護衛人は女性看守のウィラビー(キャサリン・アンダーソン)と刑事のヴィンス(ブライアン・キース)だった。証言を拒否する姿勢は一貫して変わらなかったが、シェリーの人生に理解を示すヴィンスに対して打ち解けた姿勢を少しずつ示すシェリー。しかし、コスティン一味の魔の手は次第にシェリーに伸びてきていた。
 脚本ウィリアム・バワーズとレオナルド・カンター、監督はフィル・カールソン。白黒映画。シェリーとヴィンスの二人芝居がほとんどの異色作。
2018年5月2日


DVD 
罪と罰

USA
1935年
84分 
 ドストエフスキーの原作をジョゼフ・フォン・スタンバーグ監督がピーター・ローレ主演で映画化した意欲作。ラスコーリニコフを大学卒の作家に設定、母親(エリザベス・リスドン)と妹アントニア(タラ・ビレル)、妹に求婚する二人の老年男性、ひとりはアントニアの元雇い主グリロフ(原作のスヴィドリガイロフに相当する人物だが、原作と違い悪魔的な性格ではない。ダグラス・ダンブリル)、もうひとりは弁護士ルージン(ジーン・ロックハート)や友人ドミートリー(ロバート・アレン)などを配している。ポルフィーリー(エドワード・アーノルド)を警察幹部にして、ソーニャ(マリアン・マーシュ)とともにラスコーリニコフが自首するまでの心理的なかけ引きをさせる。原作で殺人に巻き込まれるリザヴェータやソーニャの両親は登場しない。脚本はジョセフ・アンソニー&S.K.ローレン。 
 主人公の部屋にはナポレオンの肖像とベートーベンの肖像が飾られている。
 <映画で楽しむ名作文学2>として廉価版のコスミック・ピクチャーズに収録。
2018年4月11日


DVD 
クラッシュ

ロングゲートフィルムズ
2006年
112分 
  監督・脚本はポール・ハギス。登場人物はグラハム刑事(ドン・チードル)ロス市警の黒人刑事。貧困層の母親は荒んだ生活をしている。弟ピーターは前科3犯で現在行方不明。リア(ジェニファー・エスポジート)公私ともにグラハムの相棒。父はプエルトリコ、母はエルサルバドル生まれ。
 ライアン(マット・ディロン)ロス市警の白人警官。勤続17年のベテラン。人種差別主義者。父の介護をしている。トム(ライアン・フィリップ)ライアンの相棒の白人警官。ライアンのひどい人種差別に怒りを感じて相棒をやめる。
 リック(ブレンダン・フレイザー)検事。有権者の票集めを最優先に考えて動く。白人のエリート層。ジーン(サンドラ・ブロック)リックの妻。神経質でヒステリック。実は深い孤独を感じている。
 アンソニー(クリス・“リュダクリス”・ブリッジス)黒人青年。銃を使って自動車強盗を繰り返し、それを闇ルートで売っている。過剰なほど差別の眼差しに敏感で、被害妄想気味。ピーター(ラレンズ・テイト)アンソニーの相棒。聖クリストファー像のミニチュアをお守りとして持っている。
 キャメロン(テレンス・ハワード)テレビ局の演出家。温厚なエリート層だが内心は黒人であることにコンプレックスを持っている。クリスティン(タンディ・ニュートン)キャメロンの妻の黒人女性。ライアンにセクハラまがいの不当尋問を受けて深く傷つく。またそれに抗議しなかった夫の態度に怒りを感じる。
 ダニエル(マイケル・ペーニャ)鍵の修理工。妻と5歳になる娘がいる。メキシコ系でタトゥーも入っているためギャングと勘違いされやすいが、家族思いの心優しい父親。
 ファハド(ショーン・トーブ)雑貨店を営むペルシャ系移民。アラブ系と混合されやすく、神経過敏になって銃を購入する。英語が話せない。ドリ(バハー・スーメク)ファハドの娘。優秀で冷静沈着。両親を大切にしている。


 クリスマス間近のロサンゼルス。ファハドと娘のドリは銃砲店で銃を購入する。ドリは冷静に対応して「赤い箱の銃弾」を買う。
  検事のリックは妻のジーンと街を歩いていた。ジーンは黒人青年のアンソニーとピーターを見てとっさに目をそらす。偏見の目に敏感なアンソニーはジーンに怒りを感じ、ピーターとともに2人に銃を突きつけ高級RV車を奪う。 ロス市警の刑事グラハムと相棒のリアは麻薬捜査官のコンクリンがハリウッド署の黒人刑事ルイスに発砲して死亡させた事件の捜査を担当する。 自宅へ帰ったリックは自分の立場ばかり気にしていた。ジーンは玄関の鍵を取り換えに来たダニエルを悪党と決めつけ、翌朝もう一度全ての鍵を取り換えろとリックに怒鳴り散らす。 巡回中のライアンとトムはリックのRV車を探していた。しかしライアンはわざと黒人のキャメロンが運転するRV車を止める。キャメロンは温厚に対応するが、ライアンは武器の所持検査と称して妻のクリスティンにセクハラし、夫婦に露骨な嫌がらせをする。トムはそんなライアンに怒りを感じる。クリスティンはライアンに抗議しなかった夫を激しく罵る。
 自宅へ戻ったダニエルは5歳になる娘が銃声に怯えてベッドの下に潜り込んでいるのを見つける。ダニエルは娘を安心させるために妖精からもらった何も通さない透明マントの話をする。その話を信じた娘に架空の透明マントを着せてやる。 アンソニーとピーターはRV車を売りに行く途中で中国人男性を轢いてしまう。2人は車に挟まった男性をひきずり出し、病院前に放置して逃走する。血のついた事故車は買い取ってもらえず、処分される。
 ファハドが営む雑貨店は裏口のドアが壊れていた。鍵の修理で呼ばれたダニエルは“ドアを換えないとダメだ”と説明するが、ファハドには伝わらない。ファハドは“金は払わない”と怒り出し、ダニエルも腹を立てて帰ってしまう。 ライアンは父の介護で睡眠不足が続いていた。保険会社へ主治医変更の相談に行くが、担当の黒人女性を侮辱して追い出される。ライアンは父のことで黒人に恨みを持っていた。
  ファハドの店が何者かに荒らされてしまう。さらにこれはドアを交換しなかったファハドの過失とされ、保険金もおりない。ファハドは全てダニエルのせいだと逆恨みする。
  母親に対して冷たすぎるとリアになじられ、グラハムは実家を訪ねる。荒んだ生活をする母親はできの悪い行方不明の弟のことばかり心配し、優秀なグラハムには冷たかった。
  黒人のキャメロンは職場でも多くの我慢を強いられていた。クリスティンは仕事場まで行ってキャメロンに昨晩の自分の暴言を謝るが許してもらえない。その帰り、クリスティンは事故を起こし、反転した車内に閉じ込められる。 ライアンはトムに相棒を解消され、別の警官と事故現場へ急行する。しかしクリスティンは助けに来たライアンを強く拒絶する。ガソリンの漏れた現場は危険な状態で、彼女を一刻も早く車外へ救出する必要があった。ライアンは彼女を落ち着かせ、間一髪で救出に成功する。クリスティンは命がけで自分を助けてくれたライアンに感謝する。 コンクリンの事件には警察の内務捜査が入っていた。射殺されたルイスの車内からは大金が見つかり、彼がコカイン中毒者だったこともわかる。しかしコンクリンは過去に2度黒人に対する発砲事件を起こしており、リックは点数稼ぎのためにコンクリンを起訴したいと考えていた。グラハムも保身のためコンクリンを犯罪者にする片棒を担いでしまう。
 キャメロンはアンソニーとピーターに銃で脅され、もみ合いとなる。そこへパトカーが来て、キャメロンはアンソニーを車に乗せたまま逃走する。キャメロンの怒りはついに爆発し、銃を構えた警官に反抗的な態度をとる。現場にいたトムはキャメロンを“友人だ”と言ってかばい、同僚を説得してキャメロンを逃がしてやる。
  ファハドは帰宅したダニエルに銃口を向ける。それを見ていた娘は“パパはマントを着ていない”と言ってダニエルの前に飛び出して行く。その瞬間銃声が鳴り響く。しかし背中を撃たれたはずの娘には傷ひとつなかった。ファハドは“天使が私を守りに来てくれた”と感謝する。実はドリが買った「赤い箱の銃弾」は空砲だった。
 ピーターはヒッチハイクをしてトムの車に乗せてもらう。トムが自分と同じお守りを飾っているのを見て、ピーターは笑い出す。不機嫌になったトムにピーターは自分のお守りを見せようとして、銃と勘違いされ射殺される。自分の間違いに気づいたトムはピーターの死体を草むらに放置し、車を燃やす。
 車が燃える空き地を偶然訪れたキャメロンは電話でクリスティンと仲直りする。 グラハムは若者の死体が発見された現場へ向かう。死体は弟のピーターだった。母親は嘆き悲しみ、グラハムをなじる。グラハムは母親の冷たい言葉に傷ついていた。現場に戻ったグラハムは弟のお守りを見つける。
 自宅で階段から落ちて怪我をしたジーンはセレブ仲間よりも、軽蔑していた貧困層の家政婦が優しく看病してくれたことに感動する。彼女は家政婦を抱きしめ“あなたは親友よ”と告げる。
 アンソニーは自分が轢いた中国人の車の荷台にアジア系の不法移民が大勢乗せられているのを見つける。アンソニーは人身売買されるはずだった移民たちを街で解放してやる
2018年4月4日

DVD 
フロスト気質

英グラナダ
1997
各 104分 
 ウィングフィールドが創始したフロスト警部もの2本。「孤独な復讐 Penny for the Guy」 (脚本マルコム・ブラッドバリー、監督ポール・シード)及び「狙われた天使 House Calls」(脚本M.ブラッドバリー、監督グレアム・シークストン)。
 「孤独な復讐」;祭りの夜、街のゴミ置き場で少年の死体が発見された。少年は全裸だったが性的暴行は受けておらず、左小指が切り落とされていた。失踪届が出されている少年の家へ向かったフロスト(デヴィッド゙・ジェイソン)と新任女性刑事リズ(スザンヌ・ドイル)はボビーの写真を見せられ、死体の少年とは異なることが分かった。死体の少年の身元は不明。ボビーを人質に、高額の身代金を要求する手紙が届く。身代金の支払いはスーパーの経営者コールドウェルに設定されていた。コールドウェルは警察には捜査をしないように依頼してきた。身代金を支払って少年を助けた方が評価が高まるというのだ。フロストは捜査をしないと約束するが、その実そんな約束を守るつもりはない。犯人を捕らえて少年を見つければいいのだ。極秘で捜査をするフロストたちだったが、事はうまく進まない。受け渡しの現場には突然、犬を連れた老人が出現。容疑者と遭遇して殴られてしまう。しかし、フロストはこのフィンチ老人こそが誘拐犯だと推理する。いったいボビー少年をどこへ隠したのか。見当をつけて家宅捜索もするが、どこにも見つからない。万事休すである。
 「狙われた天使」;郊外の空き家で、黒こげになった男の死体が発見された。同じ頃に街では子供を狙った事件が多発していた。現場には水の入った注射器が残されている。容疑者は7年前に医者のふりをして子供を喜ばせようと注射器を利用していた青年シドニー・スネルだった。ある家で子供二人が殺害され、母親が失踪するという事件が起こる。容疑者は出所して自宅に帰宅していたスネルだ。しかし、フロストはスネルには殺人なんか出来ないと否定的。スネルが殺人犯ではないという証拠はないし、警察官の誘導により自供もしてしまっている。そんなきびしい状況のなか、直観を信ずるフロストの捜査が続く。2008年に既知だった。フロスト警部
2018年3月26日

Amazon Prime
ゴースト・イン・ザ・シェル

USA
2017年
107分 
 『攻殻機動隊』の実写版。少佐ミラ(スカーレット・ヨハンソン)の素裸のボディ・スーツが印象的な一篇。
 少佐は完璧に造りあげられた人造人間の第1号だった。難民の娘だったという(後半で真実が判明する)。訓練を受けて公安9課の一員となり、 一年後、荒巻課長(ビートたけし)のもと、テロリストたちと戦っていた。芸者ロボットが突然牙をむき、ハンカ社の社員の脳をハッキングする事件が起こった。ミラは課長の制止を聞かず突入、ロボットの襲撃を防いだ。芸者ロボットは義体化を進めるハンカ社との協力を批判する言葉を吐いた。 ミラは芸者ロボットの電脳世界へとダイブし、首謀者クゼの手がかりを手に入れた。捜査を進めていくうちにクゼがなぜハンカ社に敵対するのか、ミラの真実の過去は何かが明らかになっていく。アニメ版とはストーリーは別。
2018年3月23日


DVD 
ヒトラー 最期の12日間

ドイツ
2004年
155分 
  1945年4月20日、ベルリン陥落の直前、ヒトラーは部下のベルリン脱出の提案を拒否し、国民を守る気持ちも放棄していた。総統の秘書ユンゲの証言をもとに映画化。敗色が濃くなるにつれ、国民の間の亀裂や分断も激しくなる。4月23日、ゲッペルスは我々は国民に強制しなかった、国民が自ら選んだ運命で自滅するのだから(守る必要などない)と言う。ヒトラーの妻エヴァは覚悟の手紙を書く。ヒトラーの理想の国家が亡びた社会には生きる価値はないと子供たちを道連れに死ぬ決意をした母親(ゲッペルスの妻)もいた。ヒトラーは降伏を認めず、幹部将校のゲーリングやヒムラーを裏切り者と非難し、弱者を敵とする。最後まで戦闘の意志を示した将校に勲章を与え、徹底抗戦の指揮官を命じる。総統に忠誠を誓う者と降伏を受け入れようとする者の間に分断も起きる。最後にユンゲ自身の声がある。「自分は知らなかったと思っていたが、目を見開いていれば、同年代の女性の過酷な運命を知ることもできたのだった」と。
2018年3月22日

DVD 
シザーハンズ

20世紀フォックス
1990年
105分 
 製作・原案・監督のティム・バートンらしさがあふれる一篇。 化粧品のセールス・ウーマン、ペグ(ダイアン・ウィースト)は偶然入った古城でひとりぼっちのエドワード(ジョニー・デップ)を見つけ、自宅に連れ帰る。 エドワードはお城に暮らしていた発明家(ヴィンセント・プライス)が造った人造人間だったが、最後に手を付ける直前に急死してしまい、両手がハサミのままだった。それでも家族(夫のビル、娘のキム、息子のケヴィン)や町の人々は珍しがりつつも、植木のトリミングに才能を発揮するエドワードに興味を感じて接していた。 さらに、エドワードが犬のトリミングや女性の髪のカッティングにも才能を発揮すると、彼の人気は評判になった。彼を誘惑する女性まで出現する始末。鍵が無くても錠を開ける能力に目をつけたジムは車を買う金を父親から盗もうと、 ペグの娘キム(ウィノナ・ライダー)を誘ってエドワードを盗みに協力させる。ジムの家に忍び込んだエドワードは防犯装置の部屋にとじ込められてしまう。 善悪の概念を教えられなかったことが原因だと釈放されたエドワードにペグの家族は倫理を教えようとする。 エドワードは恋するキムのために協力したのだった。クリスマスの夜、氷の踊る天使像を作って雪を降らせていたエドワードは誤ってキムの手を傷つけ、ジムによって家を追い出されてしまう。キムに絶交を告げられたジムはやけになり、車を暴走させてケヴィンを轢きそうになる。危うくケヴィンを助けたエドワードだが、その際にハサミでケヴィンに怪我をさせてしまう。危険な化け物として街の人々に責められるエドワード。警官は彼を見逃す。 エドワードを案じたキムは古城まで彼の後を追う。エドワードは争ってジムを殺してしまう。キムは屋敷に残されていた、発明家が作り出したエドワードの「ハサミの手」を持ち出すと、屋敷に押し寄せてきた町の人々にエドワードは死んだと偽り、彼を救った。寝つけない少女に祖母がしたお話だった。
 予告編では『ビートルジュース』と『バットマン』のティム・バートン監督作という宣伝がなされている。この二作はヒットしたことが分かる予告編だった。
2018年3月21日


DVD 
荒野の決闘

20世紀フォックス
1946年
97分 
 決闘が主ではない西部劇。詩情が監督フォードの真実である。ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)がトゥームストーンで保安官になった経緯が描かれる。カリフォルニアへ牛を運ぼうとしていたアープ一家だったが、何者かに牛を盗まれ、弟ジェームズが殺される。アープは社会に適応し、保安官の務めをまっとうする。ドク・ホリディ(ヴィクター・マチュア)は病気持ちの医師で酒におぼれる投げやりの生活。ドクを慕うメキシコ人の娼婦チワワ(リンダ・ダーネル)と、教師クレメンタイン(キャシー・ダウンズ)。ドク、アープ、チワワ、クレメンタインの恋の駆け引きが描かれる。ジェームズが恋人に用意していたペンダントをチワワが偶然持っていたことから、牛泥棒の犯人が分かる。撃たれたチワワの手当をドクが医師の誇りを持って行うことや、手術は成功したのに結局チワワは死んでしまうことなど劇的な作為が感じられない展開になる。映画史家スコット・エイマンの音声解説では、フォードはカメラを動かすことやアップを嫌ったという。ミディアム・ショットを好んだ。画面に観客が気を取られるよりも物語の理解に集中することを好んだという。
 劇場公開版は7月にザナックが撮り直して再編集したもの。編集し直される前の3月のフォードの非公開試写版が収録されている。
 ザナックが手を加えた場面は11か所。手直しにより、効果が上がった場合も多いと、史料室ロバート・ギットは評価している。(1)ジェームズの墓標場面;20歳を18歳に変えた・恋人名を変えた、(2)ポーカーにチワワがからむ場面の前;駅馬車が到着して外へ出たチワワがビリーから「ドクが戻った」ことを告げられる(駅馬車到着場面は既存フィルムを改変してつなげた)、(3)ドクとアープがシャンパンを飲む場面;ドクが「酢みたいだ」というセリフをカット、(4)劇場の雰囲気の場面;劇場の様子を短縮しドクの「理髪店の椅子」のセリフをカット、(5)駅馬車到着・クレタ下車のBGM追加、(6)ドクとクレタの会話のドクのセリフを一部カット、(7)駅馬車到着と理髪店の場面の「おおスザンナ」をカット、(8)ドクが馬車で出立・チワワが走る場面にBGMを追加、(9)チワワの手術場面にアープとクレタの挿入カットを削除、(10)決闘後アープが町の人々に別れを告げる場面をカット、(11)クレタと別れの握手をほおにキスに変更。
2018年3月20日

DVD 
牛泥棒

20世紀フォックス
1942年
76分 
 ウィリアム・ウェルマン監督。1885年、ネバダ州のある町。ギル(ヘンリー・フォンダ)とアートは酒場に立ち寄る。軽口をたたいたり、ファーンリーと殴り合いの喧嘩になったり。そこへファーンリーの親友キンケイドが撃たれ、牛泥棒にあったという情報がもたらされる。早速緊急の自警団が組織され、犯人を捕縛して絞首刑にしてしまおうという相談がされる。裁判にかけずに性急にことを運ぶことに危惧を示すデイビス。もと南軍の少佐テトリーは自警団のリーダーを買って出る。自警団の一行は山中で町に戻るローラ一行の馬車に出会った後、野営している三人組を牛泥棒と決めつけ、牛にキンケイドの焼き印が押されていること、売買証文がないこと、キンケイドの拳銃を所持していたことから、契約書は後で送る約束で牛をキンケイドから購入したという三人組の主張を確認せずに、絞首刑にしてしまう。裁判を受けさせるべきだと主張したのはたったの七人だった。町への帰途、牛泥棒事件を捜査していた保安官たちと出会い、キンケイドは生存していること、牛泥棒を捕まえたことを知らされる。酒場で茫然とする町の人々。ギルはアートにマーチンが書いた妻宛の最後の手紙を読み聞かせる。自分たちはもうすぐ死ぬが町の人々は生きて重荷を背負うことになるとあった。テトリー少佐の息子は自分の弱さを主張せず、父親の誤った正義観に引きずられたことを批判する。父は自殺した。
2018年3月20日

DVD 
追跡者

MGM
1970年
99分 
 バート・ランカスター主演、マイケル・ウィナー監督のカタルシスのない西部劇。ジェラルド・ウィルソン脚本。酔ってバノックの町じゅうで拳銃を撃ち、騒ぐ牧童たち。彼らが去った後、流れ弾でひとりの老人が死んでいた。しばらくしてサバスの町に乗り込んできたひとりの男、執行官のマドックス(バート・ランカスター)である。引いている馬に死体を乗せていた。酔った一味のひとりコーマンである。マドックスとの決闘で撃ち倒されたのだ。サバスの保安官コットン・ライアン(ロバート・ライアン)はこの町には金鉱も鉄道もない、ブロンソン一家が支配する牧場しかない落ち着いた町だと説明するが、マドックスは隣町で老人を殺した容疑者たちを出頭させるよう要求する。執行官は裁判を受けさせようと出頭を勧めるが、牧童たちがそれに従うわけがない。ブロンソン(リー・J・コッブ)自身は決闘や殺し合いをする元気はない。しかし、気の荒いハーブは執行官と決闘、撃たれて死亡する。ブロンソンもハーブの弔い合戦に立ち上がらざるを得なくなる。流れもの崩れのライアン保安官には、修羅場をくぐりぬけてきた執行官にかなう者はいないことが分かる。マドックスの昔の恋人ローラ(シェリー・ノース)は牧童プライスと一緒になっていた。牧童クローは執行官の腕前と生き方に理解を示す。執行官のかたくなな姿勢は町のお偉方の反発をかってしまう。ブロンソン一家だけでなく、町じゅうを敵に回して執行官の正義は貫けるのだろうか。
 引退しようと決意した執行官を敵が取り囲む。拳銃をぬくチョクトーを倒し、ブロンソンの息子を倒し、恐怖で逃げだすプライスの背中さえも撃ち抜いたマドックスはひとり町を去っていった。後には自分の喉を撃ったブロンソンも含め、死体が残された。             
2018年3月23日

DVD 
ニノチカ

MGM
1939年
110分 
  ニノチカとはグレタ・ガルボ演ずる特命全権使節のロシアの女性の名前。あらすじは複雑で要約に向かない。「ニノチカ」のあらすじを説明しているブログがあるのでそちらを参照。
 パリへ来た三人のロシア役人の任務は貴族から没収した貴金属を売却することだった。しかし、そのことを知った元の所有者スワン伯爵夫人は所有権を主張し、返却を図る。夫人が依頼したレオン伯爵(メルヴィン・ダグラス)は折半を主張する。ロシア政府はこの提案に応じず、特命全権使節ニノチカ(グレタ・ガルボ)を送る。ガチガチの共産主義者ニノチカはジョークにも反応しない鉄面皮の女性だったが、レオンの口説きに次第に心を許し始める。料理店でジョークを披露したレオンが椅子に腰をかけようとして転倒してしまった様子を、お店の客全員が笑ったと同時に、ニノチカも笑う。そこからニノチカの表情が柔らかくなる。
 宝石の商取引の裁判が二週間後になることになり、三人の役人と使節ニノチカのパリ滞在も延期されることになる。ニノチカはレオンの自宅を訪れ、お互いに好意を持っていることを確認、翌日のオペラ後の食事を一緒に約束する。
 翌日の料理店にはスワン伯爵夫人も来る。ニノチカとの間には激しい言葉の応酬が・・・・初めてのシャンパンを飲みすぎたニノチカは着替えルームで共産主義擁護の演説をする始末。レオンの自宅に帰ったニノチカは金庫を開いて付けた冠をしたまま、飲みすぎでベッドに倒れ込んでしまう。
 翌日の昼頃訪れたスワン夫人は宝石を手に入れたことを宣言し、彼女が夕方の飛行機で帰国することを条件に返却するという。レオンはスワン夫人にニノチカに恋していると明かすが、夫人は既に彼女はロシアに帰ったと告げる。レオンはロシア行のビザを申請するが旅券係は発行許可しない。
 モスクワでの生活は共同。新任務についていたニノチカに、コンスタンティノープルに毛皮取引に派遣した三人が現地で遊びほうけているとの調査に行けとの命令。外国行きは断ったものの、命令は絶対。派遣されたニノチカを三人は大歓迎、ロシア料理店を開店してロシアの宣伝に努めていた。彼らの裏で糸を引いていたのはレオンだった。レオンとの再会を喜ぶニノチカ。ロシア料理店の普及にトルコに留まることを提案するレオンだった。
2018年3月19日

DVD 
あのアーミン毛皮の貴婦人

20世紀フォックス
1948年
89分 
 脚本サムソン・ラファエルソン、製作・監督ルビッチ。1861年のイタリアのベルガモ。 結婚式の当日、ハンガリー人が攻めてくる。軍隊長の大佐は部下にきびしく命令する男。アンジェリーナ(ベティ・グレイヴィル)は 壁に掲げられた絵のなかのフランチェスカにそっくりだ。フランチェスカは昔、町を包囲した暴君のハンガリー人の公爵を殺して町を救ったという伝説の持ち主。 ロマの男がアンジェリーナの夫であることが露見し、彼の命請いと条件に夜の宴会に誘う大佐。しかし、約束の9時を過ぎても彼女は現れず、 ソファで眠った大佐のもとに絵から抜け出たフランチェスカが彼の相手をして甘美な夢を見させる。翌朝、目を覚ました大佐は優しい気持ちになっていた。 彼女が昨夜の非礼をわびるが、大佐は城の包囲を解き退散する。アンジェリーナは許された夫と再会するが夫は夢に出現した彼女をゆるすことができない。 雪深い山小屋で休息していた大佐の許へ駆けつけた彼女は大佐との結婚を宣言するのだった。甘い恋物語になっているが、非現実的な展開で甘みが過ぎる。 以前に鑑賞済み
2018年3月18日

DVD 
モンテカルロ

パラマウント
1930年
90分 
  ルビッチ監督のオペレッタ映画。某国のオットー公爵(クロード・アリスター)との結婚がいやで結婚式当日に逃げ出してきた 女伯爵ヘレン・マーラ(ジャネtット・マクドナルド)は南フランスのモンテカルロに到着、一万フランを元手にカジノでひと勝負しようと計画していた。 ルーレットで16に賭け続けて最初は当ったが、最後に外れて一文無しになってしまう。賭けっぷりに惚れた伯爵(ジャック・ブキャナン)はマーラお抱えの美容師ポールと知り合って、 美容師ルドルフと名乗ってヘレンに接近する。そこへ故郷の某国からオットー公爵が追いかけてくる。マーラのおつきのメイド、バーサ(ザス・ピッツ)は公爵を「本物のバカ」と評価する。 ルドルフは自分の財産を彼女のために賭けようと提案する。赤毛の女性がいれば黒に、黒髪の女性なら赤に賭ければ必勝だという。 しかし、賭場にオットー公爵がいたため、賭けは止める。二人は仲たがいをするが、ルドルフ=ファリエール伯爵が身分を明かして和解する。 庶民には縁のない他愛もない物語。以前に鑑賞済み
2018年3月18日

DVD 
君とひととき

パラマウント
1932年
80分 
 『結婚哲学』のミュージカル版。原題は『One Hour With You』。アンドレ(モーリス・シュヴァリエ)とコレット(ジャネット・マクドナルド)のベルティエ夫妻に妻の親友ミッツィ(ジュヌヴィエーヴ・トバン、歌はリリィ・ダミタ)が割り込む。コレットに惚れる中年男性はアドルフ(チャールズ・ラッグルズ、歌はピエール・エッシェペア)、脚本はサムソン・ラファエルソン、音楽はオスカー・ストラウス。撮影はヴィクター・ミルナー。当初新鋭のジョージ・キューカーが監督、ルビッチが監修する予定だったが、若いキューカーには「裕福でアナーキーな色好み」の味を出すことができない。しびれを切らしたルビッチは自ら監督に乗り出し、映画を完成させた。冒頭に「協力=キューカー」とクレジットされる。『君とひととき』のDVDは巨匠たちのハリウッド・シリーズ「エルンスト・ルビッチ傑作選」(ブロードウェイ)より。
  舞台はウィーンではなく、パリ。挿入歌は6曲ほどか。シュヴァリエは観客に向かって歌う。パーティ後のミッツィの出番が少なくなっている。 以前に鑑賞済み
2018年3月18日


DVD
結婚哲学

USA
1924年
86分

 エルンスト・ルビッチ監督のサイレント映画。原題は『The Marriage Circle』。サイレントでも人間関係の機微を映し出せるということを知らしめる作品である。原作戯曲はロタール・シュミット、脚本はパウル・バーン。舞台はウィーン。朝の身支度の様子の差から倦怠期に入っていることが分かるシュトック教授(アドルフ・マンジュー)とミッツィ(マリー・プレヴォー)の夫婦関係、シャーロット(フロレンス・ヴィドア)を妻として大切に想っているのに、やることなすことが誤解を受けるほうにいってしまうブラウン医師(モンテ・ブルー)。人妻シャーロットに想いを寄せるミューラー医師(クラレンス・ヘイル)。ただし、途中で結末がどんなハッピーエンドを迎えるかを期待している自分に気づかされる。なぜならこれで二組の夫婦がどちらも破局してしまうとしたら、あまりにも悲劇だから。パーティの後、一気に結末へ向かう。教授の奥方が不貞を疑われただけで着の身着のまま放り出されるのは男性優位社会のゆえか。以前に感想を書いていた。→結婚哲学  
2018年2月10日・17日・24日

NHK・BS
16:30~18:00

刑事モース
オックスフォード事件簿

英国
90分
 WOWOWで放映されていた「新米刑事モース オックスフォード事件簿」をNHKの海外ドラマ枠で毎週土曜日に放送、全9回。声の出演がWOWOW時と同じ、モースに矢島正明、アラムに土師孝也。
 第1話「ある晴れた日に」、第2話「泥棒かささぎ」、第3話「殺しのフーガ」と題名が音楽ネタになっている。第1話から再見。モースの孤立ぶりに注目することができた。モースは警察内部でも孤立しているが、オックスフォード大学の卒業生としても警官という想定外の職業についたことで孤立している。そんな疎外感が全体に満ちている。最初はビールも酒も飲まないと断っていたモースだったが、やがてビール党になっていく様子なども共感をもって見ることができた。キャラクターやアイデアはコリン・デクスター。脚本はラッセル・ルイス。新米刑事モースとしてまとめている。
2018年1月20日




DVD
ズールー戦争

アメリカ・オランダ
1979年
114分 
 1879年、英国の植民地・南アフリカ連邦ナタールで、隣接するズールー族に対して、一方的な統治の勧告。この政策はズールー族の王を戦いに駆り立てた。この土地とズールー族に精通しているダーンフォード大佐(バート・ランカスター)は、将軍(ピーター・オトゥール)の軍略ミスを指摘するが、受け入れられず、不本意な態勢で敵に向かったあげく、ズールー族軍の圧倒的な勢力に向かうこととなる。(廉価版DVD解説より)
 原題『Zulu Dawn』。監督ダグラス・ヒコックス。史実の映画化。CGでない大人数のズールー族に囲まれて英国軍が敗退した様子が描かれる。指揮官の誤った判断を糾弾しているという描き方ではなく、無益な戦争だったという雰囲気がある。それにしても、お金のかかった映画である。


2018年1月1日以降、2018年7月14日までに見た 日 本 映 画 (邦画)

見た日と場所 作  品              感    想 ・ 梗  概   (池田博明)
2018年7月14日


DVD 
悪名市場

大映
1963年
84分
  森一生監督、今井ひろし撮影。依田義賢脚本。
 手紙の住所をたよりに来てみると、清次の落ち着き先は刑務所だった。朝吉とお照はあきれてしまうが、清次をだました柿本を探して四国の港町に朝吉は向かった。その土地では朝吉(芦屋雁之助)と清次(芦屋小雁)を名のる侠客がいた。朝吉が身分を隠してニセ朝吉の子分となりながら探ると、ニセモノの朝吉は一家をかまえ、パチンコ屋の美人女将・咲絵(嵯峨美智子)に惚れているようだ。
 柿本(田中春男)は名前を偽り、商店街の主人を集めて改築移転を薦めていた。「みなと銀座」に出店する店から5万円の供託金を取り、そっくり黒幕の追風(おって)組の鷺原へ流す魂胆だった。
 朝吉を訪ねてお銀(茶川一郎)が来たりしてニセモノの化けの皮がはがれかけていく。鷺原は親分衆の席でニセ朝吉に河内音頭を歌えと要求して歌えないとなると裸踊りを要求していたぶる。座の空気が変わったところへ、朝吉が登場、清次の太鼓で河内温度を披露する。なぶりものにされたことを怒る朝吉。席の世話人の鷺原と翌日6時に決闘の約束をする。
 翌朝、朝吉側は朝吉と清次の二人、鷺原側は数十人、いよいよ衝突というとき地面に仕掛けられたダイナマイトが爆発。咲絵が早朝仕込んで置いた爆弾を炸裂させたのだった。ひるむ鷺原組を殴り倒して成敗する朝吉だった。四国をあとにする船で大阪へ帰る朝吉と清次とお照。咲絵はもとのパチンコ店に戻っていた。
2018年7月13日 

DVD
第三の悪名


大映
1963年
89分 
 田中徳三監督、宮川一夫撮影。依田義賢脚本。
 朝吉は貞の妻・お照(藤原礼子)の許に居候していた。清次は職探し、キャバレーの支配人の口がありそうだと言う。
 大阪の松島地区で屋台のそば屋が因縁をつけられているのを止めに入った朝吉。案内された親分は兵隊時代の小隊長・粟津修(長門裕之)だった。修は自分で組を作りやくざとしてのし上がろうとしていた。背中に般若面の彫り物を入れさえした。しかし、修の義理の母親・お妻(月丘夢路)は修にかたぎになって欲しかった。自分自身は粟津一家の女親分となりつつ、復員後、行方知れずの修を心配していた。 朝吉は朝帰りでお妻との縁を疑ったお照から追い出され、お妻のところに居候することになった。修はお妻に想いを寄せていた。お妻に求婚するが、お妻は「約束したひとがいる。朝吉さんだす」と答えて修の求婚を断ろうとする。
 朝吉は新世界のカポネとも再会する。カポネは貞を刺したチンピラの黒幕であった。清次はカポネのキャバレーの支配人となっていた。朝吉は時をみて、清次にカポネが貞の仇であることを伝えるが、清次がそんな過去にはこだわらないと言うので怒って縁を切る。しかし、清次はカポネに命を狙われていた。朝吉との関係を邪推されてのことだった。朝吉は清次とともにカポネのキャバレーに殴り込む。地下室では子分を引きはがされ、粟津一家を松島(西村晃)から否定された修が暴行されていた。瀕死の修を救出して、お妻のもとへ届ける朝吉。登録商標を狙われてカポネに軟禁されていた白粉屋小杉の息子も解放した。お妻のところを出て駅裏で清次とおち合った朝吉は二人でどこかへ向かうのだった。
2018年7月11日


DVD 
続・新悪名


大映
1962年
99分 
  八尾の駅で闇の食材を運ぼうとしていた朝吉たちは警察の手入れを受ける。神戸の駅前で靴磨きをしていた少女・ひろみ(赤城まり)は母親(ミヤコ蝶々)に上がりを取られた挙句、靴磨きの親方に金を要求されて殴られていたところを、朝吉に救われる。そこに旧知のおカマのお銀(茶川一郎)が登場。いまは女剣劇の一座の座員だという。座がしらの淳子(近藤恵美子)から初日を控えて隣の演芸館主・玉島(遠藤辰雄)の横槍で芝居が出来ない状態だと打ち明けられる。朝吉はさっそく玉島に直談判に行く。事務所には用心棒として清次がいた。清次は朝吉とは喧嘩にならないと子分を止めるが、子分たちは殴りかかっていき、朝吉にのされてしまう。八尾の朝吉と聞いた玉島はすぐに降参、女剣劇の一座の興行を認め、朝吉を興行の責任者にする提案をする。
 興行は成功したが、興行ブローカーの大磯が座員のギャラ4万円を持ち逃げしたことが判明。責任を感じた朝吉は玉島から2万円の借金をし、借金のかたに自らの身をかける。朝吉が因島のイト親分に金の工面を依頼するつもりであることを知って、玉島も因島へ同行ずる。因島へ行く前に神戸でひろみの母親を探す。ひろみは戦災孤児と偽っていたが、本当はアル中の母親がいるのだった。剣劇一座の子役にと声をかけられたときに「実は母親がいる」と打ち明けていた。しかし、酒場で酔っ払い相手に酒を飲んで陽気に騒いでいる母親を見かけて、朝吉にはやはり母親はいないと前言を翻す。あきれた朝吉は面倒みきれないと云う。清次がひろみを預かろうと言う、清次はひろみの歌のうまさに驚き、のど自慢での優勝を狙わせようとしていた。
 因島へ向かった朝吉は顔見知りのお茂(阿井美千子)からイト親分が亡くなったことを聞く、代りにシルクハットの親分のところへ顔を出した。親分は琴糸(水谷良重)から借りればいいと言うが、朝吉はそんなことはできないと断る。しかし、親分は琴糸を呼んでいた。助けてもらった感謝の気持ちでと金を差し出す琴糸。朝吉も受け取らないわけにはいかない。
 のど自慢大会で再会したひろみと母親。ひろみはセンチメンタル・ジャーニーを歌って優勝。清次は優勝者を画策しようとするやくざとの喧嘩でひざを撃たれていた。ひろみは大磯を見かける。歌謡ショーで因島へ行くことを聞いたひろみは朝吉に連絡しようとする。
 琴糸の世話になっていた朝吉となんとか連絡がつく。大磯はシルクハットの親分の許に匿われていたが、横領の話を聞いた親分は大磯を朝吉の前に差し出す。夜の浜辺で大磯を殴った朝吉は、大磯が玉島にウシの領収書を書かされていたことを知る。神戸へ戻ってきた朝吉と清次は玉島の事務所に殴り込む。
 監督は田中徳三。
2018年7月10日


DVD 
新・悪名


大映
1962年
99分 
 『続・悪名』でモートルの貞を死なせて終わりと思っていた田中徳三は、新・悪名が企画されて、仰天する。 今東光の原作の挿話は1作目の『悪名』で使い切ってしまった。三作目の監督は早撮りの森一生。音楽は斎藤一郎。
 満州事変から敗戦の日まで兵隊だった朝吉が故郷へ帰ってみると、自分は戦死したことになっており、墓まで作られていた。恋女房のお絹(中村玉緒)は他人の嫁となっていた。貞の死に責任を感じている朝吉は、貞の妻お照(藤原礼子)を探し出し、貞の母親おふく(武智豊子)を家に住まわせる。朝吉の帰還を祝う集まりに行こうとした月枝(浜田ゆう子)は進駐軍の米兵に強姦される。翌日、家を出た月枝は大阪の新開地へ。朝吉は貞の母親と一緒に大阪へ出て、貞の弟・清次を探すとともに月枝を探す。新開地でパンパンになりかけていた月枝を見つけて、連れ帰ろうとする朝吉。月絵は国際友好クラブの会員として登録されているから、無料で引き抜きはできないと清次。おかまのおぎん(茶川一郎)に預けて、夫婦ものの奥座敷に閉じ込める。
 清次はお雪(万里昌代)を情婦にしている。お雪は大淀建設の社長の娘。大淀建設の社長は昔、朝吉と喧嘩した組の一員だった。朝吉は闇市で雑炊屋を始める。闇市を仕切っているのは三国人。青次はもうけを土地代へと貢いでいる。自分の土地になっていると信じての稼ぎだが、お雪は清次がだまされているのではないかと疑念を持っている。三国人は大淀組と手を組んで闇市の囲い込みに踏み切る。明日の生活も知れぬ闇市の人々のために朝吉は捨て身の覚悟で巨悪に向かっていく。清次も三国人にだまされていたことが分かって、朝吉に味方する。三国人といっても悪者だけでなく、闇市側に立つ三国人(伊達三郎ら)もいると複線的に描かれている。
 月絵は朝吉に髪を切られる。娼婦然とした長い髪の毛がいけないとばかりに裁ちバサミでむやみに切られた。ひどいことをすると最初は抵抗していたが、そのうち朝吉の思いに気づいて朝吉が好きになったと告白、「朝吉さんの子供が産みたい」と惚れるまでになる。他人の妻になってしまったとはいえ、お絹への想いも持ち続けている朝吉は、月絵の告白を聞いて照れているという場面があった。

 ▼『森一生 映画旅』より 
 森   当時の、終戦後の日本の風俗をよく出したものですね。依田さんの書いた脚本が。ぼくも戦争から帰ってきての戦後の風俗を描いたろうと思って。復員してきて、世の中が違うんでびっくりして、みな惨めな生活で、ライスカレーがいちばんうまいというような時代の話でしょう。ああいう生活だけ書いて、依田さんの社会性ですね、あれは。で、女の子が進駐軍にやられたり、いろいろな闇市場があったりして、ラストに勝ちゃんの、これからの日本はどうのこうのと、庶民の希望を出してるセリフがあるわけですよね。
 --- 清次はやはり戦後派というイメージだったわけですね。
 森  そうです。結局『新悪名』の狙いはそれでしょうね。戦後の日本の青春を描くというか。単なるああいう話だったけど、やっぱしあれは青春を描いとったなあ。
 田宮二郎も乗ってやってたです。彼もあれでいわゆる一般性」が出たんじゃないですか。二枚目の気取りがかえって生きたんです。案外気が小さいんですよね、田宮二郎は。映画はよく見てて、演技もよく見てるし、勉強してるんですけどね。インテリなんです。ただ、それを知ったかぶりしないとおいいけど、ときどきやるから。人は良かったですなあ。だから、自殺するちゅうことになったのか。俗物さがなかったですな。 
2018年5月6日

DVD
WOWOWを録画 
家族はつらいよ2

松竹
2017年
112分 
  周造の運転で傷が絶えない車に気づき、家族は周造に運転免許の返納を勧めようとする。折悪しくも周造はかよを乗せて天ぷら屋に向かっているときにダンプカーへの追突事故を起こしてしまう。幸之助が運転免許の返納について家族会議を開こうとみんなを集めたその日、周造が自宅に連れて来た高校時代の同級生・丸田吟平が発作を起こして部屋で死んでしまう。丸田は呉服屋の跡取りだったが、破産し、借金を抱えて身寄りのない日々を暮らす身だった。土木作業の交通整理員として働く丸田と偶然出会った周造は、同級会の後、二次会に丸田を誘い、かよの店で酔った後、自宅に誘って寝かせていたのだった。救急隊員から死体を引き継いだ警察官(劇団ひとり)に家族は事情聴取をされる羽目になる。身寄りのない丸田を役場の福祉課が葬儀や火葬を執り行う際に、周造たちは見送ってあげることにする。
2018年5月5日


DVD 
WOWOWを録画
家族はつらいよ


松竹
2016年
108分 
 平田周造(橋爪功)はある日(妻の誕生日だが、すっかり忘れている)、創作教室に通い始めた妻の冨子(吉行和子)から、誕生日の贈り物をくれるなら離婚届に判を押して欲しいと言われる。寝耳に水の申し出にうろたえる周造。いきつけの飲み屋のおかみ・かよ(風吹ジュン)に愚痴る。息子の幸之助(西村雅彦)とその嫁・史枝(夏川結衣)にとっても両親の離婚話は青天の霹靂だし、しょっちゅう夫婦喧嘩している娘夫婦しげ子と泰蔵(中嶋朋子・林家正蔵)にとっても予想しないことだった。ピアノ調律師で息子の庄太(妻夫木聡)は看護士の恋人・憲子(蒼井優)にプロポーズしたばかりだった。ある日、みんなの都合を合わせて家族会議が開催されることになった。冨子は夫の靴下の脱ぎ方といった些細なことが積り積もっていやになったと告白する。創作教室で知り合った知人が一緒に暮らそうと提案してくれている。生活費は亡くなった弟の著作物の著作権でなんとかなるという。泰蔵が探偵を雇って飲み屋のかよと周造との関係を疑って調査していたことに激昂した拍子に周造は倒れてしまう。心筋梗塞か脳梗塞を疑われたが、看護士・憲子の適切な処置もあって大事には至らなかった。孫たちの野球での活躍を聞き、周造の感謝の言葉を聞いた冨子は離婚届けを破り捨てるのだった。 
 脚本は山田洋次・平松恵美子、監督は山田洋次。
2018年5月1日

 
ドリフ大爆笑

フジテレビ 
1977~1997
 30周年記念傑作大全集・ドリフ大爆笑として3枚のDVDに収録された作品。製品の編集にドリフ・ファンからの批判が殺到した。各コントの公開年月日が記録されていない。DVDでもコントの区切りにタイトルが入れられていない例が多い。フェイドアウトで終わって説明なく次のコントが始まる。
 TBSの全員集合と比べると、観客の中心は声からすると女性客のようだ。いかりや長介の押し付けをかわす志村や加藤茶のリアクションへの期待と支持が目立つ。「威勢の良い風呂屋」に見られるような長さんが完全にいたぶられる展開もあって,見るのがつらい作品もある。下記の大爆笑の全員集合コントは「8時だヨ!全員集合」で展開されたコントの焼き直しだが,屋台崩しのような大仕掛けは無い。

 「大パニックコンバットだよ全員集合!」(いかりや隊長とドリフ兵士の公開コント。射的場風の戦車を倒すが,志村の発砲では一度倒れた戦車が増えて立ち直る。TBSの全員集合1983年4月の前半コントと同じもの),「ドリフの忍者の修行だ!全員集合!」(白装束の忍者隊同士の合言葉の祖語がギャグになる),「御存知母ちゃんと悪ガキだよ全員集合」(小学校から帰ってきて母のすきを見ては遊ぼうとする子供たち。宿題を出されていない志村は他の子供たちの宿題を邪魔しないように言われるが、放り上げたボールが次第に大きく変わって落下してくる),「ドリフの剣の修行だ!全員集合!」(師範のスキをついて弟子が打ち込む例が多い),「大騒動!商店街だよ全員集合!」(大家の掛け声に応じて店子が開店したはいいが・・・。スイカをボールの代りに投げる場面がある),「ドリフの修学旅行だよ全員集合!」(先生と生徒が最初は別の部屋に通されるが、寝るときになったら同じ部屋になる。いびきがうるさい先生を生徒がいたぶる。長さんのいたぶられ方が酷い),「ドリフの山寺で修行だよ全員集合!」(いかりや僧侶と子坊主たち。鐘のつき方でトラブル),「ドリフの相撲の修業だ全員集合!」(志村の胴の長すぎる=足の短い着ぐるみが笑いを誘う),「鬼看守VS脱獄囚だよ全員集合」(脱獄を図る囚人たちと電気椅子での処理法を確認する看守)。

 Amazonのレビューより、<赤の他人>さんの投稿では、“私はドリフターズとのコントと言えば全員集合よりも大爆笑の方が好きです。むしろ全員集合が放送終了当時は5歳と言う事もあり、リアルタイムで見たことが無いのです。よって、どちらかと言えば全員集合が終了した後も数年間は定期的に放送した大爆笑の方を好んで見た方でした。大爆笑の見所と言えば、やはりコントを説明する、いかりやさんのナレーションと画面いっぱいのテロップですが尽くカットされたし、 ドリフの中でも地味な存在だった高木さんのはまり役の雷様コントもカットされたし いかりやさんと仲本さんのバカ兄弟も大人の事情でカットされたし、見たかったコントが収録されていないのが残念でした。大爆笑なのにも拘わらず全員集合の新録コントばかりで大爆笑なのか全員集合なのか区別が付かないです。2003年に新録したOPもEDもフルで見たかったし、全パターンのOPもEDもフルで見たかったし、一つだけ利点を言えば、様々な年代のメンバーを見る事が出来ることだけですね”。OPはオープニング,EDはエンディングのことだろう。
 結成50周年記念のドリフ大爆笑・第2弾は、肖像権をクリアしてゲスト参加のコントも収録され,かなり改善された商品になっているという。 
2018年4月30日

DVD 
8時だヨ!全員集合


TBS
1972~1985
 
 番組誕生40周年記念盤として3枚のDVDに収録された作品のうち、前半のドリフの仕掛けものコントを年代順に挙げる。
 「ドリフの最後のSL出発進行!」(1978.1.14),「ドリフの盗賊団不思議なピンチハウス」(1980.5.3),「ドリフのヤクザ!志村の弔い合戦だ!」(1981.1.24),「ドリフのインディアンから街を守れ!」(1981.2.14),「ドリフ商事!電話がリンリン商売繁盛」(1981.4.25),「ドリフの武士道一直線!ほんとに強いの?」(1981.5.2),「ドリフの母ちゃん!水遊びはほどほどに」(1981.8.15),「ドリフのビックリ!ドッキリ!車の修理!」(1982.3.13),「ドリフの修学旅行!俺たちに外出はない!」(1982.11.13),「ドリフの金田一さん事件ですよ!ギャー!」(1983.1.29).「ドリフの国語・算数・理科・社会」(1984.7.7),「ドリフの冒険ピラミッドの秘密を探れ!」(1984.12.1)。立ち回りコントに当る西部劇コントではドリフが保安官で,インディアンたちと追いかけっこを演ずる。二階から床が抜けて一階に落ちたりと大変なスラップスティック。「ピンチハウス」の歌う家のセットではテレビ番組でもっとも優秀なセットを作ったスタッフに送られる第8回伊藤喜朔賞を受賞した。「金田一さん」ものは怪談コント。歌舞伎の仕掛けの手法をかなり使っている。

 TBSテレビ放送50周年記念盤として3枚のDVDに収録された作品のうち、前半のドリフの仕掛けものコントを年代順に挙げる。
 「ドリフの火事だ!全員出動」(1972.12.30.ドリフは消防署員,出初式の梯子乗りは仲本のみ演技),「ドリフの未知との遭遇?密林探偵!」(1978.3.25),「ドリフの猛烈社員教育 全員やり直し」(1980.5.10),「ドリフの金田一耕助“また事件ですか?”」(1980.8.30.殺人事件のあった部屋に突然出現するたくさんの死体),「ドリフの国語・算数・理科・社会」(1981.7.25),「ドリフの母ちゃん!雪やキンコン?」(1981.12.12.開く扉の裏につかまり遊びの志村,「雪」を歌うと天井からネコが落ちてくる,「おうまのおやこ」ではポニーが,「月の沙漠」でラクダが登場する),「ドリフの今日は何だか忙しいゾ!」(1982.2.27.五軒の隣り合った二階家でドリフが母親・娘・息子・父親・不良学生・祖父への衣装早替えを見せる),「ドリフの今夜は問屋だ!テンヤワンヤ!」(1982.10.30.反物問屋でのスラップスティック),「ドリフのコンバット大活躍!」(1983.4.23.いかりや分隊長の元,隊員のドタバタ),「ドリフの華麗なる大脱走!でも何か変だナアー?」(1984.6.9.牢屋からの脱獄囚仲間はお化け屋敷に逃げ込む),「ドリフのダ・ダ・ダ大工騒動記」(1984.9.15.家の骨組みを崩す屋台崩しが最後にある),「ドリフの国語・算数・理科・社会」(1985.1.12)。

 “いじめられては反抗する,「全員集合」での荒井のキャラクターができあがり始めていた。・・・荒井の役回りができたことで、自然と私がいじめ役、いわば「権力者」という役回りになった。・・・こうしてドリフの笑いの構図が出来上がっていった。私という強い「権力者」がいて、残りの四人が弱者で、私に対して不満を持っている、という人間関係での笑いだ。嫌われ者の私、反抗的な荒井、私に怒られまいとピリピリする加藤、ボーッとしている高木、何を考えているんだかワカンナイ仲本。メンバー五人のこの位置関係を作り上げたら、あとのネタ作りは楽になった。・・・荒井が抜けたとき、ドリフの笑いの前半は終わったという気がする。メンバーの個性によりかかった位置関係の笑いだから、荒井の位置に志村けんを入れたからといって、そのままの形で続行できるものではなかった。志村自身も荒井の役を継ごうとはおもっていなかっただろうし。だから志村加入以後は、人間関係上のコントというより、ギャグの連発、ギャグの串刺しになっていった。”(いかりや長介『だめだこりゃ』p89-91)

 “笑いには,ボケとツッコミという,二つのキャラクターがある。いかりやは典型的なツッコミタイプのコメディアンであり,加藤は天才的なボケタイプのコメディアンである。だから,いかりやが(喉のポリープ手術で)声を出せなければ,ドリフターズのコントの進行役は,ツッコミタイプの志村ということになる。先輩の加藤や仲本ではなく,志村が必然的に,リーダー的役割を担うことになる。このコメディアンのツッコミタイプとボケタイプという役割が,後々ドリフターズの中での,メンバーのすれちがいの下地となるのである。ひとつのグループの中に,ツッコミは二人はいらないからだ。志村が力をつけてくれば,ツッコミ同士のいかりやとは,そりが合わなくなってくるのは,当然のことである。”(居作昌果『8時だヨ!全員集合伝説』p210より)

 松竹映画のドリフの全員集合シリーズはビデオ発売されたが,DVD化されていない。東宝映画のドリフ主演ものはビデオ化さえされていない。テレビのギャグのほうが過激で,映画作品は脚本に縛られて微温的だが是非DVD化して欲しいものである。特に『いい湯だな全員集合』は傑作。

■参考文献:山田満郎・加藤義彦『8時だヨ!全員集合の作り方』(双葉社,2001),居作昌果『8時だヨ!全員集合伝説』(双葉文庫,2001),いかりや長介『だめだこりゃ』(新潮社,2001)
2018年4月19日


DVD 
眼の壁

松竹
1958年
95分 
 小学館の松本清張傑作映画ベスト10の第9巻、脚本は高岩肇、監督は大庭英雄。パクリ屋により手形被害にあい、責任を取って自殺した関野の部下だった昭和電業の会計次長・萩崎(佐田啓二)が犯人を探す物語。詐欺にあった不名誉を隠す会社の方針に逆らって、上司の無念を晴らそうと努める萩崎と協力する新聞記者(高野真二)の二人は少しづつ犯人の目星を付けていく。パクリ屋にかもを斡旋する山杉産業の秘書に鳳八千代、その兄でバーテンの山本(渡辺文雄)、会社の顧問弁護士(西村晃)、もと刑事(多々良純)。素人の捜査なので進展が遅い。後半、手がかりに近づいているにも関わらず、なんの手もうてない萩崎の行動にやきもきする。白黒作品。 硫酸でヒトを溶かす例が描かれるが実際にはそんなことは起こらない。
2018年4月18日

DVD       
日本暗殺秘録

東映
1969年
142分 
  脚本は笠原和夫・中島貞夫、監督は中島貞夫。撮影は吉田貞次。桜田門外の変で幕を開け、明治からの暗殺事件をオムニバス形式で描く。血盟団に属した小沼正(幼名は七郎)(おぬま、千葉真一)の生活を中心に綴られる。小沼の務める菓子カステラ屋の主人落合に小池朝雄、女中タカに藤純子。借金で店がつぶれて郷里へ帰り、幼馴染の民ちゃん(賀川雪絵)と再会するも、彼女は病気で早世。大洗村で法華経信仰を広めた井上日召導師(片岡千恵蔵)の影響を受け、昭和維新の革命を目指す。満州事変が勃発。バーの女給で生活するタカと出会う。同志・桧山(江原愼二郎)や、同志・藤井(田宮二朗)と革命の意志を話す。日召は小沼に井上準之助を標的とするように指示する。小沼は次第に意志を固め、遂には井上暗殺を実行する。五一五事件、相沢中佐(高倉健)の永田鉄山将校斬殺、二二六事件(鶴田浩二、待田京介ほか)などが引き起こされた。
 桜田門外の変の雪の中、はげしく立ちまわる若山富三郎を捉える場面は鮮烈。吉田貞次の手持ちカメラが一部で見られた。
 小沼の半生がまんなかで描かれるが、わりあいそれらしい展開で突き抜けたところがない。煽情的なタイトルだが、映画的には、見所の少ない映画だった。
 【参考文献】中島貞夫『遊撃の美学』ワイズ出版、2004年より、中島の発言。
 きっかけは、ドキュメントが一応興行的に成功したことが前提にあります。次ぎはテロ。要するに70年というのが意識のなかにあるんです。だから「セックス猟奇地帯」でも、「にっぽん'69」という副題を僕は勝手につけたんです。テロをある種のドキュメンタリータッチで出来ないかと。今度は70年を前にした時代のなかで、そういうのをどういうふうに受け止めていくのか。所詮テロは右翼的行為ですが、その行為は一体何だというので、テロのドキュメントをやtってみようかとなったんです。・・・・ひと殺しをする情念とは一体何かということです。本当に情念なのか、狂気なのか、そのあたりをやってみようということです。
2018年4月14日

フジテレビ
19:57から 
黒井戸殺し

フジテレビ
19:57~23:10
2018年 
  『アクロイド殺人事件』原作、三谷幸喜脚本、城宝秀則演出。物語の舞台は昭和27年3月、片田舎・殿里村。「あらすじ」より茶色文字。
  唐津佐奈子(吉田羊)が死亡しているのを、村で唯一の医師である柴平祐(大泉洋)が発見。死因は睡眠薬の過剰摂取。佐奈子は昨年、夫を毒殺した疑惑があった。柴の姉・カナ(斉藤由貴)は、佐奈子が夫殺害の罪にさいなまれ自殺したと推理する。
  柴の親友で村一番の富豪・黒井戸禄助(遠藤憲一)は、佐奈子に結婚を申し込んでいたため、彼女の死にショックを受ける。禄助は、自宅に柴を招き、姪・黒井戸花子(松岡茉優)、義妹・黒井戸満つる(草刈民代)、秘書・冷泉茂一(寺脇康文)、旧友・蘭堂吾郎(今井朋彦)らと食事をする。 その後、禄助は柴と二人になると、佐奈子が夫殺しの件である男に脅されていたと明かす。そこへ、佐奈子から遺書が届く。
 禄助は一人でそれを読みたいと言ったため、柴は屋敷を出た。その際に、復員服を着た見知らぬ男(和田正人)とすれ違った。 柴が帰宅すると、禄助が殺害された、と執事・袴田(藤井隆)から電話がくる。屋敷に駆け付け、柴が袴田に聞くと、電話をしていないと言う。…禄助の部屋の鍵を壊し中に入ると、黒井戸禄助は短剣で背中を刺されて死亡していた。
 その後、刑事・袖丈(佐藤二朗)が到着し、捜査が始まる。聴取を受けた女中頭・来仙恒子(余貴美子)が、東京にいるはずの禄助の義理の息子・兵藤春夫(向井理)を村で見かけた、と証言。 春夫の婚約者・花子は、春夫の疑惑を晴らそうと、柴家の隣人が名探偵としり柴に懇願。あまり気乗りしない柴だったが、花子の必死の願いに折れて勝呂尊(野村萬斎)に捜査を依頼する。 勝呂は快諾。柴にホームズのワトソンの様な相棒としての協力を依頼。コンビとなった二人は、袖丈警部から、失踪した春夫だけでなく、あの晩黒井戸邸にいた全員が容疑者であると聞く。 勝呂は黒井戸家の関係者全員から証言を得る。すると、次々と不可解な事実が!そんな中、黒井戸禄助の弁護士・鱧瀬(浅野和之)は、黒井戸親族や関係者を集め遺産相続について話し始めた。すると、衝撃的な事実が明らかとなり…。

 約3時間の放送時間は長すぎた。解決篇に当る登場人物を集めての勝呂の謎解き場面が二度もあるのだ。英国グラナダ放送の『アクロイド殺人事件』の放送時間は1時間半。三谷版のエキセントリックな俳優たちの演技は楽しめたが、展開が遅いという欠点はどうしてもつきまとう。
2018年4月12日

DVD 
あ、春

松竹
1998年
100分 
 中島丈博脚本、相米慎二監督。原作は村上政彦『ナイスボール』。ひとつ事件が片付いたと思うと、次の災難がふりかかってくる展開。泣き笑い。
 紘(ひろし、佐藤浩市)と瑞穂(斉藤由貴)のもとに、死んだと思っていた紘の父親・笹一(山崎努)が訪ねてくる。急な訪問者に戸惑う二人。入浴中の義母(藤村志保)をのぞいて、追い出された笹一は公園の浮浪者たちと一緒に暮らしていた。紘は酔っ払いの会社員に暴行されていた笹一を見かねて再び家へ連れ帰る。紘の母の公代(富司純子)が来て、笹一は紘の父親ではないと告白する。家を出ていこうとする笹一は倒れ、病院で肝硬変と診断される。紘の証券会社は会社更生法の適用を検討、結局彼の会社は倒産してしまう。笹一が危篤になる。病院に二人が駆け付けると笹一は亡くなっていたが、紘は彼が有精卵を抱きかかえて孵化させていたことに気づく。船から骨灰を川にまくゆかりの人々。
 葬式でお経を唱える住職に笑福亭鶴瓶、君代の勤め先の店の女将(余貴美子)、その夫(三浦友和)、笹一の結婚相手八重子(三林京子)。
2018年4月8日




WOWOWで放映
DVD 
白い巨塔

大映
1966年
149分 
  山崎豊子原作、橋本忍脚本、山本薩夫監督。医学部の教授選挙をめぐる権謀術数を描いた山崎豊子の小説の映画化。岡山出身の貧農の息子・黒川五郎(田宮二郎)は財前産婦人科の娘婿となり、浪速大学医学部付属病院の第一外科助教授となったが、その自信と高慢さから東教授(東野英治郎)に嫌われていた。 東教授は教授会で自らの後任に別の教員を立てるべく画策する。一方、財前家の父親(石山謙二郎)も婿を教授にすべく関西の医師会の協力をとりつける。検査を重視する第一内科助教授・里見(田村高廣)、第1内科教授で医学部長・鵜飼(小沢栄太郎)。
 東教授側が立てた教授候補は金沢大学・菊川(船越英二)、菊川の推薦者は東都大学医学部外科教授・船尾(滝沢修)
 東教授の娘・佐枝子(藤村志保)、東教授の妻(岸輝子)、財前五郎の愛人ケイ子(小川真由美) 。
 中立を保つ基礎医学・大河内教授(加藤嘉)、二枚舌を使う野坂教授(加藤武)、東教授側につく第二外科教授今津(下條正巳)、財前医師の誤診を訴える原告代理人関口(鈴木瑞穂)。被告弁護人河野(清水将夫)。葉山教授(須賀不二男)、産婦人科教授 安西(早川雄三)。
 財前側につく外科医局長 佃友博(高原駿雄)、第一外科講師金井(杉田康) 、術後肺炎と自分が診断したと主張する患者の担当柳原医師(竹村洋介)。
2018年4月2日

TBS
20:00~23:07 
がん消滅の罠

TBS
2018
150分? 
 副題は「完全寛解の謎」。原作は岩木一麻「このミステリーがすごい」大賞(2016年)受賞作品。 脚本は吉本昌弘 船橋 勧、演出は竹村謙太郎。日本がん研究センターの医師・夏目(唐沢寿明)の患者・小暮(柴本幸)は末期の肺腺がんだったのに、 薬物治療を始めて一週間でがんが消滅してしまった。完全寛解である。いったい何が効を奏したのか、 夏目は原因が分かればがん治療に革命的変化をもたらすものとして原因追及に夢中になる。しかし、 患者が生前給付の保険契約をしていた保険会社は契約期間が短いこと、 保険金額が高額なこと、がんの診断と寛解の都合がよすぎることで、誤診の疑いを持つ。 保険会社の課長・森川(及川光博)は夏目と同期生で夏目の診断には疑いを持っていない。 患者は聴覚障害を持つ娘と暮らすシングルマザー。そうこうするうち、夏目の患者で母親の介護をする中年男性も末期がんが消えて完全寛解となる。 患者はこの病院に来る前に、湾岸医療センターで初期がんの宣告を受けていた。宇垣女医(りょう)の患者だった。 いったいそこで何が行われているのか、夏目は友人の医師・羽島(渡部篤郎)とともに謎を探る。
 がんが消滅するしくみは免疫を利用したもので架空の施術、がん細胞に自殺の機能を持たせるという研究も架空のもの。
2018年3月25日

テレビ朝日
21:00 ~23:10
鏡は横にひび割れて

テレビ朝日
2018 
 副題は「大女優殺人事件」。大女優役は黒木瞳。探偵役は原作のマープルではなく、沢村一樹演ずる警部。脚本は長坂秀佳、監督は和泉聖治。
 映画『鹿鳴館の華』に久しぶりに出演する女優いろどりまどか(黒木瞳)は映画の宣伝の一環で撮影所近くの大邸宅を買い取り、パーティを開く。そのパーティの席上、まどかのダイキリを飲んだ邸宅の元の持ち主りん(平岩紙)が死亡する。毒物はまどか用の薬物の大量摂取だった。犯人はまどかを狙ったのだろうか。犯人の動機に関連する病気はジキ熱とされた(ジキ熱は架空の病気である)。事件は、真犯人の自殺で幕を閉じる。また、途中で真犯人を知った夫は毒入りのコーヒーを作るが、真犯人はそのコーヒーを飲まないで、夫の意図を組む形で自死を選ぶ。
2018年3月24日

テレビ朝日
21:00 ~23:10
パディントン発4時50分

テレビ朝日
2018年 
  副題は「寝台特急殺人事件」。マープル役を天海祐希が演ずる。竹山洋脚本、和泉聖治監督。天乃瞳子(天海)が富澤家に送り込む家政婦役が前田敦子。富澤家の長男は中国で事故死していた、三男は毒入りスープによる毒殺、四男は医師の名前で送られてきた薬がトリカブト入りで毒殺と、原作より殺人が多い。長男の中国人妻が実は来日していて木村という男性と結婚し、息子が富澤家の孫と友人関係になっていたという設定も原作と異なる部分。寝台特急朝霧という列車が蒸気機関車なのに、スマートフォンの時代であるのは非現実的な組み合わせだし、連続殺人事件なのに警察が極秘捜査というのも奇妙である。真犯人の癖に気づいたところで真相が判明する。グラナダTV版では、家政婦ルーシーの目覚ましい活躍が印象的だったが、今作の前田敦子はそれほど積極的な活動を見せはしない。納屋の石棺のなかに女性死体を発見したり、作ったスープに毒を混入されてしまったりするものの、活躍しているという印象がないのである。
2018年3月21日

NHK
22:00 
スニッファー


NHK
2018年
70分 
 「スニッファー 嗅覚捜査官」スペシャル。林宏司脚本、堀切園健太郎演出。犯罪現場に残された匂い物質をもとに推理する捜査官・華岡信一郎(阿部寛)の活躍を描くドラマ。被害者の遺体から微生物の匂いがした。大学時代の友人の研究者・岩淵の試料などから炭疽菌が使用された疑いが浮上する。しかも二番目の被害者が最初の被害者の殺害犯人、三番目の被害者が二番目の犯人だという。一方、左遷された小向達郎(香川照之)は被害者が薬害問題を引き起こしたゼネラル製薬の関係者であることに気づき、被害者の会の代表、佐伯に当たりをつける。五輪テロ対策を進める大臣・藤森(西村まさ彦)は五輪を狙ったバイオテロ対策を岩淵博士に指示し、強力なAX菌に対する特効薬の開発を後押ししていた。華岡の捜査を指揮する警察庁から女性の捜査官・七條春奈(波瑠)が加入してくる。2016年の土曜ドラマで放送された「スニッファー」のスペシャル版。 
2018年3月17日

NHK 21:00
原発メルトダウン 

NHK
2018年
50分 
  放射性セシウムの大気中の割合を測定したデータから、原子炉が水素爆発を起こしたときの放出量に匹敵する放出量が確認されたのが、3月19日だった。原因は冷却水の減少によって原子炉の温度が高温になったことがあると考えられた。では、なぜ冷却水の減量が行われたのだろうか。
 水位計が破壊されてサプチャンの水位を把握できないなか、サプチャンの水が圧力となってサプチャンを破壊することを畏れたからだった。AIで職員や所長の電話記録を分析してみると、水に関するワードが吉田所長の会話にほとんど見られず、作業員の被ばく等の問題解決に関心を向けていたことが分かる。決死の所員が中央制御室の電源を復帰して温度計を作動させ、300度以上の高温を記録するまで冷却水の注水は気づかれなかった。
2018年2月17日
NHK・BS
21:00 
荒神

NHK
2018年
120分 
  宮部みゆき原作の因縁ドラマ。CGの怪物がみものだが、香山村の人々の怒りが怪物に生命を吹き込んだとか、竜崎家の血を与えると怪物の怒りはおさまるとか、弾正(平岳大)と朱音(あかね。内田裕紀)の兄妹相姦の子供が怪物で二人を生贄にすると怪物の怒りはおさまるとか、非科学的な設定が物語を動かす線になっているため、納得がいかなかった。物語がうったえていることがいったい何なのかが、まるで分らない。朱音とその仲間数人の素人が弾正が警護している寺の中心に簡単にしのびこんでしまえるのも納得がいかない。演出が安直ではないだろうか。
2018年1月18日


DVD
おっぱいバレー
東映
2009年
102分


 中学校いちのダメ部活動、男子バレー部の顧問に新米教師の寺嶋美香子(綾瀬はるか)が就任。部員はやる気がなく、周りからは「バカ部」呼ばわりされていた。部員達を奮起させようと美香子は「あなた達が頑張ってくれるなら先生なんでもする」と宣言。すると部員達は「試合に勝ったら先生のおっぱいを見せてください」と言い出す。美香子が約束すると、部員達は打って変わって練習に励む。美香子も部員達の熱意に応え、前任校での失敗で失いかけていた自信を取り戻していくが、おっぱいの約束が学校に知られて大問題となる。
 顧問のおっぱいを見られるというだけで、中学生が部活にそれほど燃えられるものだろうか。非現実的なファンタジー。1970年代のポップスが取り入れられて気楽に見られる雰囲気を作り出していた。
 脚本は岡田惠和、監督は羽住英一郎 。



シェイクスピア作品の映画化やその関連の映画は除く。
それらは別ファイルになっている。→ 『シェイクスピアの劇と映画


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