updated Aug. 24 1998
派遣110番によく寄せられる質問と回答例(FAQ)
1993年以前には、継続勤務1年間が年次有給休暇の権利発生の法定の要件でしたが、法改正によって、6箇月と短縮され、その後の1年間は、10日の年次有給休暇の権利が認められますので、短期契約の多い派遣労働者にとっては、少し有利になったと言えます(1年契約であれば、後半の6箇月に10日の年次有給休暇を行使することになります)。
それでも、年次有給休暇は、何年もにわたって継続勤務する常用の労働者に有利な仕組みになっています。実際には、短期雇用を前提にした派遣労働者や契約社員にとっては、年次有給休暇を付与されない例が少なくありません。
1996年6月の、派遣労働ネットワークの電話相談でも「賃金ダウンや有給休暇関係」が(23件、19%)を占めており、「1993年の労働基準法改正により、6カ月勤務すると年次有給休暇を取得する権利が生じるようになったためか、企業側が派遣労働者の契約期間を従来より短縮するケースが目立つ」と報じられています。
年次有給休暇などの権利を与えずにすむという、経営者にとっては有利な雇用形態として、派遣労働や契約社員を利用すると言うのが本音のところだと思います。
ただ、派遣先が変わっても、派遣元との関係が継続していれば、「継続勤務」になり、年次有給休暇の権利が当然に発生します。この「継続勤務」については、実態を重視して判断することになっていますので、継続性を打切るために1年契約にして、契約更新の間に数日間をおいて、形式だけ「継続性」を切断するような「脱法行為」は認められません。