FAQ:qa3100 有給休暇（常用型の場合）　年次有給休暇は、毎年増えて

updated May 7 2000
派遣１１０番によく寄せられる質問と回答例(ＦＡＱ)

質　問　と　回　答　例　（Ｆ　Ａ　Ｑ）

3100.

　有給休暇（常用型の場合）　有給休暇は、毎年増えていくと聞きました。どのように計算されますか。

　有休や有給という表現が広く使われていますが、法的には年次有給休暇（年休）という用語を使います。この年休は、労働基準法３９条で保障された最低基準の権利であり、会社（使用者）から恩恵として与えられるものではありません。労働者が請求したのに対して使用者が年休を付与しなければ、労働基準法違反として罰則の適用もあります（なお、労働基準法の基準を上回る年休については労使の合意で要件を決めることになります）。
　派遣労働者の場合、この年休は、派遣元が使用者として責任を負います。労働者は派遣元に年休を請求することになります。
　年休が付与されるためには、労働基準法では、①６ヵ月を超えて継続勤務していること（短期契約の反復更新も含みます）、②全労働日の８割以上出勤していることが要件となります。
　年休の付与日数は、雇い入れ後６ヶ月経過で１０日間、１年６ヶ月経過で１１日間、２年６ヶ月で１２日付与になっています。法改正によって９９年４月以降、３年６ヶ月経過した時点から、勤続１年ごとに２日間ずつ付与日数を増加させることが必要になりました。ただ、経過措置があり、完全実施は２００１年度からになります。
　なお、この継続勤務は、同一の派遣会社での勤務になりますので、登録型で複数の派遣会社から派遣されている場合には継続勤務と計算されないことになりますが、常用型の場合や登録型でも一つの派遣会社で勤務年数が継続していれば、休暇日数が増えて行きます。ただし、派遣会社が変われば、継続勤務はリセットされることになってしまいます。

　【表１】年休の付与日数

勤続年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5 7.5 8.5 9.5 10.5年以上

年休日数1999年度 10 11 12 14 15 16 17 18 19 20 20

　　　　　　2000年度 10 11 12 14 16 17 18 19 20 20 20

　　　　　2001年度以降 10 11 12 14 16 18 20 20 20 20 20

　次に、ご相談の場合、週の所定労働時間が３０時間以上であれば一般の労働者として年休日数が決まりますが、週３０時間未満の場合で、週所定労働日数４日以下の場合、比例的に年休が付与されます（表２）。これも法改正によって経過措置があります（表３、表４）。

　【表２】所定労働日数の少ない労働者に対する比例付与日数（1999年度）

勤続年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5 7.5 8.5 9.5以上

週所定労働日数　４日年所定労働日数169-216 7 8 9 10 11 12 12 13 14 15

　　　　　　　　　　　３日　　　　　　　　　　121-168 5 6 6 7 8 9 9 10 10 11

　　　　　　　　　　　２日　　　　　　　　　　　73-120 3 4 4 5 5 6 6 6 7 7

　　　　　　　　　　　１日　　　　　　　　　　　48- 72 1 2 2 2 2 3 3 3 3 3

　【表３】所定労働日数の少ない労働者に対する比例付与日数（2000年度）

勤続年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5 7.5 8.5以上

週所定労働日数　４日年所定労働日数169-216 7 8 9 10 12 12 13 14 15

　　　　　　　　　　　３日　　　　　　　　　　121-168 5 6 6 7 9 9 10 10 11

　　　　　　　　　　　２日　　　　　　　　　　　73-120 3 4 4 5 6 6 6 7 7

　　　　　　　　　　　１日　　　　　　　　　　　48- 72 1 2 2 2 3 3 3 3 3

　【表４】所定労働日数の少ない労働者に対する比例付与日数（2001年度）

勤続年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5以上

週所定労働日数　４日年所定労働日数169-216 7 8 9 10 12 13 15

　　　　　　　　　　　３日　　　　　　　　　　121-168 5 6 6 7 9 10 11

　　　　　　　　　　　２日　　　　　　　　　　　73-120 3 4 4 5 6 6 7

　　　　　　　　　　　１日　　　　　　　　　　　48- 72 1 2 2 2 3 3 3

　年休の利用は労働者の自由ですので、使用者は利用目的を尋ねて年休を認めないことはできません。多くの派遣労働者は、時給や日給制であることから、突然の病休や家庭の都合でやむを得ず休む場合に賃金カットを受けてしまいます。そこでカットされる賃金補填の目的で「有給休暇」を行使することが多いようです。そのため、本来は、年休は、週単位のバカンスのための休暇でしたが、現実には、１日単位や半日単位で行使されているようです。

　年休の時季指定は、労働者の都合が優先されます。使用者（派遣元）は、事業の正常な運営に支障があるときにだけ、年休の時季を変更することができます。原則として労働者の指定する時季に年休を与える義務があります。例外として労働者の過半数代表（または過半数労働組合）との協定があれば、一定日数に限って「計画年休」を指定することができます。しかし、こうした特別な手続をとることなしに、会社が年休日と特定することはできません。
　この「時季変更権」を行使する場合の「事業の正常な運営」は、派遣先事業場ではなく、派遣元事業場が単位になります。派遣先が多忙であるからという理由で時季変更権を行使することはできません。代替要員を準備したり、余裕をもって労働者派遣契約で派遣人員を決める等、派遣元は、年休取得を前提にした対応をする義務があると考えられるからです。人員をギリギリに少なくしておいて、年次有給休暇をとれば、事業の正常な運営に支障がでることが常態であるのは、できるだけ労働者の希望する時季に年休を付与することを求める労働基準法の趣旨に反します。年休をとることが当然である、という前提で、人員配置をすることが必要なのです。

　なお、派遣先の営業日に年休取得を制限する例、月に２日までなど取得日数を制限する例なども労働基準法の趣旨に反します。実際には、週休２日の土曜日や日曜日を年休指定して賃金だけを補填することも行われているようですが、法的には、労働契約で休日とされている日には、労働義務からの解放である年休を指定することはできません。

　もし、労働者が年休を請求したのに付与しないときには使用者は労働基準法違反となり、罰則適用も予定されています。

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勤続年数	0.5	1.5	2.5	3.5	4.5	5.5	6.5	7.5	8.5	9.5	10.5年以上
年休日数1999年度	10	11	12	14	15	16	17	18	19	20	20
2000年度	10	11	12	14	16	17	18	19	20	20	20
2001年度以降	10	11	12	14	16	18	20	20	20	20	20

勤続年数		0.5	1.5	2.5	3.5	4.5	5.5	6.5	7.5	8.5	9.5以上
週所定労働日数　４日	年所定労働日数169-216	7	8	9	10	11	12	12	13	14	15
３日	121-168	5	6	6	7	8	9	9	10	10	11
２日	73-120	3	4	4	5	5	6	6	6	7	7
１日	48- 72	1	2	2	2	2	3	3	3	3	3

勤続年数		0.5	1.5	2.5	3.5	4.5	5.5	6.5	7.5	8.5以上
週所定労働日数　４日	年所定労働日数169-216	7	8	9	10	12	12	13	14	15
３日	121-168	5	6	6	7	9	9	10	10	11
２日	73-120	3	4	4	5	6	6	6	7	7
１日	48- 72	1	2	2	2	3	3	3	3	3

勤続年数		0.5	1.5	2.5	3.5	4.5	5.5	6.5以上
週所定労働日数　４日	年所定労働日数169-216	7	8	9	10	12	13	15
３日	121-168	5	6	6	7	9	10	11
２日	73-120	3	4	4	5	6	6	7
１日	48- 72	1	2	2	2	3	3	3