第8章 大きくなったルースとポール
ジャーナリストであり作家でもあるP・ミラー氏の二人のお子さん、ルースとポールは、ごく自然な環境の中で、両親から死後の存続を事実として教わっている。今はもう少年期に入っているが、姉のルースが8歳、弟のポールが6歳の幼児期から(六年間)毎年のようにクリスマスが近づくと交霊会に招かれてシルバーバーチとお話をしている。従ってシルバーバーチとはまるで家族のような親しい間柄となっている。
二人が出席するときは大抵いくつかの質問を用意しているが、その質問の内容は〝子供らしさ〟あるいは〝少年らしさ〟を尊重して両親をはじめとしてサークルの大人のメンバーの誰からも干渉されていない。交霊会そのものも大人のメンバーは出席することは許されても口出しは許されない。いわば〝子供の為の交霊会〟なのである。
(訳者注=口出しは許されないと言っても大人にとっても大切な問題になると補足的な質問をしている。なおこのルースとポールの幼少時代の交霊会の様子は日本版シリーズ第5巻で「二人の子供と語る」と題して紹介されている。それから六年たっている。原書では、本章は冒頭に子供時代の宗教教育の大切さについてのシルバーバーチの講和が載っているが、これは第4巻で「宗教の本質と子供の宗教教育のあり方」と題して紹介されているので本章ではカットした)
当日の交霊会の様子については父親のミラー氏の記事があるので、それをそのまま紹介するのが一番よいように思われる。次がその全文である。
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ハンネン・スワッハー交霊会の支配霊であるシルバーバーチのそばに二人の少年が立っていた。そして二人が代わるがわるクリスマスタイム(12月24日~1月6日)にしばしの別れの挨拶をすると、シルバーバーチはまず姉のルースに
「上品さとたくましさ、愛と叡智を身につけるようにね」と言い、続いてポールに
「たくましくなりなさい。そして自分の背後には霊の力が控えているのだという確信を忘れないようにね」と言い、最後に二人に
「私はいつでも私の存在のすべてをかけ、愛の心と霊の力を傾けてお二人の為に尽くしますよ」と述べた。
確かにそう述べたのであるが、こうして活字にしてしまうと、二人の子供が質問しシルバーバーチが答えると言う形で、年一回、六年間も続けられてきた三人の間の情愛の温かさは、その片鱗すら伝えられない。一時間と二十分、二人は真剣そのもので質問し自分の意見を述べた。若いとはいえ、はやスピリチュアリズムの真理が二人の生活の一部となり切っているようだ。
二人は質問すべき時間を二人だけで話し合って決め、大人のサゼスチョン(提言・助言)を一切ことわった。その問答が始まった。
第1節 〝死に方〟は死後にどう影響するか
ルース「人間が死ぬ時の死に方と言うのが霊界へ行ってから影響するのかどうか知りたいのです。つまり自然な死に方の方が霊界へ行きやすいのかと言う事です」
シルバーバーチ「勿論です。大きな違いがあります。もしも地上のみんなが正しい知識を持ち自然な生き方をすれば・・・もしもですよ・・・そうすれば死に方があっさりとして、少しも苦痛を伴わなくなります。そしてまた、死後の霊の身体を調節する必要もないでしょう。ところが残念なことに、実際はそんなにうまい具合にいっておりません。
地上を去って霊界へ来る人のほとんどが自分がこれからどうなるのか、自分と言うのはいったいどのように出来上がっているのか、霊的な実在とはどんなものなのかについて恐ろしいほど無知なのです。その上、地上で十分な成長をしないうちにこちらへ来る人がそれはそれは多いのです。そういう人は、私がたびたび言っておりますように、熟さないうちにもぎ取られた果実のようなものです。ルースちゃんも知っているように、そんな果物はおいしくありませんね。
果実は熟せば自然に落ちる物なのです。霊が十分に成長すると自然に肉体から離れるのです。今私の世界へ、渋い果物や、酸っぱい果物が続々とやってきております。そのため、そういう人たちをこちらで面倒見たり、監視したり、手当をしたり、看護をしたりして、霊界に適応させてあげないといけないのです。みんながちゃんとした知識を持っていれば、私のように地上の人間の面倒を見ている者はとても手間が省けて有り難いのですけどね。ルースちゃんの言うとおり、死に方によって大変な違いが生じます。以上のような答えでいいですか」
ルース「ええ、とてもよく分かりました」
(訳者注-ルースが〝死にかた〟と言った時多分自然死でない死にかた、すなわち事故死、病死、戦死、自殺と言ったものが念頭にあったはずで、シルバーバーチも一応そのことを念頭に置いていたことは〝霊の身体を調節する必要もないでしょう〟という言葉から窺われるが、もう少し具体的なことを述べてほしいところである。そこで、最近入手したスカルソープと言う人のいわゆる〝対外遊離体験〟の書物から霊界の病院を訪れた時の模様を紹介しておく。
≪霊界の妻との関係と思われるが、私は妻の勤める霊界の病院へ度々つれて行かれる。病院と言っても地上から霊界入りしたばかりの人を介抱する施設である。
あるときその施設を妻の案内で見学したのであるが、そこは若い女性ばかりの患者を介抱する施設だった。そこの食堂へ行ってみるとちょうど食事中で、私も妙な食欲を覚えた。テーブルの間を通り抜けながら患者のオーラとコンタクトしてみたが、死因となった事故のショックや恐怖、病床での苦しみや不安の念が根強く残っていた。
中には地上での病院での消毒液の匂いが漂っている者もいた。事故死した者の腕や首や顔に傷あての絆創膏の跡がうっすらと残っている人もいた。精神に焼きついた映像がまだ消えていないのである。
しかしホール全体に穏やかな雰囲気が漂っていて、一人として病人臭さは見せていない。これは高級界から間断なく送られてくる生命力のせいで、こうした特殊な患者にはそれが必要なのである≫)
第2節 〝霊的(スピリチュアル)〟と〝心霊的(サイキック)〟の違い。
ポール「インデアンには儀式のようなものをして、雨を降らせることが出来る人がいましたが、それには霊界の人がどのように関係しているのですか。何か関係があるのですか」
シ「関係ありません。心霊的法則と霊的法則とは少し違うのです。まったく同じではないのです。どちらにでも言いかえることが出来ると思っている人がいますが、同じものではありません。
さて、かつてのインデアンという民族は地上の物的現象に関係した心霊的法則について良く知っておりました。純粋に物的な現象です。そして腕のいい熟練したまじない師は、儀式によってその心霊的要素を引き寄せる能力を具えていたのです。
実はこれは簡単に説明するのが難しい質問なのです。とにかく霊界とは何のつながりもないのです。地上の物的な現象と関係した心霊的法則とのつながり方が大きいのです。こんな説明ではポール君にはよく分からないでしょうね」
ポール「いえ。分かります。ただ、心霊的法則と言うのはどんなものですか」
シ「やっぱりそこまで話さないといけませんかね」
ここで交霊会の終わりが近づくまでは大人は口出しをしてはいけないと言うルールを破ってメンバーの一人が「それはサイコメトリのようなものでしょうか。あれは必ずしも霊的法則とは関係ないと思うのですが・・・」
シ「例ならばいくらでもあげられるのですが、この二人の子供に一番良く理解してもらえるものを考えているところです。たとえば霊視能力者の場合を例に挙げてみましょう。霊視がきくと言われている人でも、霊界のものは何も見えないと言う人はたくさんいます。
(日本語ではこれを透視能力と言う-訳者)この場合は心霊的な能力にすぎません。ですから心霊的法則の支配を受け心霊的な能力で見るだけで、その背後に霊界の人間とのつながりはありません。他界した人の姿も見えません。肉眼にはみえない遠くの情景を見ることは出来ます。予知もできます。未来を覗いたり過去の出来事を当てることもできます。ですが、そうしたことが霊界と全くつながっていないのです。生まれながらに具わっている純粋に心霊的な能力なのです。これでわかりますか」
二人の子供に変わって母親が「私はそういうことがあるとは思ってもみませんでした。霊界とのかかわりなしに証拠を言い当てたり物事を見抜いたりすることが出来るとは知りませんでした」
シ「でも、事実そうなのです。この地上界の範囲だけの心霊的能力と言うのがあるのです。現に多くの人がそれを使用しております。五感の延長なのです。霊の世界とはなんの関係もありません。物的法則とつながった心霊的法則ないし心霊的要素の範囲内の現象です。
易占い──本物の場合ですが──あるいは本物の水晶占いで霊的な働きかけなしに見たり聞いたりすることが出来るように、心霊的能力を駆使できるまじない師は、ある種の儀式によって物的法則の背後にある力をその心霊能力と調和させて雨を降らせることが出来たのです。私にできる説明はこんなところですが・・・」
別のメンバーが「実によく分かりました。面白いテーマだと思います。私も、そうした能力がどの程度まで伸ばせるのだろうかと言うことに関心がありましたので・・・」
シ「その可能性は大変なものです。インドにはヨガの修行者ですごいのがいます。それでも霊界とは何のつながりもありません。彼らが霊の姿を見たら、たまげることでしょう」
別のメンバー「霊を見たらその容姿を述べるのではないかと思いますが…」
シ「その時はすでに波長の次元が違います。霊媒現象と言うのは霊的なものと心霊的なものとの組み合わせです。その融合作用で霊的通信が行われるのです。霊界と交信する霊能は霊媒の持つ心霊能力だけで行われるのではありません。支配霊ないし指導霊との協力によって行われるのです」
ポール「すみません、僕は頭が悪いものですからサイキックとスピリチュアルとはどこが違うのか、まだよく分かりません。今までは一緒だと思っていました」
シ「似てはいますが、全く一緒ではないのです。心霊的能力の全てが開発されても、それが高級霊の指導を受けてスピリチュアルな目的の為に使用されるようになるまでは、それは霊的能力とは言えないのです。ポール君は物的身体のほかに霊的身体も備えています。その身体には生まれつきあらゆる心霊的能力が潜在していますが、それが開発されしかも霊界の力と融合した時始めてスピリチュアルと言えるものになるのです」
第3節 死後の界層の違いは何で決まるか
ポール「死後の世界のレベルについて教えてください。シルバーバーチさんはよくその違いについて話しておられますが、どういう違いがあるのですか」
シ「成長の度合いが違うのです。しかしその違いは地上のように物差しで測れるものとは違います。もし私がポール君に愚かな人と賢い人、あるいは欲張りと聖人との違いを寸法で測りなさいと言っても、そんなことはできませんね?
しかしそれぞれの界に住む霊の成長には大きな差があるのです。こちらでは魂の成長に応じた界、つまりその人の知性と道徳性と霊性の程度にちょうど良く調和する界に住むようになります。界の違いはそこに住む人の魂の程度の違いだけで、霊性が高ければ高いほど、善性が強ければ強いほど、親切心が多ければ多いほど、慈愛が深ければ深いほど、利己心が少なければ少ないほどそれだけ高いレベルの界に住むことになります。
地上はその点が違います。物質界と言う同じレベルで生活しているからと言って、みんな精神的に、あるいは霊的に、同じレベルの人たちばかりとは限りません。身体は同じレベルのもので出来ていますが、その身体つまり物資で出来た肉体がなくなれば、魂のレベルに似合ったレベルの界へ行くことになります」
ポール「はい、よく分かりました。もう少し聞きたい事があります。この地球はそういう界の一つですか。それとも特別なものですか」
シ「いいえ、地上界も霊的な世界の一部です。なぜかと言うと、霊の住む世界は全部重なり合っているからです。宇宙に存在する生活の場の全てが互いに重なり合い融合し合っており、霊界とか幽界とか物質界と言うのは一つの宇宙生活の違った側面をそう呼んでいるだけです。ポール君は今物質界にいますが、同時に幽界にもつながっているのです」
第4節 知識には責任が伴う
ルース「あたしは(この交霊会での質問の準備をしているときに)シルバーバーチさんはあたしたちよりはるかに多くのことを・・・あたしたちが夢にも思わないことを知っているのだから、あたしたちの方から質問しなくてもちゃんとお話してくださるだろうと思ったりしました」
シ「ええ、お話しますよ。でも、だから何の質問もしなくてもいいということになるのですか」
ルース「なりません。あたしが知りたいのは、子供のころからスピリチュアリストとして育てられて、あたしたち二人は得をしているかどうかと言うことです」
シ「自分ではどう思っていますか」
ルース「分りません。だってあたしは霊の世界に住んでないでしょう。だからどんな得をするか、自分ではわかりません」
母親「この子はスピリチュアリズムを知らない生活と言うのを体験していないものですから、比較が出来ないのです。その点シルバーバーチさんは両方ご覧になれます」
シ「私は眼を閉じても見ることが出来ます。私が自分ではどう思っていますか、と聞いたのは、ルースちゃんのお友達には死んでからのことを知らない人がたくさんいるからです。そういうお友達はルースちゃんと比べて得だと思いますか損だと思いますか」
ルース「霊の世界へ行く時に何の準備も出来ていない点では損だと思います。その知識も体験もないからです。でも、それ以外のことはよく分かりません。すみません」
ポール「今ルースが最初に言ったことはその通りだと思います。でも、それ以外のことでは損も得もないと思います、死ねばどうなるのかが分っているのは得だけど、それ以外では別に変りはないと思います」
シ「答えは簡単なのですよ。知識はすべて得になるということです。ところが残念なことに、そうとばかりは言えない事態が生じるのです。知識は確かに喜びと幸せと落ちつきをもたらしてくれますが、今度はそれをどう生かすかという責任ももたらすのです。知識は、無知から生ずる愚かな心配を取り除いてくれます。知識は自分とは何かを自覚させ、これからどうすべきかを教えてくれます。
そして真理を知らずにいる人を見て気の毒だと思うようになります。真理を知らなかったために罪を犯す人は勿論それなりの償いをさせられますが、真理を知っていながら罪を犯す人は、もっと多きな償いをさせられます。より多くを知っているということが罪を大きくするのです。ポール君は真理を知っているだけ得です。しかし、これからどういう行いをするかが問題です」
第5節 魂の成長には試練と経験が大切
メンバーの一人「それだけはあなたもどうしようもないことなのですね?」
シ「私がその摂理を変えるわけには行かないのです。私はただ摂理はこうなっていますよとお教えするだけです。これまで私は何度か皆さんが困った事態に陥っているのを見て、その運命をなんとか肩代わりしてあげたい、降りかかる人生の雪と雨と寒さから守ってあげたいと思ったことがあります。しかし、それは許されないことなのです。
なぜなら、そうした人生の酷しい体験をさせている同じ力が、人生に光と温もりをもたらしてくれるからです。一方なくして他方は存在しないのです。試練と体験を通してこそ霊は成長するのです」
ルース「シルバーバーチさんにもそれが許されないのはいいことだと思います。困ったことがあるたびにシルバーバーチさんが助けてくれたら、いつも誰かに頼らないといけない人間になってしまうからです」
ポール「人生の目的がなくなってしまいます」
シ「そうです。でもね、私にとって、それは辛いことなのですよ。そのうちお二人も、本当の意味で〝愛する〟と言うことがどういうことなのか、愛する人が苦しんでいるのに何もしてあげられないと言うことがどんなに辛いことか分る日が来ます。
そこで、先ほど述べた事にもう一つつけ加えたい事があります。これはルースちゃんあなたにお聞かせしたい事です。
(スピリチュアリズムを知ったことによって生じる)一番大きな違いは、自分が一人ぼっちでいる事が絶対にないという事を知ったことです。
何時どこにいても霊の世界からの愛と友情と親愛の念を受けていると言うことです。最善を尽くしているときは必ず霊界から導きの力が加わっていること、あなたの持って居るものから最善のものを引き出し、あなたの人生から最善のものを学びとってくれるようにと願っている、友情と親切心と協力精神に満ちた霊の存在が周りにいてくれているということです。このことがスピリチュアリズムがもたらしてくれる一番有り難いことです。このことを知っただけでルースちゃんは、それを知らない人より幸せだということになります」
第6節 男性の役割と女性の役割
シ「原因は女性があまりに物事を知らなすぎたからです」
ポール「それを改めることが出来るでしょうか」
シ「改める必要はありません。これまでも実際は女性の方が男性をリードしてきているからです」
メンバーの一人「あなたはこれまでそういう捉え方はなさらなかったように思いますが」
シ「ええ、でも、これにはそれなりの根拠があるのです。男性が狩りに出ていた時代の名残です。つまり男性が家屋を建て、食料をとりに出かけねばならない時代においては男性が絶対的な支配力を持ち、お腹を空かして疲れた体で帰ってきた時に女性が優しく迎えて介抱し、食事を用意してあげていました。
男性が行動的で女性が受動的だった為に、何かにつけて男性に有利な習慣が出来ていました。しかし、今それが変化し始め、どちらが上でどちらが下でもない、お互いが補い合うようになっているという認識が行き亘りつつあります」
ポール「良く分かりました。有難うございました」
第7節 愛は霊にとって酸素のようなもの
シ「お二人とはずいぶん永いおつきあいですね。二本の小さな苗木がまっすぐに育っていく様子を見てまいりました。そして、お二人が絶え間なく増えていく知識と理解力の中で、生きておられるのを見てうれしく思っております。
まだまだ知らねばならないことがたくさんあります。でも、少なくともお二人は霊的な真理に守られて地上生活に立ち向かっており、その目的を理解し何をしていても誠意さえあれば決して挫けることはないことを知っておられます。私は何時も身近にいて、私に出来る限りの援助をいたしましょう。
今日はルースちゃんとポール君の二人が来てくれて、私は本当にうれしく思っております。私がいつも身近にいることを知っていただくいい機会になるからです。私は決して遠くにいるのではありません。お二人がお家にいる時も、学校にいる時も、遊んでいるときも、すぐそばにいることがあります。おかしくて笑いだすような光景を見ることもあります。
ですが、地上生活から学び取ることもたくさんあります。私はまだまだ学ぶことが終わったわけではありません。西洋人の生き方や習慣には興味をひかれることがいろいろとあるからです」
母親「私たちは暖炉に火をくべながら、よくシルバーバーチさんのことを思い出すことがあるのですよ。暖炉を囲んでシルバーバーチさんは暖炉や炉火はお好きだろうかね、等と語りあうんですよ」
シ「私はいつも私へ愛情を覚えてくださる方々の愛念によって心を温めております。私にとっては地上で窒息しないために吸入できる唯一の酸素は〝愛〟なのです。地上へ降りて来るために、お預けにされる喜びを補ってくれる最大の慰めは皆さんからの愛なのです。(私の本当の住処である)高級界の霊的生活の荘厳を極めた美しさを一度体験されたら── 一度でもその世界の恩恵をほしいままに出来る生活を体験されたら、悪意と敵意、憎しみと闘争、流血と悲劇に満ちたこの冷たく陰鬱な地上生活はもう二度と御免こうむりたいと思われるはずです。
そんな世界に身を置いている私にとって、皆さん方の真理普及の行為によって魂が目覚めた人々の心に灯された愛念が何よりの慰めとなっております。地上世界での仕事は困難を極めます。冷え切った心、歪んだ心の持ち主、私たちからの叡智や指導はおろか、自らの愛すら感じなくなっている人が大勢います。
そうした中にあって親近感や同情心、僚友精神や同志的友情がいかに大きな元気づけとなるものであるか、ご存知でしょうか。皆さんが想像される以上に私にとって力となっております。さらに多くの人々へ手を差し伸べていくための糧を供給してくださっていることになるのです。
ならば、道を見失い、同情の言葉に飢え、導きと慰めと希望の言葉を求めてその日暮らしの生活に明け暮れている気の毒な人たちの事に常に思いを馳せようではありませんか。そういう人たちはみな、この世に自分一人だけ取り残されたような悲哀の中で生きているのです。そういう人たちこそ私たちが霊力の行使範囲に導くためになんとかしてあげなくてはならないのです。物憂い悲嘆の生活を一変させ、希望の光と真理の感触とを生活の中にもたらしてあげることが出来るのです。
ご承知の通り私はこれからしばしの間地上を去ります。うしろ髪を引かれる思いがいたしますが、しかし時には高き世界からのエネルギーを再充電し、同じ使命に携わる同輩と協議し、失敗箇所と成功、予定どうりに進行しているところとそうでないところについて指示を仰ぐことがどうしても必要なのです。その時私は皆さんからの愛を携えて行き、私からの愛を皆さんにお預けしてまいります。再び戻ってくる日を心待ちにいたしております。
それでは最後に皆さんとともに宇宙の最高のエネルギー、私たちがその一部を構成しているところの神のエネルギーに波長を合わせましょう。そのエネルギー、神の御力、大霊の息吹の恩恵を改めて意識いたしましょう。その最高の力を受けるに相応しい存在であるように努力いたしましょう。託された信頼を裏切ることのないように努力いたしましょう。高貴な目的の為の道具として恥ずかしくない生き方、考え方、物の言い方を心がけましょう。そしていかなる事態に遭っても、その神聖なる使命を傷つけることのないように致しましょう。
双肩に担わされた使命を堂々と遂行いたしましょう。これから降りかかるいかなる受難にも、人のために己を役立てたいと望む者は常に限りない愛を秘めた大霊と一体であるとの信念を燃やして、不撓(フトウ)不屈の決意を持って立ち向かいましょう」
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続いて翌年のクリスマスにもルースとポールの二人が招かれている。シルバーバーチによれば二人の存在も計画の中に組み込まれており、二人を通して、それなくしては得られないかけがえのない力を得ているということである。
このたびの交霊会はクリスマスとはどういう意味があるのかと言う話題から始まった。と言うのは、その頃ポールの学校ではクリスマスについてのお話があり、ポールはその意味がよく分からなくて、家に帰ってから両親に説明を求めたばかりだったのである。
そのいきさつを聞いたシルバーバーチがこう述べた。
「その問題に入るに先立って知っておいていただかねばならない事があります。と言うのは、永い間地上人類を悩ませてきたつまらない問題からさきに片付けておく必要があるからです。ポール君は神についてどういう点が良く分からないのでしょうか」
ポール「これまでいろんな人が神についていろいろな説き方をしているみたいです。それぞれみんな違っており、これだと得心いくものが一つもないのです」
第8節 〝神〟の思想の進歩
シ「その通りなのです。忘れてならないのは、人間は常に成長しており、精神の地平線が絶え間なく広がっているということです。言いかえれば、境界線が取り除かれていきつつあるということです。知識が進歩すれば宇宙そのものと、その宇宙に存在するものについて、より大きな理解力がもたらされます。
太古においては人間は環境についてほとんど知識が無く、自然現象については全く理解していなかったために、何もかも神の仕業にしておりました。その神様についても人間を大きくしたような存在としてしか想像できませんでした。そこに犠牲(イケニエ)の思想の原点があります。雷が鳴り稲光がすると神様が怒っているのだと思い、その怒りを鎮めるためにいろんなお供えをするようになったのです。
そうした野蛮な小さな考えも次第に大きく成長し、人間は無知の暗闇から脱し、迷信の霧を突き抜け、知識の夜明けを迎えて、宇宙の根源はどうやら人間の想像を超えたものらしいということに気づきはじめました。しかし、だからと言って古い概念がそう簡単に消えたわけではありません。何かすごく大きな人間の男性のような姿をした神様が宇宙をこしらえたのだという概念が、何十世紀もたった今もなお存在しています。
さて私たちはさらに一歩進めて宇宙を創造しそして支配しているものは、男性神でもなく、女性神でもなく、とにかく形ある存在では無いと説いているのです。人間的な存在ではないのです。宇宙は法則によって支配されており、その法則は規模においても適用性においても無限なのです。それは無限の愛と叡智から生まれたものであり、したがって完璧であり、誤ったり失敗したりすることが絶対にないのです。
私は生命とは霊のことであり、霊とは生命のことであり、始めもなく終わりもないと説いております。霊を物質の中に閉じ込めてしまうことはできません。物質と言うものは霊の至ってお粗末な表現でしかありません。物質界に生きる人間は視覚と聴覚と触覚と臭覚と味覚の五つの感覚でしか物事を判断することが出来ませんから、その五感を超えた生命の本質を理解することはまず無理なのです。
そうした限界の中で生きている限り、その限界の向こう側にあるものが理解できるわけがありません。そこで次のような結論となります。すなわち宇宙は自然法則によって表現されていること、その法則の背後にある叡智は完全であること、しかし人間は不完全であるためにその完全さを理解できないということです。人間が個体性を具えた限りある存在である以上、個体性のない無限の存在を理解することは出来ないのです。これはとても難しい問題ですが、少しでも理解の手助けになればと思って申し上げてみました。
人類の全てが──地球と言う一個の天体上だけではありません。数え切れないほどの天体上の人間的存在のすべてがそうなのですが──私の言う大霊、皆さんの言う神の一部を構成しているのです。大霊とは全宇宙の総合体だからです。これなら分るでしょう?」
ポール「人間は進歩するほど神について複雑な考え方をするようになり、複雑になるほど真実から遠ざかって行くのではないでしょうか」
第9節 本当の進歩とは
シ「本当の意味での進歩であればそう言うことにはなりません。実は〝脳〟ばかり発達していて〝精神〟や〝霊〟の発達が伴っていないことがあるのです。すると頭のいい人が多くなりますが、頭がいいということは必ずしも偉大な魂、あるいは偉大な精神の持ち主ということにはならないのです。
それは脳という物質のみに限られた発達なのです。そう言う発達をした人の中には複雑なものほど立派であるかに思っている人がいることは確かですが、本当の発達、精神と魂の発達を伴ったものであれば、霊的なことについてもより深く理解するようになります。正しい発達とは精神的ならびに霊的な発達のことを言うのです。そう言う発達をしている人は古い間違った概念を棄てて、ますます真理に近づいてまいります。
いつも忘れずにいて欲しいのは、無限の存在である大霊の全てを、限りある言語で説明することは不可能だということです。大きいものを小さいものの中に入れることはできません。これは当たり前のことです。分かってもらえたかな? さてほかに、どんな質問がありますか」
第10節 人類最大の発見は?
ルース「人類による最大の発見は何だと思われますか」
シ「これは難しい問題ですよ。〝最大〟という言葉の意味がいろいろあるからです。どういう意味での〝最大〟なのか・・・物的にか、精神的にか、霊的にか、それを前もって考えてから質問すべきですね。
私の考えでは、人類による最大の発見は人間は動物とは違うこと(霊長類であること)を知ったこと、自我意識と言うものがあることを知ったこと、霊性を自覚したこと、お粗末とはいえ身の回りの現象について知る能力があることを知ったことです。それが他の全ての発見へとつながったからです。
今〝霊性を自覚したこと〟といいましたが、その意味は、人間が肉体以上の存在であること、物資を超えた存在であること、やがて朽ち果てて、土に返っていく物質的容器とは違う存在であることを知ったということです。私はこれが何よりも大きい発見であると思います。
が、ルースちゃんの質問が私にとっての最大の発見は何かという意味であれば、話はまた違ってきます」
第11節 シルバーバーチの最大の発見
ポール「それを聞きたいです。ぜひ話してください」
シ「私にとっての最大の発見は地上の多くの人たちが善意と情愛と僚友意識と、そして愛までもこんなにたくさん持っておられることを知ったことです。また、訴え方が正しければ、その愛を本性から呼び覚ますことが出来ると言うこと、最高の波長にさえ反応してくれるということ、気高い品行を志し、気高い思念を持つことが出来ると言うこと、自己の利益や打算を超えた、より大きなものに心を動かされうるということ、理想主義、愛他精神、奉仕的精神にも共鳴してくれるものであることを知ったことです。
この冷たくて鬱陶しい、およそ魅力のない陰鬱な地上での仕事に打ち込んできたこれまでの永い年月を振り返って見て、私は一度もお目にかかったことのない人でありながら、私の教えで救われたという気持ちから、感謝の愛念を送ってくださる方々が増えることによって、地上にこうまで温かみがもたらさられるものかと、驚きの念を禁じえません。
それほど多くの愛を頂戴することになろうとは予想もしませんでした。私にとってはそれこそが感謝の源泉であり、それが私を更に鼓舞し、同時に、勿体ないことだという気持ちにもさせられます。なぜなら私はそれに値するほどのことはしていないという自覚があるからです」
ルースとポールにとって、この答えはさすがに意外だったようである。子供心に、もっと楽しい話を予想していたのであろう。が、二人はかえって興味をそそられ、更に質問する。
第12節 物質文化の発達が利己主義を生んだ
ポール「シルバーバーチさんが地上へ降りてこられてから地上にはどんな変化があり、霊界ではどんな変化がありましたか」
シ「大雑把に言えば、地上における変化は〝文明化〟と言われる過程でしょう。人類は物質的な面で大きく飛躍しました。大自然の仕組みについて多くを発見しました。山頂を征服し海底を探査するようになりました。大陸と大洋を横断するようになりました。物質的な面では非常に高度なものを成就しました。驚異的な発達ぶりであったと言えましょう。
しかし、同じ発達が精神面と霊的な面に見られないのです。人類は物質と精神と魂のうちの物質面だけが異常に成長してまいりました。他の二つの側面がそれについて行っていないのです。それが利己主義と言う、地上でもっとも厄介な罪を生むことになったのです。
さて、こうした事実から学ばねばならない教訓があります。それは物質面での発達を、全面的でなくてもいいから、霊的ならびに精神的側面にもある程度反映するようにならない限り、人類は自らの存在の産物、自らの創造の成果を平和的生活の中で味わえるようにはならないと言うことです。そうならない限り地上には混沌と無秩序と不協和音が絶えないということです。良いことをしようと言う意欲を起こさせ、協調と奉仕の仕事へ鼓舞するのは精神と霊の発達なのです。
精神と霊の発達は利己主義を滅ぼし、代わって霊的教訓をもたらします。精神と霊に宿された才能を開発し、その上で物質的文明の産物を自分一人の為でなく他の全ての人たちの為に活用するようになれば言わゆる地上天国が実現されます。地上世界の全ての人間が自分より不幸な人の為に役立てる何らかの才能を具えているのです。
さて、その間に霊界ではどんな変化があったかと言うご質問ですが、これは地上世界のことより、遥かにお答えしにくい問題です。簡単に言ってしまえば、地上とのコミュニケーションの橋を架ける仕事がかつてなく組織的となり、二度と地上世界がチャンネル(霊媒・霊能者)の不足から霊界と絶縁状態となることのないよう、入念な計画が工夫されそして実行に移されているということです。これ以上の説明は難しいです」
(訳者注=シルバーバーチの念頭には多分、オーエンの『ベールの彼方の生活』第四巻で叙述されているように、天界の大軍がキリストを中心として組織されてゆっくりと降下し、それが今日スピリチュリズムと言う名のもとで霊的浄化運動となっていることがあったのであろう)
メンバーの一人「霊界においてそうした大きな仕事が成就されコミュニケーションの為の回線が敷設され、計画が順調に推進されていることを知って私たちもうれしく思います。これには秀れた霊媒が要請されることになりますが、今それが非常に不足しております」
シ「道具はそのうち揃います。霊力が多くのチャンネルを通じて恩恵をもたらす様になります。どんどん増えていきます。これまでの成果を見てこの程度のものと思ってはなりません。決してこの程度で終わるものではありません。昨日よりは今日、今日よりは明日と、ますます大きな事が成就されていきます。
それが進歩と言うものです。我々も進歩していくのです。〝我々の後は誰が引き継いでくれるのだろう〟・・・そう心配なさる方が必ずいるものですが、あなた方の仕事が終われば代わって別の人が用意されます。かくして霊力が今日以上に地上へ流れ込み続けます。それは誰にも阻止できません」
ルース「今はスピリチュアリズムと言う形で霊界と地上界との間にコミュニケーションが開かれておりますが、それ以前にも大きなコミュニケーションの時代があったのでしょうか」
シ「一時的にインスピレーションがあふれ出たことはありますが、長続きしていません。この度のコミュニケーションは組織的であり、協調的であり、監理、管督が行き届いており、規律があります。一大計画の一部として行われており、その計画の推進は皆さんの想像も及ばないほどの協調体制で行われております。背後の組織は途方もなく巨大であり、細かいところまで見事な配慮がなされております。すべてに計画性があります。
そうした計画のもとに(19世紀半ば)霊界の扉が開かれたのです。この度開かれた扉は二度と閉じられることはありません」(1848年の米国でのフオックス家での心霊現象を皮切りに、地球の一大浄化活動が始まったということ)
第13節 睡眠中は何をしているか
ルース「あたしたちは眠っている間はどんな事をしているのでしょうか」
シ「皆さんは毎晩その肉体を後にして別の世界へ行きます。訪れた世界での体験は二種類に分ける事が出来ます。一つは教育を目的としたもので、もう一つは純粋に娯楽を目的としたものです。教育的体験では、いずれ訪れる霊界生活で使用する霊的身体について教わります。娯楽を目的とした体験の場合は、たとえば霊界で催されているいろいろな会場を訪れます。
いいですかルースちゃん、あなたは昨晩私の世界の庭園へ連れて行ってもらったのですよ。それからポール君は音楽を聴きにいったのですよ」
ポール「二人ともそのことを覚えていないなんてつまんないですね」
シ「確かに、そう思うのも無理ないかもしれませんね。でも、それは肉体から離れている間の(異次元の)体験を肉体の脳で理解しようとするからなのです。ポットの水全部をグラスに入れようとしても入りませんね。それと同じです。でも、夢を注意して見ていると好いヒントになるものが見つかるはずですよ」
ルース「わけのわからない夢はどう理解したらいいですか」
シ「変てこな夢のことですか? あれは(異次元の)体験を脳で思いだそうとするからそうなるのです。脳は小さい袋のようなものです。霊体が肉体に戻ってきてその間の体験を脳に詰め込もうとするのですが、小さな袋には全部が入りきれないのです。それを無理して押し込もうとするためにあのような変てこな形になるのです。夢と言うのは別世界での体験がそのまま表れるのではなく、その断片的な思い出にすぎません」
ポール「シルバーバーチさんのお仕事で僕たちにもお手伝い出来る事があれば教えてくだい」
シ「私にあなたたちの愛の念を送ってください。私を信頼し、善意の思念を送ってください。それが私の何よりの食べものであり飲み物なのです。ただただ愛が欲しいのです。善意を頂きたいのです。それさえ頂ければ私は幸せなのです。しかし、どうぞ私の仕事のことで心配しないでください。自分でちゃんとやりますから」
ここで一旦話題が外れてメンバーの人たちと話した後、再びルースとポールに向かって次のような感動的な教訓を述べた。
シ「お二人のこれからの人生が日向ばかりだとは申しあげられません。曇りの日もあることでしょう。時には雨に打たれることもあるでしょう。困難なことがあるでしょう。試練に出会うこともあるでしょう。人生は一本調子のものではありません。
色彩もあり変化もあります。障害にも出会うことでしょう。何もかもうまくいく楽しい日々もあれば、すべてが絶望的に思える暗い日々もある事でしょう。そうしたさまざまな体験の中でこそ性格が培われるのです。人生を形つくっている様々な体験の中で培われるのです。
もしも人生が初めから終わりまで楽に行ったら、もしも乗り切るべき困難もなく耐え忍ぶべき試練もなく、克服すべき障害もないとしたら、そこには何の進歩も得られないことになります。レースは競い合うからこそ価値があるのです。賞はらくには貰えず一生懸命頑張った後にいただくから価値があるのです。そう言う価値ある人間になるように努力なさい。この世に克服できない悩みはありません。ですから、悩んではいけないのです。征服できない困難はないのです。力の及ばないほど大きな出来事は何一つ起きないのです。
一つ一つの経験から教訓を学ぶことです。難しいと思った時はひるまず自分にムチ打つのです。そうすればそれだけ前より強い人間となります。自分が霊である事、それが肉体を通して表現しているのだと言う事、そして自分と言う永遠の霊に傷を負わせたり害を及ぼしたりするものは決して生じないと言うことを忘れない事です。
世間で言う〝成功者〟になるかならないかはどうでもよいことです。この世的な成功によって手に入れた物は、そのうちあっさりと価値を失ってしまいます。大切なのは自分の霊性の最高のものに対して誠実であること、自分でこれこそ真実であると信じるものに目をつぶることなく、本当の自分自身に忠実である事、良心の命令に素直に従えることです。
それさえ出来れば、世間がどう見ようと、自分は自分として最善を尽くしたのだと言う信念が湧いてきます。そしていよいよ地上生活に別れを告げる時が来た時、死後に待ち受ける生活への備えが十分にできているという自信を持って、平然として死を迎えることが出来ます。これが私からのアドバイスです」
ルース「今のお話で私たちの最後の質問しなくてもよくなりました」
シ「さて、私はそろそろ行かねばならなくなりました。私の去りがたい気持ちはお分かり頂けるものと思います。折角の親しい繋がりをしばらくの間絶たねばならないからです。私はすっかり地上のお付き合いが好きになってしまいました。しかし、同時に暫くこの繋がりを絶たないことには、かえって私の存在価値が小さくなることも事実なのです。なんとなれば、これから先の仕事に必要なエネルギーが摂取できるのは内奥の世界においてのみだからです。
その世界へ戻ると私は地上へ帰りたい気持ちが薄らぎます。そこが私の本来の住処だからです。何しろそこは天上的な喜びに満ちた光輝あふれる世界なのです。しかし私にはまだまだ為さねばならない仕事があります。これまで成した仕事が果たしてこれでよかったのかどうかを確かめたいのです。そこでこれから霊の絆に置いて親密な間柄にある同志たちと会ってきたいのです。
私がいない間も忘れないでくださいね。私の影響力だけはずっと残っていることを知ってください。そのうち又私が自ら引き受けた仕事の推進の為に戻ってまいります。日常生活において皆さんを絶え間なく見守り付き添ってあげるために戻ってまいります。皆さんと生活を共にすることは私にとって一つの楽しみなのです。お役にたつことが出来ることを光栄に思っているのです。
では、また逢う日までお別れすることにいたしましょう。私はいつも愛を持って訪れ、愛を持って去ります。皆さんに神の御恵みの多からんことを」