S・フィリップス(編)
1986年9月 近藤 千雄(訳)
Silver Birch Speaks Again
Edited by S.Phillips
Psychic Press Ltd.
London, England
編者まえがき
ハンネン・スワッハー・ホームサークルの指導霊としてあまねく知られているシルバーバーチの霊言集はすでの数冊出版されているが、読者の要望にお応えして新たにこの一冊が加えられることになったのは有難いことである。これが六冊目となる。他に小冊子が二冊、教えを要約したものと祈りの言葉を精選したものとが出ている。
もとより活字ではシルバーバーチの温かい人間味が出せないし、ほとばしり出る愛を伝えることはできない。シルバーバーチは実に威厳のある霊であり、表現が豊かであり、その内容に気高さがあり、しかし喜んで人の悩みに耳を傾け、何者をも咎めることをしない。単純素朴さがその訓えの一貫した性格であり、真理の極印を押されたものばかりである。
交霊会を年代順に追ったものとしては本書が最初である。一章の中に一回の交霊会の始めから終りまでそっくり引用したものもあるが、他の二、三の交霊会から部分的に引用して構成したものもある。
私はなるべく同じ霊訓の繰り返しにならないようにしようと思ったが、それはしょせん無理な話だった。シルバーバーチの霊訓の真髄は基本的な霊的真理をさまざまな形で繰り返して説くことにあるからである。内容的には同じことを言っていても煩をいとわず、その時の言葉をそのまま紹介しておいた。
これまでの霊言集の中でも説明されているように、シルバーバーチの霊言は速記者によって記録されている。が、シルバーバーチは英語を完璧にマスターしているので、引用に際してはただコンマやセミコロン、ピリオドを文章の流れ具合によって付していくだけで良く、それだけで明快そのものの名文が出来上がる。これは驚くべきシルバーバーチの文章能力の為せる業である。
さらに付け加えておきたいことは、シルバーバーチはその文章をスラスラと淀みなく口に出しているということである。質疑応答となると、質問が言い終わるとすぐに答えが返ってくる。
その余りの速さに、初めて出席した人は、その会が打ち合わせなしのぶっつけ本番である事が信じられないほどである。
古くからシルバーバーチフアンは本書を大歓迎してくださるであろうし、初めての方も、本書を読まれることによってきっとシルバーバーチを敬愛する数多くの読者の仲間入りをされることであろう。